【WORLD】2日目ドラフトまとめ【Day2】
2日目、まずはドラフトからです。
日本人プレイヤー2名が全員同じ卓になったのですが、ほかのメンバーはエリック・フローリッヒ、マーティン・ジュザ、オーウェン。ターテンワルド、ジェリー・トンプソン、リード・デュークと超豪華。「このドラフトで3-0するのはグランプリ優勝よりきつい」と行弘さんが言うのも納得です。
このドラフトでは珍しいことが起こりました。エリック・フローリッヒさんからオーウェン・ターテンワルドさんにパックが渡る際に誤ってカードが1枚落ちてしまい、それに気づかないままオーウェンさん、行弘さんとドラフトが進み、リード・デュークさんがピックしたあとカードを並べているときに1枚少ないことに気づきました。ジャッジが来ていろいろな案が出ましたが、最終的には落ちたカードをリード・デュークさんのパックに加え、そのピックだけやり直してそのままドラフトを続行することになりました。何のカードが抜けていたかはわからないのですが、オーウェンさんと行弘さんは1枚少ない状態でドラフトをしていたことになります。はたしてこれが運命の分かれ道となるのか……?
殿堂プレイヤーが8人のうち5人もいる、とんでもないドラフトテーブルです。
カードが足りないまま進んでしまったドラフトをどうするか、ジャッジと協議しています。
ピック中の渡辺さん。
●渡辺雄也のドラフト
渡辺さんのデッキは青黒海賊でそんなに悪い内容ではなかったのですが、繰り返し土地事故に見舞われて0-3となってしまいました。
・ピック順
1パック目
1《夢呼びのセイレーン/Dreamcaller Siren(XLN)》
2《大気の精霊/Air Elemental(XLN)》
3《海賊のカットラス/Pirate’s Cutlass(XLN)》
4《財力ある船乗り/Sailor of Means(XLN)》
5《風と共に/One With the Wind(XLN)》
6《凶兆艦隊の貯め込み屋/Dire Fleet Hoarder(XLN)》
7《見習い形成師/Shaper Apprentice(XLN)》
8《卑怯な行為/Skulduggery(XLN)》
9《川潜み/River Sneak(XLN)》
10《潜水/Dive Down(XLN)》
11《セイレーンの策略/Siren’s Ruse(XLN)》
12《イクサーリの守り手/Ixalli’s Keeper(XLN)》
13《塁壁壊し/Crash the Ramparts(XLN)》
14《秘儀司祭の杯/Hierophant’s Chalice(XLN)》
2パック目
1《ヴラスカの侮辱/Vraska’s Contempt(XLN)》
2《勇敢な妨害工作員/Daring Saboteur(XLN)》
3《探求者の従者/Seekers’ Squire(XLN)》
4《不死の古き者/Deathless Ancient(XLN)》
5《海賊のカットラス/Pirate’s Cutlass(XLN)》
6《小綺麗なスクーナー船/Sleek Schooner(XLN)》
7《難破船あさり/Shipwreck Looter(XLN)》
8《輝くエアロサウルス/Shining Aerosaur(XLN)》
9《血潮隊の聖騎士/Paladin of the Bloodstained(XLN)》
10《溺死者の行進/March of the Drowned(XLN)》
11《金色の歩哨/Gilded Sentinel(XLN)》
12《航海士の喪失/Navigator’s Ruin(XLN)》
13《セイレーンの策略/Siren’s Ruse(XLN)》
14《金色の歩哨/Gilded Sentinel(XLN)》
3パック目
1《セイレーンの見張り番/Siren Lookout(XLN)》
2《海賊のカットラス/Pirate’s Cutlass(XLN)》
3《自暴自棄の漂流者/Desperate Castaways(XLN)》
4《崇高な阻止/Pious Interdiction(XLN)》
5《凶兆艦隊の侵入者/Dire Fleet Interloper(XLN)》
6《風を跨ぐ者/Wind Strider(XLN)》
7《立ち枯れの守り手/Blight Keeper(XLN)》
8《取り消し/Cancel(AKH)》
9《繁雑な火炎砲/Elaborate Firecannon(XLN)》
10《裕福な海賊/Prosperous Pirates(XLN)》
11《呪文貫き/Spell Pierce(XLN)》
12《破砕/Demolish(XLN)》
13《古代ブロントドン/Ancient Brontodon(XLN)》
14《高くつく略奪/Costly Plunder(XLN)》
渡辺さんのデッキ(島9、沼8)
