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【WORLD】チーム〈MUSASHI〉、世界を制す!(前編)【Day3】

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皆さんすでにご存じのとおり、我らがチーム〈MUSASHI〉は本日午前のチーム戦決勝にてチームGENESISを倒し、栄えある優勝を勝ち取りました!
とてもかっこいいトロフィー6つと、チーム合計36,000ドルの賞金をゲットし、名実ともに世界一のチームとなりました。
日本で生放送をご覧になっていた皆さんも、〈MUSASHI〉への熱い応援どうもありがとうございました!

Staff

◆今回のチームシールドのルール◆

チーム6人が3人ずつのグループに分かれ、『イクサラン』12パックを使用して3人分のデッキを作ります。これを2グループぶん行ないます。ただし、今回はデッキ構築の時間が2時間あり、6人一緒に相談することができます。
また、チーム戦グランプリの決勝ラウンドでは順位が上のチームが先攻後攻を選ぶことができますが、今回は普通にランダムで決めます。
グループごとに対戦を行ない、どちらかのチームが2勝すれば優勝。1-1になった場合は、勝ったほうのグループどうしが決勝を行ない、優勝を決めます。

 

 

●木曜日のデッキ構築

すでにデッキ構築は木曜日にすませています。
木曜日の構築後に、皆さんにデッキについて聞いたときはこんな感じのコメントでした。

――Aグループ(渡辺・覚前・八十岡)のカードプールは、点数をつけるなら?
八十岡「30点くらい。」
渡辺「下の中ですかね、グランプリで5-4初日落ちくらい。もし1日中GENESISクラスのプレイヤーと当たるなら3-6程度。」

――どういうふうに弱いんですか?
渡辺「レアはちょいちょいあるんですけど、コモンのカードが軒並み弱くて、デッキの下地を作るためのカードがまったく足りてないので、レアがないよりきついかもしれません。」

――3つのデッキのバランスは?
渡辺「1つだけ強めのデッキをてるや(覚前さん)が使って、脇の僕らのデッキはかなり厳しめです。腕でどうにかできるような範囲は超えてるので、なんとか上振れしてほしい。」

――Bグループ(行弘・市川・山本)はどうですか?
行弘「最初にみんなでレアを抜き出してるとき、全員ひとこともしゃべらなかったからね(笑)。ちょっと使えるレアが数枚あるレベルで、何にもない。ただコモンとアンコはけっこうしっかりしてたから、Aグループのプールと比べたら総合的に見て強いかな。」
市川「60点くらいはあるかな。」
行弘「6-3でギリ初日抜けられるくらい。」

――3つのデッキのバランスは?
行弘「やまけん(山本さん)のデッキが一番強くて、俺とせばちゃん(市川さん)のどっちかが上振れ期待ですね。僕のデッキは脳筋です。あらゆる筋肉を雇いました。」
市川「僕のはちょっと搦め手な感じです。」

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↑木曜日のデッキ構築時の様子。
※画像は【Magic: The Gathering】より引用させていただきました。

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↑チーム戦決勝当日の朝、プレイヤーは8時集合でした。美しい朝焼けが出ています。

完成したデッキリストはこちらです。

 

 

