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【PTHOU】渡辺雄也/覚前輝也のドラフト【Day2】

D2_渡辺覚前650x350

プロツアー『破滅の刻』、2日目に進出した2人のドラフトの様子です。
 

 

 
●渡辺雄也のドラフト

01

ピックの流れ

1パック目
02
1-1《蝗の神/The Locust God(HOU)》
1-2《穿刺の一撃/Puncturing Blow(HOU)》
1-3《空からの導き手/Aerial Guide(HOU)》
1-4《厳しい事実の永遠衆/Eternal of Harsh Truths(HOU)》
1-5《送還/Unsummon(HOU)》
1-6《空からの導き手/Aerial Guide(HOU)》
1-7《忘れられた王族の壁/Wall of Forgotten Pharaohs(HOU)》
1-8《送還/Unsummon(HOU)》
1-9《エイヴンの葦原忍び/Aven Reedstalker(HOU)》
1-10《かすむ刀剣/Blur of Blades(HOU)》
1-11《魂のたかり屋/Scrounger of Souls(HOU)》
1-12《生存者の野営地/Survivors’ Encampment(HOU)》
1-13《実績ある戦闘員/Proven Combatant(HOU)》
1-14《人生は続く/Life Goes On(HOU)》

渡辺
1-1はほかのカードを見ずに《蝗の神/The Locust God(HOU)》です(笑)。1-2は色合わせもあって《穿刺の一撃/Puncturing Blow(HOU)》(4マナ5点火力)。ここから青の流れがけっこうよくて、赤いカードはほぼ見えてない感じです。
1-6で《空からの導き手/Aerial Guide(HOU)》(3マナ2/2、攻撃で飛行付与)の2枚目と《ロナスの重鎮/Rhonas’s Stalwart(HOU)》(緑の2マナ2/2、督励で+1/+1)があって、上に緑が少なそうなので、青緑タッチ《蝗の神/The Locust God(HOU)》というのも考えましたが、青を絞って下に流さないことで、返しの青の流れをよくしたいと考えて、青のほうをピックしました。
あとは流れで、青のカードがあれば絞っていって、なければそれ以外という感じです。残り5枚で《かすむ刀剣/Blur of Blades(HOU)》(-1/-1カウンター1個と2ダメージ)が取れたのはよかったですね。昨日のドラフトのときも言いましたけど、今回はタフネス1を対処するカードが強いので。
1パック目で青は決まってたんですけど、2色目は赤やれたらいいなという感じで、まだ決まってなかったです。1パック目で流れが悪かったので、2パック目でレアを引いたりほかの色の流れがよかったら移ろうかなと考えてました。。

2パック目
03
2-1《敏捷な妨害術師/Nimble Obstructionist(HOU)》
2-2《業火の噴流/Inferno Jet(HOU)》
2-3《ラムナプの遺跡/Ramunap Ruins(HOU)》
2-4《抑え難い渇き/Unquenchable Thirst(HOU)》
2-5《周到の砂漠/Desert of the Mindful(HOU)》
2-6《業火の噴流/Inferno Jet(HOU)》
2-7《忘れられた王族の壁/Wall of Forgotten Pharaohs(HOU)》
2-8《空からの導き手/Aerial Guide(HOU)》
2-9《ラムナプの遺跡/Ramunap Ruins(HOU)》
2-10《狡猾な生き残り/Cunning Survivor(HOU)》
2-11《エイヴンの葦原忍び/Aven Reedstalker(HOU)》
2-12《機略/Refuse(HOU)》
2-13《よろけ腐り獣/Lurching Rotbeast(HOU)》
2-14《相殺の風/Countervailing Winds(HOU)》

渡辺
2-1はこの《敏捷な妨害術師/Nimble Obstructionist(HOU)》(3マナ3/1瞬速・飛行、サイクリングで能力打ち消し)と《血水の化身/Bloodwater Entity(HOU)》(青赤の3マナ2/2、飛行・果敢)があって、デッキが最終的に青赤になるならマルチカラーのほうが断然強いですけど、この段階でまだ2色目は悩んでる状態だったので、受けの広いピックにしました。2パック目の序盤でボムとかパワーカードが流れてきたら赤を切ってそっちに行くつもりだったので。結果的には、青赤に決め打ってもよかったかもしれません。
2-2はパックが強くなくて、赤のコモン砂漠かこの《業火の噴流/Inferno Jet(HOU)》(6マナ6点ダメージ)だったんですけど、2色目が赤になるのはほぼ決まりで、青赤だと最後の一押しにかなり欲しいカードなので後者にしました。
その後、青は空いてそうだけどあまりパッとしないパックが続いて、赤の流れがよかったというわけでもないんですが、青がメインでタッチ赤になるかなというイメージでした。3パック目で何か引けたら、赤を3色目にするのもありかなというくらいです。。

