なべごく! ~イゼット・ドレイク調整禄~
●GP静岡出場にあたって
日本で初開催となるダブルGPで行われたGP静岡ですが、今回自分は「スタンダード」のみ出場しようと決めていました。
理由としては、以前アメリカのダブルGPに出た際にスタンダードとレガシーの練習比を9:1くらいでスタンにあて、レガシーは「記念で出て、もし1敗以上の成績なら続ける」くらいのノリで出場したらほぼやっていないレガシーの初日を1敗で終えてしまい、二日目もプレイすることになって最終的に結果は5敗とボロボロ。
練習していないフォーマットでしっかり練習を積んできた二日目のプレイヤーに勝てるわけもなく、負けたこと自体は当然の結果と受け入れたのですが、それなら最初からレガシーに出ないで自信のあるスタンダードに出ておけば良かったと強く後悔しました。
事前準備でも2フォーマットの練習は非効率的で、1つのイベントへの勝利期待値だけ見るならどちらかのフォーマットに注力した方が良いだろうと思い、GP静岡の情報が出た時にはどちらか一つだけ出場しようと考え、PTでも練習していてノウハウがあるスタンダードにのみ出場しようと事前に決めていました。
●PTからの環境の推移
ご存知の方も多いと思いますが、僕は先日のプロツアーでイゼットを使ってTOP8に入賞しました。
その時のデッキの詳しい内容はこちらを見てください!
その経験もあるので、GP静岡にはできればイゼット系のデッキを使いたいと思いつつ、PTから1週間後の大型スタンダードイベントのGPミルウォーキーの結果を見てから調整を開始することに。PTの疲れもあり、練習開始には少しインターバルを置きました。
PTではTOP8だけを見れば白ウィニー系が勝ち組で、恐らく翌週のGPではその白ウィニー系に強くて安定感のあるゴルガリ系のデッキが勝ちあがると予想。
GPミルウォーキー
予想通りTOP8にはゴルガリが多数居るものの、優勝はADRIAN SULLIVANの新しいジェスカイの形である「地図ミゼット」。
動画などで動きを見ていましたが、《宝物の地図》+《パルン、ニヴ=ミゼット》+《潜水》の動きは理不尽に強く、ブン周りのあるコントロールとして見ていた感じではかなり強そうなデッキに見えました。
5 《島》 4 《蒸気孔》 4 《硫黄の滝》 4 《氷河の城砦》 4 《聖なる鋳造所》 4 《断崖の避難所》 土地(25)
クリーチャー(7) |
4 《選択》 2 《潜水》 1 《ショック》 1 《呪文貫き》 4 《宝物の地図》 2 《溶岩コイル》 3 《轟音のクラリオン》 2 《イオン化》 1 《残骸の漂着》 3 《発展+発破》 2 《中略》 3 《ドミナリアの英雄、テフェリー》 呪文(28) |
2《黎明をもたらす者ライラ》 2 《封じ込め》 1 《軽蔑的な一撃》 1 《否認》 2 《イクサランの束縛》 1 《残骸の漂着》 1 《浄化の輝き》 1 《呪文詐欺》 2 《絶滅の星》 2 《苦悩火》 サイドボード(15) |
また、TOP8にはご存知OWEN TURTENWALDがイゼットで入賞。こちらは僕がPTで使った形ではなく、PTのスタンダード部門でPascal Vierenが全勝したリストを本人がアップデートしたもの。あのオーウェンが使ったデッキということで、これは自分も回してみようと思いさっそくコピーしてMOリーグにJoin。
ここからGP静岡に向けての調整をスタートしました。
7 《島》 6 《山》 4 《蒸気孔》 4 《硫黄の滝》 土地(21)
クリーチャー(12) |
4 《選択》 4 《ショック》 3 《溶岩コイル》 4 《航路の作成》 2 《苦しめる声》 2 《発見+発散》 4 《急進思想》 1 《一瞬》 1 《標の稲妻》 1 《幻惑の旋律》 1 《ミラーリ予想》 呪文(27) |
