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日本選手権2020秋レポート

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10月31日(土)~11月1日(日)に行なわれた、日本選手権2020秋。1996年から続く日本選手権の歴史で初めて、「MTGアリーナ」によるオンライン開催となりました。
Team Cygamesからは市川さん、八十岡さん、山本さんが参加。簡単ではありますが、メールで取材をさせていただきましたので、久しぶりとなる大会レポートをお届けします。

2日目冒頭に放送された、山本さん対市川さんのフィーチャーマッチは、山本さん側は赤マナの置き方で《エンバレスの宝剣》を警戒させるプレイ、市川さん側は墓地にクリーチャーを落とさずに《漁る軟泥》をケアするプレイなど、ミラーマッチの妙技を見ることができました。

 

 

 

●市川ユウキの場合

市川さんは大会前に自身の配信で視聴者と「グルール100人組み手」を実施し、ミラーマッチを練習したのが功を奏しました。これを見て勉強した視聴者の方もアリーナ・オープンで賞金を獲得するなど、まさにWin-Winの企画だったようです。


市川ユウキ『グルールアドベンチャー』
日本選手権2020秋



9 《森》
3 《山》
4 《岩山被りの小道》
4 《寓話の小道》
2 《進化する未開地》


土地(22)

4 《エッジウォールの亭主》
4 《山火事の精霊》
4 《砕骨の巨人》
4 《カザンドゥのマンモス》
4 《恋煩いの野獣》
3 《漁る軟泥》


クリーチャー(23)


3 《エンバレスの宝剣》
2 《グレートヘンジ》
4 《髑髏砕きの一撃》
2 《原初の力》
2 《焦熱の竜火》
2 《怪物の代言者、ビビアン》


呪文(15)


2 《萎れ》
2 《焦熱の竜火》
2 《運命の神、クローティス》
2 《アクロス戦争》
2 《探索する獣》
2 《アゴナスの雄牛》
2 《エンバレスの盾割り》
1 《グレートヘンジ》


サイドボード(15)


戦績(最終順位:44位

ラウンド 対戦相手のデッキ 勝敗
1 青白コントロール
2 グルールアドベンチャー
3 ラクドス
4 グルールアドベンチャー ×
5 ナヤミッドレンジ
6 グルールアドベンチャー
7 ディミーアローグ ×
8 グルールアドベンチャー(山本賢太郎)
9 ディミーアコントロール ×
10 マルドゥヨーリオン ×
11 DROP

対戦について

Q. デッキ選定理由
A. 単純に一番強いと思ったのでグルール。グルールに有利がつくデッキを作れなかった。

Q. 調整は誰かと相談したり、何かを参考にしましたか?
A. 練習はほぼすべて配信で行ないました。配信で視聴者とミラーマッチしたりして練習しました。

Q. どこを特に対策してサイドなどを構築しましたか?
A. ミラーマッチ。サイドボードに《グレートヘンジ》の3枚目を入れた。

Q. 印象的な試合や場面があれば
A. 対ディミーアコントロール戦で、《探索する獣》を《精霊龍、ウギン》の返しに当てようとずっと持っていたら《怪物の代言者、ビビアン》でライブラリートップに《アゴナスの雄牛》がめくれて、「手札使わなきゃ!」となり、手札に温存していた《探索する獣》をプレイした結果、返しに《精霊龍、ウギン》が出てきて負けたこと。

グルールのミラーマッチで対戦相手に《アクロス戦争》を4回プレイされたが、ほぼ何も起きなかったこと。
《アクロス戦争》はミラーマッチのキーと思われていますが、実はただただ強いカードではなく適正に使わないとその真価は発揮できないなと感じました(《恋煩いの野獣》との相性が悪く、取った《野獣》が殴れなかったり、残った野獣も殴れなかったりするため、2章、3章が効果的に働かないことが多かった)。