3パック目
04
3-1《風案内のエイヴン/Aven Wind Guide(AKH)》
3-2《迷宮の守護者/Labyrinth Guardian(AKH)》
3-3《知識の試練/Trial of Knowledge(AKH)》
3-4《戦闘の祝賀者/Combat Celebrant(AKH)》
3-5《ナーガの神託者/Naga Oracle(AKH)》
3-6《錯覚の覆い/Illusory Wrappings(AKH)》
3-7《猛火の斉射/Blazing Volley(AKH)》
3-8《無慈悲な投槍手/Merciless Javelineer(AKH)》
3-9《取り消し/Cancel(AKH)》
3-10《ハイエナの群れ/Hyena Pack(AKH)》
3-11《古代ガニ/Ancient Crab(AKH)》
3-12《オナガトカゲ/Thresher Lizard(AKH)》
3-13《苦しめる声/Tormenting Voice(AKH)》
3-14《ロナスの施し/Benefaction of Rhonas(AKH)》

渡辺
3-1で、この《風案内のエイヴン/Aven Wind Guide(AKH)》(白青の4マナ2/3飛行・警戒・不朽)と青カルトーシュがあって、現状取れているカードで青赤だとそこまで強いデッキにならなさそうだと思ったので、一応青白も目指せるようにということで《風案内のエイヴン/Aven Wind Guide(AKH)》を取りました。青カルトーシュは、すでに《空からの導き手/Aerial Guide(HOU)》が3枚あって飛行付与の役割がかぶっているし、エンチャント先もいないから別にいらないなと。
3-4で取った《戦闘の祝賀者/Combat Celebrant(AKH)》は、カード自体は強くないんですけど、3枚取れている《空からの導き手/Aerial Guide(HOU)》(3マナ4/1、督励でアンタップと追加戦闘フェイズ)と、アンタップして飛ばしてというシナジーになるなと思ったので。
3-7の《猛火の斉射/Blazing Volley(AKH)》(1マナで相手全体1点ダメージ)は、タフネス1除去がもう1枚くらい欲しいと思っていたので、この順目で取れてよかったですね。サイドでかなり活躍しました。
結局白の流れもよくなかったので青赤になりました。単に青のカードが出てなかったのか、上に青が参入したのかわからないですけど、3パック目はあまりふるわなかったですね。

05
渡辺さんのデッキ(島7、山6)。左下の束はサイドボード

対戦結果

3パック目の収穫があまりなかったのが厳しく、全体的なカードの質が低めなのでよくて2-1くらいと予想していましたが、結果は負け・勝ち・負けの1-2でした。
1戦目に負けた相手はクリス・フェネルさん。ドラフトでは対面に座っており、本人が「環境ベスト」と言うかなり強い青赤デッキでした。
2戦目は青黒サイクリングに勝ち、3戦目はHareruya Prosのオリヴィエ・ポラック=ロットマンさんに負け。「3本目、相手のトリックはわかっていたのに、攻め手をさばくプランニングが下手だったので、久々にかなり悔しい負け方だった」とのことでした。

06
クリス・フェネルさんとの対戦。なぜかよくマッチアップするそうで、年4回のプロツアーのうち3回くらい当たっているそうです。負けのほうが少し多いそうですが、前回はプロツアーの決勝ラウンドで渡辺さんが勝っているので、トントンでしょうか。
 

 

 
●覚前輝也のドラフト

07
覚前さんは白黒ゾンビデッキを構築。3パック目の『アモンケット』で強いカードをたくさん引くことができ、3-0! 今大会のドラフトは合計6-0というみごとな“覚醒”ぶりを見せました。

ピックの流れ

1-1《尽きぬ希望のエイヴン/Aven of Enduring Hope(HOU)》
1-2《毒の責め苦/Torment of Venom(HOU)》
1-3《無法の斬骨鬼/Marauding Boneslasher(HOU)》
1-4《毒の責め苦/Torment of Venom(HOU)》
1-5《孤高のラクダ/Solitary Camel(HOU)》
1-6《無法の斬骨鬼/Marauding Boneslasher(HOU)》
1-7《よろけ腐り獣/Lurching Rotbeastv》
1-8《不憫なラクダ/Wretched Camel(HOU)》
1-9《生存者の野営地/Survivors’ Encampment(HOU)》

2-1《オケチラの報復者/Oketra’s Avenger(HOU)》
2-2《砂漠の拘留/Desert’s Hold(HOU)》
2-3《致死の一刺し/Lethal Sting(HOU)》
2-4《呪われた大群/Accursed Horde(HOU)》
2-5《ミイラの大王/Mummy Paramount(HOU)》
2-6《信義の侍臣/Vizier of the True(HOU)》
2-7《ミイラの大王/Mummy Paramount(HOU)》

3-1《結束の試練/Trial of Solidarity(AKH)》
3-2《砂の撹拌/Stir the Sands(AKH)》
3-3《野望のカルトーシュ/Cartouche of Ambition(AKH)》
3-4《呪われた者の王/Lord of the Accursed(AKH)》
3-5《結束のカルトーシュ/Cartouche of Solidarity(AKH)》
3-6《徹頭+徹尾/Start+Finish(AKH)》
3-7《天導+先導/Destined+Lead(AKH)》
3-8《黙考の時間/Time to Reflect(AKH)》
3-9《ただれたミイラ/Festering Mummy(AKH)》

