【PTGRN特別企画】なべごく! ~正しいイゼットドレイクの使い方~
今回のプロツアーでトップ8に入賞した「イゼットドレイク」デッキ。
Cygamesスタッフと一緒に、渡辺さん本人からこのデッキの使い方を教わりましょう! とても難しいデッキだという話ですが、これさえ読めばきっと使いこなせるはず……!!
7《島》 5《山》 4《蒸気孔》 4《硫黄の滝》 1《イゼットのギルド門》 土地(21)
クリーチャー(15) |
4《選択》 4《ショック》 4《発見+発散》 4《急進思想》 4《航路の作成》 3《溶岩コイル》 1《最大速度》 呪文(24) |
1《つぶやく神秘家》 2《パルン、ニヴ=ミゼット》 1《呪文貫き》 2《軽蔑的な一撃》 3《幻惑の旋律》 3《火想者の研究》 1《標の稲妻》 2《イゼット副長、ラル》 サイドボード(15) |
●デッキの基本
――ナベ先生、よろしくお願いします。そもそも、このデッキはどうやって戦うんですか?
渡辺「えっ、そこから!?(笑)」
――はい!
渡辺「えーと、《ゴブリンの電術師/Goblin Electromancer(GRN)》を出して、軽くなったドロー呪文をたくさん撃つと、《弧光のフェニックス/Arclight Phoenix(GRN)》が墓地から返ってきて、《奇怪なドレイク/Enigma Drake(AKH)》と《弾けるドレイク/Crackling Drake(GRN)》も大きくなるので、それで殴って勝つというデッキだね。ドローがクリーチャーを強くすることにつながるので、軽い除去とドローを撃ちながら戦っていけば、自然と有利になっていくんだ。」
――先生のデッキレシピで、特徴的なポイントって何かありますか?
渡辺「普通のリストだと、メインに《標の稲妻/Beacon Bolt(GRN)》が1枚入っていて、その分《溶岩コイル/Lava Coil(GRN)》が1枚減っているんだけど、僕は《ゴブリンの電術師》を出した次のターンに3つスペルをプレイしやすい構成がいいと思っているので、重いと感じる《標の稲妻》を《溶岩コイル》に替えたんだ。」
――なんでスペルを3つ唱えたいんですか?
渡辺「手札から《急進思想/Radical Idea(GRN)》や《航路の作成/Chart a Course(XLN)》で《弧光のフェニックス》を捨てておいて、墓地から出すためだよ。
だけど、《標の稲妻》は《ゴブリンの電術師》で軽減しても2マナかかってしまう。3ターン目に《孤光のフェニックス》が返ってくる爆発力のためには、1ターンでたくさん動きたいデッキだから、軽い呪文を優先したいんだ。」
――あれっ先生、《発見+発散/Discovery+Dispersal(GRN)》があるけど、黒マナが出ないじゃないですか。
渡辺「これは左側の効果だけを、青マナで運用するんだ。ここの枠には《苦しめる声/Tormenting Voice(AKH)》を採用してたこともあったんだけど、《発見》のほうが強いんだよね。《苦しめる声》だと手札を1枚捨てて2枚引くから、デッキを2枚掘ることになるけど、《発見》はデッキを最大3枚掘れる。それに、もしカウンターされた場合、《苦しめる声》は手札を2枚失うことになってしまう。
ただし、手札に《孤光のフェニックス》があるときにそれを捨てられるという点では《苦しめる声》のほうがいいんだけど、手札を捨てるカードはほかにもあるからね。」
――1枚だけ入っている《最大速度/Maximize Velocity(GRN)》は何のためですか?
渡辺「これがあれば、巨大になったドレイクに速攻をつけて、油断した相手のライフを1ターンで20点削り切ることもできる。
だけど、2枚は引きたくないカードなので、1枚だけにしている。実際にプロツアーでもすごく活躍したけど、2枚目を入れようとは思わないね。このデッキにはドローがたくさん入っているので、1枚でも探しやすいから大丈夫。引かなきゃゲームメイクできないというわけでもないしね。」
――なるほど、じゃあこのデッキはこれが完成形ですか?