アクロス戦争 恋煩いの野獣

Q. オンラインでの大会にはどの程度慣れましたか?
A. 結構慣れましたが、今回は今までのオンライントーナメントの中でも待ち時間が最も多く、どれくらいで次ラウンドが始まるといったアナウンスなども特になく、最も不快なトーナメントでした。初回ということもありますので、次回に期待。

Q. 大会がオフラインからオンラインメインになって特に変わったことは?
A. 大会が終わったあとに友人と飲めない。オンライントーナメント後飲み会希望。

Q. 日本選手権という大会に対して思い出などあればお願いします
A, 特にないです。全然トップ8圏内やバブルマッチにすら行ったことがなく、縁がない大会だと感じています。

Q. 日本選手権2020冬にも出るつもりですか?
A. 秋のほうはラストチャンストライアルがゆるゆるだったので、冬はそれを狙います。(編注:その後制度が変更になりました)

 

02
市川さんの“最近の1枚”
「10月末に犬が19歳の誕生日だったのでお祝いしました。」

 

 

 

●八十岡翔太の場合

八十岡さんは、以前からチラ見せしていた青黒コントロールベースの祭殿デッキを使用。1ラウンド目でさっそくフィーチャーマッチにも呼ばれ、話題となりました。敗因は《トライオーム》だったようなので、皆さんも使用時にはご注意ください。


八十岡翔太『5色祭殿』
日本選手権2020秋



1 《平地》
1 《島》
1 《沼》
1 《山》
1 《森》
4 《寓話の小道》
4 《河川滑りの小道》
4 《陽光昇りの小道》
4 《ゼイゴスのトライオーム》
3 《清水の小道》
2 《ケトリアのトライオーム》
1 《インダサのトライオーム》


土地(27)

1 《鎖を解かれしもの、ポルクラノス》


クリーチャー(1)


4 《万物の聖域》
1 《穏やかな光の聖域》
1 《静かな水の聖域》
1 《石の牙の聖域》
1 《廃れた高地の聖域》
4 《海の神のお告げ》
3 《エルズペスの悪夢》
2 《サメ台風》
3 《血の長の渇き》
2 《絶滅の契機》
1 《影の評決》
3 《ネスロイの神話》
3 《無情な行動》
2 《意味の渇望》
1 《取り除き》


呪文(32)


4 《強迫》
3 《神秘の論争》
3 《否認》
1 《帰還した王、ケンリス》
1 《アゴナスの雄牛》
1 《サメ台風》
1 《塵へのしがみつき》
1 《鎖を解かれしもの、ポルクラノス》


サイドボード(15)


戦績(最終順位:93位

ラウンド 対戦相手のデッキ 勝敗
1 マルドゥウィノータ ×
2 ゴルガリアドベンチャー
3 緑単
4 ゴルガリアドベンチャー ×
5 ラクドスミッドレンジ ×
6 ゴルガリアドベンチャー
7 グルールアドベンチャー ×

対戦について

Q. デッキ選定理由
A. 楽しそうだったので2週間前ぐらいから調整。揃うと楽しいですよ。

Q. 調整は誰かと相談したり、何かを参考にしましたか?
A. 特になし。

Q. どこを特に対策してサイドなどを構築しましたか?
A. 緑系には戦えるようにしました。

Q. 印象的な試合や場面があれば
特殊イラスト版の《トライオーム》が3種類入っているのですが、2回見間違えて負けました。
(「見間違えないコツってありますか?」という質問に対して)
イラストを完璧に覚えるか、きちんと確認するしかないかと思います。

インダサのトライオーム ケトリアのトライオーム
ゼイゴスのトライオーム

Q. オンラインでの大会にはどの程度慣れましたか?
A. あまり慣れない。

Q. 大会がオフラインからオンラインメインになって特に変わったことは?A.イベントに対するモチベーションが下がった。

Q. 日本選手権という大会に対して思い出などあればお願いします
A. 今と昔の日本選手権の立ち位置が違うのでひとくくりでは語りづらいが、国内で一番大きい大会ということで昔は出られることの喜びがあった。

Q. 日本選手権2020冬にも出るつもりですか?
A. 出ます。

 

