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語る!渡辺雄也の自信作デッキ「バント人間カンパニー」

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どうも、渡辺です。僕はこのデッキで3つのグランプリに出て、10位、ベスト8、14位とかなりの好成績を残すことができました。そうとう回してきて、出来にも満足しているこのデッキについて説明していこうと思います。

 


バント人間カンパニー(GPコスタリカ時点でのもの)



3《森》
6《平地》
1《島》
2《梢の眺望》
4《要塞化した村》
3《大草原の川》
2《ヤヴィマヤの沿岸》
4《進化する未開地》


土地(25)


4《スレイベンの検査官》
4《ラムホルトの平和主義者》
4《サリアの副官》
3《薄暮見の徴募兵》
2《白蘭の騎士》
4《反射魔道士》
4《不屈の追跡者》


クリーチャー(25)


4《ドロモカの命令》
4《集合した中隊》
2《オジュタイの命令》


呪文(10)


2《棲み家の防御者》
3《否認》
3《グリフの加護》
2《巨森の予見者、ニッサ》
2《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
2《悲劇的な傲慢》
1《白蘭の騎士》


サイドボード(15)


 

 

●デッキの進化

◆グランプリ・東京からコスタリカまで

デッキ誕生の経緯はグランプリ・東京2016の記事で軽く話しましたが、その後どう変わったかについて簡単にまとめておきます。
東京では作って間がなかったので、土地のバランスやサイドボードに練り込み不足がありました。それでも、相手がデッキ内容を知らないという強みがあってけっこう戦えたんです。
グランプリ・ミネアポリス2016までの3週間のあいだに、《港町/Port Town(SOI)》と《梢の眺望/Canopy Vista(BFZ)》を1枚ずつ、《ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast(ORI)》と《平地/Plains》に変えて、タップイン事故を減らせるようにしました。実際、東京ではタップイン土地が重なって序盤の展開が遅れてしまうことがあったんですけど、変えたらそういうことがなくなって、特に色の問題も起きなかったので。
あと、先手だと弱かった《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid(ORI)》を3から2に減らして、《不屈の追跡者/Tireless Tracker(SOI)》を3から4に増やしました。

サイドボードは大きく変わりました。
東京からずっと変わってないのは《グリフの加護/Gryff’s Boon(SOI)》《否認/Negate(ORI)》《棲み家の防御者/Den Protector(DTK)》です。
サイドボード後の安定性が必要だと思い、先手のとき《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid(ORI)》が抜けて若干弱くなるマナ基盤を補うため、《巨森の予見者、ニッサ/Nissa, Vastwood Seer(ORI)》を入れました。僕の中ではサイドの必須パーツです。
ミネアポリスでは《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》が2枚なくて、代わりに《悲劇的な傲慢/Tragic Arrogance(ORI)》の3枚目と《優雅な鷺、シガルダ/Sigarda, Heron’s Grace(SOI)》が1枚入ってました。東京では《死者を冒涜するもの/Profaner of the Dead(DTK)》2枚を、ハスクや儀式系のデッキ対策用に入れてたんですが、《変位エルドラージ/Eldrazi Displacer(OGW)》と《反射魔道士/Reflector Mage(OGW)》が入ってる4色儀式相手だと、出した瞬間にバウンスされて効果的でなかったので、《悲劇的な傲慢/Tragic Arrogance(ORI)》にしました。《優雅な鷺、シガルダ/Sigarda, Heron’s Grace(SOI)》のほうは、黒系コントロールに対するフィニッシャーとして採用していました。

ミネアポリスの段階では、同系はまだそんなに多くないだろうと思ってたんです。マジック・オンラインでも当たる機会は多くなかったし、まだデッキのポテンシャルが十分理解されてないだろうと思ってあまり同系を意識しないで出たんですが、結果としてトップ8で当たって負けたわけで……。トップ8に僕を含めてこのデッキが3人いて、改めて強さが証明されたし、負けた相手が《変位エルドラージ/Eldrazi Displacer(OGW)》入りの同系に強いタイプだったので、思った以上に研究されてるんだということがわかりました。
そのタイプを、さらに1週間後のグランプリ・コスタリカ2016までのあいだに僕も試してみて(結果として使わないことにしたんですけど)今後は同系対決が多くなるだろうと思ったので、サイドボードに同系対策で必要そうなカードを少し追加しました。あと《優雅な鷺、シガルダ/Sigarda, Heron’s Grace(SOI)》は、そのころの黒系コントロールに確定除去が多くなってきていて、効果的じゃなかったので抜きました。

 

◆変位エルドラージはいる? いらない?