渡辺「このメインボードにはかなり満足してる。もし変えるなら《急進思想/Radical Idea(GRN)》を1枚、別のドロー呪文に替えるくらいかな。これは《ゴブリンの電術師》がいないとかなり撃ちづらいカードなんで、4枚だとかさばりやすい。今思えば、1枚は《苦しめる声》でもよかったかもしれないな。」
●《ゴブリンの電術師》について
渡辺「イゼットドレイクには、《ゴブリンの電術師》が入ってないタイプもあるんだよね。僕の中ではありえないと思ってるんだけど。」
――えっ、今までの話だと、《ゴブリンの電術師》はすごく大事っぽかったじゃないですか。いないとどんな形になるんですか?
渡辺「ドレイクが8枚になって、2マナの呪文を減らして1マナのキャントリップ(カードを1枚引く効果がついている呪文のこと)をたくさん入れて、土地も切り詰める感じだね。」
――あー、《ゴブリンの電術師》で軽くしなくても、最初から1マナの呪文をたくさん撃つんですね。
渡辺「でも当たり前だけど、1マナの呪文より2マナの呪文のほうが素の能力が強いから、僕は《電術師》なしバージョンは弱いと思ってる。それに、サイドボードも《電術師》に対応して作っているからね。」
――うーん、でも先生、それって裏を返せば、先生のデッキは《電術師》を全然引けなかったときに厳しいってことですか?
渡辺「確かにゲームはしづらいね。準々決勝も、《電術師》を2ターン目に出せたゲームは1回だけだったし……。
ただ、引けなくてもデッキにいるというだけで、対戦相手にとっても全然変わってくるはずなので、僕はいるほうがいいと思う。相手からすれば、《電術師》を除去しないといけないことがわかってるわけで。
引けないとデッキはちょっと重くなるけど、もともと《電術師》がいないデッキでも2マナの呪文は入っているし、あとは《電術師》がデッキに入っている分だけ、出せたときには得することになるよね。
ただ《電術師》を4枚じゃなく3枚にしている人もいて、その気持ちはわかるんだよね。2枚は引きたくないから。でも僕は、2ターン目に絶対《電術師》を出したいし、もしいらなければ捨てればいいという考えで4枚にしてる。」
――やっぱり《ゴブリンの電術師》は大事なんですね!
渡辺「《電術師》がいれば、今回上位を占めた白タッチ赤アグロにも行動回数で追いつけるようになって、《孤光のフェニックス》でブロックできるターンが早くなったりする。《電術師》のおかげで不利な後手からまくれたゲームはたくさんあったよ。」
●サイドボードについて
――さっき、《電術師》に合わせてサイドボードも作ってるって先生が言ってましたが、どういうことですか?
渡辺「一般的に、白いアグロデッキに有効なサイドボードと言えば、海賊以外の全クリーチャーに2点ダメージを与える《焦熱の連続砲撃/Fiery Cannonade(XLN)》……通称「海賊パイロ」だよね。」
――あっ、それがあれば準々決勝の試合も勝ってそうでした。あれは入れといたほうがよかったんじゃないですか?
渡辺「相手が特に海賊パイロに弱い形だったんで、あのマッチアップに関してだけはそうなんだけど、基本的には海賊パイロはいらないと僕は思ってる。」
――へえー、いらないんですか!
