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【PTGRN】思い出の地、アトランタ【Day0】

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11月9日(金)~11日(日)、アメリカのアトランタでプロツアー『ラヴニカのギルド』が開催されます。

アトランタには、2016年の2月にプロツアー『ゲートウォッチの誓い』で来ましたが、今回も同じ会場での開催となります。
このときのプロツアーはTeam Cygamesに渡辺さんが加入してから初めての回で、渡辺さんがドラフトのピックを全出番・全枚数覚えていることにびっくりしたり(今は慣れましたが、改めて考えるとやっぱりすごい!)、山本さんと一緒に水族館やコカコーラ博物館へ観光に行ったりした思い出の地です(山本さんは言われるまで水族館のことは忘れていたそうですが……)。

木曜日の今日、チームの皆さんは5人とも一緒に15時半着の飛行機で到着したのですが、入国審査がいまだかつてないほどの長い行列で飛行機を降りてから通過するまで約2時間半もかかってしまい、前日の会場受付に間に合いませんでした(明日の朝少し早めに来れば受付できます)。

晩ご飯のためにホテル周辺を歩きながら、皆さんはそういえば前もこの交差点渡ったなとか、この店に入ったなとか、徐々に思い出してきたようです。市川さんは「そういえばアトランタは成績がまあまあよくて、地の利があるんだった」というのも思い出していました。

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街角の風景。今週末はアメリカ全土が寒波に襲われているらしく、雨も降っていてかなり寒いです。

 

 

 

●データ重視の調整

――今回のスタンダードのデッキ選択に至るまではどんな調整を?
市川「今回は調整のやり方をかなり変えたんです。人を増やして、みんなでMOベースでのデータをかなり集めて、それをネット上にスプレッドシートで共有して、いろいろな数字を出して視認性を上げて、情報の価値を高めるようにしました。その結果、勝率が高いデッキを選んだ人たちが多かったんで、実際データ通りに動くのかどうか、本番が楽しみです。

行弘「シートは、ほぼほぼ原根君が作ってくれたんですよ。」
市川「でも、アイディアは俺やから(ドヤ顔)。作ったのは原根君だけど。あいつは手足やから(笑)。」
八十岡「手足のほうが人体に占める分量は大きいからな(笑)。」
市川「まあ、僕が出したアイディアを原根君に形にしてもらったんですけど、その後もすごいアップグレードしてくれて。」
渡辺「このシート、個人で欲しいもん。」
市川「グランプリのときとか、1人で調整するのに使いたいよね。」

――そんなにいい出来なんですね。
市川「あんまり詳しく言いたくないレベル。」

――ああ、そのシート自体が財産みたいなものなんですね。
市川「そうです。」
渡辺「原根君に感謝です。」

実際にそのシートをちょっとだけ見せてもらったところ、詳しくは秘密ですが、自動的にさまざまなデータが計算され、結果が一目瞭然でわかるようになっており、とても見やすい作りになっていました。

――集まってディスカッションとかもしましたか?
市川「それももちろんやりました。でも、その回数を減らしてMOにあてる時間をより増やした感じですね。」
八十岡「そもそも平日はいつも集まれないんで。土日は集まってやってました。」
市川「今までは『このデッキによく当たる』とか『このマッチアップは有利な気がする』とか『このデッキは感触がいい』みたいな、体感……印象値でしかなかったものをちゃんと数字で見えるようにしたから、そういうデータがあるとリアルで集まったときにもやりやすい。『このマッチアップが不利だから重点的に試してみよう』とか。」

――調整期間は?
市川「1か月です。」

――データは全部でどれくらい集めたんですか?
市川「どのくらいあったかな?」
八十岡「2000はある。」

――2000マッチ分!?
市川「多い人と少ない人がいるけど、1人200マッチくらいはやってて、調整チームが11人いるから。」

Staff
※11人の内訳:Team Cygames5人、行弘賢さん、原根健太さん、高尾翔太さん、石村信太朗さん、浦瀬亮佑さん、宇都宮巧さん

市川「リアル調整じゃないから人数を増やすことの弊害も少ないと思ったんで、今回は人を増やす方向でやりました。」
――宇都宮さんは、先週のグランプリ・アトランタでもトップ8に入賞していましね。
行弘「今、ノってるプレイヤーだね。」
八十岡「まあ、彼は先週勝っちゃったから、プロツアーでは終わったね(笑)。」
行弘「前の週のグランプリで勝つと、プロツアーだいたい勝たんよね。」
市川「その点、(佐藤)レイ君はうまいよね。ちゃんとグランプリでは1-4で負けてるからね(笑)。」

