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【PTXLN】市川・覚前・渡辺のドラフト【Day1】

市川覚前渡辺_350

引き続き、残り3名のドラフトについてお届けします。

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市川さんと行弘さん、そして松本友樹さんのいる卓がフィーチャーのドラフトに呼ばれました。ほかの面子もすごい濃さです。

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行弘さんは初戦でブラッド・ネルソンさんに勝利し、世界選手権チーム戦でのリベンジを果たしました。

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フィーチャー席でのドラフトでは、対戦前にカードプールが公開されます。最近はだいたいそうなっているそうなのですが、行弘さんはドラフト前に特にそういうアナウンスを聞いていなかったため、「プール公開だってわかってたらもっと違うドラフトしたのに」とのことでした。
 

 

 
●市川ユウキのドラフト

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ジェレミー・デザーニさんとの対戦

市川さんはフィーチャードラフト卓で両隣のブラッド・ネルソンさん、ジェレミー・デザーニさんと協調して赤緑の恐竜デッキを組み、2-1でした。

ピックの流れ

市川「フィーチャーされたからピックは公式に載るんで、詳しくはそっち見てください。ぶっちゃけあんまり覚えてないんで……。
一応、1-1が5/5ヘイスト(《突進するモンストロサウルス/Charging Monstrosaur(XLN)》)で、1-2がまあ色も近いしバリューもあるんで《凶兆艦隊の船長/Dire Fleet Captain(XLN)》(赤黒の2マナ2/2海賊)。1-3は《火炎砲発射/Firecannon Blast(XLN)》で、赤だけはやりそうだなと。
1-4で《怒り狂う長剣歯/Raging Swordtooth(XLN)》(赤緑の5マナ5/5)、1-5で《決別の砲撃/Unfriendly Fire(XLN)》(5マナ4点火力)取って赤緑と赤黒の天秤。で、1パック目の中盤から緑のカードたちが流れてきたんで、赤緑になりそうだなと。緑はけっこう好きなんで、参入できるタイミングがあればやりたいと思ってました。それなら《継ぎ当ての翼/Cobbled Wings(XLN)》も取っといて……という感じで1パック目終了。

2パック目はかなりからくて、2-1は《火炎砲発射/Firecannon Blast(XLN)》。2-2でブラネル(Brad Nelson)から《暴れ回るフェロキドン/Rampaging Ferocidon(XLN)》が流れてきたのがかなりよかった。そっからはカードがあまり取れなくて、2-3から2-6までは赤と緑のカードがほぼなくて、3マナ2/2のマナクリ(《開花のドライアド/Blossom Dryad(XLN)》)とか、ほぼ入らないカードをピックしてるターンがけっこうありました。
それから《太陽冠のハンター/Sun-Crowned Hunters(XLN)》が2-8と2-9あたりで取れて、足りてないマナ域だったのでよかった。ただこの時点で2マナ域が1枚しか取れてなかったんでけっこうやばい、最低でも3枚は取らなきゃいけないなと。

で、3-1は《アゾカンの射手/Atzocan Archer(XLN)》、3-3で《レギサウルスの頭目/Regisaur Alpha(XLN)》がデザーニから流れてきてかなりうれしかった。このあと2マナがけっこう取れて、足りてないカードをちょうど3パック目で補充できてデッキとしてまとまりました。両隣が白黒でうまく協調できて、レアも流れてきたんですごい助かりましたね。
ちなみにフィーチャーされたからと言って、ピックはまったくいつもと変わらないです。」

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市川さんのデッキ(森7、山9)