渡辺「ゲームの焦点になるのは《アダントの先兵/Adanto Vanguard(XLN)》だけど、あれは4ライフ払えば破壊不能になるから、海賊パイロでは焼けない。そして、白いアグロデッキの3マナ域は《ベナリア史/History of Benalia(DOM)》と《ベナリアの軍司令/Benalish Marshal(DOM)》なんだけど、《軍司令》のほうは3/3だから効かない。」
渡辺「海賊パイロが《ベナリア史》に対して強いのは認めるよ。ただ、ゲーム中に一番きついと感じる《アダントの先兵》と《ベナリアの軍司令》には効果がない。わざわざサイドボードに枠を取るなら、そのマッチアップでどんな動きでも活躍できるカードを使いたいよね。」
――それはそうですね。
渡辺「そこで見つけたのが、《ベナリア史》にも、《アダントの先兵》と《ベナリアの軍司令》にも全部効く、《幻惑の旋律/Entrancing Melody(XLN)》だ。これで相手の攻め手を奪えばこっちの盤面が強化されて、相手のデッキのやりたいことを否定できる。準々決勝ではこれが引けなかったのが敗因の1つだね。赤白がこんなに勝つとわかってたら、《幻惑の旋律》は4枚に増やしてたよ。」
渡辺「この《幻惑の旋律/Entrancing Melody(XLN)》を4~5マナ払って使うのは重く感じるけど、《ゴブリンの電術師/Goblin Electromancer(GRN)》がいれば全部1マナ軽くなる。たとえば《電術師》の返しに相手が《アダントの先兵》を出してきたら、次のターンにこっちは3マナあるから、1マナ軽減してX=2で《幻惑の旋律》をプレイして《アダントの先兵》を奪える。
逆にそういう場面で海賊パイロだったら、自分の《電術師》は死ぬけど、相手の《アダントの先兵》は死なない……なんてことになってしまう。」
――それは激ヤバですね。
渡辺「だから海賊パイロより《幻惑の旋律》のほうが強いし、僕はずっと海賊パイロじゃダメな場面をそれで勝ってきた。
準々決勝が終わった後、対戦相手から『パイロはどうして入ってないの?』って聞かれたから、『海賊パイロじゃ《アダントの先兵》にも《ベナリアの軍司令》にもさわれないし、《幻惑の旋律》のほうが対応力が高いからだ』って説明したら、『確かに《幻惑の旋律》のほうが使われるとイヤだ』って言ってたよ。」
――相手の立場から見ても、そうなんですね。
渡辺「ちなみに《幻惑の旋律》は幅広く使えるんで、緑黒とかにもサイドインするよ。巨大に育った相手の《野茂み歩き/Wildgrowth Walker(XLN)》なんかは、火力だと対処できないけど、これなら簡単にもらっちゃえる。
今回、もう少し緑黒が勝つかなと思ってたから《イゼット副長、ラル/Ral, Izzet Viceroy(GRN)》の2枚目を取ってたけど、ここは今なら《幻惑の旋律/Entrancing Melody(XLN)》の4枚目でもよかったと思う。」
――その時の環境しだいでサイドボードは用意すればいいんですね。
渡辺「ただ、あまりサイドボードを用意しすぎて、たとえば8枚とか投入すると、今度はデッキが回らなくなっちゃう。少ない土地をドロー呪文で引きに行ってて、あとは除去とフィニッシャーっていう構成のデッキだから、根本的に抜くカードがないんだ。なので、デッキのバランスを崩しすぎないよう、どのマッチアップも最低限だけ入れ替えられるような枚数にしておきたいね。」
※デッキタイプごとのサイドボードの入れ替えについては掲載いたしません。環境を分析し、何に対してどれを抜いてどれを入れるのか、ぜひ自分で1枚1枚考えてみてください。
●初手のキープ基準
――先生、次はどんな初手ならキープして、マリガンしたほうがいいのはどんな初手かを教えてください。
渡辺「いいだろう。とりあえず全部先手で、相手のデッキはわからないという前提で話すよ。」
――はい。
渡辺「このデッキは土地が少ないので、よく土地1枚の初手が来るんだけど、土地1枚でキープするときの基準は、まず《選択/Opt(DOM)》がなかったらマリガン。1ターン目に土地を探す必要があるからね。僕はそれに加えて、《ゴブリンの電術師/Goblin Electromancer(GRN)》もないかぎり、基本的にマリガンするね。
逆に言えば、土地1枚、《選択》、《電術師》がある手札はキープ。」
前提条件:土地1枚+《選択》+《電術師》=キープ
