【PTRIX】渡辺・市川のドラフト【Day1】
まずは1日目のドラフト3ラウンドについて、本人たちの生の声を掲載してまいります。
せばちゃん最近いつもこの顔です(笑)。
会場の風景を簡単にご紹介。幕張メッセのような感じの非常に大きな建物で、入口に「ようこそ」と英語とスペイン語で掲げられています。
荷物検査を受け、入口を入るとすぐに広々とした会場全体が見渡せます。手前がショップや飲食エリアで一番奥にフィーチャーエリアがあります。
会場の片隅にちょっとした屋台が出ており、ホットドッグやポップコーンなどの軽食が食べられます。こちらではコーヒーとマフィンを販売中。
会場内のショップではカードの買い取りも行なわれていて、ドロップしたあとのデッキも買い取ってくれるそうです。
●渡辺雄也のドラフト
日本人が5人、うち3人は殿堂プレイヤーという非常に濃い卓となった渡辺さんですが、できたデッキは青黒タッチ赤の種族盛り合わせという感じに。サイドボードをうまく生かすなどして、結果は2-1となりました。
ピックの流れ
1パック目
1-1《凶兆艦隊の毒殺者/Dire Fleet Poisoner(RIX)》
1-2《欲深い悪漢/Grasping Scoundrel(RIX)》
1-3《渇望の時/Moment of Craving(RIX)》
1-4《欲深い悪漢/Grasping Scoundrel(RIX)》
1-5《ティロナーリの召喚士/Tilonalli’s Summoner(RIX)》
1-6《深海艦隊の移乗要員/Fathom Fleet Boarder(RIX)》
1-7《粉砕する潮流/Crashing Tide(RIX)》
1-8《神聖なる評決/Divine Verdict(RIX)》
1-9《船慣れ/Sea Legs(RIX)》
1-10《否認/Negate(RIX)》
1-11《急流の魂/Soul of the Rapids(RIX)》
1-12《狂信的扇動者/Fanatical Firebrand(RIX)》
1-13《翡翠細工の職工/Jadecraft Artisan(RIX)》
1-14《闇の尋問/Dark Inquiry(RIX)》
渡辺「1パック目はまずわかりやすい強いレアを引いたので、ここから海賊系を目指そうかなと。このときに流したカードで戻ってきそうなものはなかったので、2色目はあまり決めないで1パック目は単色気味でやろうかなと思ってました。
1-2は弱いパックで、この《欲深い悪漢/Grasping Scoundrel(RIX)》(攻撃中+1の1マナ1/1海賊)か赤2マナで海賊だったら二段攻撃つける+1/+1インスタント(《海賊の示威/Buccaneer’s Bravado(RIX)》)があって、海賊を組むなら欲しいカードなんですけど、黒でまとめようかなということでこっちにしました。
1-3は黒の一番強いコモン《渇望の時/Moment of Craving(RIX)》が流れてきたので、黒は空いてるのかなと。1-4までは黒単ピックです。ちょっと1マナ1/1の海賊は点数高く取りすぎたなと思ってるんですけど、下の黒いカードを絞りたいという理由で取ってました。
で、1-5で《ティロナーリの召喚士/Tilonalli’s Summoner(RIX)》(赤Xでエレメンタルトークンを出し、昇殿するとそのトークンが消えなくなる1/1)が来て、押し込む系のデッキだったらそこそこ強いので2色目のわたりとして取りました。
1-7くらいから黒いカードが枯れて、2色目どうしようかなと思ってたら1周したあたりで青の3/2呪禁飛行(《急流の魂/Soul of the Rapids(RIX)》)と赤のゴブリン(《狂信的扇動者/Fanatical Firebrand(RIX)》)が両方流れてきて、黒に青赤どっちを足すかわかんないなという状態で1パック目が終了しました。」
2パック目
2-1《帆凧の海賊/Kitesail Corsair(RIX)》
2-2《意気がった海賊/Swaggering Corsair(RIX)》
2-3《帆凧の海賊/Kitesail Corsair(RIX)》
2-4《巧射艦隊の喧嘩屋/Deadeye Brawler(RIX)》
2-5《深海艦隊の移乗要員/Fathom Fleet Boarder(RIX)》