対戦結果

市川「1ラウンド目の相手はアントン・ヨンソン(スウェーデンの殿堂プレイヤー)だったんですけど、全然オーラを感じなくてユニフォームも着てなかったから、一般人かと思ってた。対戦前に『プロツアーの権利はどこで取ったの?』とか聞かなくてよかった(笑)。先人は敬わないと。赤白恐竜で、2マナ3/1(《猛竜の相棒/Raptor Companion(XLN)》)とかのタフネス1がけっこう入ってるデッキで、けっこう相性がいいんですよね。ロングゲームになって恐竜ロード(《轟く棘背びれ/Thundering Spineback(XLN)》)が残って勝ちでした。
2ラウンド目はデザーニで、1本目は相手が土地4枚でちょっと止まって、遅れて《マガーンの鏖殺者、ヴォーナ/Vona, Butcher of Magan(XLN)》を出されたけど除去したらそのあと相手のドローが土地土地って感じで勝ちました。けっこうタイトで、ここで除去引かれたら負けだなってタイミングはあったんですけど引かれなくて。2本目もフラッドしてて、相手がついてなかったですね。
3ラウンド目は相手がAさん(松本友樹)で、デッキ強かったですね。1本目、2マナ1/2探検(《探求者の従者/Seekers’ Squire(XLN)》)に殴られて、そのあと3マナ2/2のハンデス君(《巧射艦隊の拷問者/Deadeye Tormentor(XLN)》)を出されて、こっちの手札に6マナ5/4(《太陽冠のハンター/Sun-Crowned Hunters(XLN)》)があって6マナまでは確定してたけど、そこで土地を1枚捨てたらその後2枚目の6マナ5/4を引いちゃって、6枚目の土地が2ターンくらい止まったんですよね。そのタイムラグで負けました。そのハンデスが、重いデッキなんでかなり響きました。もし先手だったら最初の1/2はチャンプアタックしないといけなくて強襲されなかったから、一手違いだったなと。」

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アントン・ヨンソンさんとの対戦。対戦前に相手のカードプールを確認できましたが、カード名がすべて英語なためよくわからず、全除去《残骸の漂着/Settle the Wreckage(XLN)》を撃たれて「見てるけど見てなかった!!!!!」と心の中で叫び、対戦後に「俺がバカなんじゃなくて、カード名が読めなかったんだ」と弁解したそうです。
 

 

 
●覚前輝也のドラフト

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覚前さんは1ラウンド目に開口一番「デッキやばすぎ!」というコメントでしたが、卓全体のパックが弱かったようで、弱いデッキ同士の対決を制し2-1となりました。なお瀧村和幸さんや藤田剛史さんが同卓です。

ピックの流れ

覚前「白か黒か赤をやるつもりだったのに、1-1は何もカードがなくて、アンコモンもレアも全部ゴミで、消去法で《風雲艦隊のスパイ/Storm Fleet Spy(XLN)》(3マナ2/2で強襲ドロー)しかない。青はまったくやる気なかったけど、もし海賊に行くなら最大値が高いかなと思ってこれに。1-2はもともと白黒が一番やりたかったし、《薄暮まといの空渡り/Duskborne Skymarcher(XLN)》(吸血鬼を+1/+1する1マナ1/1飛行)。1-3は白黒でも海賊でも使えるので《卑怯な行為/Skulduggery(XLN)》。1-4は《ティロナーリの騎士/Tilonalli’s Knight(XLN)》しかなくて、1-5が《小綺麗なスクーナー船/Sleek Schooner(XLN)》。カラフルなゴミって感じでやばくないですか?
そのあとは白がけっこう回ってきたから白は確定して、流れで赤もまあまあ空いてるなって感じたので白赤にしようかなと思って、2-1で取ったのが《吸血鬼の士気/Vampire’s Zeal(XLN)》(+2/+2インスタント)です。ピックやばすぎ!
最終的にけっこうしかたなかったです。流れてくるカードが全部弱くて、パックの出が悪かったと思います。結局、どのパックも最初にいいカードが取れなかったのが痛くて、クリーチャーの枚数が足りないデッキになりました。」

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覚前さんのデッキ(平地9、山8)

対戦結果

覚前「1ラウンド目の相手は青黒海賊で、デッキが弱かったです。デッキ弱い勝負をした結果、盤面がトントンになって、僕のドローが3枚土地で、相手のドローが3枚スペル、みたいな差で負けました。
2ラウンド目は相手が吸血鬼で、対戦相手が事故りぎみのところに、3マナ2体トークン(《女王の任命/Queen’s Commission(XLN)》)に僕の《両手撃ち/Dual Shot(XLN)》が刺さるみたいな展開で勝ちました。1-2くらいのデッキだから、1勝できた段階で役目は果たしたかなと。
3ラウンド目も青黒海賊で、勝ちました。20枚くらい見たけど強いカードも《海賊のカットラス/Pirate’s Cutlass(XLN)》も出てこなくてやっぱりデッキが弱かったんで、卓全体みんな弱かったと思います。」
 

 