渡辺「これのように、《選択》があって《電術師》がないけど、あとはすごい強いって手札もある。この7枚の初手だったらどうする?」
――えー、これはやりたいです。
渡辺「1ターン目に土地も探せるし、ドローして捨てたい対象もあるし、やりたくなるけど、僕はたぶんマリガンする。この手札をよく見ると、1ターン目にドロー、2ターン目にドロー、3ターン目にドローして、4ターン目からようやく動き出すんだ。」
――ああ、確かに。
渡辺「今のスタンダードはけっこう早い環境だから、4ターン目がファーストアクションだとだいたい負ける。ドロー撃ってるだけじゃ相手に何も干渉しないからね。一応《ショック/Shock(M19)》はあるけど、これをどこかで使っちゃうと、この《弧光のフェニックス/Arclight Phoenix(GRN)》は絶対返ってこない。
だから僕は、土地1枚で《電術師》がない手札は極力マリガンする。」
土地1枚、《選択》があり、《電術師》がない=マリガン
渡辺「ただ、この4マナの《弾けるドレイク/Crackling Drake(GRN)》が3マナの《奇怪なドレイク/Enigma Drake(AKH)》だったら、やるかもしれない。
1ターン目の《選択》が土地を探す役目で、それで土地が来れば追加で土地を探せるカードを持っているので、3ターン目の《奇怪なドレイク》につなげやすい。これならファーストアクションが3ターン目だから、ぎりぎり許容できないこともない。」
土地1枚、《選択》、《奇怪なドレイク》=ぎりぎりセーフ
渡辺「そして、もしこの《奇怪なドレイク》が《電術師》だった場合は、100回中100回キープだ。これはデッキのブン回りパターンが見えてるね。《ショック》はもはやなくてもいい。これは1ターン目に《選択》で赤マナを探して《電術師》を出すと、3ターン目に《孤光のフェニックス》が返ってくるいい手札だ。」
土地1枚+《選択》+《電術師》=キープ
――先生、土地が2枚あったらキープしていいですか?
渡辺「土地2枚ならほぼ何でもキープだけど、2マナのキャントリップ呪文も《ショック》も《溶岩コイル》もない、なんて場合はマリガン。ただ、そういう手札はそうそう来ないけどね。」
――逆に、手札に土地が多い場合はどうですか?
渡辺「土地が少ないデッキだからほぼ起きないけど、土地5枚以上だったらマリガンだね。
土地5枚でも唯一キープしてもいいかなと思える手札は、こういうの。ちゃんと土地がそろってて、2ターン目に《電術師》、3ターン目に《航路の作成》で引き増し&ディスカードができるから。」
土地5枚+《電術師》+《航路の作成》=キープ
――土地4枚だったらキープしていいですか?
渡辺「おおむねOK。でも土地4枚+ドロー3枚みたいな手札だったら、探すものは明確だけど探せなかったとき何もできないからマリガン。これはいわゆる、ドローだけして負ける手札だね。」
土地4枚+ドロー3枚=マリガン
渡辺「ただし、ここに1枚《選択》があったら、キープしてもいいかもしれないけど。」
――うーん、微妙な差ですね。難しい。
渡辺「《選択》なしのバージョンは、1ターン目のアクションもないし、探しに行きたいカードを探すマナ効率がすごく悪いから、やりたくないんだ。
……ほかにも無限にパターンはあるけど、覚えておいてほしいのはこれくらいかな。こうやって見るとわかると思うけど、《選択》と《電術師》がこのデッキを支えているカードだね。」
・ドローしかない手札は、選択があるかどうか
・土地5の手札は、電術師と航路の作成のとき以外はマリガン
・土地1の手札は、選択と電術師がない限り基本的にマリガン
●1ターン目に《選択》を撃つな!
問題:この手札でどう行動する?
渡辺「じゃあここで問題だ。この手札で、先手1ターン目にどう行動する?」
――うーん、《島》置いて、相手のエンドに《選択》撃って、次のターンはどうしようかな……。
渡辺「不正解。」
――えっ!?《選択》撃たないんですか?
渡辺「そう。こういう手札の場合、《選択》は撃っちゃダメ。」
――先生の答えは?
渡辺「僕なら、この二色土地(《硫黄の滝/Sulfur Falls(DOM)》)をタップインして終わり。」
――《島》からじゃない!?
渡辺「これを置けば、相手は『手札に基本地形がないんだな』って誤認する。」
――そ、そんなだましのテクニックが!
