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【PTOGW】パワーアップしたTeam Cygames、アトランタに立つ!【Day0】

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2月5日(金)~7日(日)、アメリカはジョージア州アトランタにて、プロツアー『ゲートウォッチの誓い』が開催となります。アトランタといえば「風と共に去りぬ」の舞台であり南部の古い町といったイメージが強いかもしれませんが、実際は巨大なビジネスシティであり、アトランタ空港は世界一の規模と乗客数を誇っているそうです。今回のプロツアーはその町はずれ、広大なショッピングモール併設のホールにて開催されています。

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プロツアー会場の入口。ここでは今までにも数々のプロツアーが開かれてきました。

 

 

●メンバーたちのDay0

この地に降り立ったTeam Cygamesは、2月1日に加入したばかりの渡辺雄也さんを加え4人にパワーアップしています。さっそく、プロツアーの0日目となる4日(木)の彼らの足取りを追ってみましょう。

渡辺雄也さんと山本賢太郎さんの2人は3日(水)にアトランタに到着し、今日はマジック・オンライン(MO)でドラフトの練習をするなどして時差を調整しつつ英気を養いました。なお山本さんは2日(火)に、公式の直前生放送に登場し、「プレイヤーを一言で表す」という特技を披露したり、浅原晃さんとのモダン対決に勝利したりしていましたが、「たくさんしゃべったのであとで疲れて寝込みました」とのことでした。
覚前輝也さんと市川ユウキさんは本日の夕方にアトランタ入り。市川さんはグランプリ後3日間フルに仕事をされており、アメリカに来ると同時に完全昼夜逆転の生活となりますが(日本とアトランタの時差は14時間)、「普段からあまり寝てないし、時差はあまり関係ない。言うなれば毎日寝ぼけているようなもの」とのことでした。一方覚前さんは、直前にMOでリーグに出て練習しまくっていたら、いつの間にか28時間(!)経過しており、その後2時間だけ寝て友だちの家で練習し、さらに帰宅後MOのメンテナンスが明けるまでSCG(アメリカの大会)のデッキリストを見て研究、メンテナンスが終わってから朝までMOを続け、そのまま昼の飛行機に飛び乗って爆睡というスケジュールだそうで、さすがに練習の鬼と唸らされます。

この日、夕方会場に到着して大会受付を済ませた4名は、舞台裏の公式ニコニコ生放送ブースに呼ばれてコメントの収録を行ない、その後会場からほど近く、渡辺さんがおいしいとお勧めするステーキハウスへディナーに向かいました。

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受付をする覚前さんと市川さん。

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参加者がもらえるキットには、好きな柄を選べるスリーブとデッキケース、ドラフト用のブースターパック1セット、面晶体の形をした8面ダイスとピンバッジ、札入れ、Tシャツ、スケジュールが書かれた名札などが含まれています。特に左端のバッグはしっかりした作りで好評でした。

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会場で海外のプレイヤーに記念写真を求められる市川さん。

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放送予定の、ニコニコ生放送用のコメントを収録。「4人並ぶと、誰に話を振っていいかが難しいね」と司会進行の鍛冶友浩さんと岩showさんがおっしゃっていました。

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ディナーの席で皆さんが注文したのは「レジェンダリー・フィレ」という名前のメニュー。「伝説の」というタイプがついているなら、食べないわけにはいきませんね!

 

 

●プロツアー前コメント

プロツアーを控えたメンバーそれぞれに、モダンとドラフトについて簡単にコメントをいただきました。

――モダンの環境予測と、それに合わせてどう調整をしたかを教えてください。
市川「ずばり、バーン15%、親和10%、トロン6%、感染4%、その他雑多。いろいろデッキを回してみて、そのへんに強いデッキ、あと直前のSCGとかで勝ってないデッキを選びました。勝って目立つと対策されるから。」
山本「環境の抑止力だった双子がなくなったことで、速いデッキがフルスロットルで来るようになったから、バーンと親和はやはり二大メタですね。トロンとかはあまりいなそう。その速度に対応できるデッキをと思っていて、健志さん(HareruyaPros所属の津村健志さん)に教わったデッキを使うことにしました。」
渡辺「妨害やカウンターが減って、4ターン目以降というものが考慮に入らないような速い環境になっているので、実際バーン15%、親和10%はありえると思います。先手環境なので、後手でも大丈夫なようにデッキをチューンしました。もちろん先手のブン回りもあるし、いけるんじゃないかなと思ってます。」
覚前「僕はもう、モダンは使うデッキに差はないと思っていて、先手後手とかも大きいし、得意なデッキを極めるのが一番強いと思っているので、使い慣れているデッキをひたすら練習しました。」

――ドラフトについて、合宿の後、グランプリ・名古屋2016を経て考え方が変わった部分などはありますか?
覚前「合宿の時はかなり速い環境だと思っていたけど、速くなくても戦えるということがわかりました。逆に、速くないデッキのほうが強いのではと思うくらいです。」
山本「名古屋で《ザダの猛士/Zada’s Commando(OGW)》がめっちゃ強いということがわかって、赤のトップコモンになりました。全体的に赤の点数が上がりましたね。」
市川「合宿で負けまくって、名古屋でも負けて、帰りに彌永さん(2011年世界選手権優勝の彌永淳也さん)たちにいろいろ話を聞いたんですけど、そこで教わった“イヤナガメソッド”が納得のいくものだったので、今回はそれで行こうと思ってます。」
渡辺「僕は合宿からあまり変わってないですね。合宿の時から1人で遅いドラフトをやっていたので。この環境では白が最強なのは誰もが認めるところで、次は赤で攻撃的なデッキを組みたいと考える人が多いと思うんですけど、僕は緑で守るのも強いと思っていて。たとえば1/3の土地をトップに置く《壌土の幼生/Loam Larva(OGW)》なんかの評価がほかの人より高いんです。デッキのマナを安定させられるし、タッチもしやすくなるから。グランプリの時はドラフト2回とも白ができましたけど、プロツアーだと白は人気がありそうだから、白ができなかったときはみんながやりたがらない緑多色を逃げ道として残しておいて、グランプリに引き続き、その2つの戦術を使って戦っていければなと。」

最後にこのプロツアーでの目標成績をうかがったところ、「5敗以上」という答えが出そろいました。6敗と5敗とでは、プロツアー参加のための航空券が支給される点で非常に差があるうえ、プロポイント4点も大きいので、ぜひ狙いたいとのことです。ただし、市川さんだけは即座に「優勝します!」との返答。なぜなら、かつてプロツアー『ニクスへの旅』でトップ8に入った地がここアトランタであること。そして、プロツアーでトップ8に入ったときは2回ともセコンドとして杉山雄哉さんがついていましたが、毎回プロツアーにいるわけではない杉山さんが今回もいらしていること。さらに合宿での1勝11敗という成績が前回のプロツアーチャンピオン瀧村和幸さんと同じことなど、「あらゆる磁場が噛み合って、完全に地の利を得ている!」というわけです。参加キットのスリーブの柄も、プロツアー『マジック2015』でトップ8に入った「ジャンド・プレインズウォーカー」デッキの立役者であるニッサを選んで磁力をさらに高めていたので、期待したいところです。

ディナーを終え、皆さんはホテルの部屋に戻ってデッキリストを記入し、スリーブを新しいものに入れ替えて早めに寝るという話になっていました。しかし、ホテルのエレベーターの中で「誰の部屋でドラフトするか」という相談が突然始まってしまったのでした。本当にみんなマジックが好きなんですね……。

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