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【PTDOM】1日目スタンダードラウンドまとめ【Day1】

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今回、Team Cygamesの4人は珍しく全員同じエスパーコントロールデッキを使っていましたが、1日目を終えた結果、残念ながら渡辺さんと八十岡さんは初日落ち。市川さんと山本さんが2日目に進出となりました。

また、行弘さんは初日最終戦で市川さんに勝ち、6-2の好成績で2日目に進んでいますが、実は大会前日の取材時にこんな会話が交わされていました。

――行弘さんだけエスパーコンではないそうですが、デッキが違う理由は?
行弘「好みですね。僕はいつだって倒す側に回りたい!」
渡辺「行弘のデッキは、僕らのデッキを倒せます。」
市川「まさに身内メタ(笑)。」
行弘「〈MUSASHI〉に当たったら……倒します(笑)。」
――仲間の屍を超えていくんですね。

 

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楽しげな市川さんVS行弘さんの対戦

 

 

 

●デッキについて

木曜日の前日取材時に、今回皆さんが選んだエスパーコントロールについて、元にしたデッキリストがあるのかを聞いたところ、Cygamesドラフト合宿にもいらしている木原惇希さんが5-0したリストを市川さんが回してみたら感触がよかったので、前週ごろ構築合宿に持ちこんだとのことです。リーグで試したスコアも市川さんが4-1、渡辺さんが5-0と高く、デッキパワーの高さで採用となりました。
木原さんはそのデッキが元になっていることを知らず、皆さんのほうもその後木原さんがどんなふうにオリジナルのデッキを進化させたかはわからないので、もしプロツアーで対戦する機会があれば見ものといえるでしょう。

それでは、1日目のスタンダードラウンドの成績について、それぞれ簡単にまとめてまいります。
(※デッキリストは2日目の終了後に掲載)

 

 

 

●八十岡翔太の場合

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1日目ドラフトラウンドの戦績
1-2

1日目スタンダードラウンドの戦績(通算戦績 1-5)/エスパーコントロール

ラウンド 対戦相手のデッキ(相手の名前) 勝敗
4 青緑王神 負け(〇××)
5 青白コントロール 負け(×〇×)
6 赤単 負け(×〇×)
7
8

対戦について

――全体的に事故ぎみだったという話は聞いていますが……。
八十岡「まず4ラウンド目の1本目は、相手が4マリガンしてこっちのデッキだけ見て投了。2本目は除去×2、《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria(DOM)》、土地4の手札をキープしたら、2ターン目の《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass(XLN)》に《テフェリー》を止められて、そのあとゲームが終わるまでに引いたのは土地8枚と《取り消し/Cancel(XLN)》と《テフェリー》だけでした。3本目は土地3、ボブ(《光袖会の収集者/Glint-Sleeve Siphoner(AER)》)×2、カウンター、4マナ除去でキープしたら、ゲーム終わるまで土地3枚のままでした。」

――それで、運を変えるべくスリーブを投げ捨てた。
八十岡「はい。もらったやつが120枚入りだったんですけど、60枚ずつでロットが違うみたいで、使いづらかったからそもそも替えないといけなかったですけどね。」

――そして、スリーブを替えたにもかかわらず……。
八十岡「5ラウンド目の青白は、1本目普通に負けて、2本目はかなりいいゲームでぎりぎり取って、3本目は相手がかなりベストムーブで、2連打してきた《テフェリー》が通っちゃって、それで取られた2枚差くらいのアドバンテージによって《水没遺跡、アズカンタ/Azcanta, the Sunken Ruin(XLN)》がひっくり返って負け。」

――最後の赤単は?
八十岡「1本目は相手が1ターン目《ボーマットの急使/Bomat Courier(KLD)》、2ターン目《損魂魔道士/Soul-Scar Mage(AKH)》、3~5ターン目で゛《アン一門の壊し屋/Ahn-Crop Crasher(AKH)》×2回、《熱烈の神ハゾレト/Hazoret the Fervent(AKH)》って出てきて、あとの3枚は全部打ち消したんですけど、その時点で《ボーマットの急使》のカードが貯まってて、《テフェリー》を出したところで6枚ドローされて、そのまま押し切られて負けました。」

――赤単のいい動きですね。
八十岡「2本目は先攻で圧勝して、3本目マリガンしたら重い手札になって、土地止まって負けです。」

デッキ選択の理由

――今回のデッキ選択についてはどうでしたか?
八十岡「可もなく不可もなく。まあ、今回は選択肢が赤黒かこのエスパーの2つしかなかったんで、どっち使ってもよかったんですけど、赤黒は同系にあまり差がつかなくて、環境に赤黒が多いと思ったからってくらいですかね。あと、よくわかんないデッキに対してはコントロールのほうがゲームしやすいのと、赤黒はトップメタなんで相当メタられてるかなというのもちょっとあります。」

