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【PT25A】1日目〈MUSASHI〉チームA(渡辺・覚前・八十岡)まとめ【Day1】

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今日の7回戦を、チームごとに振り返ります。
まずはMTGJP公式による「#PT25A日本人チーム最上位予想」のハッシュタグでもたくさんの票を集めていた〈MUSASHI〉チームAです。

※プレイヤーの意向により、本日の記事ではデッキ内容は伏せさせていただきますのでご了承ください。

 

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巨大なコンベンションセンターの、奥まったホールでプロツアーが開催されています。

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ホール入口には、目をビカビカ光らせたプレインズウォーカーたちの看板があります。

 

 

 

●対戦結果

Staff
スタンダード:渡辺雄也(2-4-1)
モダン:覚前輝也(3-4)
レガシー:八十岡翔太(4-3)
ラウンド 渡辺(対戦相手) 覚前(対戦相手) 八十岡(対戦相手) チームの勝敗
R1 ○×-(赤黒アグロ) ○○(ストーム) ○×○(青白奇跡) 1-0
R2 ○○(赤単) ○○(マルドゥパイロマンサー) ××(カナディアンスレッショルド) 2-0
R3 ×○×(赤単タッチボーラス) ○○(バントスピリット) ×○×(カナディアンスレッショルド) 2-1
R4 ○×○(青白) ○××(グリクシス死の影) ○○(グリクシスコントロール) 3-1
R5 ×○×(緑単) ××(ヴェンジバイン) ○×○(茶単) 3-2
R6 ××(赤単アグロ) ××(ヴェンジバイン) ××(グリクシスコントロール) 3-3
R7 ××(赤単アグロ) ○××(ホロウワン) ○×○(グリクシスデルバー) 3-4

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フィーチャー席で笑顔の3人

 

〈MUSASHI〉は昨年のチームシリーズで優勝しましたし、ワールド・マジック・カップの優勝チームとも2人かぶっているので、フィーチャーマッチに選ばれるかもとは思っていましたが、1ラウンド目でいきなりステージに呼ばれました。
相手はジョン・フィンケル、アンドリュー・クネオ、ポール・リッツェルからなるチーム・アルティメットガードです。2人の殿堂を擁し、現在チームシリーズ1位の対戦相手とのフィーチャーマッチは、まさに「最初からクライマックス」といったところです。
覚前さんが、今まで一度しか当たったことがない(その時は負け)ジョン・フィンケルに勝利し、渡辺さんと八十岡さんがそれぞれ1-1になりましたが、八十岡さんが勝ち。渡辺さんは「手札的に、もし3ゲーム目をやってたら負けてた」そうで、幸先のいいスタートを切ることができました。

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試合に勝利したあと、相手から握手だけでなく、ひじをぶつけるようなかわいい挨拶を求められました。

しかし、最終的には事故に見舞われるなどもあって3勝4敗と、微妙なラインに落ち着きました。
いつもより1ラウンド少ない7回戦でしたが、「短いというよりも、淡々と1ラウンドずつこなしていくみたいな感じで、なんだかグランプリみたいな感じでしたね。」と覚前さん。

 

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日本人チーム対決もありました(左から玉田さん、廣澤さん、津村さん)

八十岡翔太の場合

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八十岡さんは今日、めずらしく眼鏡をかけていません。忘れたわけではなく、かつて優勝したプロツアー・チャールストン2006のときにかけていなかったからだそうです。
昨日フランスのジェレミー・デザーニに、「ショータが昔チームプロツアーで優勝したときの写真は、眼鏡をかけてないから同一人物だとわからなかった」と言われ、じゃあ当時を思い出してコンタクトにしてみよう、ということだそうです。
大会のときは面倒なのでだいたい眼鏡ですが、マニアな市川さんは「2012年のプレイヤー選手権の時はコンタクトだったよね。直近だとそれが最後のはず」と覚えていました。

覚前輝也の場合

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覚前さんは前半戦では1ゲームも落とさず6連勝していて、ラウンド3のあとの昼休みに「調子いいですね!」と声をかけたら、「今までもプロツアーの最初だけ調子いいことはけっこうあったから、ここから踏ん張れるかどうかですね」と冷静に自己分析していました。
残念ながら、その後半戦ではツキに恵まれず、4連敗となってしまいました。

――今日の試合を振り返って、どうでしたか?
覚前「ラウンド6で1回、勝ち確を落としたんです。負けが込んでるとけっこう……」

――冷静になれなかった?
覚前「そうですね……(言葉を探す)モダンにけっこうありがちなんですけど、前半戦は引きたいところでちゃんと引けて勝ったけど、後半戦は急に引きが悪くなったというか……そのうえで相手はうまく回って……。」
渡辺「下ブレてたよ。よく土地6枚とか引いてたもん。」
覚前「しょうがないけど、でも、引きが悪かったって言い訳をしたくなくて……『引きが弱くて負けました』なんて、記事読んでる人も、『そんなんだったら俺でも言える!』ってなるじゃないですか。チームの中でもやっぱり勝ててないので、『そういうこと言ってるから勝てないんだぞ』って思われてもおかしくないから、何かうまい言い方はないかなと……。」

