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【PTHOU】渡辺雄也/覚前輝也のドラフト【Day1】

渡辺覚前650x350

続いて、渡辺さんと覚前さんのドラフトについてお伝えします。
 

 

 
●渡辺雄也のドラフト

16
渡辺さんは赤青デッキで、「反省点が多いドラフトだった」と振り返りました。

全ピック順

1パック目
17
1-1《試練を超えた者、サムト/Samut, the Tested(HOU)》
1-2火付け射手/Firebrand Archer(HOU)》
1-3《選定の侍臣/Vizier of the Anointed(HOU)》
1-4《抑え難い渇き/Unquenchable Thirst(HOU)》
1-5《不快の顕現/Vile Manifestation(HOU)》
1-6《エイヴンの葦原忍び/Aven Reedstalker(HOU)》
1-7《致死の一刺し/Lethal Sting(HOU)》
1-8《周到の砂漠/Desert of the Mindful(HOU)》
1-9《金色のセロドン/Gilded Cerodon(HOU)》
1-10《相殺の風/Countervailing Winds(HOU)》
1-11《火付け射手/Firebrand Archer(HOU)》
1-12《巧みな軍略/Strategic Planning(HOU)》
1-13《救済の恩寵/Saving Grace(HOU)》
1-14《突破/Crash Through(HOU)》

渡辺
初手は《試練を超えた者、サムト/Samut, the Tested(HOU)》。対抗馬がかなり弱くて、《砂爆破/Sandblast(HOU)》くらいしかなかったのでこれ一択です。前提として、僕はこの環境であまり白をやりたくないんです。白はカードの強さに比べてオーバードラフトされている……高く評価されすぎていると思うので。たとえば、《オケチラの報復者/Oketra’s Avenger(HOU)》(白の3/1督励)なんかはみんな取るようなカードになっていて、実際強いとは思うんですが、あれはたくさん重ねないと強くない。みんなが取り合っている状況では白をやるうまみがないから、やりたくないんです。
1-2も普通なら《尽きぬ希望のエイヴン/Aven of Enduring Hope(HOU)》(5マナ3/3飛行+3ライフ)を取るところなんですが、白をやりたくないので《火付け射手/Firebrand Archer(HOU)》(2マナ2/1、クリーチャー以外の呪文で1ダメージ)を優先しました。
赤緑というカラーリングは強くないと思っているのでやるつもりはなくて、緑はタッチにして青赤をやりたいなと思っていたところに、1-3、1-4と強い青が来たので、青赤路線をねらおうかなと。
ただ、1-5あたりで赤の流れが悪いと感じて、青黒に逃げようかな、サイクリングデッキができたらいいなくらいの考えで《不快の顕現/Vile Manifestation(HOU)》(黒の2マナ0/4、墓地のサイクリングでパワー増)を取りました。
1-7でも優良除去が取れたので、青黒と青赤タッチ緑を天秤にかける感じでした。でも1周したあとは青と赤のカードがちょいちょい漏れてくる一方黒いカードはまったく漏れてなかったので、上に黒がいるだろうから、一応レアを引いたり、返しがすごく良かったときに参入できるかも?くらいです。

2パック目
18
2-1《捲土+重来/Struggle+Survive(HOU)》
2-2《呪文織りの永遠衆/Spellweaver Eternal(HOU)》
2-3《呪文織りの永遠衆/Spellweaver Eternal(HOU)》
2-4《旅行者の護符/Traveler’s Amulet(HOU)》
2-5《かすむ刀剣/Blur of Blades(HOU)》
2-6《エイヴンの葦原忍び/Aven Reedstalker(HOU)》
2-7《棘モロク/Thorned Moloch(HOU)》
2-8《黄昏のピラミッド/Sunset Pyramid(HOU)》
2-9《熱烈の砂漠/Desert of the Fervent(HOU)》
2-10《金色のセロドン/Gilded Cerodon(HOU)》
2-11《型破りな戦術/Unconventional Tactics(HOU)》
2-12《信義の侍臣/Vizier of the True(HOU)》
2-13《ミイラの大王/Mummy Paramount(HOU)》
2-14《よろけ腐り獣/Lurching Rotbeast(HOU)》