 
渡辺雄也のドラフト

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渡辺さんは卓で1人だけの青緑マーフォークデッキを組みましたが、パーツがやや不足ぎみで1-2となりました。

ピックの流れ

1パック目
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1-1 《大気の精霊/Air Elemental(XLN)》
1-2 《風と共に/One With the Wind(XLN)》
1-3 《不死の古き者/Deathless Ancient(XLN)》
1-4 《見習い形成師/Shaper Apprentice(XLN)》
1-5 《水罠織り/Watertrap Weaver(XLN)》
1-6 《座礁/Run Aground(XLN)》
1-7 《イクサーリの守り手/Ixalli’s Keeper(XLN)》
1-8 《座礁/Run Aground(XLN)》
1-9 《棘尾ケラトプス/Spike-Tailed Ceratops(XLN)》
1-10 《海賊の獲物/Pirate’s Prize(XLN)》
1-11 《女王の工作員/Queen’s Agent(XLN)》
1-12 《深根の水域/Deeproot Waters(XLN)》
1-13 《強迫/Duress(XLN)》
1-14 《宿営地の守り手/Encampment Keeper(XLN)》

渡辺「1-1は《大気の精霊/Air Elemental(XLN)》と5マナダーバニ(《依頼殺人/Contract Killing(XLN)》)の二択で、とりあえず青やろうかという感じで。1-2では《風と共に/One With the Wind(XLN)》と青赤の4マナ4/3(《無法の物あさり/Marauding Looter(XLN)》)があって、かなり悩んでこの段階で2色決めたくなくて前者にしたんですけど、ここがターニングポイントでした。
1-3では青いカードがなくて、2色目どうするか考えて飛行ビートのイメージでこれに。1-4はこの2マナ2/1(《見習い形成師/Shaper Apprentice(XLN)》)と3マナ2/2強襲(《風雲艦隊のスパイ/Storm Fleet Spy(XLN)》)と、緑の3マナ2/2の探検(《ティシャーナの道探し/Tishana’s Wayfinder(XLN)》)がいて、この段階で上のほうにマーフォークいないなと思って、マーフォークを意識して取りました。1-5でこれが来て、マーフォークが空いてるなと。
1-6が難しくて、この《座礁/Run Aground(XLN)》と《難破船あさり/Shipwreck Looter(XLN)》の2枚があったんですよ。相手にさわれるカードと低マナ域のどっちから取るか悩んで前者にしたんですけど、ここは低マナ域をちゃんとしといたほうがよかった。明確なミスです。
1パック目ではほぼ青しか決めてなくて、2色目を黒か緑というイメージでやってました。」

2パック目
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2-1 《水罠織り/Watertrap Weaver(XLN)》
2-2 《勇敢な妨害工作員/Daring Saboteur(XLN)》
2-3 《流血の空渡り/Skymarch Bloodletter(XLN)》
2-4 《巨大な戦慄大口/Colossal Dreadmaw(XLN)》
2-5 《難破船あさり/Shipwreck Looter(XLN)》
2-6 《繁雑な火炎砲/Elaborate Firecannon(XLN)》
2-7 《自然形成師/Shapers of Nature(XLN)》
2-8 《野茂み歩き/Wildgrowth Walker(XLN)》
2-9 《嵐を変容する者/Storm Sculptor(XLN)》
2-10 《海賊の獲物/Pirate’s Prize(XLN)》
2-11 《クメーナの語り部/Kumena’s Speaker(XLN)》
2-12 《両手撃ち/Dual Shot(XLN)》
2-13 《セイレーンの策略/Siren’s Ruse(XLN)》
2-14 《セイレーンの策略/Siren’s Ruse(XLN)》

渡辺「2-1は青いカードがこれしかなかった。2-2はこの《勇敢な妨害工作員/Daring Saboteur(XLN)》と《海賊のカットラス/Pirate’s Cutlass(XLN)》があってすごい悩んだんですけど、マーフォークやるうえで2マナクリーチャーのほうが欲しいかなと。1-6で相手にさわるカードを優先したせいで2マナが足りなかったので、やっぱりあそこはミスだったなと。《座礁/Run Aground(XLN)》も別に弱くはないですけど、《海賊のカットラス/Pirate’s Cutlass(XLN)》のほうがカードは強いので。
2-3、2-4で黒と緑を取って天秤で、2-5は低マナ域を埋めて、2-6は何もなかったからマナフラッドを受けられる《繁雑な火炎砲/Elaborate Firecannon(XLN)》。
2-7でいいカード(《自然形成師/Shapers of Nature(XLN)》)が来て、これは卓に青緑マーフォークがいないから青緑でいこうと。ただマーフォークに必要なカード、マーフォークジャイグロ(《川守りの恩恵/River Heralds’ Boon(XLN)》)とかが足りてなくて、ここから先は見たら取ろうという意識でした。あとラストの2枚で《セイレーンの策略/Siren’s Ruse(XLN)》(ブリンクするインスタント)が取れたのはよかったですね。」

