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【PTAKH】ナッシュビルからこんにちは【Day0】

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5月12日(金)より、アメリカはナッシュビルでのプロツアー『アモンケット』が始まります。
木曜日の今日、メンバーはそれぞれ現地入りしましたが、ダラスでの乗り継ぎの際に運悪く渡辺さんと山本さんが入国審査の長蛇の列に巻き込まれてしまい、乗り継ぎに2時間の余裕を見てあったにもかかわらず予定の便に間に合いませんでした。
筆者も同様で、ナッシュビルにたどりつけなかったらどうしようと不安でしたが、お2人は「よくあること」と落ち着き払っていて、航空会社のカウンターで振り替え便のチケットを発行してもらい、2時間遅れくらいで無事に到着できました。渡辺さんはメキシコ、北京に次いで3連続での飛行機移動トラブルだそうで、いくら慣れているとはいえ大会前の貴重な時間を移動で浪費してしまうのはもったいないですね。

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今回のプロツアー会場も、中央にフィーチャーマッチ用のステージがあり、ただいま工事中です。ピンクとブルーのムーディな照明が印象的です。

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メンバーは夕方に会場に集まり、〈MUSASHI〉の集合写真を撮影しました。新しいユニフォームを世界にお披露目。

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裏のスタジオで1人ずつの公式写真も撮影しました。立ち姿が決まっている覚前さん。

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移動中の6人の後ろ姿。それぞれ名前が書いてあるので、会場でも見つけやすくなっています。

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〈MUSASHI〉の6人に石村信太朗さんと金川俊哉さんを加えてドラフトしていると、ニコニコ生放送の取材陣が会場案内ムービーを撮影中に通りがかりました。

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参加登録の際に、パックやさまざまなお土産をくれますが、そのうちの1つがこの限定Tシャツ。5つのカルトーシュを組み合わせたカッコいい絵柄です。
 

 

 
●北京の収穫

プロツアー前日の夜、Team Cygamesの皆さんに意気込みなどを軽く取材しました。

――直前のグランプリ・北京2017はいかがでしたか?
渡辺「飛行機が遅れて北京に着いたのが12時とかだったので、コンディンションを整えるのに苦労しました。」

――それだけで疲弊しますよね。ラウンドの進行も遅かったということですし。
市川「1ラウンドに80分くらいかかったりしてた。」
渡辺「疲れる要素が多くて、プロツアーに支障が出ないか心配でした。」

――戦績はどうでしたか?
渡辺「初日が2敗、ドラフトは2-1が2回で、練習通りだったという感じですかね。2回目のドラフトは《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》が2枚だったけど、ケアしすぎて負けてしまって。そのミスがなければもう1勝はできてたと思うんですけど。」
覚前「僕は、初日が6-3で2日目は2-1が2回です。1回目のドラフトの3回戦目で、対戦相手が1マナからビートしてくる赤青のデッキだったんですよ。赤の1マナの、タップで速攻をつけるやつ(《血に飢えた振起者/Bloodlust Inciter(AKH)》)とか、青の1マナ1/2アンブロッカブル(《這い寄る刃/Slither Blade(AKH)》)とかがめちゃくちゃ入ってて、赤と青のカルトーシュが合わせて6枚くらいデッキに入ってる。2-0ラインで当たって、けっこう勝てる気しなくて。ほかにもそういうデッキがすごく勝ってるのを見かけて、こういうデッキは3-0できるんじゃないかと思ったんですけど、北京から帰ってきてからはドラフトを練習する時間がなくて、試せていないのが心残りです。」

――なるほど。市川さんは?
市川「僕は初日6-3からの2日目3-2-1で、奇跡的に何も得ず、ノープロポイントノーマネーで最終ラウンドまで完走しました(笑)。学んだこととしては、赤黒はやりたくないということと、下家にレアを与えるとそいつが3-0するぞということです。」
覚前「当たり前やなぁ!(笑)」
市川「2回目のドラフトで、赤の3マナでダメージ倍、裏で4点+4点の分割(《嘲笑+負傷/Insult+Injury(AKH)》)、あれを流して、僕は青白で《副陽の接近/Approach of the Second Sun(AKH)》で勝つデッキを作ってたんです。そしたら2-0で下と当たって、それを撃たれてダメージ倍からの3体アタックで20点くらい入って(笑)、2ゲームとも10分くらいで負けました。あと、そのドラフトでは3パック目で《栄光をもたらすもの/Glorybringer(AKH)》を剥いて、《進化する未開地/Evolving Wilds(AKH)》2枚入れて赤をタッチしてみたら、それだけで2ゲームくらい取れたんで、ドラゴンはすごいということもわかりました。」
渡辺「僕は2枚ドラゴン取れたけど、あのカードが強すぎるから気が緩んで、ゆっくりいこうって慢心して負けたよ。」
山本「僕は確か5-4で初日落ちして、2日目は4回くらいドラフトやってましたね。まあ、いろいろ練習できてよかったかなと。」

――普通のグランプリ2日目だと2回しかドラフトできないですけど、4回できましたから。
山本「ちょっとお得だったかもしれない(笑)。あとさっき覚前も言ってましたけど、赤カルトーシュをフィーチャーしたデッキが決勝ドラフトで優勝して、赤カルトーシュ5枚の赤白デッキだったんですよね。合宿中は赤カルトーシュを使うデッキってなかなかみんな作ってなかったから、あとで試したいなと思いながらまだ試せてなくて、今日このあとMOのドラフトリーグで1回くらい決め打ちやってみようかなと。」
市川「じゃあ次、行弘さんどうぞ(山本さんの隣に座っていた行弘さんに急に話を振る)」
行弘「えっ僕!? 隠しキャラ? 4-4ドロップだったんですけど……(笑)。2日目は落ち武者どもを集めて山本さんとドラフトを4回やったのが、楽しい思い出です。」
 

