【PTBFZ】Team Cygames 初フライト!【Day0】
結成後初のプロツアーに挑むTeam Cygames
決戦の地、ミルウォーキーはシカゴからバスで約2時間。
アメリカ大陸北部に位置する風光明媚な土地だ。
カナダにほど近く、名産の小麦と澄んだ水を使ったビール醸造が有名である。
本日の気温は最高11度。最低は氷点下に達する。
北海道よりも緯度が高いという事実を鑑みれば、納得といったところか。
本記事では極寒の地で戦いに挑む3名の熱いコメントをお届けする。
ちなみに、取材を行ったのは『セーフハウス』。
スパイの隠れ家をテーマにしており、入るのにもノックとパスワードが必要。
帰るためにも隠された出口を探し出し、暗号を伝えなければならないという、
リアル脱出ゲーム的な要素を持つレストランである。
――Team Cygamesが発表されて3日ほど経ちましたが、皆さんへの反響はいかがですか?
市川「ツイッターでは成功してほしいとか、前向きな意見が多かったですね。」
山本「こっちについてからも他のプロプレイヤーから『入りたい』って言ってもらえたりしましたよ。」
覚前「声をかけてほしかったって有名プレイヤーもいましたね。」
――多くのメディアにも取り上げてもらいまして、社内での評判も上々でした。他のメディアからの取材依頼ももらっているので、今後もご協力をお願いするかと思います。
山本「ぜひぜひ。今回のスポンサードのおかげで、マジックやTCG業界の外からも注目してもらえたのはうれしかったですね。」
覚前「マジックを知らない人向けに、今回のプロツアーも旅行記みたいなものもまとめられるといいですね。」
市川「公式サイトで中村修平さんがやっていた『なかしゅー世界一周』みたいな感じのやつね。」
山本「確かに、あの記事はマジックを知らない人でも読んで楽しめるすごくいい連載だったよね。食事とか文化とか。読みごたえもあったし。」
――Team Cygamesのサイトでも今回のプロツアーで「ごはんを紹介する記事」をやっていこうと思ってますので、お願いします。このレストランも、コンセプトだけでなく料理も評判がいいみたいですし。あ。ちょうど料理が来ましたよ。
――このお店、バーカウンターでは手品もやってくれるらしいんですけど、後で行ってみます?
市川「いや、僕はプロツアー中は最終日以外禁酒してますので、遠慮させてください。」
山本「僕ももともとお酒弱いので……。」
市川「そういえば、僕が優勝したグランプリ上海の最終日、かなり酔っぱらってたよね。」
山本「その日のことは覚えてないな……。」
覚前「すごかったらしいね。いつの間にか酔っぱらってたって聞いた。その場に居合わせたかったよ。なんでそんなに酔っちゃったの?」
市川「僕が優勝したのがうれしかったんでしょ?」
山本「そういうことにしておいて……。」
――プライベートでも仲がいいんですね。今回の調整、晴れる屋さんとの合同合宿の後も、一緒に調整したんですか?
市川「いえ。時間が合わなかったんで、それぞれの調整ですね。僕は一人でやってました。」
山本「僕は行弘(賢)さんとかHareruya Prosの人たちと調整してましたね。」
覚前「僕は家に友人が毎日来てくれて、調整に付き合ってくれた感じです。」
市川「グランプリなら一人の調整でもなんとかなるんですけど、プロツアーはきついですね。特に今のスタンダードはフェッチランド(特定の基本土地タイプを持つ土地をサーチするカード)とバトルランド(特定の基本土地タイプを持つ2色土地)のおかげで色をいくらでも足せるので、何でもやりたい放題ですから。」
――そうすると、混沌とした状況になりそうですけど。
山本「確かにそうかもしれませんが、先週のStarCityGames Open(アメリカで定期的に行われている大規模な大会)でトップ8を独占した『ジェスカイブラック(青赤白のデッキに黒を足した攻撃的な4色デッキ)』と『緑白大変異(大変異能力を持つ強力カードをフィーチャーしたクリーチャー中心のデッキ)』が多いのは確かだと思います。」
覚前「そこに『アブザンアグロ(前環境の覇者とされる白黒緑デッキ)』と『アタルカレッド(環境最速と言われる赤緑デッキ)』を足しての4強は揺らいでいない気がする。」
市川「確かに同感。その下に『5色』とか『エスパー(白青黒)』とかのコントロールが入ってくる感じだろうね。」
山本「いくらマナベースが無茶できるからと言っても、やっぱり安定性は大事だから4色以上のデッキは厳しいんじゃないかな。」
――調整の結果としては色を足すよりもしっかりとマナベースを整えたほうがよさそうということですね。ドラフトについてはどうですか?
市川「僕は合宿のときからあまり評価は変わらないかな。」
覚前「意外と人によってカード評価がバラバラだから、基準をちゃんと作らないと勝てなさそうだよね。」
山本「僕は合宿のときからちょっと考えが変わって、トップコモンもやりたい色も変わりましたね。」
市川「確かに青は人気色だし、青緑っていう明確なルーザーズカラー(弱い組み合わせ)にもなりかねないから、変化して当然だと思うよ。」
――あとは明日のお楽しみですね。スケジュールはどんな感じなんですか?
山本「全員に配られるタグに全部書いてあるんですけど、大体8時くらいに集合して、ドラフトとスタンダードですね。そこで勝ち越せば2日目で、これも大体同じスケジュール。3日目だけが特殊で、トップ8だけが行われます。中継も入るので、準々決勝は同時にやるのではなくて、時間がズレてますね。」
――うわ。このタグ、個人名が入ってるんですね。かっこいいな。
市川「個人名だけじゃなくてプロツアーの権利をどうして獲得したかも書いてありますよ。グランプリトップ8とか、プロツアートップ25とか、殿堂とか。複数持っているプレイヤーはズラズラって並ぶんですよ。」
――凝ってますね!会場は広いんですか?以前、グランプリにお邪魔したことがあるんですけど、プロツアーって言ったらアレより大きなイメージなんですが。
山本「いえ、むしろ何倍も小さくした感じですよ。400人くらいしかいないんで。」
覚前「昔はマジックウィークエンド(プロツアーを中心とする大規模イベント)とかあったから、大きかったんですが、今はプライベートイベントなので小さいですね。」
――ちょっと残念ですね。ミルウォーキーってだだっ広いところなので、大規模なイベントだと思ったんですが。
市川「確かに、プロツアーが無ければなかなか来ない土地ですね。税関で『観光のためにミルウォーキーに行く』って言ったら不思議がられましたよ。『あんなところ何もないだろう?』って。『ゲームのイベントなんだ』って言ったら納得してもらえましたけど。」
山本「マジックのイベントのおかげで外国にたくさん行ってるしね。怪しまれるのも当然かも。」
覚前「小さいイベントかもしれませんけど、その分プレイヤーの層も厚いし注目度も高いですよ。来週にもグランプリ北京がありますけど、やっぱりプロツアーのほうが注目度が高い。」
――今回、Team Cygamesの初お披露目ということで、Tシャツとパーカー、それからプレイマットを作らせていただきました。残念ながらスリーブが間に合わなかったんですが、そこだけはクオリティにこだわりたかったので。
市川「確かに、競技に直結する部分ですからね。試作品を見る限り期待できるかなと思ってます。」
――なんとかグランプリ神戸には間に合わせたいと思って鋭意制作中ですので、ご期待ください。さて、そろそろ時間ですね……。あれ?出口はどこだろう?
(その後、約5分間のお店探索の末、無事に出口を発見。Team Cygamesは決戦に備えてホテルにて英気を養った。)