覚前
1-1はほんとに弱くて、取るカードが全然なくて仕方なく《尽きぬ希望のエイヴン/Aven of Enduring Hope(HOU)》(5マナ3/3飛行+3ライフ)。一応青白飛行ってアーキタイプならコモン中心で勝てるからまあまあやりたいと思ってて、それなら必要なパーツなので取りました。
1-3の《無法の斬骨鬼/Marauding Boneslasher(HOU)》(3マナ3/3、ゾンビがいないとブロック不可)もあまりうれしくはないですけど、黒に行くなら入るだろうと。1-4でまた黒除去が取れたので、これなら黒確定かなってなりました。
1-5は黒にいいカードがなくて、1-1で白を取ってたから一応《孤高のラクダ/Solitary Camel(HOU)》をピックしました。続けてゾンビが取れたので、ゾンビ路線は空いてそうだなと。

確か1-8に《ミイラの大王/Mummy Paramount(HOU)》(2マナ2/2、ゾンビが出ると+1/+1)が流れてきて、そのときは白の流れが悪くてやる気がなかったから流して《不憫なラクダ/Wretched Camel(HOU)》にしたんですけど、取ればよかったです。
(ここで「白をやる気がないならなんで1-5で《孤高のラクダ/Solitary Camel(HOU)》を取ったんだ!」と渡辺さんと八十岡さんの突っ込みが入りました)
白が混んでて流れが悪かったとしても、この《ミイラの大王/Mummy Paramount(HOU)》とかはけっこう流れてくるカードだから、黒ベースで白はゾンビの部分だけつまむようなイメージでピックしてたほうがよかったなと思います。
《不憫なラクダ/Wretched Camel(HOU)》と《ミイラの大王/Mummy Paramount(HOU)》じゃ、全然強さが違いますからね。実際の対戦でも《ミイラの大王/Mummy Paramount(HOU)》は5/5になって4/4飛行のスフィンクスが立ってるところに殴りかかったりしてたので、ここで取ってたらずっとデッキが強くなったと思います。

2-1は、黒いカードがなかったので単純にいいカードを。2-2も同様で、この時点で白が確定して、さっき《ミイラの大王/Mummy Paramount(HOU)》流すんじゃなかったと後悔してました。
あと、2-6でマスターピースの《無慈悲/No Mercy》(自分がダメージを受けたらそのクリーチャーを破壊する)が出たんですよ。でも字がよく読めなくて(笑)、「出されたら嫌だけど、自分が使っても強くないな」と思って流しました。相手に出されたら負けると思って、3パック目でエンチャント破壊を2枚確保しました。代わりに取った《信義の侍臣/Vizier of the True(HOU)》(4マナ3/2、督励でタップ)も別に強くないけど、これで勝てた試合もあったし、どっちもどっちでしたかね。《無慈悲/No Mercy》はここまで流れてくるようなカードじゃないと思うので、たぶん黒が卓にかなり薄かったと思います。

3パック目は祭りでしたね。3-1で、白なので押し込む全体強化系のカードは欲しかったので、白試練が取れてラッキー!と。『カルトーシュ来い! 来い!』と思ってたら2枚取れたし、《呪われた者の王/Lord of the Accursed(AKH)》(ほかのゾンビ強化と威迫付与)も取れたし、1-6くらいでもうおなかいっぱいになってました。『ありがとうみんな、ごちそうさま』って(笑)。
3パック目でかなりデッキが強くなりましたね。たまたまいいカードが引けましたけど、1-8でちゃんと《ミイラの大王/Mummy Paramount(HOU)》を取っていれば、3パック目がもっと弱かったとしてもしっかりデッキを組めたと思うので、そこは反省点です。

08
ドラフトが始まるのを待つ覚前さん

09
覚前さんのデッキ(沼8、平地7)

対戦結果

覚前さん的には3-0できるデッキという自信がありましたが、渡辺さんに見せたら「線が細いから1-2」という辛口の評価。なお八十岡さんは「2-1くらい」とのことでした。
結果は、《無法の斬骨鬼/Marauding Boneslasher(HOU)》の3/3というサイズがなかなか強く、2、3ターン目にクリーチャーを展開して、ブロッカーに除去を撃ちながら殴っていくだけで簡単に勝てたそうです。プレイ時間も長引かず、サクサクと勝ち進む覚前さんの姿はとても頼もしく見えました。
 

 

 
10
昼休みに、先日〈MUSASHI〉が取材された映像が流れました。寿司ドラフトのほか、津村健志さんからの質問にメンバーそれぞれが答える内容で、プレイヤーの人となりを伝えるとても面白い映像に編集されていました。追ってYoutubeなどにもアップされますので、見逃した方はぜひご覧ください。

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