グランプリ・京都2018レポート(前編)
3月24日~25日に757チームが参加して行なわれたグランプリ・京都2018のフォーマットはチームスタンダード・モダン・レガシーによる3人チーム構築戦です。
8月に行われるマジック25周年記念プロツアーへの予行練習ともなる本大会、5人はそれぞれどのようなデッキを使い挑んだのでしょうか。惜しくも初日敗退となってしまいました【Musashi A】を中心に、まずは1日目を振り返っていきましょう。
●チームの分け方について
――<MUSASHI>を世界選手権2017にならって分けた感じでしょうか?
市川「1人ずつ誰がどのフォーマットだと思う?って話をしてたら8割方こうゆう布陣になったんだよね。」
渡辺「せばちゃんとヤソがレガシー、行弘と輝也がモダン、やまけんと僕がスタンダードだろうって話になって。このA・Bの分け方になったら行弘とやまけんが、ヤソと俺が組んだことあるってなったのも一因ですね。」
●Musashi Aの対戦成績
ラウンド | 渡辺 | 覚前 | 八十岡 | チームの勝敗 |
---|---|---|---|---|
R1 | ○ | × | ○ | 1-0 |
R2 | ○ | ○ | ○ | 2-0 |
R3 | × | × | ○ | 2-1 |
R4 | ○ | ○ | × | 3-1 |
R5 | ○ | × | ○ | 4-1 |
R6 | ○ | × | × | 4-2 |
R7 | ○ | × | × | 4-3 |
R8 | – | – | – | DROP |
渡辺雄也の場合
1《廃墟の地》 4《氷河の城砦》 2《イプヌの細流》 3《灌漑農地》 7《島》 6《平地》 土地(23)
クリーチャー(16) |
4《航路の作成》 3《アズカンタの探索》 4《巧みな軍略》 2《排斥》 4《復元》 4《王神の贈り物》 呪文(21) |
1《歩行バリスタ》 1《博覧会場の警備員》 3《賞罰の天使》 2《領事の権限》 2《ジェイスの敗北》 3《否認》 1《イクサランの束縛》 2《燻蒸》 サイドボード(15) |
――デッキ選択の理由を教えてください。
渡辺「青黒、グリクシス、赤緑、赤単、今回使った王神など全部一通りさわってみたんですけど今の環境っていろいろあるように見えて実は特定のカードしか使われていない環境なんで最初嫌いだったんです。そんな時PWCに出てみて、僕が適当につくったサイドボードで準優勝した人がいて(村栄龍司さん「白青《王神の贈り物》」)単純にデッキ強いなって思って翌日から回したら感触よくて。《歩行バリスタ/Walking Ballista》が入っている王神のリスト見たことなかったので使ってみたらリーグの成績が5-0、4-1,4-1とか勝率も良かったんで今回の大会でも使いました。低マナのレジェンダリーカード(《アズカンタの探索/Search for Azcanta》や《アルゲールの断血/Arguel’s Blood Fast》)を多く入れたくないっていう事情を、手札の入れ替えカード(《機知の勇者/Champion of Wits》や《航路の作成/Chart a Course》)でカバー出来ててそこが結構うまくいったなと思っています。」
――印象的だったマッチはありますか?
渡辺「3戦目でミスしてしまったところです。《発明の天使/Angel of Invention》が場に出ている状況でこちらのライフは11、相手の手札2枚が完璧かつ相手のトップが完璧じゃないなら勝てる場面。それをケアして《歩行バリスタ》を出すか悩んでいたのですが、トップも含めて全部完璧で負けてしまった試合ですかね。」
覚前輝也の場合
3《黒割れの崖》 3《血の墓所》 4《血染めのぬかるみ》 1《沸騰する小湖》 1《乾燥台地》 1《踏み鳴らされる地》 2《樹木茂る山麓》 2《山》 1《沼》 土地(18)
クリーチャー(24) |
4《燃え立つ調査》 2《集団的蛮行》 4《信仰無き物あさり》 4《ゴブリンの知識》 4《稲妻》 呪文(18) |
3《古えの遺恨》 2《血染めの月》 3《渋面の溶岩使い》 3《虚空の力線》 1《集団的蛮行》 3《致命的な一押し》 サイドボード(15) |
――覚前さんはプロツアー『イクサランの相克』と同じ赤黒ディスカードですね。
覚前「はい、プロツアーの時すごいいいデッキなのに成績がふるわなかったから、Hollow Oneでリベンジできる大会があったら出たいなと思ってました。MOでHollow Oneデッキを中心に他にもジャンドや青白を試したんですけどこれだというものがなくて…。」
――7回戦中3回、赤緑とマッチングしてて相性悪かったですよね。
