Articles

【PTKLD】山本賢太郎/渡辺雄也のドラフト【Day2】

d2_01

プロツアー『カラデシュ』にて、2日目に進出したお2人のドラフトについて振り返っていきたいと思います。

 

 

 

●山本賢太郎のドラフト

d2_02

マイク・フロンさんとのフィーチャーマッチ

主なピック
1-1《ボーマットのバザール船/Bomat Bazaar Barge》
1-2《行き詰まりの罠/Deadlock Trap》
1-3《金属製の巨像/Metalwork Colossus》
1-4《襲拳会の部隊/Maulfist Squad》
1-5《無許可の分解/Unlicensed Disintegration》

2-1《ピア・ナラー/Pia Nalaar》
3-1《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》

1日目のドラフトと同様、色を決めるのを限界まで遅くしたかったため、無色からピックを始めました。1-4に来た《襲拳会の部隊/Maulfist Squad(KLD)》は、殴り値が高く黒のコモンで3本の指に入るカードなのでいい流れだと思っていたら、1-5にとても強い《無許可の分解/Unlicensed Disintegration(KLD)》が流れてきて、人がいなさそうな赤黒へと舵を切りました。《無許可の分解/Unlicensed Disintegration(KLD)》はその後2パック目と3パック目でも流れてきて、計3枚もデッキに入っています。さらに2-1、3-1とそれぞれ噛み合う強力レアを引き当て、非常に強いデッキができあがりました。

d2_03
山本さんのデッキ(山8・沼8)

対戦結果

山本さんはこの環境でのドラフトは20回弱になるそうですが、今までで一番強いデッキになったとのことです。デッキを並べているのを横で見ていた中村肇さんも「負けようと思っても負けられなさそうなデッキ」と評していました。
1戦目の相手は日本人の方で、《ピア・ナラー/Pia Nalaar(KLD)》と《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance(KLD)》を速攻で並べられて「これ、スタンダードとリミテッドの試合じゃないですか!」と笑うしかない感じでした。
2戦目はリミテッドの名手マイク・フロンさんとのフィーチャーマッチでしたが、「デッキが強すぎて普通に勝ちました」とのこと。3戦目もHareruya Prosのプラチナプロ、Oliver Polak-Royymannさんにデッキの強さで勝ち、見事3-0となりました。

山本さんの取材時点での成績は9勝2敗。3敗1引き分けまでがトップ8入りのラインですが、「残りの構築ラウンドはゾンビ(《秘蔵の縫合体/Prized Amalgam(SOI)》)の機嫌しだいですね」とのことでした。

d2_04

4ターン目にナラー母娘が戦場に並び、まるで構築のデッキのよう。

 

 

 

●渡辺雄也のドラフト

d2_05

全ピック順(写真では上段左→右、下段左→右の順)
1パック目

d2_06
1-1《霊気溶融/Aether Meltdown》
1-2《プロペラの先駆者/Propeller Pioneer》
1-3《渦跡の鷹/Eddytrail Hawk》
1-4《ダッカラの孔雀/Dukhara Peafowl》
1-5《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent》
1-6《抜き取り検査/Select for Inspection》
1-7《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent》
1-8《金属紡績工の組細工/Metalspinner’s Puzzleknot》
1-9《ダッカラの孔雀/Dukhara Peafowl》
1-10《革命的拒絶/Revolutionary Rebuff》
1-11《魔性の教示者/Diabolic Tutor》
1-12《革命的拒絶/Revolutionary Rebuff》
1-13《圧点/Pressure Point》
1-14《巨人の光景/Giant Spectacle》
※写真では1-11が《圧点/Pressure Point》になっていますが、こちらが正しい順序になります。

2パック目
d2_07
2-1《発明の領事、パディーム/Padeem, Consul of Innovation》
2-2《革命的拒絶/Revolutionary Rebuff》
2-3《禁制品の黒幕/Contraband Kingpin》
2-4《歯車工の組細工/Cogworker’s Puzzleknot》
2-5《ヒレナガ空鯨/Long-Finned Skywhale》
2-6《歓待する構築物/Eager Construct》
2-7《誤動作/Malfunction》
2-8《不法仲買人/Lawless Broker》
2-9《査問長官/Minister of Inquiries》
2-10《金属紡績工の組細工/Metalspinner’s Puzzleknot》
2-11《革命的拒絶/Revolutionary Rebuff》
2-12《劇的な逆転DDramatic Reversal》
2-13《飾りの勇気/Ornamental Courage》
2-14《劇的な逆転DDramatic Reversal

3パック目
d2_08
3-1《発明の領事、パディーム/Padeem, Consul of Innovation》
3-2《領事府の空船口/Consulate Skygate》
3-3《鋳造所の検査官/Foundry Inspector》
3-4《行き詰まりの罠/Deadlock Trap》
3-5《ラスヌーのヘリオン/Lathnu Hellion》
3-6《光り物集めの鶴/Glint-Nest Crane》
3-7《雲先案内人/Cloudblazer》
3-8《光り物集めの鶴/Glint-Nest Crane》
3-9《査問長官/Minister of Inquiries》
3-10《上天の貿易風/Ather Tradewinds》
3-11《着飾ったラクダ/Tasseled Dromedary》
3-12《ヴィダルケンの刃の達人/Vedalken Blademaster》
3-13《作業場の助手/Workshop Assistant》
3-14《珍品売り/Curio Vendor》

