所信表明 《覚前 輝也》
マジックこそ人生で一番
マジックを始めたのは1998年で、初めて買ったパックは『ウルザズ・サーガ』だったと思います。
もともと「ポケモンカード」や「遊戯王」といった違うカードゲームをやっていましたが、いろいろなカードゲームを触ってみたくなって、学校の友だちと興味本位でマジックを始めました。結局ほかのカードゲームはやめてしまってマジックだけが残ったんですが、マジックはさまざまなフォーマットが遊べたりして、奥が深いというのが一番大きかったですね。
始めたばかりのころはステロイド(赤緑ビート)デッキを使っていて、《野生の雑種犬/Wild Mongrel》が好きでした。スタンダードで使える間、最初から最後まで使い続けたのはこのカードくらいだと思います。
しばらくしてアルバイトを始めて時間が取れなくなり、マジックを一時期やめていました。主にスロットや麻雀に明け暮れて、人生について考えていた時期があったんですが、宇宙規模で見たら人の一生というのはどんな生き方をしても些細なものしか残せないと気づきました。それで、どうせなら自分の好きなことを精いっぱいやりきって生きようと思い、今までの人生で一番好きだったことを思い出してみたら、マジックが一番楽しかったんです。なので今度は「世界を獲る!」という気持ちで全力でやろうと思い、10年ぶりに復帰しました。
復帰してみて、10年前よりマジック業界が盛り上がっている印象を受けます。最近はプロプレイヤーもどんどん出てきているし、これからはTVで放送されたり、社会的認知度がどんどん上がっていくと思います。
そんなマジックというゲームに出会えたことに、本当に感謝しています。
プロとしての決意
プロを目指そうと思ったのは、復帰すると決めた瞬間です。マジックの歴史に名を残したい。カイ・ブッディやジョン・フィンケル(ドイツとアメリカの伝説的な名選手)に負けないような選手になりたいですね。
2014年に復帰してからは、プロポイントを獲得するために15回前後海外の大会に行きました。ただ、特別がんばってやっているといった感覚はありません。しいていえば、やりたいからやっています。
そして、いろいろ考えた結果、マジック業界全体をもっと発展させていきたいと思い、このTeam Cygamesに所属することを決めました。Cygamesという会社は、やるからには何事に対しても全力で取り組むという印象があり、自分の信念にも合っていると思います。
チームメンバーのほかの2人についてですが、山本さんは「冷静沈着」という言葉がぴったりだと思います。動画で彼のプレイを見たり、一緒に練習していると、プロプレイヤーの中でも断トツで丁寧にプレイしているのが肌感覚でわかるからです。
市川君は「理の化身」。日本のトッププレイヤーの中でも、カード1枚1枚を的確に評価できる技術が高く、本人もそれに気づいていて、絶対の自信を持っている印象があります。2人とも強くて頼もしいです。
今後について
マジックにおける今後の目標は、「世界で一番を目指す」志を持ち、一歩一歩着実に歩んでいくことです。
ちなみに、マジック以外での目標としては、上品な家具や物をとりそろえた綺麗な部屋に住みたいと思っています。そういう空間にいると心が洗われるので、ずっとそういう空間で過ごしたいですね。
これから記事などを連載していくにあたっては、「この盤面ならどうプレイするのが正着か?」みたいな記事ができたらいいですね。読者の意見を集めて連載に反映したりできたら楽しそうですね! 自分の場合、ミスをしたかもしれないプレイは紙に書いたりして、あとで必ず検証するようにしているので、そういう思考過程を共有できたらいいなと思います。
皆さん、一緒にマジックの世界を楽しんでいきましょう!