「バント人間カンパニー」に《変位エルドラージ/Eldrazi Displacer(OGW)》を入れるべきかどうかという問題ですが、まず入れる利点は、同系と緑白トークンに強くなること。この2つはコスタリカ時点では環境のツートップだったので、非常に大きなメリットです。

でも僕がデメリットだと感じるのは、その2つ以外に強くないこと。さらに決定的なのが、事故率がかなり上がることです。
無色マナを出すために《ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast(ORI)》を4枚に増やして、《進化する未開地/Evolving Wilds(BFZ)》から持ってくるための《荒地/Wastes(OGW)》が1枚入るんですけど、ただでさえ3色でギリギリのマナベースに無色土地を入れるというのはかなり厳しいんですよね。《ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast(ORI)》が増えることで、《要塞化した村/Fortified Village(SOI)》がアンタップインできなかったりするし、あと《森/Forest》が減るので、僕が調整過程で必須だと思ったサイドボードの《巨森の予見者、ニッサ/Nissa, Vastwood Seer(ORI)》も使いにくくなるんですよ。
《変位エルドラージ/Eldrazi Displacer(OGW)》が入る代わりにメインから抜けるのは《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid(ORI)》なんですけど、これはマナベースを支えるカードでもあるので、安定性を下げてグランプリという15ラウンドの長丁場を戦うのはマイナスだと感じました。
また《変位エルドラージ/Eldrazi Displacer(OGW)》は後半で余ったマナを使うにはいいけど、序盤のブン回りには寄与しないので、爆発力も下がると思います。

これらのメリットとデメリットを比べて、デッキの最終的なパワーは上がるかもしれないけど、デメリットを上回るほどのメリットではないと僕は考えたので、使わないことを決めました。
メタゲームを緑白トークンとバント人間カンパニーだらけと予想して《変位エルドラージ/Eldrazi Displacer(OGW)》を使うのを僕は止めませんし、一概にダメとは言わないんですけど、単に“使い得”ではないと思います。

 

 

●デッキの使い方

◆中隊を撃つタイミング

ここからは、このデッキの使い方について説明していきます。

まず、《集合した中隊/Collected Company(DTK)》をいつ撃つかですが、基本は自分のメインか相手のエンドのどちらかです。
《集合した中隊/Collected Company(DTK)》というのは基本的に相手のエンドに撃つ呪文なんですが、このデッキでは自分のメインに撃つことも多いです。なぜかというと、《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant(SOI)》がめくれた場合、たとえば2/3どうしでにらみ合ってるような、殴れない場が殴れる場に変わるから。あるいは《不屈の追跡者/Tireless Tracker(SOI)》がめくれたとき、メインであればそのあと土地を置いて調査ができ、リソースが増えるから。この2種類のクリーチャーが、メインで撃つ動機になります。
ただもし相手のデッキに《衰滅/Languish(ORI)》が入っているなら、メインで撃つと返しでくらってしまうので撃たないですね。

それ以外のパターン……戦闘中に撃つ例としては、不利なときに《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant(SOI)》がめくれるのを期待して攻撃後に撃つことがあります。たとえば、2/3で3/3に対して攻撃して、ブロックされてから撃つ。相手も《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant(SOI)》がめくれたら一方的にやられるとわかっているので、ブロックするかどうかの判断が難しいですし、ブロックを避けてくれれば2点殴り得です。これはデッキリストがばれているからこその動きですね。
とはいえ、すでに2枚引いているのに《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant(SOI)》を期待して撃つのは悪手ですし、逆に《不屈の追跡者/Tireless Tracker(SOI)》がまだ1枚も出ていないのなら、5枚目の土地を握ったまま4マナで撃つのもいい。どれくらい可能性があるか考えつつ、「これがめくれたらこうしよう、めくれなかったら代わりにこうしよう」って計画性を持ってプレイするのが大事ですね。
基本的に構えるデッキなので、相手のエンドに撃つのが一番裏目が少ない。メインで撃ってもおおむねリスクがない。戦闘中だとリスクが大きいけどリターンも大きい。結局はリスクリターンの問題です。

 

顔写真1

◆このデッキのセオリー集

少し回せばわかるとは思うんですけど、このデッキを使う際のセオリーや小技がいくつかあるので、知っておいたほうがいいですね。

 

《集合した中隊》の2枚目を撃つときは、1枚目でめくれたカードを覚えておくこと

たとえば、1枚目を撃ったときに土地4枚とクリーチャー2枚がめくれていたなら、デッキの下に4枚土地がありますよね。
2枚目を撃つとき、《進化する未開地/Evolving Wilds(BFZ)》があるとします。普通はシャッフルしてから《集合した中隊/Collected Company(DTK)》を撃つのがセオリーとされているんですが、下に4枚土地があるのがわかっているなら、シャッフルすると次にめくる6枚のクリーチャー濃度が薄まってしまうから、シャッフルはあとにすべきです。
デッキの下に何を送ったかによって、シャッフルするかどうかが決まるので、必ず覚えておきましょう。

