【MTGWAR】渡辺・覚前・市川・八十岡のドラフト【Day2】
ミシックチャンピオンシップ in ロンドンはいよいよ2日目に突入。
ここからの3回戦は、再び『灯争大戦』を使ったブースタードラフト。2日目まで勝ち残っているプレイヤーたちはもとより強豪であることはもちろん、初日のドラフト経験を経て環境の輪郭をさらにはっきりと掴んでいるため、厳しい戦いが予想される。
● 渡辺 雄也 黒緑青タッチ白赤 3勝0敗
渡辺「卓は滑り込んだ1番Podで、ピックについてはフィーチャーされていたので、公式放送のアーカイブを見てもらえれば。1パック目の初手で《ニヴ=ミゼット再誕/Niv-Mizzet Reborn》を引いて、僕は1パック目でこのカードを見たら5色をやると決めていたんですが、さすがに初手はかなりリスクがあるのと、隣にあったのが《マーフォークのスカイダイバー/Merfolk Skydiver》だったので、めちゃくちゃ悩んだ上で《マーフォークのスカイダイバー》をピック。そうしたら上家が《魂の占者/Soul Diviner》を流してくれて、自分も青黒をやりたかったので噛み合って、その後も上家がどうも青をやる気配がない感じで青ベースでピックしていきました。」
渡辺「で、自分の開けたパックが返ってきたらなんと《ニヴ=ミゼット再誕》が一周!たぶんみんなうまく使える自信がなかったんだろうと思うんですが、この時点で5色走ろうってなって、あとは流れてくる強力なカードたちを片っ端からピックして終わりました。」
渡辺「デッキはめちゃくちゃ強いですね。正直カードの流れはまあまあ緩かったと思います。」
ラウンド | 対戦相手のデッキ(相手の名前) | 勝敗 |
---|---|---|
9 | 赤黒 | ×〇〇 |
10 | 赤緑 (Olivier Ruel) | ×〇〇 |
11 | 青黒タッチ赤緑 | ○○ |
渡辺「R9で少し事件があって、相手が《主無き者、サルカン/Sarkhan the Masterless》を『+1』能力でクリーチャー化して攻撃してきたのに対し、こちらがクリーチャーでブロックしてジャッジに確認のために『これって忠誠度は減りますか?』と聞いたんです。そうしたら『減ります』って言われたのでサルカンが死んで、返しのターンでトップデッキした《ラルの発露/Ral’s Outburst》を打って、2枚見て1枚手札に加えてセットランド……までしたところでジャッジからストップが入り、『すまん、正しくは忠誠度減らんわ。ルール違ったから巻き戻させて』ってなって、結局前のターンに《ラルの発露》がライブラリトップにある状態まで1ターン巻き戻りました(笑)。フィーチャーでビデオがあって全部再現できるからこそできたことですけど、発売前のセットを使ったイベントならではですね。」
八十岡「まあジャッジも発売前のカードはまだ裁定固まってないだろうからねw」
渡辺「R10もフィーチャーで、3本目相手先手でぶん回られたんですが、こっちもぶん回りで何とか返せました。反動か、R11の対戦はすごく楽でしたね。」
● 覚前 輝也 白緑 2勝1敗
覚前「初手が《寛大なる者、アジャニ/Ajani, the Greathearted》で、そこから2手目が《花粉光のドルイド/Pollenbright Druid》、3手目が《信頼あるペガサス/Trusted Pegasus》、4手目が《法ルーンの執行官/Law-Rune Enforcer》、5手目と6手目が《執行官のグリフィン/Enforcer Griffin》といった感じで、素直に白緑になりました。」
覚前「2パック目は初手が《群集の威光、ヴラスカ/Vraska, Swarm’s Eminence》、2手目が《群れの声、アーリン/Arlinn, Voice of the Pack》で、5手目に《ファートリの猛竜/Huatli’s Raptor》が取れたりしていい感じでした。」
覚前「3パック目の初手は《奉謝の亡霊/Grateful Apparition》で、その後も順調にカードが取れていったんですが、8手目くらいに《陽光の輝き/Solar Blaze》と《新たな地平/New Horizons》の2択があって、カットするか自分のデッキを強化するかで悩んで後者をピックしました。」
覚前「2マナのどうでもいいやつらより、もう少しスペルや《法ルーンの執行官/Law-Rune Enforcer》が欲しかったですね。」
ラウンド | 対戦相手のデッキ(相手の名前) | 勝敗 |
---|---|---|
9 | 赤黒タッチ白緑 | 〇×× |
10 | 青緑 | 〇〇 |
11 | 青黒 (Michael Bonde) | 〇〇 |
覚前「1回戦目は1本目を勝った後、2本目に流した《陽光の輝き/Solar Blaze》がぶっ刺さって負けて、3本目はマリガン後土地1枚をキープして引けずに負け。2回戦目は《寛大なる者、アジャニ/Ajani, the Greathearted》が強すぎて勝ち。3回戦目は相手の2事故で勝ちでした。」