――発売後プロツアーまで時間がありましたが、オリジナルのヤソデッキを作ろう、とかはなかったですか?
八十岡「いろいろやった結果、無理でしたね。やっぱりグランプリとかMOCSとかあったんで、いろんなデッキが練られてて。最初のころなら強いデッキでも完成度は低いんで、知られてないデッキを持ち込むアドバンテージもあるんですけど、デッキが完成しちゃったあとは、デッキパワーが低いとそれだけで負けるんで。」

――すると、早い時期のプロツアーのほうが楽ですか?
八十岡「個人的には早いほうがいいですね。今回はメタゲームブレイクダウンもそんなに予想とずれてなかったし、あとは赤黒が多いからそっち対策に寄せるか、コントロールに勝つために軽くするか、みたいな部分しかないんで。」

 

 

 

●渡辺雄也の場合

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1日目ドラフトラウンドの戦績
0-3

1日目スタンダードラウンドの戦績(通算戦績 3-5)/エスパーコントロール

ラウンド 対戦相手のデッキ(相手の名前) 勝敗
4 赤黒機体 勝ち(〇〇)
5 青白コントロール 負け(×〇×)
6 赤黒機体 勝ち(〇〇)
7 青白コントロール(Joel Larsson) 勝ち(〇〇)
8 黒緑巻きつき蛇 負け(×〇×)

対戦について

渡辺「5ラウンド目の青白コンは、基本的にメインは不利でサイド後に2本取る構成なんですけど、3本目に土地2枚でキープしたら、上から9枚に1枚も土地がなくて……。」

デッキ選択ついて

――発売から間が空いて環境が煮詰まったプロツアーはしんどいですか?
渡辺「正直、つまんないプロツアーだなと思いながらやってました。(同じタイミングでの開催だった)『イクサラン』のときも思ったんですけど、環境末期はみんなデッキがしっかりしてて、グランプリだったらいいんですけど、プロツアーとしては面白くないなと。今までは最新セットをうまく使った人が勝つみたいなところが好きだったんで。」

――デッキはみんな強いのを持っているから、あとは腕次第、というところはないですか?
渡辺「うーん、微妙ですね。最終的には強いチームが何を持ってくるか次第なので、運ゲーかなと思いますね。
発売から1か月あると、調整チームに所属してない人は時間を取ってリミテッドも構築もしっかり準備ができるので、うれしいと思います。でも練習環境が整っているプロプレイヤーは、少ない時間でしっかり練習できるところが強みなので、今まではプロのほうが有利だったのかなと。」

――なるほど。デッキ選択自体はどうでしたか?
渡辺「これを選んだことに後悔はないです。緑系に対してもう少し受けられるように、サイドをあと2枚くらい変えて細部を詰められたかなというのはありますけど。黒緑蛇と当たったときにサイド後全然枚数合わなくて、ちょっとガード下げすぎたなと思ったので。」

――それは前日取材で言っていた、「あと1日あったら変わってたかも」という部分ですか?
渡辺「かもしれないですけど……まぁそこまででもないですね。結局青白と赤黒が多いだろうからそこに強くしたんですけど、ちょっとオーバーボーダーだったかなと。」

 

 

 

●市川ユウキの場合

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1日目ドラフトラウンドの戦績
2-1

1日目スタンダードラウンドの戦績(通算戦績 5-3)/エスパーコントロール

ラウンド 対戦相手のデッキ(相手の名前) 勝敗
4 赤タッチ黒(Ari Lax) 負け(××)
5 赤黒 勝ち(〇〇)
6 エスパーミッドレンジ 勝ち(〇〇)
7 赤単 勝ち(〇〇)
8 黒緑砂漠(行弘賢) 負け(××)