――今のスタンダード環境はさまざまなデッキに可能性があると思うんですが、どんなふうにメタを読んでいますか?
渡辺「多そうなデッキっていう意味では、ゴルガリ、イゼット、白単系のアグロ、ジェスカイの4つですね。これは参加者が共通して思ってることだと思います。その次に青単がいたり、ボロスがいたりって感じですかね。」

――今はどれかが突出して勝つような環境ではなくて、「いろんなデッキが勝てる良環境」という声も聞きますが。
山本「僕はモダンっぽいなって思ってます。デッキの種類が多くて、強さもどっこいどっこいで、けっこう相性で決まることが多いんで。」
八十岡「何をもって“良環境”と言うかは難しいですけど、デッキタイプが多いのは確かですね。今回はギルドごとのデッキが組めるように作られてて、弱いのはない状態なんで、それはよかったのかなと。」

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●今回の目標

――今回のプロツアーの目標をお願いします。
渡辺「僕は……日曜日に行くことですね。実質、時差の関係で土曜日の途中くらいから11日なんで、まずは2日目に進まないと。今回自信はけっこうあるんで、頑張りたいです。」
※今回プロツアーの3日目にあたる11月11日は、渡辺さんがこよなく愛する“あずにゃん”の誕生日。去年はグランプリ・上海2017にかぶってトップ8まで進んだそうです。日曜まで進めば、パワーを得られること間違いなし! 誕生日祝いとしてトロフィーを持ち帰ることができるのでしょうか!?

山本「僕は5敗くらいです。」
――いつもの感じですね。
山本「まあ、現実的なラインだとそんなもんかなと。」

――お隣の行弘さんは?
行弘「僕も5敗ですね。プロポイント10点は取らないと、6点とかだとちょっとチームシリーズのための貢献として弱いんで……1か月準備してきてるわけだし、自分のためにもチームのためにも、最低10点は目指したいなと。」
市川「6点でも欲しいけどね俺は。あと4点でゴールドだから、今の俺は6点ボタンがあったら押すよ(笑)。」

――八十岡さんは?
八十岡「俺は15点。4敗ですね。プロツアーでの目標は常に4敗に設定してるんで。4敗で終われたプロツアーは満足できる。」
覚前「僕は……何勝というより、自分1人で調整してたら今回のデッキは使ってないので、みんなで調整したからこそなので、それがどんなふうになるのか、確かめたいって感じですね。」
八十岡「ドラフト頑張ろう。」
覚前「ドラフトは4-2します。」

――じゃあ最後に市川さんの目標は……?(内心の声:いつも大文字で「優勝します!」で締めてるからなぁ……)
市川「それはもちろん……1戦1戦を大事に!!
(一同笑い)
行弘「そんなフワフワした目標ある!?」
市川「たまにはこういうパターンもありかなと(笑)。」

前回はチーム構築戦でどちらかというとグランプリのような雰囲気があったので、今回は皆さん、通常の形のプロツアーとしてはかなり久しぶりな感覚を覚えているようでした。
日本時間の木曜日の昼、飛行機に乗る前にデッキは提出済みなので、今日は特にしなければならないこともなく、皆さん早めにホテルに帰ってゆっくり寝るとのことです。
それでは明日からの大会レポートもお楽しみに!

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晩ご飯は中華料理レストランだったので、食後にフォーチュンクッキーが出てきました。中におみくじ的な、格言のようなものが書かれた小さい紙が入っている焼き菓子です。
渡辺さんは「人生でもっとも良い年があなたの前にある」だったり、市川さんは「冒険心があなたを成功へと導く」、八十岡さんは「刺激的な経験ができるだろう」など、プロツアーへの予言になりそうでドキドキします。
「投資が成功する」という内容だった行弘さんは、さっそくプロツアーで値段が上がりそうなカードを手配していたとか……。

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