プレイヤーズコンベンション愛知2023レポート
11月25-26日に愛知・常滑で開催された、プレイヤーズコンベンション愛知2023のレポートをお送りします。
●大会概要
このイベントのメインとなるトーナメント「チャンピオンズカップファイナル シーズン2サイクル1」に、市川さんと八十岡さんが出場しました。フォーマットはパイオニアです。
市川さんはこの直前に、400人以上が参加するMagic Onlineの大会に出場し、クイントリウス型の発見コンボで優勝。「常滑を破壊した」と喧伝して環境に嵐を呼び起こしたのち、本戦は地質鑑定士型の発見コンボを使用。残念ながら3勝4敗で初日落ち(最終順位117位)でした。
431人参加のPioneer Showcase、象カスケードで優勝!みなさん、繰り返しになりますが、常滑でお会いしましょう! pic.twitter.com/HCvSOtQTOT
— Yuuki Ichikawa (@serra2020) November 20, 2023
一方、八十岡さんはパイオニアでずっと使い続けている《変わり谷》入りのラクドス・ミッドレンジを使用。1日目は6-2、その夜アリーナオープンに出場してなかなか抜けられず寝不足になり、2日目のボロス召集とのフィーチャーマッチでうっかりミスをしてしまって負け。最終的には8勝4敗で24位でした。
お2人に、大会後オンラインで取材を行ないました。
4《踏み鳴らされる地》 4《河川滑りの小道》 3《奔放の神殿》 3《魂の洞窟》 2《蒸気孔》 2《カープルーザンの森》 2《岩山被りの小道》 1《天上都市、大田原》 1《マナの合流点》 1《森》 1《山》 1《島》 土地(25) 4《地質鑑定士》 クリーチャー(17) |
4《異界の進化》 4《創造の発露》 4《マグマ・オパス》 3《豪奢+誤認》 2《徙家+忘妻》 1《覆滅+複製》 呪文(18) |
1《巨智、ケルーガ》(相棒) 4《シェフェトのオオトカゲ》 3《龍王ドロモカ》 2《覆滅+複製》 1《豪奢+誤認》 1《二重視》 1《大狸》 1《有角の湖鯨》 1《平地》 サイドボード(15) |
4《黒割れの崖》 4《血の墓所》 4《憑依された峰》 3《変わり谷》 2《荒廃踏みの小道》 2《目玉の暴君の住処》 2《硫黄泉》 2《沼》 1《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 1《バグベアの居住地》 1《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 土地(26) 4《砕骨の巨人》 クリーチャー(14) |
4《鏡割りの寓話》 4《思考囲い》 2《強迫》 2《致命的な一押し》 2《塔の点火》 1《苦々しい勝利》 1《喉首狙い》 1《無情な行動》 1《コラガンの命令》 1《勢団の銀行破り》 1《ヴェールのリリアナ》 呪文(20) |
2《真っ白》 2《碑出告が全てを貪る》 2《衰滅》 2《絶望招来》 1《勢団の銀行破り》 1《強迫》 1《致命的な一押し》 1《ヴェールのリリアナ》 1《黙示録、シェオルドレッド》 1《コラガンの命令》 1《分派の説教者》 サイドボード(15) |
※非表示カードは《コラガンの命令》
●デッキ選択までの流れ
――今回はチャンピオンズカップファイナル シーズン2サイクル1の振り返り記事になりますが、大会前に物語というか、流れがありましたよね。
まず1週間前に、市川さんがクイントリウス型の発見コンボ(以下、「象型発見」)」を使ってPioneer Showcase Challengeで優勝しました。このとき、準優勝は地質鑑定士型の発見コンボ(以下、地質型発見)を使ったJan-Moritz Merkelさんでした。
それを受けて八十岡さんからも「発見コンボは強い」という趣旨の発言があり、実際に大会の蓋を開けてみたら、見事に2種類の発見デッキがメタゲームの3割を占めていたと。
お2人とも、「しめしめ……」みたいな感じでしたか?
市川「いやまあ、『しめしめ』ではないですよ(笑)。僕も発見コンボで出てますし。象型じゃなくて地質型ですけど。」
――そもそも、最初に象型発見を使ってMOの大会に出たのは、どういう経緯で?