 

 
●構築の準備

――山本さんがグランプリ・北京の際にインタビュー記事で語っていましたが、構築の準備は〈MUSASHI〉の6人に原根健太さんを加えた7人で集まってやっていたということですね。
山本「そうです。集まれる人で集まって、基本はリーグ形式で、成績をちゃんとつけて。」
渡辺「フルスポイラーが出た直後からやってましたけど、禁止改訂とかあってちょっとバタバタしましたね。」

――どこに集まっていたんですか?
渡辺「精神と時のヤソ部屋(八十岡さんの家)です(笑)。」

――7人目の原根さんは、どういうところを買われて加わったんですか?
渡辺「今までもかなり一緒にデッキ調整してましたし。」
山本「マメなんで助かりますね。環境のメタデッキで対戦相手をやってくれたり、MOで新しいデッキを組んでおいてくれたり。」
渡辺「仕事が忙しい中頑張って来てくれてて。練習には僕と行弘はだいたいいて、原根君とかヤソは仕事が終わったら来て、せばちゃん(市川さん)はあまり来れなかったけど、その分MOで僕らのデッキを回して感触を確かめたりしてくれて、LINEで意見をまとめて。ただ、MUSASHI6人が全員そろうことは一度もなくて、さっき会場でようやく全員そろったって感じでしたね。」

――今回のプロツアーで使うデッキはすぐに決まりましたか? 難航しましたか?
渡辺「難航に難航を重ねましたね。ヤソはまだ決まってないし。」
市川「心の中では決まってそうだけど(笑)。」
渡辺「今回はみんなでデッキを統一するとかはせず、個人がやりたいようにやってるんですけど、情報共有して、ほかの人のデッキについてもお互い相談はしてます。」

――難航した理由は?
渡辺「《守護フェリダー/Felidar Guardian(AER)》禁止の件で、いろいろ試したり考えたりすることが多くて時間がなかったというのも1つの理由です。」

――合宿のとき、BMOで新しいアイディアを探したいという話がありましたが、見つからなかったですか?
渡辺「なかったよね。」
市川「“ドキッ! 機体だらけのBMO”だった。」
 

 

 
●どうなるプロツアー?

――今大会の環境予測は?
山本「機体がダントツのトップメタで、次いで霊気池、緑黒、青系のコントロールとかかなって感じです。機体は30%くらいいてもおかしくない。」
市川「機体30%、霊気池20%、ゾンビ8%、コントロール8%、その他有象無象。」
渡辺「霊気池は20%もいないんじゃない? 僕は機体25%、霊気池15%くらいの予想。」
市川「まあ、よそのチーム次第だね。チャネルとかが霊気池持ってきてたら20%くらいはいそうだけど、ゾンビとか持ってきてる可能性もあるんで、未知数です。」

――機体と霊気池ばかりだとフィーチャー見てても新鮮味に欠けるので、それ以外の新しいデッキにも活躍してほしいですね。
渡辺「そうですね。でも、少なくとも機体と霊気池合わせて4割くらいはいると思いますよ。」

――皆さんの今回の目標は?
覚前「今回、ドラフト自信ないんです。」

――あまり練習できなかったんですか?
覚前「今まででは一番できてないです。構築デッキも普通で……。目標としてはやっぱり5敗までは行きたいですけど。」
渡辺「僕も5敗で、プロポイントの追加が欲しいですね。」

――やっぱり、あまり自信はない感じですか?
市川「今回、ふたを開けてみないとほんとによくわかんないんですよ。」
渡辺「僕らの中では機体と霊気池の環境を想定しましたけど、ちょっともやっとしてて。リミテッドは、自分はいつもよりはできる気がするので、5敗でチームに貢献できたらと思います。」
山本「僕も5敗ですね。やっぱりそこがわかりやすいクリアラインかなと。構築はけっこう自信あるんですけど、ドラフトは俺もいまいちピンと来てないところがあるので、なんとかドラフトで4-2できれば5敗を目指せると思います。」

――ピンと来てないというのは珍しくないですか?
山本「最近けっこうピンと来てないです、ドラフトって何だろうなって思ったりして(笑)。」
市川「哲学的(笑)!」

――市川さんはいかがですか?
市川「ドラフト:悪し、構築:わからず、顔:よし、性格:よしということで、優勝で! よろしくお願いします(一同笑い)! 今回は人徳で勝負します。」
覚前「自信はないんだ?」
市川「ドラフトが自信ないことだけは確か。構築はほんとにわかんない。でもまあ、努力はしたつもり、取れるチョイスの中ではベストを取ったつもりです。」

――明日から頑張ってください!
 

 

 
晩ご飯は会場近くのレストランで、〈MUSASHI〉6人と“7人目のMUSASHI”こと原根さんの7人で。食べながら、それぞれのデッキのサイドボード枚数の微調整についてなど、熱心に検討していました。自分が使わないデッキに関しても、意見を出し合って考えるのがチームならではの光景です。
さらに食べ終わった後も、ホテルの部屋に集まってデッキ提出期限ぎりぎりまでデッキを模索するとのことでした。

それでは、プロツアー『アモンケット』でもTeam Cygamesと〈MUSASHI〉の応援をどうぞよろしくお願いします!

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市川さんの食べた、「オールアメリカ」という名前のハンバーガーとボリュームたっぷりのマッシュポテト。これぞアメリカ!という感じです。

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