渡辺
2-1では、対抗馬として2枚目の《選定の侍臣/Vizier of the Anointed(HOU)》(4マナ2/4、永遠か不朽でドロー)があったんですけど、この段階で永遠が1枚も取れてなくて、青赤だと不朽クリーチャーは絶対取れないので、優良除去の《捲土+重来/Struggle+Survive(HOU)》(赤緑の土地分ダメージと墓地シャッフル)を取りました。
2-2はパックがめちゃくちゃ強くて、《永遠の刻/Hour of Eternity(HOU)》(墓地からX枚のクリーチャーを除外してゾンビを出す)、《徙家+忘妻/Consign+Oblivion(HOU)》(青黒のバウンスと2枚手札破壊)、そして《呪文織りの永遠衆/Spellweaver Eternal(HOU)》(2マナ2/1果敢、加虐2)。普段なら《永遠の刻/Hour of Eternity(HOU)》を取るんですけど、デッキ的に前を向かないと勝てないと思ったのと、1-14で《突破/Crash Through(HOU)》(1マナでトランプルと1ドロー)が取れてたので、青赤の果敢系がいけるんじゃないかなと。2マナ域も2枚しかなかったし、デッキのキーになるので、悩んだ末《呪文織りの永遠衆/Spellweaver Eternal(HOU)》にしました。2-2、2-3はデッキの軸を作りに行ったピックです。
2-4では、初手の《試練を超えた者、サムト/Samut, the Tested(HOU)》を使う気だったので、かなり早めにマナサポートをピックしておきました。
あとは青と赤のカードを取っていった感じですが、僕は《かすむ刀剣/Blur of Blades(HOU)》(-1/-1カウンター1個と2ダメージ)を少し高めに見ているので、早めにピックしました。というのも、白はコモンにタフネス1のクリーチャーがけっこういて、それに対するキラーカードになるので。
パックが1周したあと、《オケチラの報復者/Oketra’s Avenger(HOU)》がいて、あれっ?ってなったんですけど、もう引き返せない。その後も白の強いカードがけっこう流れてきて、卓に白が薄かったのがわかったので、もし1-2で《尽きぬ希望のエイヴン/Aven of Enduring Hope(HOU)》のほうを取っていたら、白青とかで行けたかもしれない。後の祭りですが。

3パック目
193-1《燃えさし角のミノタウルス/Emberhorn Minotaur(AKH)》
3-2《洞察の探求者/Seeker of Insight(AKH)》
3-3《釣りドレイク/Angler Drake(AKH)》
3-4《ミノタウルスの名射手/Minotaur Sureshot(AKH)》
3-5《這い寄る刃/Slither Blade(AKH)》
3-6《周到の書記官/Scribe of the Mindful(AKH)》
3-7《エイヴンの修練者/Aven Initiate(AKH)》
3-8《燃えさし角のミノタウルス/Emberhorn Minotaur(AKH)》
3-9《呪われた者の揺り籠/Cradle of the Accursed(AKH)》
3-10《道拓きの修練者/Pathmaker Initiate(AKH)》
3-11《古代ガニ/Ancient Crab(AKH)》
3-12《ハイエナの群れ/Hyena Pack(AKH)》
3-13《捷刃のケンラ/Nimble-Blade Khenra(AKH)》
3-14《ケフネトの碑/Kefnet’s Monument(AKH)》