2-6《高地の湖/Highland Lake(RIX)》
2-7《深海艦隊の移乗要員/Fathom Fleet Boarder(RIX)》
2-8《海底の神託者/Seafloor Oracle(RIX)》
2-9《財力ある船乗り/Sailor of Means(RIX)》
2-10《急流の魂/Soul of the Rapids(RIX)》
2-11《霧まといの川守り/Mist-Cloaked Herald(RIX)》
2-12《進化する未開地/Evolving Wilds(RIX)》
2-13《旅行者の護符/Traveler’s Amulet(RIX)》
2-14《スフィンクスの命令/Sphinx’s Decree(RIX)》
渡辺「2-1は黒いカードがなくて、この《帆凧の海賊/Kitesail Corsair(RIX)》(攻撃中飛行を得る2マナ2/1)か3マナ4点火力(《砲撃/Bombard(RIX)》)の二択。すごい悩んで、1パック目の流れと、できるだけ低マナのクリーチャーが取りたいということで《帆凧の海賊/Kitesail Corsair(RIX)》からスタートしました。
2-2は逆に青いカードがなく、白の種族指定+1エンチャント(《光輝の運命/Radiant Destiny(RIX)》)があったんですけど、1パック目の流れ的に白は無理ということで、自分はまだ決まってない2色目候補の赤いカードを取りました。
2-3と2-4の段階で、赤は低マナ域が取れてなくて、青だとしっかり盤面を構築できる布陣なので2色目が青に決まりました。
2-6の青赤土地は、赤いマルチカラーのカードが3パック目で出るかもというのを期待して取りました。
2-7が難しくて、この《深海艦隊の移乗要員/Fathom Fleet Boarder(RIX)》(海賊がいないと2ライフ失う3マナ3/3)か青赤の3マナ速攻でブロックされない《風雲艦隊の疾走者/Storm Fleet Sprinter(RIX)》とですごい悩んだんですけど、この段階で色マナのサポートが2-6の土地しかなくて、3ターン目に出すには無茶をしないといけないと思ったので、絶対に使えるカードのほうを優先しました。ただ、結局そのあと2枚マナサポートが取れたので、結果的には《風雲艦隊の疾走者/Storm Fleet Sprinter(RIX)》のほうがよかったですね。
2-8でマーフォークでダメージ与えてドローする《海底の神託者/Seafloor Oracle(RIX)》が流れてきたので、卓にマーフォークがいないとわかって、もしかしたら3パック目でアンブロッカブルとかみ合うかもということで押さえました。これを取ったんで、2-11(《霧まといの川守り/Mist-Cloaked Herald(RIX)》、ブロックされない1/1マーフォーク)はすごくうれしかったです。」
3パック目
3-1《突進するモンストロサウルス/Charging Monstrosaur(XLN)》
3-2《海賊のカットラス/Pirate’s Cutlass(XLN)》
3-3《焦熱の連続砲撃/Fiery Cannonade(XLN)》
3-4《セイレーンの嵐鎮め/Siren Stormtamer(XLN)》
3-5《風を跨ぐ者/Wind Strider(XLN)》
3-6《潜水/Dive Down(XLN)》
3-7《大嵐呼び/Tempest Caller(XLN)》
3-8《川潜み/River Sneak(XLN)》
3-9《アルゲールの断血/Arguel’s Blood Fast(XLN)》
3-10《這い回る心止虫/Skittering Heartstopper(XLN)》
3-11《深根の勇者/Deeproot Champion(XLN)》
3-12《嵐を変容する者/Storm Sculptor(XLN)》
3-13《キンジャーリの呼び手/Kinjalli’s Caller(XLN)》
3-14《秘儀司祭の杯/Hierophant’s Chalice(XLN)》
渡辺「色マナ補助が取れたので3パック目は赤だったら簡単にタッチできるなと思ってたら、しっかり《突進するモンストロサウルス/Charging Monstrosaur(XLN)》(5マナ5/5トランプル速攻)を引いて。下のマンモスさん(石井泰介さん)に赤いカードをけっこう流してたんですけど、『すまんな』と思いながら取りました(笑)。