2 《幻惑の旋律》 2 《パルン、ニヴ=ミゼット》 2 《シヴの火》 1 《絶滅の星》 2 《つぶやく神秘家》 2 《否認》 1 《苦悩火》 1 《イゼット副長、ラル》 1 《標の稲妻》 1 《溶岩コイル》 サイドボード(15) |
調整過程と思考過程
Owenのリストを使っていると、以下のような感想を持ちました。
・《奇怪なドレイク》が無いので自分から押し付けるゲーム展開が少ない
これはゴルガリやGPを優勝した地図ミゼット型のジェスカイには良くない要素で、こちらの押しつけの展開が少ないと相手の土俵でゲームすることが多く、そうなった場合に相手の6t目の強い押しつけ要素である《殺戮の暴君》と《パルン、ニヴ=ミゼット》に対処できないで負ける展開が多々ある。
この2種を使ってくるデッキは環境に多いので、それを考えると《奇怪なドレイク》がある自分がPTで使ったリストの方が良さそう。
・除去が多いので、ドレイクが多い方へのイゼットには有利
押しつけ要素が少ない分、除去が多くてゲームを低速化しやすくなっており、1枚のフィニッシャーに頼っているPTで自分が使ったイゼットのような形には有利に立ち回れそう。
・白ウィニーには不利
除去が増えているとはいえ、軽い除去を増やしているわけではないので白ウィニーへの相性の改善はできていない印象。
《奇怪なドレイク》が使えるPTで使った自分のリストの方がまだ戦える。
といった感じで感触はあまり良くなし。
《奇怪なドレイク》無しの形はGPで勝った地図ミゼットやゴルガリに相性が良くないと感じたのと、白ウィニーへの耐性がさらに落ちていると感じたので印象悪し。
一応最後に感触を確かめるために、MOCSマンスリーに出てみるも何も良いとこ無く0-2ドロップ。
MOCSはサクッと0-2しといた
— 渡辺雄也/Yuuya Watanabe (@nabe1218) 2018年11月24日
まぁカード毎の評価などの得れるものはあったと思い、今度は自分がPTで使ったリストを数枚変更して改めて試してみることに。
7《島》 5《山》 4《蒸気孔》 4《硫黄の滝》 1《イゼットのギルド門》 土地(21)
クリーチャー(15) |
4《選択》 4《ショック》 4《発見+発散》 4《急進思想》 4《航路の作成》 3《潜水》 1《標の稲妻》 呪文(24) |
2《パルン、ニヴ=ミゼット》 2《呪文貫き》 1《軽蔑的な一撃》 3《幻惑の旋律》 1《標の稲妻》 2《イゼット副長、ラル》 3《溶岩コイル》 1《焦熱の連続砲撃》 サイドボード(15) |
PTのリストからの主な変更点は、
・《潜水》の採用。
ドレイク2種とフェニックスを守る役割で、押しつけ要素の増加と相手に裏目を作る動きができると思いお試し。
特にゴルガリの除去は重いものが多いので、1マナでそれらを弾けるアクションは優秀。
・サイドの《火想者の研究》の不採用
PTの時は主にジェスカイ用のサイドとして採用したが、ジェスカイから出てくる《パルン、ニヴ=ミゼット》のターンが《宝物の地図》のせいで早くなっており、《潜水》を構えてくる動きもするので裏目ができることもありサイドから外した。
あとはカウンターの内容や《焦熱の連続砲撃》などを入れて微調整。これをベースにMOリーグに何度かJoin。
回していて最初の方は調子が良かったが、回していくうちにどんどん勝率が悪くなっていき、最終的には負け越しがデフォみたいな状態に。
これはカードの細かい部分というよりデッキの大枠の部分の話で、自分のPTリストに近いものは対戦相手側もこちらのデッキの動きを理解しており、プレイやサイドボードの仕方も洗練されていて明確に勝率が悪くなっていった。マナフラッドやスクリューで負けることが多く所謂下振れるような展開も多くあったが、それ以外の負けは純粋にデッキの構造で負けていると感じた。
あまりにも負けが混み、途中で人生初の10連敗を記録する始末。