 

2ターン目は《ラムホルトの平和主義者》が最優先

たとえば、1ターン目に《スレイベンの検査官/Thraben Inspector(SOI)》を出すか、2ターン目に《ラムホルトの平和主義者/Lambholt Pacifist(SOI)》を展開するか、土地の都合でどっちかしか選べないんだったら、後者のほうがいい。理由は、単純にリターンが大きいからです。相手が何もしてこなければ裏返れるし、あとから引いてきた《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant(SOI)》や《ドロモカの命令/Dromoka’s Command(DTK)》という受けもあるので、最優先すべきです。

 

黒が相手なら3ターン目に《不屈の追跡者》を出さない

出してすぐに除去されるとリソースで得ができないので、4ターン目に《不屈の追跡者/Tireless Tracker(SOI)》を出してから土地を置くようにしましょう。できればそれまで《進化する未開地/Evolving Wilds(BFZ)》を温存しておいて、2ドロー分確保できるのがベストです。

 

手がかりと3枚めくりの選択

少しマナに余裕ができた中盤で、《不屈の追跡者/Tireless Tracker(SOI)》の手掛かりトークンを使ってドローするか、《薄暮見の徴募兵/Duskwatch Recruiter(SOI)》で3枚見るかの選択になったら、ほぼすべての場合で前者の手掛かりを優先すべき。後者は「3マナ払って手札が1枚増える可能性がある」だけど、前者は「2マナ払って手札が1枚増えて+1/+1カウンターが乗る」なので、お得です。
ただ《反射魔道士/Reflector Mage(OGW)》とかがどうしても欲しい場面だったら、3枚見たほうがいいですけど。

 

1ターン目に《スレイベンの検査官》を出していいとは限らない

同系対決など相手のデッキがわかっている場合、後手1ターン目に《スレイベンの検査官/Thraben Inspector(SOI)》を出せるときでも、本当に出していいのかどうかしっかり考える必要があります。
先手が返しで《ラムホルトの平和主義者/Lambholt Pacifist(SOI)》を出してきて、次の後手2ターン目にこちらが何もできなかったら、変身されてしまうので。1ターン目には出さず、あえて1ターン遅らせることが大事な場合もあります。

 

1、2ターン目に何も展開できないことを悪だと思わない

《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant(SOI)》を、2ターン目に素で出している方をたまに見かけるんですが、絶対出さないほうがいいです。相手が緑白トークンだとわかっていて、自分が後手で、2ターン目まで相手が何もアクションしなくて、返しに《精霊信者の賢人、ニッサ/Nissa, Sage Animist(ORI)》が出てくるだろうと思うのなら出してもいいですけど。ただ「2ターン目に何かしないともったいない」という理由で出すと、だいたい後悔します。

 

《サリアの副官》と《集合した中隊》を両方使うなら

6マナあって、手札に《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant(SOI)》と《集合した中隊/Collected Company(DTK)》があるとします。
《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant(SOI)》を出して、能力を解決する前に《集合した中隊/Collected Company(DTK)》を撃つと、めくったクリーチャーにも+1/+1カウンターが載るというのを覚えておくといいですね。

・《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant(SOI)》を出して解決してから、《集合した中隊/Collected Company(DTK)》を撃った場合
→元からいたクリーチャーに+1/+1カウンターが載ってから、追加のクリーチャーがめくれて出てくる

・《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant(SOI)》を出して、能力解決前に対応して《集合した中隊/Collected Company(DTK)》を撃った場合
→クリーチャーがめくれて出てきてから、新旧クリーチャー全員に+1/+1カウンターが載る

 

 

●環境のデッキとの相性とサイドボード

今回の記事に先がけて、twitterで「このデッキについて何か知りたいことはありますか?」と聞いたら、予想以上にたくさん返信をもらったんですけど、みんなが一番知りたいのは環境のデッキと対戦するときのサイドボーディングについてだと思うので、それをこれから説明していきます。

その前にまず、「《集合した中隊》をサイドアウトするプランはありますか?」という質問があったんですが、抜く相手はいません。なので、サイド後に残すクリーチャーの最低枚数を自分の中で設定していて、それは23枚です。
理論的には24枚がいいんですけど、サイドボードの関係で23枚が限界でした。23枚を維持していればある程度は安定してめくれます。それでも1日の大会で1回くらいはスカりますけどね(笑)。

 

 