渡辺
3パック目を開けたら、《オケチラの碑/Oketra’s Monument(AKH)》が出てきたんですけど、もう戻れない(笑)。3-3で《釣りドレイク/Angler Drake(AKH)》が回ってきたのはよかったですね。ここまでで3マナ域が全然取れてなかったので、意識して取りました。
3-5が一番反省してるポイントです。こういうデッキなのでダメージ先行で行こうと思って《這い寄る刃/Slither Blade(AKH)》(ブロックされない1マナ1/2)を取ったんですけど、ここには《ヘクマの歩哨/Hekma Sentinels(AKH)》(青の3マナ2/3、サイクリングで+1/+1)もいたんです。最終的に3マナ域も足りてなかったし、サイクリングするカードもちょいちょい取れてたので、そっちにすべきだった。ピック直後に前のめりすぎたと後悔して、「今のやり直させて!」って感じでした。
3-7が2つめの反省点で、この《エイヴンの修練者/Aven Initiate(AKH)》(不朽つきの4マナ3/2飛行)と赤緑のサイクリング土地があって、緑のマナソースはすごく欲しかったけど、この段階で不朽と永遠が全然取れてなくて、カードのカウントが足りなくなるのがイヤだったので前者のほうを取っちゃったんですけど、よく考えたら4マナ飛行はすでに3枚くらい埋まってたんで、土地のほうがよかった。3-7が土地で、3-5が3マナ2/3だったら、サイクリングシナジーもあるし、3-0しててもおかしくなかったと思います。この2枚の選択ミスでデッキのクオリティを上げられなくて、1勝ぶん引き下げたというのが反省点です。

渡辺デッキ
渡辺さんのデッキ

対戦結果

この環境だと青赤という組み合わせは強いので、2-1できるポテンシャルはあるものの、ピックミスのためにデッキの点数が下がり、組んだときは1-2を覚悟していた渡辺さんですが、なんとかだましだまし攻めて、「耐えの2-1」ができたということです。
また、1戦目は上家のプレイヤーと当たりましたが、《スカラベの神/The Scarab God(HOU)》を初め強力レアが5枚入った青黒で、とんでもない目にあったそうです。
 

 

 
●覚前輝也のドラフト

12覚前さんの青緑のデッキは、組んだときはいまひとつと感じたものの実際に回してみたらけっこう強く、〈MUSASHI〉唯一の3-0という好成績をおさめました。

ピックの流れ

1-1《川ヤツガシラ/River Hoopoe(HOU)》
1-2《待ち伏せ/Ambuscade(HOU)》
1-3《強靭な狩り手/Tenacious Hunter(HOU)》
1-4《発射/Open Fire(HOU)》
1-5《川ヤツガシラ/River Hoopoe(HOU)》
1-6《オアシスの祭儀師/Oasis Ritualist(HOU)》
1-7《猛り狂うカバ/Rampaging Hippo(HOU)》
1-8《不屈の砂漠/Desert of the Indomitable(HOU)》
1-9《エイヴンの葦原忍び/Aven Reedstalker(HOU)》

2-1《立て直しのケンラ/Resilient Khenra(HOU)》
2-2《待ち伏せ/Ambuscade(HOU)》
2-3《しなやかな打撃者/Sinuous Striker(HOU)》
2-4《至高の意志/Supreme Will(HOU)》
2-5《巧みな軍略/Strategic Planning(HOU)》
2-6《横這ナーガ/Sidewinder Naga(HOU)》
2-7《横這ナーガ/Sidewinder Naga(HOU)》
2-8《横這ナーガ/Sidewinder Naga(HOU)》

3-1《エイヴンの修練者/Aven Initiate(AKH)》
3-2《主張/Lay Claim(AKH)》
3-3《砂時計の侍臣/Vizier of Tumbling Sands(AKH)》
3-4《鱗ビヒモス/Scaled Behemoth(AKH)》
3-5《採石場の運び屋/Quarry Hauler(AKH)》
3-6《錯覚の覆い/Illusory Wrappings(AKH)》
3-7《知識のカルトーシュ/Cartouche of Knowledge(AKH)》

覚前
1-1は《川ヤツガシラ/River Hoopoe(HOU)》(青緑の1/3飛行、5マナでドローと回復)。ほかに取りたいカードがなくて、青緑が組めた場合は膠着したときに殴りながらドローと回復できるのが頼もしいので、これにしました。でも僕としては最初から2色決めたくなかったし、1手目は捨てる覚悟でした。
1-2は緑で一番強い除去ということで《待ち伏せ/Ambuscade(HOU)》(一方的な格闘のインスタント)です。
1-4で、《発射/Open Fire(HOU)》(3マナ3点火力)を取るか《オアシスの祭儀師/Oasis Ritualist(HOU)》(2/4のマナクリーチャー)かの二択で、自分の中ではまだ青緑は確定してなかったんで、赤のコモンの中では2番目くらいに強いので《発射/Open Fire(HOU)》を取って赤緑路線も考えてたんですが、1-5でまた《川ヤツガシラ/River Hoopoe(HOU)》が回ってきたので、これなら青緑に行かせてくれるだろうと。緑の流れはよかったので、1パック目は緑で固めて終了しました。