最近スタンめっちゃ負けてるなと思って確認したら直近10連敗してた。静岡オワタ pic.twitter.com/8gALy1Arom — 渡辺雄也/Yuuya Watanabe (@nabe1218) 2018年11月26日
これはデッキの根本的な部分から見直さないといけないレベルだと感じたが、この時点で既にGP静岡の週の月曜日になっており本番までの時間も残り少ない。
もう今回はイゼットは無理かと思い、ゴルガリや地図ミゼットに浮気して少し回してみるも、今まで全くプレイしていなかっただけにデッキの動かし方が分からずリーグでも平然と負け越すレベル。
「これはGP静岡終わったか…」というような心境になり、日曜のために静岡の美味しい鰻屋をGoogle先生に聞こうと思ったが、現実逃避しても仕方ないので最後のあがきで何か良いリストがないかとMOCSやMO競技リーグの結果を見ていると…
面白い構成のイゼットを発見! 😛
7 《島》 5 《山》 4 《蒸気孔》 4 《硫黄の滝》 1 《イゼットのギルド門》 土地(21)
クリーチャー(10) |
4 《発見+発散》 4 《選択》 4 《ショック》 3 《潜水》 3 《呪文貫き》 4 《航路の作成》 3 《溶岩コイル》 2 《アズカンタの探索》 1 《幻惑の旋律 1 《イゼット副長、ラル》 呪文(29) |
2 《軽蔑的な一撃》 1 《溶岩コイル》 2 《幻惑の旋律》 1 《火の血脈、サルカン》 1 《標の稲妻》 1 《イゼット副長、ラル》 1 《パルン、ニヴ=ミゼット》 1 《絶滅の星》 2 《火による戦い》 2 《シヴの火》 1 《ウルザの後継、カーン》 サイドボード(15) |
これまでに自分がイゼットを回していて感じたことは、
・《ゴブリンの電術師》と《弧光のフェニックス》と《急進思想》はパッケージ。
これらはどれもカード間の相互作用があり、同じデッキでないと上手く運用できない。
ただしサイド後は《ゴブリンの電術師》はよく対処されるので、あまり信用しすぎない方が良い。
・《弧光のフェニックス》と《潜水》の相性の悪さ
自分から打てる呪文が必要な《弧光のフェニックス》と、相手のアクションに合わせる受動的なカードの《潜水》はカード間の相性が悪い。
・青対決はどこまで行っても《パルン、ニヴ=ミゼット》の先出しゲー。
サイドに《パルン、ニヴ=ミゼット》とそれを早く出すための《アズカンタの探索》を用意するアプローチは有効かもしれない。
・カウンターは軽く動ける《呪文貫き》が一番良い
今の環境のフィニッシャー枠は《殺戮の暴君》や《パルン、ニヴ=ミゼット》のようなカウンターが効かないカードなので、カウンター枠を取るならそれらが出るまでのゲームに関与する《呪文貫き》が一番重宝する。
といった内容で、この感じていることを上手く形にできなくて困っていたのですが、このリストは自分が感じていた問題点やアプローチを見事に両立させていて、リストを見た時に感銘を受けました。
実際にデッキを回してみると、自分が感じていた問題点が見事に解決されていてデッキの感触は非常に良し。
自分がこの時点で持っていたリストより数段強いデッキだと感じたので、これをGPで使うデッキと決めて残り2日で細かい部分の調整をしていくことに。
●GP静岡使用デッキ解説
7 《島》 5 《山》 4 《蒸気孔》 4 《硫黄の滝》 1 《イゼットのギルド門》 土地(21)
クリーチャー(10) |
4 《発見+発散》 4 《選択》 4 《ショック》 3 《潜水》 2 《呪文貫き》 4 《航路の作成》 3 《溶岩コイル》 2 《アズカンタの探索》 1 《標の稲妻》 1 《模写》 1 《イゼット副長、ラル》 呪文(29) |
1 《呪文貫き》 2 《軽蔑的な一撃》 1 《溶岩コイル》 3 《幻惑の旋律》 2 《火の血脈、サルカン》 1 《標の稲妻》 1 《焦熱の連続砲撃》 1 《つぶやく神秘家》 1 《イゼット副長、ラル》 1 《パルン、ニヴ=ミゼット》 1 《絶滅の星》 サイドボード(15) |