市川「いろんなリストを見たけどどれもあまりしっくりこなかった中、発見に対してはアンテナを高めにしてたら、鈴池くん(“MOパンダ”こと鈴池史康さん)がTwitter(X)でジャンドベースの象型発見を紹介してて、けっこういいなと。2マナが空きがちなデッキなんだけどそこを黒徳目(《執念の徳目》)で埋めて、3マナはカウンターでマナカーブを悪くすることなく能動的にランプするっていうリストで、バランスいいなと思ったので。ただマナベースがとにかく弱かったんで、そこはいろいろいじりました。
うちの調整チームではショーケース(Pioneer Showcase Challenge)の3日前くらいから地質型発見をメインに調整し始めてたから、ショーケースでは地質型は伏せておこうと。僕だけ以前から象型を回してたので、それで出たという流れです。」
――市川さんのチーム(ほかのメンバーは井川良彦さん・宇都宮巧さん・小澤毅さん・川崎慧太さん・熊谷陸さん・小原壮一郎さん・中尾元彦さん・平山怜さん)では、別の形を調整されていたと。
市川「そうです。僕らのチームメイト、発見ミラーマッチだけはめっちゃ勝ったらしいんで、常滑が発見コンボばっかりになったことは、チームとしては悪くなかった。」
――正直、世の中が象型発見だらけになってほしかったですか?
市川「発見コンボが注目されないっていうのがほんとは一番よかったですけど、僕とメルケル(Jan-Moritz Merkel)が勝っちゃったんでしょうがないかなと。メルケルだけが勝って地質型が注目を集めるよりは、象型の僕が優勝して結果的によかったかなという感じでしたね。」
――八十岡さんは、そのあたりはどうご覧になってたんですか?
八十岡「発見コンボが発見されたのは『イクサラン:失われし洞窟』が出てけっこうすぐだったけど、週末に気づいたら瀬畑(市川さん)とメルケルが勝ってて、これは間違いなく常滑で増えるなと。特に日本人って、日本人が勝ったデッキを使いがちなんで。
それで自分でも、象型も地質型もけっこう回しましたね。ただミラーを考えると、地質型のほうが基本的に早く仕掛けられて強いから、出るなら地質型かなと。」
――でも結局ラクドスで出ていたので、発見コンボを勧めておいてからそれを狩り取ろうとした意図があるのか? ってちょっと話題になってましたけど……。
八十岡「いや、そんなにラクドスが発見コンボに有利なわけじゃないですからね。なんなら、環境にラクドスが増えたほうがいいまである。個人的に、ラクドスを使う一番の理由はミラーに自信あるからなんで、ミラーが減ること自体はマイナスだったり。
ただ激増した発見コンボの中に、弱いリストが多かったというのは有利に働きましたね。リストをコピーしただけだったり、プレイも雑だったりして。練度が足りないけど強いデッキだから乗り換えたって人が多かったかなと。」
――そんな環境だから、自分では安定のラクドスを選択した?
八十岡「というか、発見コンボの強いリストが作れなかったから、というのが理由ですかね。結局ミラーや青白に勝とうとすると、ボロスや人間、ラクドスに弱くなるんで。ラクドスに五分以下になるくらいならラクドス使えばいいか、ってなりました。
発見コンボがノーマークだったら使ってもよかったけど、あそこまで知られちゃうと、みんなサイドカードとか取ってくるだろうし厳しいかなと。実際メインから《乱動する渦》入りの赤単とかもいたし。」
――市川さんのチーム9人は、75枚同じ地質型発見デッキでしたよね。
市川「全員が75枚同じなのは、かなり珍しいですね。」
――どういう経緯でたどりついたんですか?
市川「プレインズウォーカーにも当たるような除去が採用されると予想すると、速度が出せるほうが単純に強いから、地質型が明らかに象型より優れてるのは調整でわかってました。
あと、イゼフェニ(イゼット・フェニックス)もけっこういいなと思ってたんです。印象では発見コンボにちょっと有利で、青白ロータスみたいなデッキにもそれなりにやれるなと。イゼフェニを保険にしつつ、地質型が最終的に満足いったんで全員それで出ました。」
――イゼフェニは今大会では立ち位置がよさそうに見えましたが、もしイゼフェニにしていたらどうだったでしょう?