◆緑白トークン
メイン・サイドとも相性は若干有利で、自分5.5:相手4.5くらい。ただサイド後に相手がたくさんの全体除去や《保護者、リンヴァーラ/Linvala, the Preserver(OGW)》を取っているリストだと、少し厳しくなります。
緑白トークン相手には、基本的にプレインズウォーカーを殴っていくゲームになります。こちらのほうがクリーチャーサイズが大きいので、損をしないようにしつつ、相手が5マナオープンのときは絶対に《大天使アヴァシン/Archangel Avacyn(SOI)》があると思って、《ドロモカの命令/Dromoka’s Command(DTK)》や《オジュタイの命令/Ojutai’s Command(DTK)》を効果的に使えるようにしておけば大丈夫です。無理にプレインズウォーカーを倒すためとかに《ドロモカの命令/Dromoka’s Command(DTK)》を使ってしまわず、《大天使アヴァシン/Archangel Avacyn(SOI)》まで引きつけたほうがいいですね。

1緑白先手_1

▲先手のサイドボード
IN:《グリフの加護》3、《巨森の予見者、ニッサ》2、《棲み家の防御者》1
OUT:《スレイベンの検査官》4、《ドロモカの命令》1、《白蘭の騎士》1

2緑白後手_1

▲後手のサイドボード
IN:《グリフの加護》3、《巨森の予見者、ニッサ》1、《白蘭の騎士》1
OUT:《スレイベンの検査官》4、《ドロモカの命令》1

サイド後は《グリフの加護/Gryff’s Boon(SOI)》が入るのでプレインズウォーカーに手を焼くことが減り、ゲームのイニシアチブをとりやすいです。
相手に全体除去がたくさん入ってくることが最近増えてきていて、対策用に《否認/Negate(ORI)》を入れるかは悩むところですが、全体除去にしか効かないのでやめました。クリーチャーを展開しすぎないように注意する感じですね。
「対戦相手に全体除去を握られていそうなときに、どの程度までクリーチャーを展開してもいいのでしょうか」という質問もあったんですけど、並べなきゃいけないときもあるので、枚数はケースバイケースです。リソースをとれる《不屈の追跡者/Tireless Tracker(SOI)》や《薄暮見の徴募兵/Duskwatch Recruiter(SOI)》をうかつに全部並べず、1枚手札に抱えておくくらいの感覚でいいと思います。

 

◆バント人間同系(《変位エルドラージ》なし)
同系は正直、技術介入要素はあまりなくて、《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant(SOI)》を多く引いたほうが勝つゲームです(笑)。引いてないときのプレイングとしては、なるべくクリーチャーを相討ちさせていき、相手の《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant(SOI)》の効果をできるだけ小さくするようにしましょう。
あと、先に仕掛けるとだいたい不利になりますね。純粋にサイズ依存のゲームになるので、《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant(SOI)》や《不屈の追跡者/Tireless Tracker(SOI)》は、2対1交換をとるくらいなら殴らないほうがいい。3対1交換をとれるくらいまで待ってから殴ったほうがいいです。

3同系先手_1

▲先手のサイドボード
IN:《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》2、《巨森の予見者、ニッサ》1、《悲劇的な傲慢》1
OUT:《白蘭の騎士》1、《オジュタイの命令》2、《スレイベンの検査官》1

4同系後手_1

▲後手のサイドボード
IN:《悲劇的な傲慢》2、《白蘭の騎士》1
OUT:《オジュタイの命令》2、《スレイベンの検査官》1

サイド後、先手のときは《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》を入れて、紋章で疑似的に《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant(SOI)》を多くします。
《グリフの加護/Gryff’s Boon(SOI)》を入れるかは悩んだんですが、《反射魔道士/Reflector Mage(OGW)》や《ドロモカの命令/Dromoka’s Command(DTK)》で簡単にテンポを取られることが多かったのでやめました。先手だとこれで勝つことも多いので、1枚くらい入れてもいいと思うんですけど。
後手のときは攻められることが多くなるので、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》は入れずに《悲劇的な傲慢/Tragic Arrogance(ORI)》でいったん盤面を更地にしてから、リソースをとれるクリーチャーで巻き返すようにします。

同系対決は相当しんどくて、毎日カードリストを見ては突破口を探しています。その点、同系に対してかなり強くなる《変位エルドラージ/Eldrazi Displacer(OGW)》は優秀ですね。でも僕は採用しないことを選んだので、ほかに何かいいカードがないかずーっと探し続けてるんですけど、このデッキは全体除去も持ってるしカウンターもプレインズウォーカーもあって、「攻略できない! なんだよこのデッキ、強いよ!」ってなってます(笑)。格さんのセリフじゃないですけど、「こんなデッキ作るんじゃなかった」と。(※)
同系に対する解答は僕もまだ出せていないので、皆さんもがんばって考えてください。誰かが突破口を見つけたら拍手喝采です!
(※トッププレイヤーの石田格さんが、グランプリ・九州1999で自作のデッキがトップ8に5人入賞した一方、自分は同系に敗れたときのセリフとして知られる。)

 