デッキ評価
渡辺「もうちょっと3マナ圏にクリーチャーが欲しかったですね。1-5に強襲で手札を捨てさせる黒の3マナ2/2(《巧射艦隊の拷問者/Deadeye Tormentor(XLN)》)がいて、そっち取ればよかったなと思いました。結果論ですけど《海賊のカットラス/Pirate’s Cutlass(XLN)》が3枚取れたから、この《風と共に/One With the Wind(XLN)》は入らなくて。2色目を悩んでて、どうなるかわからなかったので青を継続したんですよね。
《海賊のカットラス/Pirate’s Cutlass(XLN)》がけっこうおいしい順目で流れてきたのはいいんですけど、クリーチャーを取りたいタイミングでクリーチャーがなくて。クリーチャー以外だけ充実するというのはこの環境でやってはいけないパターンですね。
3パック目はカードの出が悪くて、本当に海賊を見かけなくて取れるものがなかった。上2人が赤白と白黒吸血鬼なのに僕の位置で青の海賊を全然見ないというのは、そもそもの出が悪かったと思います。《海賊のカットラス/Pirate’s Cutlass(XLN)》だけあっても勝てないんだよなぁ。
対戦は、土地をまったく引かないゲームが3回あって……2マナのまま5ターン止まって負けみたいな。マナフラッドも2回あって、ほんとにひどかった。」
●八十岡翔太のドラフト
八十岡さんは《軍団の征服者/Legion Conquistador(XLN)》が4枚入った白黒吸血鬼で、強豪ぞろいの卓で見事3-0となりました。
・ピック順
1パック目
1《アダントの先兵/Adanto Vanguard(XLN)》
2《結集する咆哮/Rallying Roar(XLN)》
3《薄暮まといの空渡り/Duskborne Skymarcher(XLN)》
4《軍団の征服者/Legion Conquistador(XLN)》
5《深海艦隊の扇動者/Fathom Fleet Firebrand(XLN)》
6《饗宴への召集/Call to the Feast(XLN)》
7《軍団の征服者/Legion Conquistador(XLN)》
8《選定された助祭/Anointed Deacon(XLN)》
9《結集する咆哮/Rallying Roar(XLN)》
10《這い回る心止虫/Skittering Heartstopper(XLN)》
11《無情な略奪/Heartless Pillage(XLN)》
12《棘尾ケラトプス/Spike-Tailed Ceratops(XLN)》
13《目隠し霧/Blinding Fog(XLN)》
14《啓蒙/Demystify(XLN)》
八十岡「1-1はこれと《海賊のカットラス/Pirate’s Cutlass(XLN)》があって、悩んでこの《アダントの先兵/Adanto Vanguard(XLN)》を取りました。1-2はパックが弱くて、吸血鬼なら1枚は欲しいんで《結集する咆哮/Rallying Roar(XLN)》を。
1-4の《軍団の征服者/Legion Conquistador(XLN)》は、1枚目は早めに取ろうかなと思ってました。イーフロー(エリック・フローリッヒ)が初手で1マナエンチャント(《軍団の上陸/Legion’s Landing(XLN)》)を取ってたんで吸血鬼なのはわかってたんですけど、ここで消えてしまえば、あとは流れてても取れないんで。
1-5は2マナ1/3飛行(《軍団の飛び刃/Skyblade of the Legion(XLN)》)とこれですごい悩んで、まだ赤白になるかもしれないし、これくらいならいいかって流した結果、最終的に2マナ圏が足りなくなるという(笑)。
遅い順目で《饗宴への召集/Call to the Feast(XLN)》が回ってきたんで、白黒は空いてるんだなと。あと、1-9で《結集する咆哮/Rallying Roar(XLN)》が一周してきたのは、かなりうれしかったですね。」
2パック目
1《海賊のカットラス/Pirate’s Cutlass(XLN)》
2《選定された助祭/Anointed Deacon(XLN)》
3《依頼殺人/Contract Killing(XLN)》
4《不死の古き者/Deathless Ancient(XLN)》
5《血潮隊の聖騎士/Paladin of the Bloodstained(XLN)》
6《輝くエアロサウルス/Shining Aerosaur(XLN)》
7《軍団の裁き/Legion’s Judgment(XLN)》
8《軍団の征服者/Legion Conquistador(XLN)》
9《形成師の聖域/Shapers’ Sanctuary(XLN)》
10《溺死者の行進/March of the Drowned(XLN)》