03
八十岡さんの“最近の1枚”
「最近の写真は特にない」とのことでしたので、配信などで我々がよく見ているのとは逆の、八十岡さん側からの視点はどうなっているのかという写真を撮ってもらいました。

 

 

 

●山本賢太郎の場合

気づかぬうちにさらっと勝っている印象のある山本さんですが、今回もいつの間にか権利を獲得しており、リーグ・ウィークエンドで活躍した「和製グルール」を手に参加。久しぶりに元気そうな姿が見られてほっとしました。


山本賢太郎『グルールアドベンチャー』
日本選手権2020秋



9 《森》
3 《山》
4 《岩山被りの小道》
4 《寓話の小道》
2 《進化する未開地》


土地(22)

4 《エッジウォールの亭主》
4 《山火事の精霊》
4 《砕骨の巨人》
4 《カザンドゥのマンモス》
4 《恋煩いの野獣》
3 《漁る軟泥》
2 《探索する獣》


クリーチャー(25)


3 《エンバレスの宝剣》
2 《グレートヘンジ》
4 《髑髏砕きの一撃》
2 《原初の力》
2 《焦熱の竜火》


呪文(13)


3 《アゴナスの雄牛》
3 《怪物の代言者、ビビアン》
2 《焦熱の竜火》
2 《運命の神、クローティス》
2 《萎れ》
2 《アクロス戦争》
1 《エンバレスの盾割り》


サイドボード(15)


戦績(最終順位:58位

ラウンド 対戦相手のデッキ 勝敗
1 ジェスカイコントロール
2 ディミーアローグ ×
3 ゴルガリアドベンチャー
4 グルールアドベンチャー
5 ラクドスミッドレンジ ×
6 グルールアドベンチャー
7 青白コントロール
8 グルールアドベンチャー(市川ユウキ) ×
9 ディミーアローグ ×
10 DROP

対戦について

Q. デッキ選定理由
MPLとライバルズのリーグ・ウィークエンドで日本勢が持ち込んでいたグルール・アドベンチャーの完成度があまりに高く、これを倒せるデッキを模索しましたが、見つからなかったので素直に使うことにしました。

Q. 調整は誰かと相談したり、何かを参考にしましたか?
A. いろいろな配信を見ながら1人で調整しました。

Q. どこを特に対策してサイドなどを構築しましたか?
A. メインはいじるポイントが見つからなかったので完コピ。サイドはグルールミラーでのキーカードである《グレートヘンジ》《エンバレスの宝剣》《アクロス戦争》を対処できる《萎れ》を2枚採用しました。

萎れ

Q. 印象的な試合や場面があれば
A. R8での瀬畑戦。同型戦でのケアすべきポイントを的確にプレイしてきて「やっぱこいつ上手いな」って思いました。最近勝った記憶ないのでもう当てないでほしい(笑)。

Q. オンラインでの大会にはどの程度慣れましたか?
A. 海外主催の大会は深夜スタートが多いのでそこは辛いですが、他の面においては圧倒的にオンラインのほうが楽ですね。

Q. 大会がオフラインからオンラインメインになって特に変わったことは?
A. リミテッドがなくなってひたすら構築戦ばかりなので、構築勢にとっては有利なフィールドになりましたよね。個人的には最近のリミテッドは苦手だったので、構築戦ばかりなのはありがたいです。

Q. 日本選手権という大会に対して思い出などあればお願いします
A. まったく勝ったことないので特にありません!

Q. 日本選手権2020冬にも出るつもりですか?
A. また予選に出て出場できるように頑張ります!

04
山本さんの“最近の1枚”
「G0TOトラベルで大谷資料館に行ってきました。」
(編注:さまざまなロケやコンサート等で使われる、大谷石の地下採掘場跡)

 

 

 

●覚前輝也の場合

覚前さんは日本選手権には出場していませんでしたが、裏の「アリーナ・オープン」で快勝し、2000ドルと「ゼンディカーの夜明け」予選ウィークエンドの権利をゲットされていましたので、そちらについて聞きました。
(アリーナ・オープン:「MTGアリーナ」の賞金大会。今回はBO1とBO3の2タイプあり、覚前さんはBO3に参加。1日目に4-0すると2日目進出、2日目は7勝か2敗するまでプレイでき、6勝以上で賞金)