覚前「今回のドラフトをやって思ったのが、『灯争大戦』はコントロールが強いなということですね。僕は普段の環境はアグロが好きなんですが、この環境は5-6回やって1回も3-0できず、2-1も少ないといった有り様で、それでも他の環境なら『強いな』と思った色を決め打ちしたりしてアグロでどうにかなることが多いんですが、この環境は全体除去が多すぎる上にアグロに向いたカードも少なくて、コントロールを組んだ方が良かったなーと今さらながらに思いました。かなりのレア環境なので、コントロールにして強いカードの受け入れを広くした方が良かったですね。」
● 市川 ユウキ 青赤 1勝2敗
市川「いやーもう何も語ることはない!この環境のドラフトはやばすぎる!!」
市川「1戦目の相手は《寛大なる者、アジャニ/Ajani, the Greathearted》2枚入ってたし!」
市川「最終戦の相手は《永遠神ケフネト/God-Eternal Kefnet》《炎の職工、チャンドラ/Chandra, Fire Artisan》《嵐の伝導者、ラル/Ral, Storm Conduit》って入ってて『は?』ってなって死んだし!お前それどれか1枚でもカード3枚分くらいの強さあるのに一体何枚分あるねん!しかもテーブルの反対側で1戦目のやつと上家下家で協調してるとか、俺もそっち側に座らせてくれ~!!」
山7、島6、沼2
市川「こっちはレアは強いけど攻めたいのか守りたいのか微妙によくわからない俺のデッキ!捨てました!!!!!!11111」
ラウンド | 対戦相手のデッキ(相手の名前) | 勝敗 |
---|---|---|
9 | 緑白 | ×× |
10 | 青黒 | 〇〇 |
11 | 青赤 | 〇×× |
● 八十岡 翔太 白緑タッチ黒 1勝2敗
pack1
八十岡「まず上家がJosh Utter-Leyton、下家がMatt Nassという厳しいポジション。初手が《戦争の犠牲/Casualties of War》、2手目が《嵐のドレイク/Tempest Drake》と悩んだけど《花粉光のドルイド/Pollenbright Druid》、3手目が《ファートリの猛竜/Huatli’s Raptor》、4手目が《崇高な工匠、サヒーリ/Saheeli, Sublime Artificer》、で以後特に何も流れてこず。下家が青赤確定で、上家はたぶん青黒か赤黒。流れてくるカードは緑のみ。時々白。」
pack2
八十岡「2パック目は初手《放浪者の一撃/Wanderer’s Strike》。2手目《連帯/Band Together》。3手目《奉謝の亡霊/Grateful Apparition》。4手目《魂の占者/Soul Diviner》カット。あとはゴミを取って終了。」
pack3
八十岡「3パック目の初手《世界を揺るがす者、ニッサ/Nissa, Who Shakes the World》でようやくワンチャンスが生まれる。4手目《群れの声、アーリン/Arlinn, Voice of the Pack》でようやくデッキになった。8手目の《新たな地平/New Horizons》が一番沁みたね。」
森8、平地8、沼1
八十岡「タッチを抑え目にするプランもあったけど、冷静に考えて勝たんなと思って色々タッチ。けどタッチしたカードは一切活躍せず、結果としては何も変わらなかったね。」
ラウンド | 対戦相手のデッキ(相手の名前) | 勝敗 |
---|---|---|
9 | 青赤 | ×× |
10 | 青白 | ×× |
11 | 赤緑 | 〇〇 |
八十岡「R10は1本目に《時の一掃/Time Wipe》がモロ刺さりして負けた後、2本目に4ターン目《世界を揺るがす者、ニッサ/Nissa, Who Shakes the World》が《高名な弁護士、トミク/Tomik, Distinguished Advokist》で止まって負け。ふざけてる。」
八十岡「R11は緑同型で、2本ともニッサアーリンで相手がつまらなさそうにしているのを見ながら一瞬で勝ち。1-2しそうだなーとは思ったけど、何も起こらず1-2だったね。」
プレインズウォーカー、容赦なし。
『灯争大戦』はパックから必ずプレインズウォーカーが1枚出現するため、ドラフトでは卓に必ず24枚のプレインズウォーカーが出現することになる。
もちろんそれらには強弱はあれど、0日目のインタビューでも語られていたように、40~50%程度は初手級のものが出現する。もしそれらが、色が合わずにピックできないなどの理由でどこか一か所に固まろうものなら、市川が憤慨していたように、とんでもないバケモノデッキが爆誕する可能性もあるのだ。
自分が市川のような被害者とならないためにも、余裕があるときには流れてきたプレインズウォーカーをカットするようにすることが、『灯争大戦』ドラフトで精神の平穏を保つコツと言えるのかもしれない。
また、おそらく渡辺以外では作りえなかったであろう、多色のカードとマナサポートカードをふんだんに搭載した繊細なバランスの5色デッキで、フィーチャーマッチでも並みいる強豪たち相手に付け入る隙さえ与えず、ドラフト6-0を達成したのは見事の一言に尽きる。
残すところはモダン5回戦、彼らが駆け抜けてくれることに期待だ。