対戦について

――全部2ゲームで終わっていますね。
市川「確かにそうすね。省エネですね。」

――印象的な試合などは?
市川「まず賢ちゃん(行弘さん)のデッキはさすがにメタられすぎてて、(『本当にそんなカードがメインに入っているのか』と)デッキチェックを要求したい(笑)。」
渡辺「してもいいレベルだよ。」
市川「エスパーミッドレンジのときは、僕が《スカラベの神/The Scarab God(HOU)》出して4マナ立ってて、最悪《ヴラスカの侮辱/Vraska’s Contempt(XLN)》を撃たれても相手の墓地にいるボブを釣れればリターンはでかいんで勝つかなと思ってたんです。そしたら、2/1の《機知の勇者/Champion of Wits(HOU)》が殴ってきて。『えっ、なんも裏目なさそうだけど?』って《スカラベの神》でブロックしたら、『じゃあ7マナで戻すね』って言われて、『いやちょっと待て、世の中にはエンドコンバットという概念があるんだ』って、4マナで釣って4枚ドローして勝ち。」
行弘「それは勝ってまうなー。」
市川「あと赤単のときは、メインで《スカラベの神》を出して勝ったら、サイド後相手が《損魂魔道士/Soul-Scar Mage(AKH)》と《地揺すりのケンラ/Earthshaker Khenra(HOU)》しか出してこなくて、こっちもそんないい手札じゃなかったんで3点ずつずっと殴られて、手札けっこうあるから火力撃ち込まれて負けるんだろうなと思ってたら、何も撃たれず相手が手札3枚抱えたままゲームが終わって。見せてくれた手札が3マナ5点(《火による戦い/Fight with Fire(DOM)》)×2と《マグマのしぶき/Magma Spray(AKH)》。」
渡辺「そんなことある?」

火による戦いマグマのしぶき

市川「たぶんメインの《スカラベの神》の印象が強烈すぎて、火力でなんとかしないとって思ってたんでしょうね。俺はゆうゆうと《天才の片鱗/Glimmer of Genius(KLD)》を2回撃ち、《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk(KLD)》を出して勝ちました。」

――得意技の、相手をミスらせる能力を発揮してますね。
市川「まあ、デッキ構成がばれてないってのもあると思いますけど。」

デッキ選択ついて

――今回のデッキ選択はよかったですか?
市川「どうですかねー、けっこう練習で感触がよくてずっと回してたんで、これ以外の選択がないという感じでした。赤黒は使いたくなかったし、ミッドレンジもあまりうまいものが思いつかなかったので。」

 

 

 

●山本賢太郎の場合

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1日目ドラフトラウンドの戦績
1-2

1日目スタンダードラウンドの戦績(通算戦績 5-3)/エスパーコントロール

ラウンド 対戦相手のデッキ(相手の名前) 勝敗
4 赤単(松本友樹) 勝ち(〇×〇)
5 青白コントロール 勝ち(〇〇)
6 赤黒機体 勝ち(〇〇)
7 赤タッチ黒(Kai Budde) 勝ち(×〇〇)
8 赤タッチ黒(村栄龍司) 負け(××)

デッキ選択について

――今回のデッキ選択の理由は?
山本「もともと赤単を調整してて、なるべく赤単を使いたかったんですけど、ちょっとデッキパワーが足りないなということになって、周りの人にも『赤単どう?』って聞いたら『今はちょっと弱いと思う』って言われて、じゃあ赤単はやめようと。そうすると残ってる選択肢がエスパーくらいしかなかったので、今回は人のデッキを使わせてもらうことにしました。なので、メタとかは特に考えてなくて、単純に残った選択肢の中から一番強そうなデッキを選んだだけです。」

――デッキを赤単から変えたのはけっこう直前なんですか?
山本「3、4日前くらいにはエスパーで行こうかなと。」

――まあまあ急だったんですね。やや扱いにくいデッキなのかなとも思ったんですが……。
山本「そんなことないですよ。コントロールデッキってマナ域がまんべんなく散らばっていて、ビートダウンみたいに低マナ域に寄ってないんで、マナ効率優先でやるだけで、コンバットもないんでビートダウンより全然簡単です。」

――実際、こっちのほうがデッキパワーが高いなという感じでしたか?
山本「そうですね。」

――では明日も引き続き頑張ってください!

 

 

 

明日に向けて、山本さん・市川さん・行弘さんという、グランプリ・京都2018や2017年の世界選手権での組み合わせでいう「〈MUSASHI〉Bグループ」の3人が残った形となります。今までも、Aグループが倒れたあとにこそ粘り強さを発揮してきたのがBの皆さんでした。
チームシリーズの2年連続決勝進出に向けてただいまピンチではありますが、みんなで晩ご飯を食べながら、行弘さんが「3人でこの窮地を乗り越えよう!」と宣言すると、八十岡さんに「大丈夫でしょ、3人で26点くらい取れるでしょ?」と言われ誰が何点取るかの皮算用を始めるなど、ワイワイしながら夜が更けていきました。

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