◆バント人間(《変位エルドラージ》あり)
相性はメイン自分3が:相手7くらいで、サイド後はもう少しマシになるけど4:6くらいと、総じて不利ですね。やることは同じで、相手だけ幅が広いので。ただダメージランドからのダメージをけっこう食らうので、土地がうまく展開できないところにつけこむとか、そういうスキを見逃さずに戦う感じです。
《変位エルドラージ/Eldrazi Displacer(OGW)》なしの場合と戦い方は基本的に一緒ですが、同系と戦うときは、《ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast(ORI)》が多かったり《荒地/Wastes(OGW)》が出てきたりしたら《変位エルドラージ/Eldrazi Displacer(OGW)》入りだとわかるので、対処するために《ドロモカの命令/Dromoka’s Command(DTK)》をちょっと大事にしたほうがいいですね。

5エルドラージ先手_1

▲先手のサイドボード
IN:《悲劇的な傲慢》2、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》2、《巨森の予見者、ニッサ》2
OUT:《オジュタイの命令》2、《スレイベンの検査官》2、《白蘭の騎士》2

6エルドラージ後手_1

▲後手のサイドボード
IN:《悲劇的な傲慢》2、《白蘭の騎士》1
OUT:《オジュタイの命令》2、《スレイベンの検査官》1

サイド後、先手のときは《変位エルドラージ/Eldrazi Displacer(OGW)》を無視して有無を言わさず殴る形にするため《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》を入れます。
でも、どうしても《変位エルドラージ/Eldrazi Displacer(OGW)》+《反射魔道士/Reflector Mage(OGW)》のハメパターンに入ってしまうことがあるので、抜け出すために《悲劇的な傲慢/Tragic Arrogance(ORI)》を入れるのと、長期戦になりやすいのでマナを伸ばすために《巨森の予見者、ニッサ/Nissa, Vastwood Seer(ORI)》も入れます。
ただ後手のときは《巨森の予見者、ニッサ/Nissa, Vastwood Seer(ORI)》を出すターンがけっこう弱いので、「頼むから《悲劇的な傲慢/Tragic Arrogance(ORI)》引いてくれー」って感じですね。
このデッキに対してはいろいろな専用サイドカードを試してみたんですけど、環境に見つからなくて……。ブン回りを期待してがんばるしかないと思っています。

 

◆白単人間(赤入りも含む)
相性は自分6:相手4くらいで若干有利です。
後手のときにタップイン土地から始まって展開できなかったり、相手が《グリフの加護/Gryff’s Boon(SOI)》をたくさん引くとやられてしまうことはありますが。サイズが基本的に勝っているので、相手の《永遠の見守り/Always Watching(SOI)》とかを《ドロモカの命令/Dromoka’s Command(DTK)》で対処できる展開なら、だいたい勝てます。

7白単人間_1

▲先手&後手のサイドボード
IN:《悲劇的な傲慢》2、《白蘭の騎士》1
OUT:《オジュタイの命令》2、《不屈の追跡者》1

サイドは珍しく先手も後手も一緒です。
《オジュタイの命令/Ojutai’s Command(DTK)》は構えても損になることが多いので、《悲劇的な傲慢/Tragic Arrogance(ORI)》にします。
《不屈の追跡者/Tireless Tracker(SOI)》は、出したターンは基本的にタフネス2しかなくて相手の1マナクリーチャーを止められないことが多いので、先手のときでも《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid(ORI)》のほうが強いです。

最近は《無謀な奇襲隊/Reckless Bushwhacker(OGW)》が入っているタイプの白単人間が増えていますが、それに対しては守りを優先して、ライフをできるだけ残すプレイを心がけるといいです。序盤は耐え抜いて、成長したクリーチャーで後半に殴り勝つゲームになるので、できるだけ不用意な攻撃をせずブロッカーを立たせて、序盤からできるだけ相討ちを取っていくことが大事です。

 

◆バントカンパニー
こっちのサイズのほうが大きいので相性は有利で、自分7:相手3くらいあると思ってます。
《変位エルドラージ/Eldrazi Displacer(OGW)》+《反射魔道士/Reflector Mage(OGW)》がそろったとしても、こちらのクリーチャーが全部大きければ、よほど展開が悪くないかぎり勝てると思います。

8バントカンパニー先手_1

▲先手のサイドボード
IN:《否認》2、《巨森の予見者、ニッサ》2、《棲み家の防御者》1
OUT:《スレイベンの検査官》4、《白蘭の騎士》1

9バントカンパニー後手_1

▲後手のサイドボード
IN:《否認》2、《巨森の予見者、ニッサ》2、《白蘭の騎士》1
OUT:《スレイベンの検査官》4、《薄暮見の徴募兵》1

まくられるパターンとしては相手が《悲劇的な傲慢/Tragic Arrogance(ORI)》を使ってくるので、それをカウンターするために《否認/Negate(ORI)》を入れます。たまに《集合した中隊/Collected Company(DTK)》に撃つこともありますけど。
また相手が《悲劇的な傲慢/Tragic Arrogance(ORI)》を撃ってきた場合、弱いクリーチャーを盤面に残したくないので、《スレイベンの検査官/Thraben Inspector(SOI)》を抜き、なるべく強いクリーチャーが残るようにします。抜けた分、安定させるためのパーツを入れます。