渡辺「あと、《島》を置くと《選択》撃ちたくなるから、絶対撃たないためにもタップイン。」
――確かに、エンドに手なりでつい《選択》撃っちゃいそうです。
渡辺「この手札では、2ターン目に2ドローが確約されているので、1ターン目に《選択》で探したいカードは《ゴブリンの電術師》以外はない。《電術師》を引けたときのリターンは大きいけど、引けなかった場合は2ターン目に《航路の作成》を撃って《孤光のフェニックス》を墓地に落としたとき、先に《選択》を使ってしまっているためにその後《フェニックス》を戻すターンが遅れてしまうリスクがある。そのリスクを考えたら、やっぱり《選択》は1ターン目に撃たないほうがいい。
だから撃たないと決めていても、相手に動かれて『やばい、やっぱり《電術師》が必要かも』って焦って撃っちゃうような、そんな心の迷いに陥らないためにも、土地はタップイン。」
――じゃあ、1ターン目で撃たなかった《選択》はいつ撃つんですか?
渡辺「2ターン目に《航路の作成》を撃って《孤光のフェニックス》を捨てておき、3ターン目に《選択》と《ショック》、ほかに1マナで撃てるカードがあれば《孤光のフェニックス》を戻すために使う。なかったとしたら4ターン目に戻す。」
――なるほど、《孤光のフェニックス》のために《選択》をとっておくんですね。
渡辺「そう。3マナくらいのターンで、相手の場にクリーチャーがいたら《ショック》で除去したくなるけど、それを1ターン我慢すれば《孤光のフェニックス》を戻せることもあるんで、呪文のカウントを3まで進められないターンには《選択》と《ショック》を撃たない、ということは覚えておこう。
もちろん、土地1枚で始めたときなんかは《選択》を撃つしかないけどね。《選択》を撃つのは、明確に探したいカードがあるときか、もしくは《孤光のフェニックス》が返ってくるときだけにすること。」
・《選択》は、必ず探したいカードがあるときか、《孤光のフェニックス》が返ってくるときだけ
・《ショック》は、《孤光のフェニックス》が返ってくるときだけ
渡辺「ちなみに、僕は準々決勝の2本目で、《ショック》の無駄撃ちで負けてるので、みんなも気をつけてね。あれはカウントを稼ぐというよりは撃ち先の問題だけど、あそこで無駄に撃ったせいで負けてるので……。」
準々決勝のナベ先生
渡辺「このデッキでは、普段は1マナ浮いてたらそのスキに撃つようなカードを、あえて撃たないで我慢するという、通常と違う動きをよく意識しよう。
僕がMOとか配信で見る限り、けっこうなイゼットドレイク使いがこれを意識できてないね。」
●あとはとにかく練習!
渡辺「ここまで基本を説明してきたけど、わかったかな?」
――とりあえず、どういう初手で始めればいいかはわかったので、やってみます。
渡辺「繊細なデッキなので、すぐには回せないと思う。最初はすごく負けると思うけど、数をこなしてわかってくると、だんだんやみつきになるよ。」
――先生もそうだったんですか?
渡辺「1か月練習してて、すごく楽しかったね。そもそもイゼットがギルドの中では一番好きだし、こういう、デッキがどう動けばマックス値を出せるか考えるみたいなのが、僕は得意だと思うんで……マジックプレイヤーって得意分野がいろいろあるんだよ。たとえば行弘は盤面のコンバットがうまいし、ヤソは大局観を持ってゲームをコントロールするのがうまい、みたいな。その中で僕は最大値を計算するのが得意なのかなと。」
――なんか、マジックっぽいですね! 白タッチ赤アグロはなんていうか……展開してドーンって押し付ける系じゃないですか。あれはあれで簡単で強そうなので使ってみたいんですけど、こういう押し引きのあるデッキもうまく使えたら、マジックってゲームを満喫できそうです。
渡辺「自分のやりたいことを押し付けるのがビートダウンで、このデッキもけっこう押し付け要素は強いけど、相手の攻撃を受けることもできるっていうのが特徴だね。押し引きのバランスは数をこなして体感で覚えていってもらうしかないけど、たくさん練習して頑張って使ってみてね。」
皆さんもぜひこれらの極意を参考に、イゼットドレイクの使い手として“マックス値”をねらってみてください!