グランプリ・静岡2017秋レポート
9月30日~10月1日に558チームが参加して行なわれたグランプリ・静岡2017秋は、渡辺さんと八十岡さんの入ったチームがべスト4の成績をおさめました。
チーム戦は記憶に新しい市川さん山本さんの1-2フィニッシュのグランプリ・京都2016が、今年6月にはグランプリ・シドニー2017で渡辺さんがベスト4に進出と、Team Cygamesのメンバーは得意としているフォーマットなのかもしれません。
それでは、大会の様子を振り返っていきましょう。
●チーム結成について
左から渡辺雄也・中村肇・八十岡翔太
――今まで井川さん(Hareruya Prosの井川良彦さん)の位置に八十岡さん!どのような経緯なのですか?
渡辺「井川が今回は主催者側でトーナメントのオーガナイザーなので出れないんですよ。誰か代わりに入れなきゃな~って思ってたところ、丁度暇そうにしていた八十岡さんを(笑)」
中村「僕が八十岡さんに賄賂(※《対抗呪文/Counterspell》のマスターピース)を贈りました。」
――八十岡さんが好きなカードですもんね。
八十岡「そうそう。」
渡辺「これでヤソを釣ろうってなりました!ちなみに前回“shota yasooka fanclub”ってチーム名だったんですけど、今回はヤソが入ったので“shota yasooka on stage”ですね(笑)」
――席順はセンターに中村さんなんですね。
八十岡「リーダーは真ん中でしょ!」
渡辺「真ん中にいても動じないし、物怖じしないんで。」
中村「プラ殿2人のプロポイントが重すぎて腕が折れちゃいそうです。」
左から覚前輝也・川崎慧太・玉田遼一
――覚前さんのチームはどうやってできたんですか?
川崎「僕がまず輝也に声をかけて、輝也がフリーだったんでいいよーってなって、あと1人誰にしようってなった時に輝也から玉田さんの名前があがりました。」
玉田「その節はありがとうございます(笑)」
覚前「川崎さんから声がかかったのと、僕もともと大阪にいて玉ちゃんとも組みたいなって思ってたんで。」
――席順はどのように決めたんですか?
川崎「僕が真ん中ってのは決まってて、何故かっていうと僕が一番下手なんで。」
玉田「そこまで自分を非議しなくていいんやで!僕は対戦中に誰にも何も言わんし、聞かんから端っこってゆうのは決まっていました。非干渉や。」
覚前「川崎さんは真ん中に置きたかったですね。もしかしたらそれでも玉ちゃんが干渉するポイントがあるかもしれないじゃないですか?明らかにやばいなって場面はとめるでしょ。」
玉田「なかなかないよ、そんな場面(笑)どっちでもいいんちゃうしか基本言わないけどな。」
――リーダーが真ん中に座ることが多いですよね?
玉田「それは1人明らかに上手いやつおったらそうなりますけど、そうじゃない限り僕たちのように介護パターンもあるよっていう。僕は信じてるんで…仲間を!」
(一同笑い)
左から松本友樹・市川ユウキ・瀧村和幸
――市川さんのチームはしばらく同じメンバーですね。
瀧村「そうですね3回目です。これが実はシドニーを経由して紆余曲折あったんですよ。」
市川「簡単に言うとね、シドニーで喧嘩したんですよ。トラカス(松本友樹さん)が不甲斐なくてね、お前やってねーじゃねーか!って。でも喧嘩したけどもう一度やろうってなって。でも練習に大会出たら寝坊してきましたけど…(笑)」
松本「今日は燃えています!」
――席順は何かこだわりが?
瀧村「せばちゃんが公式放送で言ってたように、Aさん(松本友樹さん)がCに座ったらややこしいんでAさんがAであることは必然で。」
市川「あと、俺は真ん中っぽさあるんで。チームの核は瀧村くんなんですけどね。」
瀧村「僕がCの席位置から覆ってて、2人が中でやんちゃしてるって感じです(笑)」
左から山本賢太郎・北原憲章・行弘賢
――数えたら山本さんチーム5回目の同じチームでした。
山本「そうですね、結構長いなぁ。席はシドニーから僕とけんちゃんが逆になりました。」
――リーダーみたいなのは特にないですか?
