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ヤソの新カードレビュー『灯争大戦』&リミテッド雑感

ヤソのカードレビュー

ニコル・ボーラスとの長き戦いが終わる『灯争大戦』がとうとう発売されました。
新プレインズウォーカーの登場や、まさかのギデオンの死など今後公開予定のストーリーも楽しみです。
最終決戦だけあってプレインズウォーカーが計36種という前代未聞のセットで、シールド、ドラフトもいつも以上に派手なゲームになっています。
今回はいつものオススメカード紹介に加え、ミシックチャンピオンシップを終えてのドラフトの話も少ししようと思います。よろしくお願いします。

 
● 『灯争大戦』注目カード

1ドビンの拒否権
カッコイイことを言っていますが、この後チャンドラに負けるらしいです。
下の環境でも使われるレベルのカウンター。スタンダードでもよく見ることになるでしょう。

2悪への引き渡し
イラストがかなり好きな1枚。
3マナで2枚回収と破格の効果。相手が選ぶので弱そうに見えますが、実際は理不尽な選択ししかないことがほとんどでしょう。ニコル・ボーラスがいるときに使えばさすがに宇宙。

3永遠神の投入
最初見たとき、あまりの強さに3回ぐらいテキストを読み直しました。
永遠神の強さが伝わってくる1枚。

4約束の終焉
スタン、モダン、レガシーでどのフォーマットでも活躍しそうなスペル。
これ1枚で3回スペルを唱えられるため、《弧光のフェニックス/Arclight Phoenix(GRN)》との相性◎。
なお、相手の場に《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler(WAR)》があるときに使うと何も起きないので覚えておきましょう。

5新生化
もうすでにモダンで活躍していると噂のカード。《アロサウルス乗り/Allosaurus Rider(CSP)》との2枚コンボでほぼ勝てるため、容易に2キルしてきます。3キルを許していない今のモダンにおいては許されない可能性も高いです。もし先日のミシックチャンピオンシップで『灯争大戦』が使えていたら、いったいどうなっていたのか……。

6アロサウルス乗り
↑はたして許されるのか?

プレインズウォーカー編

7戦慄衆の将軍、リリアナ
ニコル・ボーラスとの契約に縛られて隷従していたリリアナが、戦慄衆を引き連れて登場。鎖のヴェールを手にしていますが、その意味は?
強い常在効果、プラス効果でトークン生成、マイナス効果で除去、そしてゲームに勝てる奥義と6マナのプレインズウォーカーにふさわしい強さ。彼女がいれば、青黒で毎回対処に困っていた《殺戮の暴君/Carnage Tyrant(XLN)》も怖くありません。

8黒き剣のギデオン
まさかギデオンが“黒き剣”を持って戦うとは。しかし特にその力を引き出せている感じはしないので、使いこなすには至らなかったのかもしれません。
忠誠度能力はおまけで、常在能力がただただ強いというところにギデオンっぽさを感じます。全体除去に強いため、白単などのサイドではよく見ることになりそう。コントロールを使うならギデオン対策は必須。

9世界を揺るがす者、ニッサ
ゲートウォッチを離れたはずのニッサが、ヴィトゥ=ガジーを動かして戦いに参戦。
昔の仲間が助けに来る展開はいつだっていいですね。使い勝手のいいマイナス能力はないですが、緑マナ2倍は夢があふれる効果。出したターンに3/3警戒を作りつつ忠誠値が6あるのでかなり硬く、簡単には落ちません。X=10の《ハイドロイド混成体/Hydroid Krasis(RNA)》を叩きつけましょう。

10龍神、ニコル・ボーラス
見たことないマナ拘束のニコル・ボーラス。プラス能力でじわじわと相手を削っていくのはかなり気持ちよさそうですが、色拘束を考えるとそこそこ程度の強さだと思います。ただ、ほかのプレインズウォーカーの能力を使える常在効果がどれぐらい強いのかが想像つかないので、もしかしたらめちゃくちゃ強い可能性も秘めています。

11伝承の収集者、タミヨウ
戦いを傍観しに来たら結局戦うことになった感じのタミヨウ。ケフネト神と対峙していたようですが、どうなったのか気になるところ。
すべての効果が強く、シミックネクサスをさらに上のステージに進めたプレインズウォーカー。常在効果の「手札を捨てさせられない」「パーマネントを生け贄に捧げさせられない」は忘れやすいので、気をつけましょう。
日本語版のイラストは可愛くて良い。