市川「ポジションは悪くないけど、《塔の点火》で《弧光のフェニックス》を追放されるような、地質型メタのカードがちょっと当たっちゃったりするんで、そこまで追い風でもなかったかもしれないですね。僕にイゼフェニのスキルがマックスあったら使ってもよかったんですけど、1週間で練習するのはちょっと……。地質型はメタられそうとはいえ、使わない理由もそこまでないかなと。」
――地質型発見に自信があったわけですね。
市川「勝率は高かったんですけど……本戦ではみんな、不利な青白デッキにすごい当たっちゃって。使用者数だと青白コンと青白ロータスは足して10%もいないんですけど、実際に当たった割合を計算すると20%を超えてて、倍以上の確率で当たってるんです(笑)」
――うわ、それはついてないですね。
市川「青白系だけは、いろいろ調整したんですけどプランが立たなかったんですよね。ショーケースのタイミングでは、青白やイゼフェニに対しては《思考のひずみ》がめちゃくちゃ刺さったんですけど、僕もメルケルも《思考のひずみ》を4枚採用してたことから、今度は《ナーセットの逆転》とかの打ち消さずに返せるカードが採用されるようになって、代わりのプランをいろいろ模索したけど見つからなかった。なので、青白コンだけは当たれば当たるほど負けるって状況になっちゃいましたね。
●「破壊」がキラーワード
――1週間前に優勝したときにやりすぎた感じですかね。「常滑が破壊された!」みたいな感じで、すごくセンセーショナルでしたし。
市川「みんなパニックになってましたね(笑)。あれはあれで、今までのパイオニア環境で一番おもしろかったですけど。緑単とかパルヘリオンとか、既存の安牌デッキがみんな爆発した(笑)。ずっと同じ環境だと飽きるんで、定期的にこうやって破壊されるフォーマットであってほしいですね。」
――破壊っていうと言葉が強いですけど、環境は激変したほうが見るほうもおもしろいですね。八十岡さんもそうでしたか?
八十岡「インバーターコンボの時も(《真実を覆すもの》と《タッサの神託者》のコンボが席巻したプレイヤーズツアー名古屋2020)、今回とけっこう近かったと思うんですよ。あの時は今回ほど情報が出回ってなくて、知らない人もいた感じでしたけど。
やっぱり今回は瀬畑が勝ったのが大きくて、外国人選手が勝ってもここまでにはならなかったと思うんですけど、瀬畑が『破壊した!』って拡散したんで、広まったかなと。」
市川「『破壊した』ってのが、相当キラーワードだったね。」
八十岡「実際に大会には出ない人が、かなり反応してた気がする。パイオニアって同じデッキばかりでつまんなかったから、見る側としては『どうなるんだろう?』って楽しみだったと思うし、盛り上がったのは良かったかな。発見用のカードの値段もすごい上がったりしたし。激動の1週間で、たまにはこういうのが欲しいね。
勝つために調整するのは好きだし、練習できる時間のある人にとってはいい環境。がんばって予選を抜けて、『ずっと使い続けてきた相棒の緑単デッキで行くぞ』みたいな人にとっては気の毒だけど。
実際、緑単に2回当たったんですよ。『ほかに使えるデッキなかった』って言ってました。イチからカード買い集めるって大変ですしね。」
――そうですよね。
市川「逆に、3割も発見コンボがいたことに驚いた。1週間でよくカード集めたなと。日本人の競技志向すごいなと思った。」
八十岡「俺もびっくりした。30%はいかないと思ってたから。ただ、(大手ショップサイトのシングルカードの)週間販売数見てたら、これはやばいなとは思ったけどね。」
市川「なんか、1週間で2百数十枚とか売れてたよね(笑)。」
――じゃあ市川さんが環境をぶっ壊してくれて、カードショップの人はうれしかったでしょうね。
市川「今まで見向きもされてなかったカードがめちゃくちゃ高くなりましたからね。《覆滅+複製》が一時1000円超えてたり。」
八十岡「《クイントリウス・カンド》も《嘶くカルノサウルス》も一気に上がって、MOでも高騰してたし。」
市川「反響すごかったね、マジで。今は急落して値段のグラフがジェットコースターみたいになってるけど(笑)」
――発見コンボで大会に出られるのは、今回が最初で最後かもしれないですね。
市川「それもあって、僕らも今回使っておかなきゃ! みたいのありましたからね。象型も、そこまでいいデッキじゃないって結論は出てたけど、好きなデッキだから最後まで使おうか悩んでました。」
ヤソ「情だね(笑)」
市川「デッキ構造が好きなんだよね。ミッドレンジコンボで、重たいカードがたくさん入ってて。でも、どう考えても地質型のほうが強い。」
――実際、象型はかなり今回の勝率が低かったみたいです。
市川「同じ週末に、ほかのCS(チャンピオンズカップファイナル)も2か所同時開催してて、地質型のほうは勝率58%とかでけっこう勝ち組だったんですけど、象型はどこでも負けてました。まあ、象型を使った人はちょっと反省してほしいっすね(笑)」
八十岡「象型を使って勝った人がなんか言ってる(笑)」
市川「いやいや、勝ったデッキは2つあったわけだから、そこを情報精査しないと。」
八十岡「やっぱり、象型が優勝したっていうのがでかいよ。」
――直接対決で勝ったから、象型のほうが強いって普通は思いますよね。
市川「いやー、結果だけじゃないんですよね、マジックって(笑)」
――改めて考えると、市川さんがMOで優勝したのはどうしてなんでしょうか?