覚前「いや、そこも僕が間違えてて…サイド後、赤緑にめちゃくちゃ相性のいいカードの《大物狙い/Big Game Hunter》をプロツアーの時に入ってたんでずけど今回環境的にそんなにエルドラージ系と当たらないだろうとふんで全部抜いていたんです。でもめちゃくちゃ当たりました…。7回中6回は《大物狙い》をサイドインしたいマッチアップだったので選択ミスを痛感しました。」
八十岡翔太の場合
3《霧深い雨林》 3《新緑の地下墓地》 4《汚染された三角州》 2《不毛の大地》 1《Bayou》 2《Tropical Island》 3《Underground Sea》 1《島》 1《森》 1《沼》 土地(21)
クリーチャー(12) |
3《トーラックへの賛歌》 4《渦まく知識》 4《意志の力》 4《致命的な一押し》 3《突然の衰微》 1《思考囲い》 1《湿地での被災》 4《定業》 1《最後の望み、リリアナ》 2《精神を刻む者、ジェイス》 呪文(27) |
2《狼狽の嵐》 1《大渦の脈動》 1《外科的摘出》 1《水流破》 1《青霊破》 1《ヴェールのリリアナ》 1《虚無の呪文爆弾》 2《不屈の追跡者》 1《思考囲い》 1《湿地での被災》 2《悪魔の布告》 1《呪文貫き》 サイドボード(15) |
――勉強不足ですみません…レオヴォルドの基本的な動きやどんなデッキか教えてください。
八十岡「まず、《トレストの使者、レオヴォルド/Leovold, Emissary of Trest》は3マナ3/3のオリカ(オリジナルカード)ですね!マナが青緑黒と3色かかるんですけど、能力が2つあって…1つは対戦相手は1ターンに1枚しかカードを引けない。レガシーって結構《渦まく知識/Brainstorm》とかキャントリップ(カードを1枚引くカード能力のこと)が多いじゃないですか?それを全て封殺するんで。2つ目の能力は自分か自分のコントロールするパーマネントが対象になるとカードが引ける。例えば除去られたり、ハンデスくらっても全部1ドローになるみたいな感じなので出し得。それと《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》ていう対戦相手がコントロールするものから一切選ばれないしダメージを受けないっていうカード、この2枚がキーですね。」
――レオヴォルドは何されてもカードを引けるし、相手にカードを引かせないって事ですね!
八十岡「そう。《渦まく知識》を間違えて相手がうつと手札が2枚減るんで、0枚引いて2枚戻すとかそうゆう奇跡が稀に起こりますね。ちなみに《真の名の宿敵》はMOで80~90チケットしてて今一番高いカードですよ。」
――このデッキはどこで見つけたんですか?
八十岡「4Cレオヴォルドは結構昔からあるんですけど3Cレオヴォルドは最近出てきたやつでグランプリで。まぁでも僕の構成は結構独特なんで強いカードいっぱい入れただけですね。レガシーは間違いなく《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》と《渦まく知識》がトップ2なので、それらをデッキで使いたいなと思いました。あと《意志の力/Force of Will》も使いたかったので入れました。他は適当に強いと思っカードを入れたみたいなデッキです。」
●おまけ
――優勝チーム予測について聞いてもいいですか?(1日目の晩のこと)
市川「そりゃうちでしょ!」
行弘「まぁ便宜上僕らですけど。」
山本「全然知らない人が勝つとか。」
行弘「たしかにナベたちのチームとか優勝候補だったけど初日落ちしてしまっているしね。」
八十岡「隠れた猛者たちが多いよね。モダンやりこみ勢とレガシーやりこみ勢をひきこんだチームが勝つ。」
行弘「スタンでいくら勝ってもモダンとレガシーはブレが激しいフォーマットなんで、そこを安定感もってできるチームは強いかなと。」
――なるほど。そういえば腕のラバーバンドは初めて見ました!
八十岡「海外ではよくあるんですよ。」
渡辺「国内では確かに初めてかも。赤がスタンダード、緑がモダン、青がレガシーになってて、座る席を間違えないように同じ色のバンドをつけた者同士が対戦するようになってます。」
――お疲れのところありがとうございました。
京都の焼肉チェーン店で乾杯(行弘さんは実はコーラ!)
選手たちが身につけていたラバーバンド
このへんで前編は終了です。後編も近日中にアップします。
ここまで読んでくれた方に朗報です。武蔵の登山記事を書きためてくれていたメンバーがいることが発覚し…(神)記事になりそうですのでお楽しみに!
モダン:覚前輝也
レガシー:八十岡翔太