3-2は海賊なのですごくうれしい《海賊のカットラス/Pirate’s Cutlass(XLN)》。このとき、上家のサム・パーディが白の反転エンチャント(《軍団の上陸/Legion’s Landing(XLN)》)を取ってて、白いということがわかったので、3-3の《焦熱の連続砲撃/Fiery Cannonade(XLN)》(海賊以外に全体2点)はそれ対策です。これをタッチしないと勝てないマッチアップになると思ったので。
あとは順当に、パックの中にある青いカードをデッキに適したものから順に取っていきました。黒いカードがまったくなかったのでこのあたりは全然悩まなかったです。パーディーが白黒ってことだから、こっちは青ベースの青黒にしようと。
3-12で《嵐を変容する者/Storm Sculptor(XLN)》(ブロックされない4マナ3/2マーフォーク)が流れてきたんですけど、マーフォークが卓にいなかったおかげで、ちょっと不足ながらもマーフォークのパーツをうまく取れて、最終的には海賊マーフォークタッチ恐竜みたいな感じになりました。」
渡辺さんのデッキ
対戦結果
渡辺「卓に(中村)修平さん、津村(健志)、サム・パーディと強いプレイヤーが多いうえにカードプールが全体的に強くて、厳しい戦いになるだろうな、下手したら1-2するかもなという感じだったんですけど、タッチの部分とかもうまくかみ合って2-1できました。
1ラウンド目は津村で、1本目はサクッと事故って、2本目はお互いいい回りしたけどこっちのほうが土地を多めに引いて負け。oyaoya prosの格付けが済んでしまった(笑)。
2ラウンド目はマンモスさんで、赤緑で1本目はパイロ(《焦熱の連続砲撃/Fiery Cannonade(XLN)》)がぶっ刺さって勝ち、2本目はマンモスさんがダブルマリガンしちゃって勝ちました。
3ラウンド目の相手は地上を固めて空で殴るタイプの白青だったんですけど、1/7とか1/4とかを出されてこっちの主軸の軽い海賊たちがまったく通らない。それでメインは落としたんですけど、サイドボードでそのへんを全部抜いて重めの飛行やカウンターに入れ替えて、主戦場を空に移して戦うプランにしました。空もお互い出し合って止まるようにしたら、こっちのブロックされないマーフォーク群がすり抜けられる分だけ有利なのと、ドラフト終盤で取ったオールタップ(《大嵐呼び/Tempest Caller(XLN)》)が固まった時にすごく強いので、2本目と3本目はそれで決めました。
デッキとしては1-2か2-1の間くらいだったんですけど、少し上ブレて2-1できたなという感じです。」
●市川ユウキのドラフト
市川さんは合宿記事で初手に取りたいと言っていた《船長の鉤/Captain’s Hook(RIX)》でピック開始。赤+白のデッキとなりましたが、相性の悪い緑系のデッキに2回当たってしまって1-2となりました。
ピックの流れ
1-1《船長の鉤/Captain’s Hook(RIX)》
1-2《怒り狂うレギサウルス/Raging Regisaur(RIX)》
1-3《飢えた聖騎士/Famished Paladin(RIX)》
1-4《反逆/Mutiny(RIX)》
1-5《勇敢な海賊/Daring Buccaneer(RIX)》
1-6《エリマキ死吐き/Frilled Deathspitter(RIX)》
1-7《勇敢な海賊/Daring Buccaneer(RIX)》
2-1《無謀な怒り/Reckless Rage(RIX)》
2-2《黄金の守護者/Golden Guardian(RIX)》
2-3《針歯の猛竜/Needletooth Raptor(RIX)》
2-4《ゴブリンの先駆者/Goblin Trailblazer(RIX)》
3-1《縄張り持ちの槌頭/Territorial Hammerskull(XLN)》
3-2《稲妻の一撃/Lightning Strike(XLN)》
3-3《火炎砲発射/Firecannon Blast(XLN)》
3-4《日の出の使者/Emissary of Sunrise(XLN)》