市川「まだ発見コンボがまったく意識されてなかったからですね。みんなプレインズウォーカーに当たらない除去だったし。《呪文貫き》だけケアして7マナで《クイントリウス・カンド》を出せばほぼ勝ちってゲーム展開ばっかりだったんで、そりゃ勝つわと。緑単とかにもめちゃ当たったし、メタゲーム上のポジションがすごく良かった。最後に地質型のメルケルと直接対決しましたけど、向こうは発見対策を全然してなかったんで、サイドカードの枚数差で勝敗がついた感じです。」
――確かに、警戒さえされてなければ最強デッキなんですね。
市川「1週間でめっちゃ対策されて、『かわいそうなぞう』になりました。」
●当日について
――市川さんのチームメンバーは青白にたくさん当たり、9人のうち8人は初日落ち、ということでしたが、1人だけ初日全勝してTOP8入りと、まるで多段式ロケットの打ち上げでした。勝った中尾さんは当たり運がよかったんですか?
市川「それが、そうでもないんですよ。青白コンと青白ロータスに計3回当たって勝ってるんで、ものすごい回った可能性ありますね。フィーチャーされるたびに3キルしてたんで(笑)」
八十岡「そこがやっぱりこのデッキの強さだよね。不利デッキ相手でも、3、4ターン目に動けばけっこう勝つから。」
――9人もいれば、そういう運に恵まれる人も1人はいると。
市川「確率的にはチームで2人くらいはプロツアー権利を取ってほしかったなとも思いつつ……ただこのイベントって(プロツアー権利を得られる)上位12位以外何もなくて、『チームの半分が初日抜けました』みたいにまんべんなく勝つことに価値がないので、1人打ち上がったという点ではよかったかなと。これからのCSはそういう、ロケットみたいなデッキを選ぶアプローチになっていくだろうと思いますね。」
――市川さんの今回の目標は、世界選手権の権利を得られる1位と2位だけでしたか?
市川「そうです。だからこそ、よっぽどプランをしっかり持ってるとか、八十岡さんみたいに『ミラーマッチには勝てる』みたいのがないと、なかなか既存のデッキは選びにくいです。
あと日本のCSはイゼフェニが少なくて青白が多い……青白はポジションが悪くても多いって特徴があるんで、それに不利なデッキはあんまりよくないですね。」
――八十岡さんの目標も同じですよね。
八十岡「まあ、1,2位縛りも上位12位縛りも、この規模だとたいして変わんないんで、誤差です。」
――八十岡さんがボロス召集とのフィーチャーマッチでミスして負けたというのは、どこの場面ですか?
八十岡「相手が《イモデーンの徴募兵》で全部殴ってきたタイミングです。第一印象では、1体を《砕骨の巨人》で止めて、《イモデーンの徴募兵》を《鏡割りの寓話》のトークンでブロックして、あとは通して、返しに《碑出告が全てを貪る》で全部流すっていうプランだったんですけど、そうしようと思った瞬間に『次5マナあるから、寓話トークンで殴れば6マナになるから流しながら次の《鏡割りの寓話》を貼れるな』と。じゃあ3点余計にくらってそうするか、とふと思って。」
――実際、そうしましたよね。
八十岡「そうした結果、《イモデーンの徴募兵》は流れないから、ブロックしなきゃダメじゃんということに。俺の中で、なぜか《イモデーンの徴募兵》も一緒に流れることになってて。」
――ああ、なるほど。
八十岡「結局《イモデーンの徴募兵》にカード1枚使わなきゃいけない分、損になって。しかもそこでギルランしか引かなかったから、ライフを結局5点損してるんです。ブロックしていれば、そのターンに《鏡割りの寓話》は置けないけど、《碑出告が全てを貪る》出してタップインで終わり。素直に最初考えたとおりにやればよかったのに、変なこと考えすぎましたね。だいたい直感が合ってるんですけど、余計なことを考えると何かが抜けることがある。」
市川「前提が抜け落ちることってあるよね。」
――将棋とかでも、直感が7割正しいって話ありますよね。
八十岡「まさにそうです。」
市川「まず思いついたAプランが基本合ってるんだけど、Bプラン考えてCプランも考えて、『あっCプランけっこういいな!』と思ったら、Aプランで前提になってたことがごっそり抜けてて、『ブロッカーいたじゃん!』ってブロックされてから気づくみたいなこと、よくありますよ。」