●デッキ構築について

具体的にはどのような流れで6つのデッキが組まれたのか、本人たちに聞きました。

グループA

渡辺「まずは吸血鬼とマーフォークが組めるかどうかチェックしたら、吸血鬼は無理でした。マーフォークは、組めなくはないけど強くないからできれば組まない寄りでした。それをとりあえず置いといて、次にパーツがそろってそうだったんで赤白恐竜を組んだらけっこう強くて、ここはよほどがない限りこれで固定しようってことになりました。
で、残り2つを組むことにしたんですけど、どんな組み合わせも微妙でかなり難航して。正直、どうしようもなくてかなり頭を抱えました。赤包囲(《ヴァンスの爆破砲/Vance’s Blasting Cannons(XLN)》)が2枚と《選択/Opt(XLN)》が4枚あったんで、赤包囲を変身させる専用デッキを組もうかって話も出たんですけど、赤い除去も足りないしどうにも形にならなくて……。
行弘たちのチームと、ある程度組み終わったら一度交代して、お互いのプールを見て相談しようと決めてたので、『僕らとしては赤白恐竜のほか、青緑と黒海賊で組もうと思うけどどうかな』って投げて、交代しました。ここまでで40分くらいですかね。
で、みんなからいろいろアイディアをもらった結果、最終的にはその組もうとしてた組み合わせになったんですけど、黒海賊は6人全員で考えて4色の形にしました。3人だけだったら3色で組んでたと思うので、ここは6人で相談できてよかった部分です。
デッキの分担については、最初からてるやは攻めるデッキがいいってなってて、一番デッキパワーが高い赤白が攻めるデッキだったんで渡して、グランプリ静岡ではヤソにずっと海賊を渡してたんで今回も渡しました。」

グループB

行弘「まずレアが壊滅的に弱くて、使えるレアが3枚くらいしかなかったから、長期戦のデッキは基本的に組めないなと思いました。」
山本「《海賊のカットラス/Pirate’s Cutlass(XLN)》が4枚出たから、じゃあ海賊行けるやろって。」
行弘「《海賊のカットラス/Pirate’s Cutlass(XLN)》4枚はレアの弱さを補完してくれました。2つのデッキに2枚ずつ割ってカットラスビートダウンにしようってことになって、白黒吸血鬼と海賊が1つできました。海賊デッキが《海賊のカットラス》を使うのは当然ですけど、白黒もトークンとかが相手にとって無視できなくなるのでけっこう強いんです。もし僕らのプールに《海賊のカットラス》が1枚もなかったら負けてましたね。」
市川「絶対終わってた。」
山本「2枚だったとしてもきつかったね。」
行弘「で、残った色は赤と緑しかないんで、自動的に赤緑恐竜ができました。プール交換して見てもらっても、大きくは変わらなくて構築はまあまあスムーズでした。」
市川「選択肢がなくて早かったよね。」
行弘「分担は、最初から本人が海賊がいいって言ってたからせばちゃんが海賊で。」
渡辺「見た目が海賊っぽいからね。」
行弘「かなり下級船員感あるけど(笑)。《荒くれ船員/Rowdy Crew(XLN)》かな?」
八十岡「神話レアじゃん!」
行弘「けんさん(山本さん)にはロングゲームするデッキを使ってもらおうと白黒を渡して、僕はノンポリなんで一番弱いデッキを使うことにしてて、残った赤緑を使いました。」
山本「俺もノンポリなんですけど、けんちゃん(行弘さん)はサイドボードを多用するデッキを使うことが多いから、白黒吸血鬼はあんまりサイドしないというのもあって。」
行弘「けんさんはリソース管理がうまいんで、長期戦に向いてると思うよ。」
八十岡「やまけんだけ見ててプレイミスなかったもん。安心感あった。」
山本「選択肢がなかっただけだよ。」
八十岡「いやいや、いろいろ細かいとこあるから。」

――グランプリでは1日戦わなければなりませんが、今回は1試合(ないし2試合)だけ勝てばいいという違いがあります。何か意識して構築を変えた点はありますか?
渡辺「僕のデッキは、1本勝負じゃないと組まない安定性のないデッキです。4マナ2/2の呪禁マーフォーク(《翡翠の守護者/Jade Guardian(XLN)》)と+2/+2飛行エンチャント(《風と共に/One With the Wind(XLN)》)が2枚ずつ入ってたんですけど、それ以外は本当に見るところがないデッキなんで。これを組まないとヤソのデッキが組めないのもあってこうなりましたけど、グランプリだったら組みたくないです。」
八十岡「もしグランプリでこのプール渡されてたら、絶望して帰宅してた可能性ある。」
行弘「俺ら、こないだのグランプリ・静岡で優勝した人の、『1戦だけ回ればいいんだよ』ってセリフをずっと使ってましたよ。」