これが最終的に自分が使用したデッキリストです。
デッキの基本的な動きは、序盤はドローや《アズカンタの探索》などでドローを進めつつ墓地を貯め、巨大になった2種類のドレイクを《潜水》や《呪文貫き》のような1マナのカードで守り、そこで守ったドレイクで相手に致死ダメージを与えるか、《パルン、ニヴ=ミゼット》と《潜水》のコンボを決めて勝つというもの。どちらのプランにも《潜水》がかみ合っており、1マナで相手の除去するアクションを弾けるのでゲームの主導権を握りやすい。
また、元々自分がPTで使ったリストとはゲームプランが大きく異なり、リストが広まっていない状態だったのもあって奇襲性が高い状態でグランプリに望めるというのもデッキを使用した要因の一つ。
元リストからの変更部分
《呪文貫き》→《模写》
3枚目の《呪文貫き》が腐る相手にとことん腐るのがメインボードとしてはあまり感触が良くなく、回していてもう少し勝ち筋が欲しいと思って試しに《模写》を入れて回してみたら感触が良かったのでそのまま採用。
《潜水》で1枚のフィニッシャーを守るコンセプトなのでデッキの動きに合っているし、《航路の作成》や《発見+発散》で墓地に置いておいてもリソースとして換算できるフィニッシャー枠なので使い勝手が良い。
《幻惑の旋律》→《標の稲妻》
《ゴブリンの電術師》が無いデッキなので《幻惑の旋律》が重く感じるのと、《パルン、ニヴ=ミゼット》や《破滅を囁くもの》などの重いカードに軽く対処したいことが多かったのでメインは除去として裏目の少ない《標の稲妻》を優先。
《航路の作成》で気兼ねなく捨てれるカードがデッキに多い方がプレイも楽になる。
サイドボードカードの役割
入れる相手:ジェスカイ、白ウィニー系、セレズニア、ビッグレッド
メインの追加枠。効果的な相手には何枚でも欲しいので、サイドから追加。
入れる相手:ゴルガリ、ジェスカイ、セレズニア、ビッグレッド、その他ミッドレンジ以降の相手
カウンター枠。《否認》との比較だが、ジェスカイの《黎明をもたらす者ライラ》や《再燃するフェニックス》、ゴルガリの《破滅を囁くもの》や《貪欲なチュパカブラ》のことを考えて《軽蔑的な一撃》を優先。
入れる相手:ゴルガリ、白ウィニー系、イゼット系、ビッグレッド、赤単アグロ
追加枠。ゴルガリの《野茂み歩き》とイゼットの《ゴブリンの電術師》のことを考えると初手付近に欲しいカードなので4枚目を用意。
入れる相手:ゴルガリ、白ウィニー系
黒緑には育った《野茂み歩き》を触る役割。相手の《ラノワールのエルフ》を奪ってこちらのマナブーストもできる。
白ウィニー系にはただ強く、《アダントの先兵》に対する一番の回答。
入れる相手:ジェスカイコン、イゼット系、ビッグレッド、その他コントロール系
同型や遅い相手にはこれから《パルン、ニヴ=ミゼット》を出してイージーウィンを狙う。
《潜水》を構えて《パルン、ニヴ=ミゼット》を出すためにはマナ面で優位に立てるカードが必要で、《宝物の地図》や追加の《アズカンタの探索》も考えたが、そういったカードの中では対処されなかった時に最終的に勝ち筋になる役割もあり、一番有効なカードだと思い追加で採用。
入れる相手:ジェスカイコン、イゼット系、その他遅めの相手
《ショック》や《溶岩コイル》といった除去を抜くマッチで、サイドから相手が入れてくる脅威に対応する枠で《イゼット副長、ラル》と合計4枚欲しいという理由で採用。
これが墓地にあるだけで相手の《パルン、ニヴ=ミゼット》への牽制にもなり、こちらが先に出しやすくなる副次的効果も見込める。
入れる相手:白ウィニー系、セレズニア、ビッグレッド
苦手な横並びに対応するために。カードとしては強くないので1枚が限界。
この枠は元々は《シヴの火》だったが、追加の《ショック》よりは役割が違うこちらを優先した。