3パック目
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3-1 《風雲艦隊のスパイ/Storm Fleet Spy(XLN)》
3-2 《見習い形成師/Shaper Apprentice(XLN)》
3-3 《アダントの先兵/Adanto Vanguard(XLN)》
3-4 《見習い形成師/Shaper Apprentice(XLN)》
3-5 《風を跨ぐ者/Wind Strider(XLN)》
3-6 《襲撃/Pounce(XLN)》
3-7 《源流の歩哨/Headwater Sentries(XLN)》
3-8 《クメーナの語り部/Kumena’s Speaker(XLN)》
3-9 《潜水/Dive Down(XLN)》
3-10 《イクサーリの守り手/Ixalli’s Keeper(XLN)》
3-11 《翡翠の守護者/Jade Guardian(XLN)》
3-12 《秘儀司祭の杯/Hierophant’s Chalice(XLN)》
3-13 《もぎ取り刃/Prying Blade(XLN)》
3-14 《呪文貫き/Spell Pierce(XLN)》

渡辺「3-1はこれと、4マナ4/3の戦闘ダメージ与えたら探検するレア(《皇帝の先兵/Emperor’s Vanguard(XLN)》)があって、《セイレーンの策略/Siren’s Ruse(XLN)》も2枚あるし、おおむね使うなら《風雲艦隊のスパイ/Storm Fleet Spy(XLN)》のほうだろうと。
3-2は足りないマナ域を補強。3-3は取るものがなくて、下家が吸血鬼の反転取ってたからこれはあげられないなということでカットしました。あとは自分のデッキに合うカードを取り続けたんですけど、マーフォークジャイグロ(《川守りの恩恵/River Heralds’ Boon(XLN)》)も+3/+3(《塁壁壊し/Crash the Ramparts(XLN)》)も1枚も見かけなくて、かなりやばいデッキになってしまったなと。
もし1-2で青赤マルチ(《無法の物あさり/Marauding Looter(XLN)》)を取ってた場合、1パック目は赤の流れが悪かったからそんなに変わらないですけど、2-8にもいた青赤マルチを取れたし、3パック目は赤がフィーバーしてて、中盤で3マナ強襲6点(《火炎砲発射/Firecannon Blast(XLN)》)があったりしたんで、かなりいい青赤デッキになってたなと思います。ただ、1-2で青赤マルチを取るかというと、受けの広い選択をしたいので。《風と共に/One With the Wind(XLN)》もあったし……。なかったら取ってました。マーフォークもジャイグロとかちゃんと出てたらフィーバーしてた可能性はあるし、結果論ですけどね。」

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渡辺さんのデッキ

対戦結果

渡辺「組んだときは1-2か上振れ2-1、当たり方次第でし0-3もあるなと思ってたんですけど、なんとか1-2でした。相手が重い恐竜系だったらずらせるカードが多いから相性がよくて、最後に当たった重い恐竜には勝ちました。でもあとは相手にさわれるカードがないので《暴れ回るフェロキドン/Rampaging Ferocidon(XLN)》出されたり、《海賊のカットラス/Pirate’s Cutlass(XLN)》3枚出されて負けたり。相手も普通に強かったですね。1ラウンド目がベン・ルービン、2ラウンド目はMOで有名なSandydogに負け。3戦目は過去にルーキー・オブ・ザ・イヤーを取ったことのあるプレイヤーでした。」
 

 

 
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市川さんのデッキケース。「B-B」というのは「BチームのB席」という意味で、先日の世界選手権で使ったものをゲンを担いで持参。

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松本友樹さんは2ラウンド目で行弘さんに勝ち、3ラウンド目で市川さんに勝って3-0しため「武蔵キラー」と呼ばれていました。

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