覚前輝也『ラクドスアグロ』
アリーナ・オープン



6 《沼》
4 《山》
4 《悪意の神殿》
4 《寓話の小道》
1 《ロークスワイン城》


土地(19)

4 《義賊》
4 《ぬかるみのトリトン》
4 《死の飢えのタイタン、クロクサ》
4 《砕骨の巨人》
2 《残忍な騎士》
2 《アゴナスの雄牛》
1 《悪ふざけの名人、ランクル》


クリーチャー(21)


4 《ティマレット、死者を呼び出す》
4 《血の長の渇き》
4 《髑髏砕きの一撃》
2 《取り除き》
2 《無情な行動》
2 《ハグラの噛み殺し》
1 《棘平原の危険》
1 《死者を目覚めさせる者、リリアナ》


呪文(20)


2 《苦悶の悔恨》
2 《無情な行動》
2 《スカイクレイブの影》
2 《エルズペスの悪夢》
2 《切り裂かれた帆》
1 《死者を目覚めさせる者、リリアナ》
1 《塵へのしがみつき》
1 《強迫》
1 《アゴナスの雄牛》
1 《取り除き》


サイドボード(15)


戦績(対戦結果:1日目

ラウンド 対戦相手のデッキ 勝敗
1 ラクドス
2 グルール
3 グルール
4 赤単
1 グルール
2 ディミーアローグ
3 グルール
4 ディミーアローグ

※初日はサクッと4-0してしまったため、2回出て2回目も4-0を達成したそうです。

戦績(対戦結果:2日目

ラウンド 対戦相手のデッキ 勝敗
5 白単
6 グルール
7 グルール
8 グルール
9 ルールスサイクリング
10 緑単
11 グルール ×
12 青白ヨーリオン

対戦について

Q. デッキ選定理由
A. 環境の認識がグルールとディミーアローグの2強でした。その2つのデッキがメタ上で最大まで増えていると感じたタイミングだったことに加え、ディミーアローグには有利なラクドスアグロを「できるだけ対グルールにメインから寄せてみる」というアプローチで回したら、感触が良かったので決めました。

Q. 調整は誰かと相談したり、何かを参考にしましたか?
A. 大阪のコミュニティと軽く意見を交換しましたが、調整はほぼ1人です。Redbullの大会で勝っていたラクドスのリストを拾ってきました。

Q. どこを特に対策して構築しましたか?
A. そのリストからグルールに弱いカードをすべて抜き、その枠をグルールに強いカードに差し替えました。(例:手札破壊→除去)

Q. 印象的な試合や場面があれば
A. 2敗できない戦いってことで何度も崖っぷちに立たされましたが、そこで勝ち切れたのが大きかったですね。

Q. オンラインでの大会にはどの程度慣れましたか?
A. 大会のシステム等がオンライン初期に比べてだいぶわかりやすくなったのと、ある程度経験も積んだため手軽にできるという感覚になりました。

Q. 大会がオフラインからオンラインメインになって特に変わったことは?
A. やはり友達としゃべれないことや1勝の重みが全然違いますね。例えば静岡まで遠征したグランプリで負ける1敗と家でコーヒー飲みながらの1敗では、悔しさが全然違いますよね!
終わった後に、「どうだった?」とか愚痴を言い合えるオフラインのほうが自分は好きですが、こればっかりは世界情勢がよくなるまで仕方ないかなと思います。

kaku
覚前さんの“最近の1枚”
G0TOトラベルで大阪に行って、覚前さんとお好み焼きを食べてきました。byスタッフ

「オフラインの大会に久々に出ました。
チーム戦にて優勝! 喜びを分かち合える瞬間もまた最高でした!!」

引き続き日本選手権2020冬もレポートする予定です。それではまたお会いしましょう!

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