 

◆白黒コントロール
メインの相性はかなり悪くて自分3:相手7くらいなんですけど、サイド後7:3くらいまでよくなるので、トータルではちょっと有利です。
メインが不利な理由は、《ドロモカの命令/Dromoka’s Command(DTK)》で倒せるクリーチャーがいないのと、《ラムホルトの平和主義者/Lambholt Pacifist(SOI)》もこのマッチではあまり強くないからですね。

10白黒コン先手_1

▲先手のサイドボード
IN:《棲み家の防御者》2、《巨森の予見者、ニッサ》2、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》2、《否認》3
OUT:《ラムホルトの平和主義者》 4、《ドロモカの命令》4、《サリアの副官》1

11白黒コン後手_1

▲後手のサイドボード
IN:《棲み家の防御者》2、《巨森の予見者、ニッサ》2、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》2、《否認》3、《白蘭の騎士》1
OUT:《ラムホルトの平和主義者》 4、《ドロモカの命令》4、《サリアの副官》1、《反射魔道士》1

除去に強いタフなクリーチャーとパーマネント、全体除去に対処するカウンターと、かなり厚めにサイドを取っているので、サイド後はかなり有利になります。
デッキの核である《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant(SOI)》を抜くことに驚く人がいると思うんですが、《衰滅/Languish(ORI)》はどうしてもかわせないし、単体除去も多いから、そもそもこれを使って育てるべきクリーチャーがいない。単品で引いてもしょうがないので、4枚はいらないだろうという判断です。相手の全体除去はメインに5枚、サイド後6~7枚くらいあると思うんですけど、それをかいくぐろうとがんばるよりは、1枚サイドに落として、その分《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid(ORI)》とかのリソースを損しないクリーチャーを入れて、全体除去から立ち直りやすくしたほうがいいと思いました。瞬間的な爆発力を落としても、長期戦を戦えるようにしています。
《反射魔道士/Reflector Mage(OGW)》を一気に抜かない理由は、サイド後《ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghet(OGW)》を使われることが多いからです。クリーチャーが少ないデッキが相手でも、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》を出された返しにトークンを戻して倒せることもあるし、《不敬の皇子、オーメンダール/Ormendahl, Profane Prince(SOI)》をケアするためにも、《反射魔道士/Reflector Mage(OGW)》を3枚より減らさないほうがいいですね。

 

◆4色儀式
相手のやりたいことを封殺できるので、基本的に有利で自分6:相手4以上はあるかなと。
《ドロモカの命令/Dromoka’s Command(DTK)》を握っていればかなり楽なマッチアップです。展開が遅れると負けパターンの《変位エルドラージ/Eldrazi Displacer(OGW)》+《反射魔道士/Reflector Mage(OGW)》のコンボに入っちゃいますけど、《ドロモカの命令/Dromoka’s Command(DTK)》さえあれば妨害できるので。

12儀式先手_1

▲先手のサイドボード
IN:《悲劇的な傲慢》2、《巨森の予見者、ニッサ》1
OUT:《オジュタイの命令》2、《白蘭の騎士》1

13儀式後手_1

▲後手のサイドボード
IN:《悲劇的な傲慢》2、《白蘭の騎士》1
OUT:《オジュタイの命令》2、《薄暮見の徴募兵》1

有利とはいえ、負けパターンを阻止するために《悲劇的な傲慢/Tragic Arrogance(ORI)》を入れます。
戦う際のコツとしては、このマッチではガンガン殴っていったほうがいいです。1対1交換で相討ちをとればとるほど、相手の《謎の石の儀式/Cryptolith Rite(SOI)》が機能せずデッキが機能不全になっていくことが多いからです。相手はクリーチャーが減ればその分土地から受けるダメージも多くなります。一方でこっちはクリーチャーを補充できるので。

 

◆ランプ
これも基本有利で、自分6:相手4くらいあると思います。
ランプはいろんなパターンがありますが、これはマナクリーチャーから一直線に進むタイプを想定してます。
先手で《ラムホルトの平和主義者/Lambholt Pacifist(SOI)》をすぐ出して1回育てれば、《コジレックの帰還/Kozilek’s Return(OGW)》1回ではさばけない盤面を作れるので、だいたい勝ちます。

14ランプ先手_1

▲先手のサイドボード
IN:《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》2、《否認》3
OUT:《ドロモカの命令》4、《スレイベンの検査官》1