12覆いを割く者、ナーセット
一部のデッキを封殺できるプレインズウォーカー。
イゼットフェニックスのような軽いドローが多いコンボデッキにとても強く、青いコントロールにも普通に強いため、かなり優秀なサイドカードです。
日本語版のイラストは可愛くて良い。
さすがに36種類ものプレインズウォーカーがいるだけあり、強いカードがとても多いセットです。ほかにも使われそうなプレインズウォーカーはまだまだいますが(《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler(WAR)》《炎の職工、チャンドラ/Chandra, Fire Artisan(WAR)》《主無き者、サルカン/Sarkhan the Masterless(WAR)》など)、きりがないため特に気になったプレインズウォーカーだけ挙げさせてもらいました。

『灯争大戦』により、今までも強かったスゥルタイ、シミックネクサス、エスパーコントロール、グルールアグロはかなり強化された印象を受けます。ただイゼットフェニックスやグリクシスもかなり強くなったので、これからスタンダードがどうなっていくのか楽しみです。
私自身も今週からMPL(マジックプロリーグ)が始まるので、久しぶりにスタンダードを走りこんでいるところです。ほかのプロたちがどんなデッキを作ってくるのか楽しみですね。
皆さんもぜひ新環境を楽しんでください。

 
● 『灯争大戦』リミテッド雑感

先週行なわれたミシックチャンピオンシップは、まさかの発売前のセットでドラフトということで、練習からしていつも以上に大変でした。
これからリミテッドをやる人たちもいると思われるので、軽く個人的な感想を残しておこうと思います。

環境と色

まず、環境速度は速くないです。『ラヴニカのギルド』での赤白(ボロス)のようなビートはほぼ組めないと思っていいです。また《ギルド門通りの公有地/Gateway Plaza(WAR)》と《マナ晶洞石/Mana Geode(WAR)》があるため比較的多色がやりやすく、ボムレアを数枚取れた場合は無理に2色にこだわらず多色に進むこともできるので、かなり自由度は高いかと思います。
個人的にオススメのアーキタイプは青赤青黒です。この2つはコモンである程度カードがそろっているため、安定して勝ちやすいと思いました。
逆にやりたくないのは赤白赤緑で、この2つはレアからでしかやらないと決めていました。
ちなみに色の強さは現段階では青>黒≧赤>緑>白だと思っています。

13ギルド門通りの公有地14マナ晶洞石

アンコモンとコモンの強カード

アンコモンの強力プレインズウォーカーと、アンコモン&コモンで強いと思うカードを以下に挙げておきます。参考にしてください。

 

プレインズウォーカーTOP3

15謎めいた指導者、カズミナ16混沌の船長、アングラス

17死者の災厄、ケイヤ
この3種は、見たら初手で取ってほぼ問題ないです。少なくともコモンでこれより優先されるカードはありません。

 

アンコモンTOP2

18永遠衆の天空王19牢獄領域
TOP3にしようと思いましたが、混戦なためTOP2です。
アンコモンの中では、環境最強アンコモンの《永遠衆の天空王/Eternal Skylord(WAR)》と、プレインズウォーカーにもさわれる確定除去の《牢獄領域/Prison Realm(WAR)》が明らかに抜けて強いです。

 

各色コモンTOP3


20法ルーンの執行官21信頼あるペガサス

22放浪者の一撃


23無神経な放逐24エイヴンの永遠衆

25雷のドレイク


26オブ・ニクシリスの残虐27灯の収穫

28ラゾテプの肉裂き


29ヤヤの挨拶30燃え立つ預言者

31呪文喰いの奇魔


32開花の巨体33花粉光のドルイド

34アーリンの狼

 

 

この環境は2マナのクリーチャーが弱いので、2マナのカードはいつも以上に大事です。弱い2マナのクリーチャーが数枚入ってしまっているデッキは負けている印象を受けます。もし2択で悩んだら2マナのカードを取るといいと思います。

最後に、この環境の神話レアは今までのどのセットより強い(8割初手取り)ので、神話レアを引けるよう祈りましょう。ちなみに《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator(WAR)》を引くとレア枠とプレインズウォーカー枠を2つまとめて失うので悲しい気持ちになります。

35大いなる創造者、カーン

次は『モダンホライゾン』が出たときにまた記事を書こうかと思います。
ではでは。

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