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【MTGWAR】渡辺 雄也・山本 賢太郎のドラフト【Day1】

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いよいよ幕を開けたミシックチャンピオンシップ in ロンドン。

開幕からの3回戦は、発売前の『灯争大戦』を使ったブースタードラフトで行われる。

全カードリストが公開されてから一週間。MTG Arenaでの導入も昨夜行われたばかりで、多くのプレイヤーにとっては疑似パックを作成して数回ドラフト練習する程度が関の山であろう状況で行われる、手探りのピックと対戦。

そんな中、Team Cygamesの面々は『灯争大戦』環境をどのように攻略していったのか。まずは渡辺と山本の結果を見ていこう。

 

 

● 渡辺 雄也 青黒 3勝0敗

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watanabe_pick
※上段が1パック目、左から右に向かって1-1、1-2、1-3……と並んでいます

 

渡辺「1パック目の初手は《栄光の終焉/Finale of Glory》だったけど、白はほぼやりたくなかったからタッチで使うことまで視野に入れつつピック。2手目《はぐれ影魔道士、ダブリエル/Davriel, Rogue Shadowmage》、3手目も《はぐれ影魔道士、ダブリエル》で、4手目で《暴君の嘲笑/Tyrant’s Scorn》をピックして、青黒赤の3色から2色をやりたかったので青黒やれればなーと思っていたら8手目に3枚目の《はぐれ影魔道士、ダブリエル》が流れてきてマジでびっくりしました。ともあれこの時点でダブリエルを生かしたデッキにしようという方向性が決まりました。」

Davriel, Rogue Tyrant's Scorn

渡辺「2パック目の初手は《オブ・ニクシリスの残虐/Ob Nixilis’s Cruelty》で、4手目に2枚目の《暴君の嘲笑》が取れて青黒は確定。5手目の《敬慕される炎魔道士、ヤヤ/Jaya, Venerated Firemage》のところは《戦慄衆の先駆け/Herald of the Dreadhorde》もあって悩みましたが、この時点で取れてるカードの枚数に余裕があったのと、最終的に《はぐれ影魔道士、ダブリエル》がきついパターンは手札を枯らした後でトップから強いカードを引かれることだったので、そういう可能性が少なくなるようカット気味に《敬慕される炎魔道士、ヤヤ》をピックしました。」

Vizier of the Scorpion Tithebearer Giant

渡辺「3パック目は《蠍の侍臣/Vizier of the Scorpion》スタートで、4手目に《蠍の侍臣》、5手目に《灯の収穫/Spark Harvest》がピックできて、黒が卓に1人か2人しかいないんだなとわかりました。最後の難関は7手目での《チャンドラの螺旋炎/Chandra’s Pyrohelix》と《ギルド球/Guild Globe》との2択で、自分のデッキ的には《敬慕される炎魔道士、ヤヤ/Jaya, Venerated Firemage》とかサイド後にタッチできるビジョンもあったけど、《蠍の侍臣/Vizier of the Scorpion》を2枚取ったこともあって《チャンドラの螺旋炎/Chandra’s Pyrohelix》を卓に放流したくなかったのでここもカット。最後の3-8は《税収運びの巨人/Tithebearer Giant》が取れて沁みました。」

watanabe

渡辺「9手目以降の手順でプレイアブルなカードが思ったより流れてきたのが助かりましたね。練習段階では、この環境は一周した後はほぼプレイアブルが取れない環境という認識だったので。2-1は堅くて、上ブレすれば3-0できるかなというデッキになりました。」

ラウンド 対戦相手のデッキ(相手の名前) 勝敗
1 白青 ○×○
2 青赤 ○×○
3 青赤 ○×○

 

Thunder Drake Samut's Sprint

渡辺「R2はグランプリ・静岡2018王者の中島くんとの対戦でしたが、相手が《炎の職工、チャンドラ/Chandra, Fire Artisan》《敬慕される炎魔道士、ヤヤ》《謎めいた指導者、カズミナ/Kasmina, Enigmatic Mentor》《灯の分身/Spark Double》って入ってるバケモンデッキで、最後無理にこちらのライフを残り3点まで詰められた返しで《はぐれ影魔道士、ダブリエル》の能力を起動したら、相手の手札2枚が《雷のドレイク/Thunder Drake》と《サムトの疾走/Samut’s Sprint》で、前者を捨てられたものの返しで何も引かれずに勝ちました。」