15ランプ後手_1

▲後手のサイドボード
IN:《否認》3、《白蘭の騎士》1
OUT:《ドロモカの命令》2、《スレイベンの検査官》1、《薄暮見の徴募兵》1

《否認/Negate(ORI)》は4マナのマナ加速2種と《炎呼び、チャンドラ/Chandra, Flamecaller(OGW)》をカウンターするために入れます。
後手で《ドロモカの命令/Dromoka’s Command(DTK)》を2枚残す理由は、2ターン目のマナクリーチャーに対処するためです。
《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》《不屈の追跡者/Tireless Tracker(SOI)》などのクリーチャーを出すタイプのランプが相手の場合、《ドロモカの命令/Dromoka’s Command(DTK)》をあまり抜かないほうがいいですね。相手の形を見て臨機応変に判断してください。
後手で《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》を入れないのは、出した返しの先手5ターン目で《龍王アタルカ/Dragonlord Atarka(DTK)》が出てくることが普通にあるからです。後手のときは《オジュタイの命令/Ojutai’s Command(DTK)》を構えて、相手のマナ加速をできるだけつぶし《龍王アタルカ/Dragonlord Atarka(DTK)》を遅らせるように動いたほうがいいです。

 

◆グリクシスコントロール
僕の中では、現環境で一番当たりたくないデッキですね。メインは3:7、サイド後も4:6くらいで不利だと思います。ただ、環境に緑白トークンが多いせいで今はかなり下火かなと思いますけど。

16グリクシスコン先手_1

▲先手のサイドボード
IN:《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》2、《巨森の予見者、ニッサ》2、《棲み家の防御者》2
OUT:《ラムホルトの平和主義者》4、《スレイベンの検査官》1、《白蘭の騎士》1

17グリクシスコン後手_1

▲後手のサイドボード
IN:《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》2、《巨森の予見者、ニッサ》2、《棲み家の防御者》2、《白蘭の騎士》1
OUT:《ラムホルトの平和主義者》4、《スレイベンの検査官》2、《サリアの副官》1

サイドは白黒コントロールと似てますね。小刻みに除去を撃ってくるデッキなので、《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant(SOI)》が基本的に弱いです。先手のときは相手の《光輝の炎/Radiant Flames(BFZ)》をかわせるタイミングも多いんですが、後手のときは相手の除去を真っ向から受けるようになるので、枚数を減らします。
戦い方は白黒コントロールの場合とはけっこう違います。白黒コントロールと違って、ゲームにフタをするのがプレインズウォーカーじゃなくてクリーチャーなんですよね。それらが全部きついので、対処するために《否認/Negate(ORI)》を入れず《ドロモカの命令/Dromoka’s Command(DTK)》を4枚とも残します。
特に《ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghet(OGW)》はとにかくきついので、出てきた返しのターンにさわれるようにしておきたいです。長期戦に強い構成にはしているんですけど、《ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghet(OGW)》に返しで対処できなかったら、デッキの中にそれをまくれる手段はないので。
コントロールデッキだからといって除去をカウンターしても弱いので、《否認/Negate(ORI)》はいらないです。

 

◆BUGミッドレンジ
これは緑白トークンとバント人間カンパニーに勝つために最近出てきたメタデッキで、黒緑タッチ青の、クリーチャーがたくさん入ったミッドレンジです。《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》、《不屈の追跡者/Tireless Tracker(SOI)》、《ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghet(OGW)》、《ギトラグの怪物/The Gitrog Monster(SOI)》、《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar(DTK)》なんかが使われています。
僕も試行回数が少なくて未知数な部分があるんですが、有利な相手ではないですね。相性の悪い《ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghet(OGW)》を使っていて、《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar(DTK)》でフタもしてくるし、序盤のクリーチャー陣もしっかり守ってくるので。
うまく《ドロモカの命令/Dromoka’s Command(DTK)》とかをからめれば圧倒できることもあるので、先手ゲーな部分はあります。

18BUG先手_1

▲先手のサイドボード
IN:《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》2、《巨森の予見者、ニッサ》2、《棲み家の防御者》2
OUT:《ラムホルトの平和主義者》4、《スレイベンの検査官》1、《白蘭の騎士》1

19BUG後手_1

▲後手のサイドボード
IN:《巨森の予見者、ニッサ》2、《棲み家の防御者》2、《白蘭の騎士》1、《悲劇的な傲慢》1
OUT:《ラムホルトの平和主義者》4、《スレイベンの検査官》2