11《イクサーリの守り手/Ixalli’s Keeper(XLN)》
12《セイレーンの策略/Siren’s Ruse(XLN)》
13《巨大な戦慄大口/Colossal Dreadmaw(XLN)》
14《原初の呪物/Primal Amulet(XLN)》
八十岡「2-1は弱くて、吸血鬼はトークンが出るから《海賊のカットラス/Pirate’s Cutlass(XLN)》を取って、これ以降のトークンを出すカードは見たら取ろうと意識しました。2-2の《選定された助祭/Anointed Deacon(XLN)》は、吸血鬼デッキには2枚目が絶対欲しかったから、除去と悩んだけど取りました。でも結局こいつ卓に5枚出て、このあとグルグル回ってました(笑)。
あと2-4の《不死の古き者/Deathless Ancient(XLN)》も吸血鬼には1枚欲しいカードで、2パック目の序盤で重いところがほぼ固まって、あとは低マナ域を埋めるだけだったんですけど、低マナ域が来ず……。2パック目が終わったときに2マナ圏が本当になくて、1-5で2マナ1/3を流したことを後悔し始めました。」
3パック目
1《指名手配の獄道者/Wanted Scoundrels(XLN)》
2《流血の空渡り/Skymarch Bloodletter(XLN)》
3《鉤爪の切りつけ/Slash of Talons(XLN)》
4《凶兆艦隊の貯め込み屋/Dire Fleet Hoarder(XLN)》
5《女王の任命/Queen’s Commission(XLN)》
6《女王湾の兵士/Queen’s Bay Soldier(XLN)》
7《選定された助祭/Anointed Deacon(XLN)》
8《軍団の征服者/Legion Conquistador(XLN)》
9《輝く報復/Bright Reprisal(XLN)》
10《女王の工作員/Queen’s Agent(XLN)》
11《開花のドライアド/Blossom Dryad(XLN)》
12《海賊の獲物/Pirate’s Prize(XLN)》
13《秘儀司祭の杯/Hierophant’s Chalice(XLN)》
14《新たな地平/New Horizons(XLN)》
八十岡「3-1で、吸血鬼関係なくただ強い2マナ域が取れて、あとは微妙なカードでもとにかく少しでも2マナ域を埋めようと軽いカードを取ってたんで、どっかで《血潮隊の聖騎士/Paladin of the Bloodstained(XLN)》流してます。
確か3-7あたりで《軍団の征服者/Legion Conquistador(XLN)》が回ってきて、3枚あればいいやと思って取らなかったんですけど、また次も回ってきたんで4枚目を取りました。最終的に2マナ域はギリギリ最低数足りた感じですね。」
デッキ評価
八十岡「80点くらい。これにもうちょっとレアがあったらもっと高得点でしたけど。あとジャイグロ(《吸血鬼の士気/Vampire’s Zeal(XLN)》)が1枚欲しかったけど、目の前を1回も通らなかった。」
生放送の休憩中の瀧村和幸さんが立ち寄ったついでにこのデッキを見て「安いカードでちゃんとデッキになっていてバランスがいい。いいデッキですね」とコメントしつつ、ポテトチップやお菓子を差し入れしてくれました。
八十岡さんのデッキ(平地9、沼8)
対戦について
八十岡「普通にトークン出して5マナ3/3出して殴ってれば勝った感じですね。
行弘のときは1本目こっちがマナフラッド、行弘がマナスクリューで、最終的にタイトなゲームでギリギリ勝って、2本目はこっちぶん回り。
イーフロー戦は白黒吸血鬼の同系対決でしたけど、単純にこっちのデッキのほうが強かったです。
ジュザは赤白で、相性いいんで。あとジュザの対戦で面白かったのが、向こうにいる1/3飛行の《軍団の飛び刃/Skyblade of the Legion(XLN)》に+2/+2のエンチャントがついてて殴れなくて、かといって待ってると飛行に殴られて負ける状況だから、うーんなんかないかなーってよく見たら、《選定された助祭/Anointed Deacon(XLN)》は相手のクリーチャーも対象に取れることに気づいて、相手をバンプしてからパワー4以上破壊の《軍団の裁き/Legion’s Judgment(XLN)》で突破しました。ジュザは《軍団の裁き/Legion’s Judgment(XLN)》のことを知ってるから、パワー4にならないようにしてたんですよ。1-5で流した1/3飛行吸血鬼が、まさかこんな意味で活躍するとはって感じでした。
マジックは気づきですね。気づかなかったら負けてそうでした。」
なお、行弘さんも2-1でドラフトを終えており、ウィリアム・ジェンセンさんが全勝していることにより5敗でもトップ4の目があるので、スタンダードラウンドへと望みをつないでいます。