Articles

【PTEMN】市川ユウキ/渡辺雄也のドラフト【Day2】

d2市川渡辺

Staff
続いて、市川さんと渡辺さんのドラフトについてです。

 

 

●市川ユウキのドラフト

d2_05

主なピック
1-1《最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope(EMN)》
1-2《エムラクールの加護/Boon of Emrakul(EMN)》
1-3《夜深の死体あさり/Midnight Scavengers(EMN)》
1-4《甚だしい大口/Abundant Maw(EMN)》

2-1《殺害/Murder(EMN)》
2-3《殺害/Murder(EMN)》

3パック目
《死の重み/Dead Weight(SOI)》、《グール呼びの共犯者/Ghoulcaller’s Accomplice(SOI)》、《ケッシグの鍛冶場主/Kessig Forgemaster(SOI)》など

d2_06

市川さんのデッキ

市川さんのドラフトは《最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope(EMN)》でスタートし、黒一直線でした。流れもまあまあよく、1パック目はほぼ黒しか取っていません。
2-1に《殺害/Murder(EMN)》と《完成態の講師/Docent of Perfection(EMN)》があり、まだまったく決めていなかった2色目として青も考えましたが、青の流れをあまり感じておらず、ここで青をかき集めても3パック目が寒いのは見えているので、絶対に使う《殺害/Murder(EMN)》のほうにしました。すると2-3でもう1枚流れてきたうえ、《夜深の死体あさり/Midnight Scavengers(EMN)》と《墓ネズミ/Graf Rats(EMN)》も集まってきて、ツーペアができました。さすがにそろいやすく、毎ラウンド合体して活躍したとのことです。
2パック目のかなり遅い順目で流れてきた赤の3枚を受けて、2色目は赤に。結局赤いカードはデッキに4枚しか入りませんでしたが、4枚とも強くて役立ちました。

途中、《スカースダグの嘆願者/Skirsdag Supplicant(EMN)》をもう1枚取れるタイミングがありましたが、「なるべく散らして取ろう」とマッドネスの3/3(《不気味な吸血鬼/Weirded Vampire(EMN)》)をピックしました。ですが2枚目を取っておけば、遅く取れた《療養所の骸骨/Sanitarium Skeleton(SOI)》を合わせてライフを減らしたり、全然昂揚しなかった《灰口の雄馬/Stallion of Ashmouth(SOI)》なども使いやすくなったりし、《地獄の樹/Tree of Perdition(EMN)》《謎の石の断片/Cryptolith Fragment(EMN)》とも噛み合ってデッキがもうひと回り強くなったと思われます。
デッキ評価は「最後の1枚があればもっとよくなったけど、3-0してもおかしくない。イメージ的には70~80点はある」。

スカースダグの嘆願者 不気味な吸血鬼

対戦結果

1戦目はRaphael Levyの緑白で、《最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope(EMN)》の除去が噛み合って勝ち。2戦目はOlivier Ruelの緑白で、グダってライフ1でのトップデッキ勝負になってから、3ターンくらい連続でトップデッキされ、《不敬の皇子、オーメンダール/Ormendahl, Profane Prince(SOI)》にたどりつかれて負けました。3戦目はMatt Sperlingの青白で、1マナ1/1飛行、2マナ2/1飛行、3ターン目にパスしてきて返しに《呪文捕らえ/Spell Queller(EMN)》とたたみかけられましたが、そこに《最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope(EMN)》を引いて勝ち。2-1という結果になりました。

 

 

●渡辺雄也のドラフト

d2_07

全ピック順
1-1《熱錬金術師/Thermo-Alchemist(EMN)》
1-2《稲妻織り/Weaver of Lightning(EMN)》
1-3《ヴィルディン群れの除けもの/Vildin-Pack Outcast(EMN)》
1-4《気紛れな霊/Mercurial Geists(EMN)》
1-5《ネベルガストの伝令/Nebelgast Herald(EMN)》
1-6《ステンシアの亭主/Stensia Innkeeper(EMN)》
1-7《冷たいわしづかみ/Chilling Grasp(EMN)》
1-8《霧歩き/Fogwalker(EMN)》
1-9《信者の杖/Cultist’s Staff(EMN)》
1-10《研究室の粗暴者/Laboratory Brute(EMN)》
1-11《巻き込み/Convolute(EMN)》
1-12《異世界の発露/Otherworldly Outburst(EMN)》
1-13《有事対策/Contingency Plan(EMN)》
1-14《有事対策/Contingency Plan(EMN)》