サイド後は相手の《衰滅/Languish(ORI)》が多くなるので、撃たれても立て直せるような展開を目指します。《衰滅/Languish(ORI)》のために《否認/Negate(ORI)》を入れるかは迷いますが、クリーチャー主体のデッキなんで腐る場面もあって、なくてもいいかなという感じ。
後手のときに《悲劇的な傲慢/Tragic Arrogance(ORI)》を入れるのは、相手の《ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghet(OGW)》と《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar(DTK)》に対してガードを上げるためです。
まだマッチアップの経験が少ないので、ちょっと自信はありませんが……。

 

 

●読者からの質問コーナー

いくつか、ここまでに答えられなかった質問について回答していきます。

 

「Q.サイドボードの《悲劇的な傲慢》の使用感教えてください。不利な場なら雑に打つのか、耐えて何かを引きつけてから打つのか。また、何相手にいれて何を抜くのか。3枚も必要なのか。」

“BIGsのアジカン”ことはまちさん(藤本岳大さん)からの質問ですが、そもそも2枚しか取ってないですね。3枚はちょっと重いです。ミネアポリスでは儀式系デッキ専用の3枚目を取ってたんですけど、儀式系は減ってきてますし、そもそもそんなに不利じゃないので2枚に抑えました。
雑かどうかはともかく、不利なときは撃つしかないですね。引きつけすぎると、引きつけたターンの分でやられることがあるし、引きつけた先にあるのがこのデッキだと《集合した中隊/Collected Company(DTK)》とかなので、そのあとで《悲劇的な傲慢/Tragic Arrogance(ORI)》撃つのはおかしい。
もしくは決めに行くとき、相手が攻撃してきたあとで、タップしているクリーチャーが生き残るように指定して、成長した《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant(SOI)》か《不屈の追跡者/Tireless Tracker(SOI)》でとどめをさすというパターンもあります。特に手掛かりトークンがたくさんあるときは、《不屈の追跡者/Tireless Tracker(SOI)》が一気に巨大になってそれで勝てたりもするので。
何相手に入れて何を抜くかは、この記事をよく読んでください。

 

「Q.プレイングでミスしやすいところを教えてください。」

これは土地の持って来かたですかね。
《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid(ORI)》を使うので、2ターン目に白白をそろえたほうがいいです。手札に《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid(ORI)》も《反射魔道士/Reflector Mage(OGW)》もなくて、青マナと2枚目の白マナどっちがいいかなってときは、基本的に後者のほうがいい。特に後手で《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid(ORI)》が3枚になってるときなんかは、引くことを常に想定して、うかつに《島/Island》を持ってこないように意識しましょう。
1ターン目に《進化する未開地/Evolving Wilds(BFZ)》から《島/Island》を持ってくると、《ドロモカの命令/Dromoka’s Command(DTK)》が撃てなくて困ったりします。手札に《反射魔道士/Reflector Mage(OGW)》があるなら《島/Island》からでいいんですけど、青マナはあと回しにしても基本大丈夫なことが多いです。
序盤の動き方は相手のデッキによって変わるので、さまざまなマッチアップを練習しておくのが大事ですね。相手が1ターン目に置いた土地を見てデッキを判断できないといけないし、このデッキ相手には序盤に何を優先すべきかというのをわかったうえで、土地を持って来ないといけない。練習するしかないと思います。

 

「Q.グッドスタッフであるバントカンパニーではなく、あえてバント人間カンパニーにする理由を解説してほしいです。」

こっちのほうが完全上位互換です(笑)……というのは冗談として、僕がこちらを好んで使う理由は、攻めるパターンが強いからですね。普通のバントカンパニーは、コントロールに強いってメリットはあるんですけど、攻めが弱くて殴り勝つまでに時間がかかる。こっちは《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant(SOI)》のおかげでキルターンが早い点が優れているかなと。最近のマジックはやはり攻めるほうが強い傾向にあるので。

 

「Q.飛行主体のアグロに対してどのようなサイドをとりますか?」

特に変わらないですね。すべての基本として、後手のときは《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid(ORI)》を入れ、先手のときは《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid(ORI)》を抜いて《巨森の予見者、ニッサ/Nissa, Vastwood Seer(ORI)》を入れましょう。相手が飛行だろうが地上だろうがあまり関係ないです。
飛行主体のデッキにはめちゃくちゃ相性がいいので特に何もしなくていいくらいですが、後手なら《グリフの加護/Gryff’s Boon(SOI)》を入れて《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid(ORI)》に貼っておけばいいかと。

 

 

●今日の自分

……といったところですが、皆さんの気になる点に関して、お答えできたでしょうか?
練習していないと難しいデッキですが、練習すればそんなに難しいデッキではないので、ぜひ練習して使ってみてください。デッキの地力は本当に高いと思っています。
ただ、この記事を発表した以上、僕は手の内を全てばらしたことになります。この取材が行なわれているのが6月14日ですが、僕はこれから18日のWMCQに向けて、今日の自分を超えるために必死で調整します! 過去の自分に勝つ!

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