2-2の《待ち伏せ/Ambuscade(HOU)》はうれしかったですね。青緑は除去が薄くなりやすいので、《送還/Unsummon(HOU)》とかも含めて、見た除去は全部取る勢いで考えてました。。
2-3は、《ロナスの重鎮/Rhonas’s Stalwart(HOU)》(緑の2マナ2/2、督励で+1/+1)とこの《しなやかな打撃者/Sinuous Striker(HOU)》(3マナ2/2、青マナで1/-1)とで迷ったんですけど、2マナ域はもう3枚取れてて、3マナ域がほとんどなかったので迷って3マナのほうにしたんです。そしたら、あとのほうで《横這ナーガ/Sidewinder Naga(HOU)》(緑の3マナ、砂漠があれば4/2トランプル)が死ぬほど流れてきて、3マナ域は埋まったけど、2-3は間違いだったかなと思いました。
もしナベに見せたら、2-1で《立て直しのケンラ/Resilient Khenra(HOU)》を取ったとき同じパックに《横這ナーガ/Sidewinder Naga(HOU)》がいたことを覚えてて、「3マナ域はこいつが返ってくる可能性を考えると、2-3では2マナのほうを取っておいて、強い2マナ域をそろえておいたほうがよかった」とかって言いそうですね。結局3マナ域はあふれてしまったし、砂漠も1枚しか取れてなかったので。

緑は上とその上くらいまでやってなさそうだったので、3パック目ではレアを期待してたんですけど、残念ながら3-1はいつでも取れるような《エイヴンの修練者/Aven Initiate(AKH)》(不朽つき4マナ3/2飛行)。でも3-2で《主張/Lay Claim(AKH)》(コントロールを奪うエンチャント)が取れたのは、ここまで重いところが全然取れてなかったので、めちゃめちゃうれしかったです。これで相手の神でも、ワームを出すエンチャントでも、何でも取れます。ゴッドレアですね……アンコモンですけど。3-4で《鱗ビヒモス/Scaled Behemoth(AKH)》(呪禁6マナ6/7)も取れて、超活躍しました。《鱗ビヒモス/Scaled Behemoth(AKH)》を出して、相手の一番強いカードのコントロールを奪えばさすがに負けない。

13
覚前さんのデッキ

対戦結果

あまり入れたくない《横這ナーガ/Sidewinder Naga(HOU)》をデッキに入れなければならなかったこともあり、自分では1-2くらいかなと思っていたそうですが、思ったより強くて3-0しました。赤の流れがとてもよかったため、「赤にしたほうがよかったかなともちょっと思ったけど、3-0できたんで結果オーライですね」とのこと。行弘さんもあとでデッキを見て「《横這ナーガ/Sidewinder Naga(HOU)》だけあやしいけど、このデッキはさすがに強そう」と言っていました。
覚前さんは1戦目が終わったあとで同卓の人の対戦を見に行った際、「このデッキと当たったらきついな」と思った除去満載の赤白デッキに、3戦目で当たってしまいました。こちらは2・3マナ域にいるのが守れないクリーチャーばかりなため、攻めきられるとつらかったのですが、相手が2ターン目に動きが止まったり、除去ばかりを手札に抱えていたりしたため、勝つことができました。
 

 

 
20
ラウンドの合間に、ドラフトの内容について話し合うTeam Cygamesメンバーたち。

なお〈MUSASHI〉メンバーの八十岡さんと行弘さんも今回のドラフトは1-2となっており、〈MUSASHI〉全体の勝率は45%と、いつもに比べあまりふるわない結果となりました。ここから頑張ってほしいものです……!

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