入れる相手:イゼット系、白ウィニー系、黒緑以外の《疫病造り師》と《最古再誕》を採用しているデッキ
白ウィニーへの蓋と苦手なエディクト系への対策として。
同型は《パルン、ニヴ=ミゼット》ゲーに関与するわけではないので、別に入れなくても良い。
入れる相手:黒緑ミッド、ジェスカイコン、イゼット、ビッグレッド、グリクシス
追加枠。サイドは相手がドレイク2種を除去できるカードが増えるので、こちらも別の勝ち筋を増やす。
入れる相手:ジェスカイ、イゼット、ビッグレッド、グリクシス
追加枠。《火の血脈、サルカン》からのイージーウィンを狙う。
入れる相手:ゴルガリミッド
こちらの展開が噛み合わず、相手に《殺戮の暴君》を出されてマウントを取られてしまった時のためのリセットボタン。基本的なゲームプランとは合わないが保険として採用。
各デッキへのサイドボードとプレイの注意点
VSゴルガリ・ミッドレンジ
-
2《呪文貫き》
2《パルン、ニヴ=ミゼット》
3《ショック》(自分が後手の場合は2枚)
1《標の稲妻》
+
3《幻惑の旋律》(自分が後手の場合は2枚)
1《溶岩コイル》
2《軽蔑的な一撃》
1《イゼット副長、ラル》
1《絶滅の星》
《幻惑の旋律》は先手なら強いが、後手では重く感じることが多い。
後手の時は相手の脅威に軽く対応したいことが多いので、打ちやすい《ショック》と入れ替える。
後手の3T目に《奇怪なドレイク》は出さない。
マナを残さないで出すと相手の4T目《貪欲なチュパカブラ》に簡単に処理される。黒緑側は4T目に自分から動ける有効なアクションが少ないので、その動きをこちらから提供しない方が良い。
1マナある状態で出せば《潜水》や《呪文貫き》で出したドレイクを守れるので、基本は1マナ立たせた状態でドレイクを出すことを心がける。
VSジェスカイコン
-
4《ショック》
3《溶岩コイル》
1ドレイク(先手なら3マナ、後手なら4マナの方)
+
1《呪文貫き》
2《軽蔑的な一撃》
1《イゼット副長、ラル》
1《パルン、ニヴ=ミゼット》
1《標の稲妻》
2《火の血脈、サルカン》
後手は4T目にフルタップで《弾けるドレイク》をプレイして対処されると、返しで《ドミナリアの英雄、テフェリー》や《黎明をもたらす者ライラ》などの脅威を展開を許してしまうので後手では価値が下がる。後手では軽い方を優先。
《再燃するフェニックス》を見た場合は《溶岩コイル》を少し残しても良いが、《パルン、ニヴ=ミゼット》が着地した後は相手の《再燃するフェニックス》に対処するのは簡単なのでそこまで気にしなくてもいい。
基本的に《パルン、ニヴ=ミゼット》をめぐるゲーム。可能な限り《潜水》を構えて出すことを目指す。
ただし相手に返しで《パルン、ニヴ=ミゼット》を出されて対処法が無い時だけはフルタップで出した方が良い場合もある。
《パルン、ニヴ=ミゼット》の制圧力は凄まじいので、時には思い切りも重要。
VSイゼット系
-
4《ショック》
2《呪文貫き》
1《奇怪なドレイク》(先手時のみ)
+
1《溶岩コイル》
1《標の稲妻》
1《イゼット副長、ラル》
1《パルン、ニヴ=ミゼット》
2《火の血脈、サルカン》
1《つぶやく神秘家》(先手時のみ)
ジェスカイコンと同じく《火の血脈、サルカン》と《パルン、ニヴ=ミゼット》プラン。先に《パルン、ニヴ=ミゼット》を着地させた方が大体勝つ。
《つぶやく神秘家》は先手時は有効に働くが、後手では相手の《イゼット副長、ラル》や《パルン、ニヴ=ミゼット》で簡単に対処されるので入れない。
基本的に負けるパターンは《ゴブリンの電術師》が絡んでドロー連鎖からの《弧光のフェニックス》連打なので、《ゴブリンの電術師》は最優先で除去する。そのために《ショック》を少し残してもいいが、本当にそれ以外で使うタイミングが無いので残しても1枚まで。
ジェスカイコンと同じく、《潜水》を構えて《パルン、ニヴ=ミゼット》を出すのがゲームのゴール。