3-5《防護の光/Sheltering Light(XLN)》
3-6《鉄面連合の海賊/Brazen Buccaneers(XLN)》
市川「1-1の《船長の鉤/Captain’s Hook(RIX)》はうれしかったですね、絶対デッキに入るいいカード。1-2はほかに強いカードが全然なくて赤緑のアンコモン(《怒り狂うレギサウルス/Raging Regisaur(RIX)》)。3パック目まで弱いパックばっかりだったんでとりあえずアーキタイプの核になるようなカードをピックしていって、1-4で赤やりたいんで《反逆/Mutiny(RIX)》(赤1マナの一方的格闘)を取って、1-5で《勇敢な海賊/Daring Buccaneer(RIX)》(海賊を見せれば1マナ2/2)が取れたんで、赤を軸に決めようという感じでした。ピック方針として赤軸もしくは青軸のピックってけっこう好きなんで。
1パック目後半で白の2/5飛行(《太陽冠のプテロドン/Sun-Crested Pterodon(RIX)》)とかが流れてきて,赤白でもいいかなと思いつつ2色目は決めかねてる感じでした。黒いカードが全然流れてこないから、1-3の《飢えた聖騎士/Famished Paladin(RIX)》をうまく生かした白黒にはならないなと思って早々に切りました。」
市川「2-1の《無謀な怒り/Reckless Rage(RIX)》は単純に強い火力で、2-2の4/4ゴーレム(《黄金の守護者/Golden Guardian(RIX)》、味方と格闘して倒すと反転)もまあ悪くない。アグレッシブなデッキだとあまり殴れないんですけど、ロングゲームになったらやっぱり強いので。
2-4くらいまではよかったんですけど、それ以降あまりカードが取れてない。2-6くらいで赤白の3/3(《執拗な猛竜/Relentless Raptor(RIX)》)が流れてきて、じゃあ赤白にしようかなと。その後低い巡目で、けっこう赤白だと恐竜が多くて走れる4/4恐竜(《暴走する角冠/Stampeding Horncrest(RIX)》)を2枚取って、赤白恐竜寄りな雰囲気で埋めていきました。」
市川「3パック目は3-4くらいまでいい感じだったけど、ここから全然カード取れず。確か上と白がかぶってて白いカ@ードが流れて来なくて、《ティロナーリの騎士/Tilonalli’s Knight(XLN)》(恐竜がいたら攻撃時+1/+1の2マナ2/2)みたいな赤いカードが、出てないのかもしれないけど1枚も見かけなくて、3パック目はしょぼかったですね。結局2マナ域のいいやつがあまりいないのと、恐竜と海賊でクリーチャーを割っちゃってるんで、赤単気味に取れてはいるけど、実はほかのカードに依存するカードがけっこう多くて安定性に欠けるというか。たとえば《勇敢な海賊/Daring Buccaneer(RIX)》は1ターン目に出ないとすごい弱いカードになってしまうけど、海賊は6枚くらいしか入ってないとか。逆に恐竜がいないと弱いカード群もあってちぐはぐ。1パック目に《勇敢な海賊/Daring Buccaneer(RIX)》が2枚取れてるから、本当は白に行きたくなくて黒か青がよかったんですけど、流れてこなくて消去法的に白になった結果、シナジーが薄くなってしまったなと。かといって緑は当たっただけで2人いたし上も緑白だったから避けてよかったと思うし、どうすればいいか難しかったな……。」
市川さんのデッキ(山10、平地7)
対戦結果
市川「卓で出たカードがすごく弱かったみたいで、3回戦とも全然強いデッキには当たりませんでした。
1ラウンド目が緑白タッチ黒で、黒部分は昇殿すると強くなる馬(《薄暮の軍馬/Dusk Charger(RIX)》)、あれが2体くらい出てくる。たぶんカードが足りなかったんだと思います(笑)。2ラウンド目の緑赤もそんなに強くなかったんですけど、こういう地べたで殴るビート系のデッキだと緑に不利になっちゃうので、2戦ともそれで落としちゃった感じですね。もう少し違う当たり方だったら2-1でもおかしくなかったと思うんですけど。
0-2からの3回戦でシャハール・シェンハー(2年連続世界チャンピオン)の青黒と当たってヤバすぎんだろと思ったけど、やっぱりあんまりデッキ強くなくてなんとか耐えました。」