 

 

 

●MUSASHI-A【渡辺・覚前・八十岡】対 GENESIS-B【Hendriks・Manfield・Blohon】ダイジェスト

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試合結果(0-2で負け)
プレイヤー デッキ 相手プレイヤー デッキ 勝敗
渡辺 青緑マーフォーク /Thomas Hendriks 白赤恐竜 ××
覚前 白赤恐竜 /Seth Manfield 青緑マーフォーク ○××
八十岡 4色海賊 /Lukas Blohon 青黒海賊 ○×

カバレージはこちらです。

生放送に映らなかった部分も含めて、どんな試合だったのかプレイヤーそれぞれに説明していただきました。

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渡辺 VS Hendriks

渡辺「1本目と3本目が事故でした。1本目はマリガンでもよかった。《島》3枚、3マナ2/2(《ティシャーナの道探し/Tishana’s Wayfinder(XLN)》)、4マナ2/2(《翡翠の守護者/Jade Guardian(XLN)》)、5マナ3/3(《風を跨ぐ者/Wind Strider(XLN)》)、6マナバウンス(《川の叱責/River’s Rebuke(XLN)》)ってあったから、ギリギリありかなと思ってキープ。そしたら《森》を引いたのが4ターン目で間に合わず。6マナの段階で緑緑がなかったせいで6マナ6/6(《巨大な戦慄大口/Colossal Dreadmaw(XLN)》)を出せなかった。出せてたら間に合って勝ってそうだったので。
2本目は回って、《イクサーリの守り手/Ixalli’s Keeper(XLN)》+《風と共に/One With the Wind(XLN)》に《潜水/Dive Down(XLN)》使って勝ち。
3本目は《島》1枚と《選択/Opt(XLN)》の手札をキープしたんですけど、2ターン目に緑マナが必要だったから見えた《島》を下に送って、緑マナを引かずに負けました。」

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覚前 VS Manfield

覚前「僕は1本目ぶん回って勝って、2本目は相手がぶん回って負けて、3本目、マリガンして6枚のいい手札だったんです。」
市川「土地3枚と2/2威迫(《空の恐怖/Sky Terror(XLN)》)、3マナの恐竜ラッパ(《恐竜暴走/Dinosaur Stampede(XLN)》)、4マナ5/5(《結束した角冠/Bonded Horncrest(XLN)》)だった。」
覚前「で、占術で見た《平地》を上に置くか下に置くかってときに、僕の中では下寄りで、下に置きたいから『下でいいよね?』っていう感じでナベに聞いたら、『まぁいいんじゃない』みたいな感じで。」
渡辺「まあ自分のゲームもあったし、そのときは『てるやがそうしたいならいいよ』って。」
覚前「それで下に置いたら、土地引かなくて負けました。」
行弘「4マナまで手札があるときに4枚目の土地を上に置くか下に置くかって判断で下に置いた結果、その後重いカードばかり引いて止まっちゃって負けたってことです。」
覚前「相手がマーフォークだってことと、自分のデッキがある程度重いのを考慮した上でナベに聞いてたら上でOKって言ってくれてたと思うんで、僕の判断がちょっと悪かったかなと思ってます。」
渡辺「俺もそこで『上にしたほうがいいよ』って言えなかったのが悪かった。」
市川「マーフォークってクリーチャーにさわれないから、2/2威迫(《空の恐怖/Sky Terror(XLN)》)と4マナ5/5(《結束した角冠/Bonded Horncrest(XLN)》)が一緒に殴れるターンがすごい増えると思うんですよ。なんなら初手にあった3枚だけで勝つ可能性すらある。」
行弘「だから4マナ目を確定しといたほうがよかったね、っていうのがあとでみんなで話し合った意見です。」
八十岡「マリガンするかどうかは俺に聞いてくれたんだから、そこも俺に聞いてよ!」
覚前「次はそうする。」