行弘「宮田(北原さん)ではないと思うけど(笑)僕が結構主導的にものを言っていくんですけど、けんさんがかなりそれを汲んでいろんな角度からものを言ってくれますね。」
――気心しれたチームメンバーで楽しそうですよね、山本さん。
山本「そんなことないですよ、個人戦と変わらないです。基本的に自分のゲームに各々集中してるんで、あんまりとなりの盤面見ないし特に何も言わない。」
行弘「僕と宮田もプレイ中の相談はほとんどないです。各々プレイスキルがあるという前提で組んでるチームでもあるんでミスっても何で相談してくれなかったの?とかはないですね。」
●チーム戦の振り返り
ラウンド | 勝敗 | 対戦相手(A・B・C) |
---|---|---|
R1 | × | 高尾・関・井上 |
R2 | ○ | ホリイケ・ミヤケ・リョウ |
R3 | ○ | オオクボ・キツ・タカハシ |
R4 | ○ | オガタ・ホンダ・サトウ |
R5 | × | ヨシダ・ヒガシ・クロダ |
R6 | ○ | ナカモト・タカクラ・ミヤハラ |
R7 | ○ | タカハシ・ムラタ・ユウマ |
R8 | × | ツボウチ・ゴトウ・イタヅ |
R9 | ○ | ワタナベ・タカハシ・サトウ |
R10 | ○ | タケヤマ・ニシノ・アサミ |
R11 | × | レイリ・フジマ・コザイ |
R12 | ○ | Huang・Nam・Yam |
R13 | × | フルカワ・ヨコイ・ハマダ |
R14 | ドロップ | – |
山本「1日目はレア12枚が基本的に全部弱くて、使えそうなのが3~4枚しかない結構厳しいプール。初戦のフィーチャー、そのあと5回戦目、8回戦目と負けて3敗になりトップ4の芽がなくなっちゃったんで…初日はプールがよくなかったなぁと。」
――プールがよくなかったから構築どうこうではなかったという事ですか?
山本「構築は色分配は問題なかったんですけど、サイドのカードが…。俺が赤白恐竜を使っていて、けんちゃんが青緑タッチ白のデッキを使っていたんですけどサイドで使うべきカードを逆に入れてしまっていたりしてて結構それが致命的でしたね。それがなかったらサイド後もうまく戦えていたかなって。2日目は俺が白黒吸血鬼、北原が赤黒海賊、けんちゃんが青緑マーフォーク。レアがすごい強くて、俺の白黒がレアが4枚入ったすごい強い白黒で4-0で勝ったんですけど、行弘くんが使った青緑マーフォークがちょっと弱くてそこで勝ち星がつかず失速してしまいましたね。」
――やはり初日でトップ4無理ってなると2日目の心もちは微妙なのでしょうか?
山本「テンションは低いですね(笑)低いけどプロポイントがあるんで2日目朝の時点では、5-0してプロポイント3点と賞金を目指そうねって感じでした。」
ラウンド | 勝敗 | 対戦相手(A・B・C) |
---|---|---|
R1 | ○ | 熊谷・小澤・齋藤 |
R2 | ○ | カズキ・クワシロ・フルタニ |
R3 | ○ | タケダ・イワイデ・カスガ |
R4 | × | シマダ・ノセ・タカハシ |
R5 | ○ | タナカ・カトウ・ヒトミ |
R6 | ○ | タカハシ・クリカゲ・エサキ |
R7 | ○ | ワタナベ・サカイ・ヒョウドウ |
R8 | ○ | ヤマグチ・ヒロマサ・ヒロム |
R9 | × | カワバタ・ミタニ・タナカ |
R10 | × | フジモト・オオモリ・アサミ |
R11 | ○ | オダ・ババサキ・マサシ |
R12 | × | カズキ・ヤマダ・クボタ |
R13 | × | シミズ・ハタ・オノ |
R14 | ○ | ゴトウ・イヌヅカ・ヤマグチ |
市川「1日目はデッキ強いなと思ってたんですけど、振り返ってみると中の下だったかなという印象ですね。思い返してみると少なくとも俺たちより弱いプールの人たちとは一度もあたってない…。」
――それでも初日は7-2でしたよね?