Cyclops Electromancer Ral's Outburst

渡辺「R3も《サイクロプスの電術師/Cyclops Electromancer》3枚に《ラルの発露/Ral’s Outburst》が2枚というデッキが相手で、《タミヨウの天啓/Tamiyo’s Epiphany》も入っていて厳しいところでしたが、3本目に相手が序盤事故っていたこともあり、どうにかトップデッキで勝つことができました。」

――実際に海外のプレイヤーと『灯争大戦』でドラフトしてみて、事前の練習や想像と違った部分などはありましたか?

渡辺「思ったよりも黒が安かったですね。僕は黒が一番やりたい色だと思っていたのですが、僕の卓の人たちはあまりやりたがらない感じだったのが幸いしました。あとはプレインズウォーカーの評価がみんな定まっていない感じがしましたね。」

八十岡「そりゃそうでしょw まだほとんどの人が使ったことないだろうし。コモンとか除去とかは使わなくてもわかるけど、プレインズウォーカーは使わないとわからないからね。」

渡辺「まあ、色々ツイてたということでw」

 

 

● 山本 賢太郎 赤黒 2勝1敗

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山本「初手はマジで何もないパックで《ボーラスの城塞/Bolas’s Citadel》と《アン一門の侵略者/Ahn-Crop Invader》との2択で、《ボーラスの城塞》をそこまで評価していなかったのと、パックの中に赤いカードが《アン一門の侵略者》のみだったので、上ブレ狙いで《アン一門の侵略者》をピックしました。」

Bolas's Citadel Ahn-Crop Invader

山本「2手目は《ラゾテプの肉裂き/Lazotep Reaver》で、3手目にトップコモンである《オブ・ニクシリスの残虐》が流れてきたので黒はいけそうだなとなって、この時同時に《法ルーンの執行官/Law-Rune Enforcer》もいたので上家は青赤緑のどれかかな、というところで1パック目は終了。」

Angrath, Captain of Chaos Finale of Eternity

山本「2パック目の初手で《混沌の船長、アングラス/Angrath, Captain of Chaos》と《永遠の終焉/Finale of Eternity》が同時に出て、《永遠の終焉》をピックして名残惜しく思いつつも《混沌の船長、アングラス》を流しました。」

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山本「《波乱の悪魔/Mayhem Devil》が2枚取れたので生け贄シナジーがうまく噛み合ったデッキになりました。《崇高な工匠、サヒーリ/Saheeli, Sublime Artificer》だけ思ったより強くなかったんで、フィニッシャー不足を補うために3枚目の《税収運びの巨人》に変えた方が良かったですね。」

ラウンド 対戦相手のデッキ(相手の名前) 勝敗
1 白黒 (Raphael Levy) ××
2 青白緑 ○○
3 青赤 ×○○

 

山本「毎ゲーム後手取ってハンデスと除去でリソース枯らして……で勝てる予定だったんですが、1回戦目で《永遠神オケチラ/God-Eternal Oketra》と僕が流した《ボーラスの城塞》を持ってるRaphael Levyに当たってしまい、その2枚がどうにもならず負けて、あとは勝ちました。2-1かなーというデッキで2-1だったんで、まあ御の字ですね。」

God-Eternal Oketra

――実際に海外のプレイヤーと『灯争大戦』でドラフトしてみて、事前の練習や想像と違った部分などはありましたか?

Toll of the Invasion

山本「《侵略の代償/Toll of the Invasion》が、僕はこのカード結構好きなんですけど、過小評価されているかもなという印象ですね。」

 

 


未知の環境も、恐るるに足らず。

限られた練習回数で環境把握も十分でない中、きちんと環境の特徴的なギミックであるプレインズウォーカーを生かした形のデッキを組み、見事全勝した渡辺と勝ち越しで終えた山本は、やはりさすがと言うべきだろう。

残る市川・覚前・八十岡の結果については次の記事でお伝えするので、お楽しみに!

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