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↑八十岡さんに相談する覚前さん。

 

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八十岡 VS Blohon

八十岡「お互い弱いデッキ同士で、1本目はマナフラッドでちょっときついかなと思ってたら、4マナ4/3の相手のクリーチャー奪うレア(《蠱惑的な船員/Captivating Crew(XLN)》)をちょうど8マナ(能力起動2回分)あるときに引いてきて、相手が除去持ってなくて、次のターン2個パクって終わり。
2本目は配信で映ってたとおり、シーソーゲームでいい勝負してたんですけど、7枚ドロー(《溢れ出る洞察/Overflowing Insight(XLN)》)されてゲームオーバー。」
市川「あれずっと持ってたけど、うつターンがなかったんだよね。」
八十岡「あそこは4/3(《蠱惑的な船員/Captivating Crew(XLN)》)で殴んなければもう1ターンあったけど、5マナテラー(《依頼殺人/Contract Killing(XLN)》)が見えてたから、あそこで待ったら4/3(《蠱惑的な船員/Captivating Crew(XLN)》)を除去されて4/4飛行(《不死の古き者/Deathless Ancient(XLN)》)が一生止まらない。だから4/3を向こうの4/4と相打ちにして、次のターンに向こうはあんまりやることないだろうと思ってたら7枚ドローされて最悪!って。」
行弘「俺らは手札の7枚ドローが見えてたから、トークン3体(《饗宴への召集/Call to the Feast(XLN)》)出したほうがよかったんじゃって思ったけど、見えてなかったら確かに相打ちとってもうちょっとロングゲームするかってなるよね。」
市川「赤包囲(《ヴァンスの爆破砲/Vance’s Blasting Cannons(XLN)》)持ってるヤソの側のほうが、普通に考えてリソース強いわけだし。」
八十岡「あとは、どっかで土地をあと1枚引けてれば違ったんだけど。」
市川「赤包囲1発目に《山》がめくれたのが痛かったね。あれを拾えていれば、2回アクト(《蠱惑的な船員/Captivating Crew(XLN)》の能力)を起動できるターンができた。」
八十岡「最後もアクトしつつトークン3体出したりとかできたし。つまり、やはりあの《ヴァンスの爆破砲/Vance’s Blasting Cannons(XLN)》は赤包囲(《前哨地の包囲/Outpost Siege(FRF)》)ではなかった!」

ヴァンスの爆破砲前哨地の包囲

行弘「ブラネル(Brad Nelson)が、全試合1-1になったあとトイレ行って戻ってきたらもう終わってたってびっくりしてた。」
渡辺「てるやも俺も、最後に事故って終わったからね。」
――八十岡さんがサイドボードしながら「さあやるぞ」ってなってるときに渡辺さんが一瞬で畳んで、「えっ終わり!?」って顔してましたね。
市川「してたしてた(笑)。」
八十岡「するでしょ! サイド12枚くらい入れ替えて、『今からいいとこ見せるはずだったのにー!!』って(笑)。」
行弘「アグレッシブサイド後、先手番の赤黒ビートでね。」
八十岡「向こうが、2マナ2/3(《自暴自棄の漂流者/Desperate Castaways(XLN)》)とか全部抜いて重いところを入れてコントロール寄りにサイドしてたから、『これは勝った!』と。2本目にそうしてもよかったんですけど、2本目はワンチャン勝てればよくて、向こうのカードがすごい後ろ向きだなってのを確認して、3本目に変えたほうが効率的だから。」
渡辺「終わったあとでルーカスに『こういうプランのアグレッシブサイドだったんだよ』って見せたら、『それには勝てないね』って言ってたんで、俺か覚前のどっちかが勝ってヤソまでつなげられてたら勝てたかなと。」
行弘「でもその場合、俺らのほうが気が抜けて負けてた可能性あるよ(笑)。」

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↑試合の間、もう片方のグループはステージの近くで生放送を見ながら待っています。

「後編」に続く!

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