市川「それはAさんが結構勝ってくれたからで、レアも12枚中チーム全体で4枚しか使えなかったしそんなに強くなかった。でも2日目は初日よりさらにプールが弱くて…2日間通して僕は青緑マーフォークを使ったんですけど絆魂の能力をもつクリーチャーが多い苦手な白黒吸血鬼と初日も結構当たって、2日目も5ラウンド中4回もあたってさすがについてないなと。構築に関しての反省点は特になく、プールが弱い中で最善はつくせたかなと思います。」
――種族の分担は決めてましたか?
市川「まぁざっくりとは。僕がマーフォーク、瀧村くんが黒系で吸血鬼や海賊、Aさんが恐竜みたいな感じですね。瀧村くんも2日間とも白黒吸血鬼、Aさんは1日目が赤緑恐竜で2日目が赤白恐竜でした。」
ラウンド | 勝敗 | 対戦相手(A・B・C) |
---|---|---|
R1 | ○ | タニモト・アキヅキ・ヤマネ |
R2 | ○ | クボ・ササキ・キタモト |
R3 | 引き分け | フルヤ・マツイ・フルイチ |
R4 | ○ | フジヌマ・ヒガシモリ・サエキ |
R5 | × | イマイ・ヒロキ・タカミ |
R6 | ○ | カトウ・ニシザワ・ウシタ |
R7 | ○ | タカハシ・ノベ・コヤス |
R8 | ○ | サクラバヤシ・ヨシキ・シミズ |
R9 | ○ | Sun・Guo・Zhang |
R10 | ○ | 津村・森・廣澤 |
R11 | ○ | 古谷・松井・古市 |
R12 | × | Chen・Liguo・Zhi |
R13 | ○ | コバヤシ・アキラ・トミタ |
R14 | × | 石井・菅谷・小堺 |
覚前「僕たちは前もってデッキ分布を決めてました。僕が吸血鬼、玉ちゃんがマーフォーク、川崎さんが恐竜です。玉ちゃんがマーフォーク、僕が吸血鬼の習熟度が高かったので担当になり、川崎さんはまっすぐなデッキをよく使っているので恐竜になりました。(※川崎さんは1日目赤黒タッチ白の海賊、2日目赤緑恐竜でした)1日目はプールは中の下でしたが、マッチがかみあって7勝1敗1引き分けでした。2日目は1日目より強くて3-2か4-1できそうかなってくらいのスペックだなって思ってたんですけど、3-2してしまって辛かったなって…。」
――印象深い対戦はありますか?
覚前「やっぱり15ラウンドですね。勝てばベスト4が50%くらい確定でプロツアー出場権利もあったんで…。でも今回のメンバーと一緒にできて楽しかったんで良かったです。」
――あと1勝のところで惜しくも負けてしまうのは個人とチームで感じ方は異なりますか?
覚前「昔は違ったんですけど今はそんなに変わらないですね。昔はチーム戦の方が悔しかったです。でももし3人でもっと集まって一緒に練習していたらもっと悔しかっただろうけど、今回は各々悔しさを噛みしめている感じですね。」
ラウンド | 勝敗 | 対戦相手(A・B・C) |
---|---|---|
R1 | ○ | マサユキ・ヌマタ・ミトメ |
R2 | ○ | ワタナベ・ヒエダ・オガワ |
R3 | ○ | ニワ・サトウ・ホシヤ |
R4 | ○ | サトウ・ヨシテル・マキノ |
R5 | × | サクラバヤシ・ヨシキ・シミズ |
R6 | ○ | ワタナベ・タカハシ・サトウ |
R7 | ○ | スズキ・エハラ・イシクラ |
R8 | ○ | クマサカ・イワマ・コミヤマ |
R9 | ○ | 今井・武田・高味 |
R10 | ○ | Chew・Lee・Dezani |
R11 | ○ | 八尾・黒田・表西 |
R12 | ○ | カワグチ・コンドウ・ユウイチロウ |
R13 | ○ | Chen・Liguo・Zhi |
R14 | ID(引き分け) | 阿部・早川・橘 |
準決勝 | × | 阿部・早川・橘 |
――2日間お疲れ様でした。2日間通しての振り返りとドラフトラウンド準決勝戦の敗因をお話いただけますか?