2-1《焼夷流/Incendiary Flow(EMN)》
2-2《焼夷流/Incendiary Flow(EMN)》
2-3《粗暴な協力/Savage Alliance(EMN)》
2-4《ぼろぼろの憑依者/Tattered Haunter(EMN)》
2-5《敵意借用/Borrowed Hostility(EMN)》
2-6《詮索好きのホムンクルス/Curious Homunculus(EMN)》
2-7《墓ネズミ/Graf Rats(EMN)》
2-8《恩寵借用/Borrowed Grace(EMN)》
2-9《自暴自棄/Abandon Reason(EMN)》
2-10《敵意借用/Borrowed Hostility(EMN)》
2-11《夜深の死体あさり/Midnight Scavengers(EMN)》
2-12《相変位/Displace(EMN)》
2-13《月皇の外套/Lunarch Mantle(EMN)》
2-14《ネファリアのアカデミー/Nephalia Academy(EMN)》

3-1《霊魂破/Geistblast(SOI)》
3-2《放たれた怒り/Uncaged Fury(SOI)》
3-3《タミヨウの日誌/Tamiyo’s Journal(SOI)》
3-4《癇しゃく/Fiery Temper(SOI)》
3-5《苛虐な魔道士/Sanguinary Mage(SOI)》
3-6《既決殺人犯/Convicted Killer(SOI)》
3-7《金縛り/Sleep Paralysis(SOI)》
3-8《放たれた怒り/Uncaged Fury(SOI)》
3-9《忘れられていた家宝/Neglected Heirloom(SOI)》
3-10《アドレナリン作用/Rush of Adrenaline(SOI)》
3-11《遁走する馬車/Runaway Carriage(SOI)》
3-12《巣網から見張るもの/Watcher in the Web(SOI)》
3-13《構造のひずみ/Structural Distortion(SOI)》
3-14《海墓のスカーブ/Seagraf Skaab(SOI)》

このドラフトでの全プレイヤーのピックを、ドラフトビューワーで見ることができます。

d2_09

ドラフトが始まる前の様子

d2_08

渡辺さんのデッキ(山9、島8)

渡辺さんは、Owen Turtenwald、Reid Duke、BBD(Brian Braun-Duin)、LSV(Luis Scott-Vargas)など錚々たるメンバーがそろった1番ポッドで、同時に殿堂入りしたOwen Turtenwaldと並んでのドラフトでした。
1-1は白のタッパー(《シガルダ教の僧侶/Sigardian Priest(EMN)》)とこの《熱錬金術師/Thermo-Alchemist(EMN)》とで悩み、白いカードは2、3枚あるが赤いカードはこれしかなかったので、赤を絞る意図で赤のほうを取りました。
序盤はばらばらなアンコモン以上のカードを取るという、前回のドラフト時のストラテジーも考えましたが、4手目で《気紛れな霊/Mercurial Geists(EMN)》が来て、ほかに選択に値するカードもなかったので青赤路線に絞っていくことに。

2パック目は、絞ったかいがあり赤のカードがたくさん流れてきました。2-1では《消えゆく光、ブルーナ/Bruna, the Fading Light(EMN)》があって天を仰ぎましたが、火力をピック。スペルもたくさん取れてかなり順調でした。ただクリーチャー面が不安だったので、青赤の戦略に合うクリーチャーが充実している3パック目の『イニストラードの影』で補充するつもりでしたが、取れるクリーチャーが何もないようなパックが続いてしまいました。《癇しゃく/Fiery Temper(SOI)》が遅めに来るなど、上の赤は少なそうでしたが、単純に赤いカードの出が悪かったのではないかと思われます。結果、呪文は強いがクリーチャーがいないデッキとなりました。

クリーチャーが足りないため、3-6で弱い《既決殺人犯/Convicted Killer(SOI)》を取りましたが、ここはあきらめて一緒のパックにあった《苦しめる声/Tormenting Voice(SOI)》を取ったほうがデッキにも合っていてよかった、そこは明確なミスだったとのことでした。

既決殺人犯 苦しめる声

《遁走する馬車/Runaway Carriage(SOI)》は、それまでに《放たれた怒り/Uncaged Fury(SOI)》を2枚取っていたので、最後の一押しのためにトランプルが欲しいという理由でピックしました。
正直、長期戦では勝てないデッキになってしまったので、ゲームレンジを短くし、二段攻撃などで一気に殴り勝とうという構築です。実際に、LSVとフィーチャーされた12ラウンド目では、一瞬で17点与えるというシーンがありました。
デッキ評価は「クリーチャーの弱さで45点、2-1できたらいいくらい」。

対戦結果

実際の対戦は、LSVに勝ち、Reid Dukeに負け、Jacob Wilsonに負けで1-2。最後のラウンドは先手後手の一手差で、2回とも先手だったら勝っていたというゲームでした。
この対戦相手を見てもわかるように、軒並み世界ランク上位のプレイヤーばかりの非常に濃い卓でした。卓のレベルが高くて的確なカットも要所要所で織り交ぜているようで、厳しいドラフトでした。

  • Top