――うーん……。でも、呪文4土地3の手札をキープしたらゲーム終了まで土地しか引かなかった、なんてこともあったんですよね。そういう試合から何かを学べるというわけでもないのですし、どうしようもないと思います。明日はデッキ内容について教えていただこうと思っているので、その際にはよろしくお願いします。

渡辺雄也の場合

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渡辺さんは、後半戦でマナフラッドや事故ばかり起きてデッキが全然回らず、1日目終了後の取材時はだいぶグロッキーになっていました。

――今日の試合を振り返って、どうでしたか?
渡辺「ラウンド4から全部後手で全部マリガンしてて、7枚キープできたことが1度もないレベルだったんで……。それでプレイもちょっと雑になってた部分があって、よくなかったなと思うんですけど。ちゃんとやれば取れてたゲームはあったかもしれない。」

――なるほど。
渡辺「正直、個人の成績的には初日落ちなんで、明日もこのデッキを使うのはだいぶイヤになってますね。
同じチーム構築だったグランプリ・京都2018のときも思ったんですけど、チーム感がなくてつまんないフォーマットだなと思います。横のてるやに『サイドボードどうすればいいかな?』って聞かれても、僕はまったくモダンがわからないから助言のしようがない。変に知識のないフォーマットに口出しすることで、逆に敗着を作ってしまうこともあるし。チームなのに一緒にゲームしてる感じがなくて、ただの個人戦。このフォーマットはできれば二度とやってほしくないです。
スタンダードで負けたのは完全に自責なんですけど、フォーマット自体がつまらないし、今日は全然楽しめなかったですね。ラウンド1でチーム・アルティメットガードと当たったときが一番楽しかったです。」

――確かに、あれは我々もすごく盛り上がりました。

 

 

 

●覚前さんの覚醒

――話は変わりますが、覚前さんは、今回左右のプラチナ殿堂2人にプレイングをたたき込まれたとか。
覚前「GPのあとの共同生活のとき、MOやってると意見くれたり。」

――MOやってると、後ろから渡辺さんと八十岡さんがいろいろ言ってくれるってことですか? いいですね。
覚前「ヤソが横でMOしてて、聞いたら教えてくれたり、『これマリガンする?』って2人に聞いたり。初めのうちはけっこう意見が違ったんですよ。僕的にはキープの手札を2人ともにマリガンって言われたり。」

――それが、だんだん意見が合うようになっていったんですか?
覚前「そうですね、合宿後半になったら、『これはぎりぎりマリガン?』って聞いたら、『だいたいそのくらいの感覚』みたいな、だんだん感覚が合ってきて。しかも、後半になるにつれてMOの成績がどんどんよくなっていったんです。ウナギのぼりに。いつもみたいに1人で練習してたら何気なくキープしてたようなところも考えられたし、よかったです。」

――自分がキープのところを、マリガンやろ!って言われたら納得いきますか?
覚前「納得いくときといかないときとありますけど、やってみないとってことで。」
市川「練習だったら周りの人が言ってる通りにして、普段やらないプレイをやったほうが絶対練習になる。練習では、新しい視点のプレイが出たらやり得。」
八十岡「まあ、デッキ的にマリガンくらいしか言うところないからね。あとは流れで。」
渡辺「ずっと1ランドの7枚の初手をキープするって言ってて、見てたら『いやマリガンでしょ』ってことが多くて。で、だいたい負けてたんですよ。だから、『そういう手札はマリガンしてみるようにしたら?』って言ったら、勝率上がりました。」
行弘「そのうち、『マリガンが板』って言いだしたね(笑)。『このデッキ、6枚でもけっこういける』って。」
渡辺「マリガンにちょっと強いリストになってるのに、マリガン全然してなかったから。」
行弘「最初はマリガンがめちゃめちゃつらいと思ってたけど、実はちょっとつらい、くらいに認識が変わったってことだよね。基本的にマリガンはしないけど、する手札も存在することがわかったおかげで引き出しが広がった感じですね。」

――なるほど、それはいい話ですね!

 

 

 

●明日の目標

最後に明日の目標をチームに聞いたところ、渡辺さんがプラチナになるために5-2以上を目指すとのことですが、覚前さんは「7-0してナベかヤソのどちらかが(プロポイントトップになって)日本代表になること」と野望を語ってくれました。

 

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今回のプロツアーには、世界を目指す若者がマジックを通じてさまざまな体験を積む「ユースアンバサダープログラム」に選ばれた若者たちが訪れており、渡辺さんと八十岡さんは彼らから質問を受けていました。
ユースアンバサダーに選ばれたあとでマジックを始めたばかりの子もいるため、大会やデッキについてとかよりも、「マジックってどういうものなんですか」とか、どこに住んでいるのかとかを聞かれたそうです。

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ユースアンバサダーの中に、マジックを使って英語を教えている塾に通っている子がいるのですが、その先生がどうも八十岡さんの高校の同級生らしいという奇跡的な巡り合わせもありました。
デッキ選択の理由などは2日目のレポートでまとめてお届けしますので今しばらくお待ちください。

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