八十岡「初日はそこそこ普通のパックでしたけど、いろいろかみ合って8-1できて。」
渡辺「プールは後から思い出せばまぁ普通、中の中か、中の下くらいでした。5ラウンド目で唯一負けてしまった対戦は、僕が2事故でさくっと負けてヤソがさくっと勝ってカカオが3本目にランド3枚から以降土地を全然ひかなくて負けました。」
八十岡「2日目は1日目と比べてプールが良くて上の下くらいでした。デッキの構成は両日色は変わらないけど、ナベだけ青緑恐竜から青緑マーフォークになりました。(八十岡さんは青黒海賊、中村さんが赤白恐竜を2日間使いました)」
――このチームで構築はどのように行っているんですか?
渡辺「誰かが主導とかではなく3人で一緒に考えましたね。んで、この環境は種族があるんで、どの種族組めるかな~みたいな感じで相談しながら決めました。」
八十岡「色や種族の担当すみ分けは特になく、まずは吸血鬼を組めるかどうかをみてました。ホントそのくらいで、カカオはプレイが一直線でサイドボードも他に比べたら簡単なので赤緑か赤白系になるかなとは話していましたけど僕とナベはどちらかが青系でフレキシブルにやろうって言ってたので。」
渡辺「構築内容に関しては1日目は若干組み間違えたところがありましたけど、その経験を活かすことが出来たんで2日目は特にないですね。」
――ありがとうございます。そして準決勝では惜しくも敗れてしまいましたが、その敗因は?
渡辺「まず僕たち3人で多色のカード、1枚で勝てるようなボムレア、何のデッキでも使えるような強い装備品が環境下にあるので、それは流さないようにしようって決めていました。2枚あるときはどちらかを流さざるおえないのですが、そうじゃない時はできるだけそれらを優先してピックしようってのをチーム内で共有してたんですけど…。」
八十岡「装備品はほぼ流れてこなかったんですけど、それを流した人がいて…。」
中村「強そうなアンコモンに目がくらんでしまって…。」
八十岡「あたりが対面なんで、自分のピックが対戦相手に関与することができないんでチームメンバーを信用するしかないんですけど、カカオが下家に流した《海賊のカットラス/Pirate’s Cutlass》でナベが負けるってゆう。」
渡辺「《海賊のカットラス/Pirate’s Cutlass》はコモンの中でも断トツに強いです。ヤソが2-0で勝ち、カカオが1-2で負けで、3ゲーム目の僕のマッチによって決まる場面で対戦相手の《海賊のカットラス》がキーとなって負けました。6人ドラフトはお互いにカットもしているんで基本的にサイドが取れないんで、種族をほとんど変えることが出来ないんです。チームシールドだとサイドボード30枚くらいとか持てるんですけど、普通のドラフトだとまず自分が42枚しか持てないですしその内23枚はデッキで使うんで、残りの20枚くらいの中でいかに相手の邪魔をするかみたいなゲームになります。今回僕は結構邪魔になるようなピックをしていたんで、その分だけ自分のサイドボードが取れなかったですね。」
――なるほど。世界選手権で何か活かせそうなところはありましたか?
八十岡「今日、昨日でチームシールド2回やったんで組み方と種族の強弱とかは大体わかりましたね。チームメンバーにも情報共有して、世界選手権に臨みます。」
渡辺さんの単独グランプリ優勝記録や覚前さんのプロツアー参加権利など、Team Cygamesメンバーそれぞれかかっているものは違えど全力で戦いぬいた2日間だったのではないでしょうか。
静岡から帰宅して、2日後に八十岡さんと渡辺さんが、3日後に市川さん・覚前さん・山本さんが、そして3日後スタッフも世界選手権2017の舞台ボストンへと旅立ちます。個人戦の2人はもちろんのこと、チーム戦に出場する3人のことも記事でおっていきたいと思いますので現地からお届けするレポートを期待して下さいね!
●おまけ
2日間で撮った写真たち。
初日の2ランド目あたり。とても多くの参加チームがいました。
玉田さんのお馴染カエルTシャツ似合ってました。縁起物!
1番卓てやっぱりかっこいいです、勝ち残ってる強者感がすごい。
トップ4チーム発表の時の一場面。1位通過の3人が2位通過のChew/Lee/Dezaniチームをむかえます。
トップ4チームプレイヤープロフィールを書いている八十岡さんを待つ2人。
瀬畑カメラマンによる1枚(笑)動画もあったのですが容量重くのせられませんでした…!