ゲームプランもほぼ同じだが、相手から出てくる脅威がジェスカイより弱いのでフルタップで行動しても裏目は少ない。
VS白ウィニー
-
2《パルン、ニヴ=ミゼット》
2《アズカンタの探索》
1《標の稲妻》
1《イゼット副長、ラル》
1《発見+発散》
+
1《呪文貫き》
3《幻惑の旋律》
1《焦熱の連続砲撃》
1《つぶやく神秘家》
1《溶岩コイル》
不利なマッチだが、《呪文貫き》が効果的なので、サイド後はかなり改善される。
後手の時は2マナドローを打つより《呪文貫き》を構えることを優先する。相手の《ベナリア史》を弾くだけでゲーム展開がかなり楽になる。
相手の《敬慕されるロクソドン》を常に意識し、除去を温存せずに積極的に使って《敬慕されるロクソドン》を効果的に出させないように立ち回る。時には相手の1/1絆魂トークンに除去を打つ場合もある。
VSセレズニア
-
1《標の稲妻》
2《パルン、ニヴ=ミゼット》
1《イゼット副長、ラル》
1《アズカンタの探索》
+
1《呪文貫き》
2《軽蔑的な一撃》
1《焦熱の連続砲撃》
1《つぶやく神秘家》
遅い白ウィニーなので基本は有利。
サイド後は相手の《無効皮のフェロックス》だけ面倒なので、《軽蔑的な一撃》は入れる。
《アダントの先兵》が入っているデッキだが、《不和のトロスターニ》を出されると大変なことになるので《幻惑の旋律》は入れない。
サイドから《残骸の漂着》が入っているレンジのデッキなので、殴る際は慎重に。
VSビッグレッド
先手時
-
4《ショック》
1《標の稲妻》
2《呪文貫き》
1《奇怪なドレイク》
+
2《軽蔑的な一撃》
2《火の血脈、サルカン》
1《焦熱の連続砲撃》
1《パルン、ニヴ=ミゼット》
1《イゼット副長、ラル》
1《溶岩コイル》
後手時
-
4《ショック》
1《標の稲妻》
1《奇怪なドレイク》
+
2《軽蔑的な一撃》
1《焦熱の連続砲撃》
1《溶岩コイル》
2《呪文貫き》
先手は《火の血脈、サルカン》からの《パルン、ニヴ=ミゼット》押しつけプラン。相手が後手の時に返す手段がかなり少ない。
後手の時は相手の《宝物の地図》を対処するために《呪文貫き》を全力でイン。《宝物の地図》を出されなければマナ面とリソースで負けることは少ない。
後手で出しにくいPWは入れないようにする。
相手の勝ち手段がライフを詰めてからの大型《苦悩火》なので、ライフレースは挑まずできるだけライフの水準を高く保つ。
●終わりに
大体書きたいことは書いたので今回はここまで。
長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回のデッキの原案者であるryuumeiさんに最大限の感謝を。
どうもこんにちは。Team Cygamesの渡辺雄也です。
今回は僕がGP静岡で使用してTOP16に入賞した「イゼット・ドレイク」についての調整録を書いていきます。
このような記事を書くのは個人的に苦手で最近めっきり書いていなかったのですが、なぜ今回書くことになったかというと、てるやがGP静岡で優勝した夜にそのまま祝勝会の流れになり、酔っ払って気分が良い帰り道でなんとなく「今回のデッキの記事でも書きますか~」って発言をしたら「じゃあ是非!」と速攻で言質を取られ、まぁ飲み会の話だし流れるだろと油断してたら次の連絡の際に「じゃあ記事の件よろしくお願いします!」と釘を刺され、気が付いたら流れで書くことになってました。(笑)
酒の力は怖いんで皆さんもくれぐれもご注意を。
(まぁ今回使ったデッキはかなり自分好みのデッキなので、久しぶりに記事でも書くか~って気分になったのもあります)
過去に「なべごく!」でその時の戦略や使ったデッキについての発信はしていますが、それらはあくまでインタビュー形式のもので、自分でこうやって記事を書くのは久しぶりなので何かおかしなところがあってもご容赦ください。