八十岡「(笑)」
市川「今の話もまさにライフ3点と1アクションの交換だと思ってたら、そもそも《イモデーンの徴募兵》が抜け落ちてたっていう、よくある感じだなと。」
八十岡「しかも負けたあとの次のドローが《碑出告が全てを貪る》だったんで、そこでライフ削られてなければ確定勝ちだった。まあまあ、そういうこともある。」
――わりと最後まで頑張っても12位以内に入れず、徒労になりがちなトーナメント……ではありますよね。
八十岡「今のシステムはちょっと……単純にもうちょっと下まで賞金を出してくれるだけでもいいんですけど。
俺らみたいな招待されてるプレイヤーはともかく、店舗予選とエリア予選を抜けてきて、8勝4敗とかの成績でノーマネーフィニッシュするのはちょっとかわいそうだなと。せめてボックスくらいでも、なんかもらえたって体験はあるといいですね。あとは2日目に残ったらプロモカードもらえるとかでもいいかなと思いますけど。」
――今はトップ8だけに配布ですよね。
八十岡「2日目に残るのもけっこう大変なんで、残った記念品が欲しいなと。そしたら次また出ようってモチベーションにもつながると思うし。」
●禁止改定
――12月4日にパイオニアの禁止改訂がありますが、はたして発見コンボは禁止になるんでしょうか。この取材が禁止改訂の前で、掲載されるのが改定後になってしまうのですが。
市川「じゃあ予想しときますか。」
八十岡「まあ、100%禁止だけど。少なくともBO1は絶対ダメ。」
――《地質鑑定士》が禁止ですか?
八十岡「《地質鑑定士》か《異界の進化》かどっちかかな。」
市川「3キルに対応できないデッキはみんな死ぬって、環境を狭めすぎだからね。」
八十岡「象型が弱いから発見自体の勝率が下がってるけど、地質型のほうはほかのCSで優勝もしてるし、環境を歪めてる。それにプラスして、何か禁止か解禁が出るかどうかかな。」
市川「公式の配信で言及があったらしくて、《大いなる創造者、カーン》は禁止になるんじゃないかって言われてるね。」
八十岡「まあそれくらいなら別に……。」
――解禁も何かあるといいですよね。ご希望はありますか?
八十岡「そもそも今何が禁止されてるのかがあやしい(笑)……《荒野の再生》かな。」
市川「《密輸人の回転翼機》とか? パルヘリオンが最強になる可能性がある(笑)」
八十岡「あとは……《自然の怒りのタイタン、ウーロ》もいけるんじゃないかな? 最近の速さを考えると、3キル4キルにからまないようなカードはあってもいいんじゃないかと。」
――はたしてどうなるのでしょうか。
八十岡「モダンも禁止出るっぽいから楽しみです。」
市川「モダンはラクドス想起が強いんで何かしらのカードが禁止になると思うんですけど、どれを禁止にするかが難しそう。」
八十岡「《オークの弓使い》か《悲嘆》か……《悲嘆》を禁止にしちゃうとちょっとカッコ悪いよね。
市川「サイクルのうち1枚がなくなるのはちょっとダサい。」
●今後の予定
――それでは、次のご予定って何になりますか?
市川「もう2月のプロツアーになるのかな? 一応その直前に、横浜のCSがありますけど。」
八十岡「日程がプロツアーと近すぎるから、出なさそうだよね。プロツアーがパイオニアでCSがモダンだから、練習してる暇がないし、練習なしだとモダンは勝たないんで。」
――近所だし遊びに行ってもいいか、くらいですか。
市川「そうですね。デッキあったら、くらいで。」
八十岡「ワンチャン、パイオニアオープンのほうに出るとかはあるかも。もしくは解説。」
――では、基本的には次は2月のプロツアーということで。開催場所はどこでしたっけ?
八十岡「シカゴです。航空券高いし、寒いし……。」
市川「マジで最悪、なんでそんな真冬にシカゴでやるんだ。あと、俺はこないだショーケースチャレンジ抜けたんで、次ショーケース本戦に勝てばMOCSですよ。」
――おおー。その本戦はいつですか?
市川「12月10日だったかな。」
――MOCSに出場できたら熱いですね! それでは市川さんの健闘をお祈りしてインタビューを締めくくりたいと思います。ありがとうございました。