ピックについて

最初のパックは候補が《霊気溶融/Aether Meltdown(KLD)》と《光袖会の職工/Glint-Sleeve Artisan(KLD)》(白の3マナ2/2製造1)くらいでぱっとしませんでしたが、除去のほうをピックしました。なんとなく青白かなという路線で進めていたら、1-5で《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》が流れてきたので、青がらみのアーティファクトデッキを目指すことになりました。その場合、補色は白か黒に絞られるので、黒になる可能性も見据えて黒パズルこと《金属紡績工の組細工/Metalspinner’s Puzzleknot(KLD)》を取ります。1周して、ほぼなくなっているだろうと思っていた《ダッカラの孔雀/Dukhara Peafowl(KLD)》が帰ってきたので、青は空いていることがわかりました。
ただ、1-12のときに《永存確約/Built to Last(KLD)》(白の1マナ+2/+2)があり、青を流したくなくて《革命的拒絶/Revolutionary Rebuff(KLD)》のほうを取りました。しかし、アーティファクト系デッキを使う場合は絶対に強化スペルが欲しいので、明確なミスピックだったということでした。青白デッキは盤面のパワーが低いため、《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》を出すまでの間にどこかでバウンスや強化スペルを使って押し返さなければいけないのですが、そういうカードをやや低く見積もっていたのが反省点と言えます。

2パック目は今までのピックに噛み合っている《発明の領事、パディーム/Padeem, Consul of Innovation(KLD)》を引き、2-2ではアーティファクトに寄せつつ除去でもある《行き詰まりの罠/Deadlock Trap(KLD)》を取りました。2-1で《査問長官/Minister of Inquiries(KLD)》があるのを見ていたので、それが帰って来ればエネルギーも増えておいしいという腹づもりでした。
2色目は、《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》と組み合わせるのに適したパズルシリーズの白か黒の多く取れたほうにしようというつもりで進めており、2-3では青黒にしようと思いつつ、2-4では白パズルしか取るものがなく、まだこの段階では白と黒の両天秤でした。とはいえ、青のカードが十分取れていたのそんなに心配はありませんでした。

3パック目でもまた《発明の領事、パディーム/Padeem, Consul of Innovation(KLD)》を引きますが、3-4でまたミスピックをしてしまいます。ここには3枚目の《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》がありました。現状、この《海蛇》以外では勝てないようなピックになっていたので、アーティファクトを増やすよりも《海蛇》を優先すべきでした。エネルギーやアーティファクトの数を意識して《行き詰まりの罠/Deadlock Trap(KLD)》を取りましたが、《海蛇》3枚に全振りしていたら結果は大きく変わっていたと思われます。
3-7の《雲先案内人/Cloudblazer(KLD)》の時点で補色が白に決まり、3-8では《査問長官/Minister of Inquiries(KLD)》が流れてきましたが、同じパックに白パズルがありました。2枚重ねてライブラリーアウトという可能性もあるため《査問長官/Minister of Inquiries(KLD)》を選びましたが、結局2枚とも使わなかったので、ここもミスだったとのことです。

d2_09
渡辺さんのデッキ

対戦結果

1戦目は赤緑で、《改革派の貨物車/Renegade Freighter(KLD)》2体が止まらず負け。やはり《永存確約/Built to Last(KLD)》が欲しいところでした。2戦目の相手は赤緑タッチ黒で、《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance(KLD)》と《生命の力、ニッサ/Nissa, Vital Force(KLD)》が入っており、それらは両方さばいたものの、タッチ黒の《競争排除/Eliminate the Competition(KLD)》で《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》が2体とも倒されてしまい、勝ち手段がなくなって負け。3戦目は渡辺さんの下に座っていた殿堂プレイヤー、ポール・リェーツェルさんとの対戦でした。2人で青を取り合っており、青黒の似たような海蛇デッキでしたが完成度は低めで、渡辺さんが《ヒレナガ空鯨/Long-Finned Skywhale(KLD)》で殴りきって勝ちました。
カード自体は強そうなデッキでしたが、最終的には1-2という成績でした。
渡辺さんとしては、3-4で《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》、3-8で白パズルを取っていれば、がんばって4ターン目《海蛇》とかもありえるデッキになっていた可能性があるので、ピックミスでデッキの完成度を下げてしまったのが悔やまれるとの感想でした。
また、2戦目に初手を開けてみたら島が7枚あったりなど、マリガンにも6回ほど見舞われ不運でした。昨日首からかけていた、いかにもご利益のありそうな木の実のレイが今日はないので、運気がよくなかったのかもしれません……。

 

d2_10

覚前さんは早い時間から会場を訪れ、ドラフトの勉強のためマイク・フロンさんやリッチ・ホーエンさんを観戦していました。

  • Top