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【PTXLN】初めての砂漠の町、アルバカーキへ【Day0】

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11月3日(金)~5日(日)、アメリカのアルバカーキにてプロツアー『イクサラン』が開催されます。
アルバカーキという町の名は聞き慣れない方も多いと思いますが、位置としてはアメリカの南のほう、真ん中よりやや西寄りにあり、砂漠に囲まれています。特に有名な観光地というほどでもないため、プロツアーがなければ一生訪れる機会がなさそうな場所です。ここでプロツアーが開催されるのは初めてということで、Team Cygamesの皆さんもこれまでに一度も来たことがないとのこと。
アルバカーキには今もネイティブ・アメリカンの人々が多く住んでおり、地平線まで続く茶色の大地に家々が広がっていて、高い建物は町の中心部に少しあるだけです。大通りには古めかしいモーテルや映画に出てきそうなダイナーと、おしゃれなカフェが並んでいます。
「アメリカの中で2番目に治安がよくない」という話を聞いてやや緊張していたのですが、実際に来てみたら雲ひとつない青空で気候は熱くも寒くもなくさわやか、草花も多くのどかな雰囲気が漂っています。ただ、昼間に大通りを歩いているときに身なりの悪くない女性から「1ドル恵んでくれませんか」と声をかけられたのには少し驚きました。
また、町の真ん中を走る大通りは「ルート66」。シカゴからサンフランシスコを結び、いろいろな映画や歌に登場する有名な国道です。日本人にはなかなか伝わりにくいのですが、遠い西部へのロマンや思い入れがこもった、人気のある道路です。

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ルート66沿いはこんな感じで、茶色い建物が多いです。

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ルート66から1本入ると、のどかな風景が広がります。

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アルバカーキではなぜかスピリチュアル系のお店の多さが目につきました。
 

 

 
●プロツアー準備について

今回、市川さんだけアルバカーキ入りが遅くなるため、木曜のお昼に現地に到着したそのほかの皆さんに、昼ご飯を食べながら簡単にお話をうかがいました。

――今回はどんなふうに準備をして来ましたか?
渡辺「キャプテン、お願いします!」
山本「……キャプテン? ええと、今回も武蔵+原根(健太)君と高尾(翔太)君の8人で、LINEでデッキ内容とか共有しつつ、ヤソ(八十岡)邸に集まって調整したり、MO(マジック・オンライン)やる人はやってフィードバックしたり。いつもと同じです。」

――ただ、今回はいつもより発売からプロツアーまでの期間が長かったですよね。間にグランプリを挟んだり、いろいろありましたが。
八十岡「あったぶんだけやることは少ないというか、無駄は省けました。」
渡辺「世界選手権が終わってだいたい環境のデッキが出そろったから、デッキは絞り込みやすくなってました。」
八十岡「世界選手権の前に、試したいことはすでに試し終わってたからね。あとはそもそもどのデッキを使うか。直近で勝ったデッキの相性を見たりとかして、ダメそうなのを絞って行った感じですね。」

――デッキの中でどれを使うかとなると、やはり周りが何を持ってくるかという予想が大事ですか?
渡辺「あと、自分が使い慣れてるかというのもだいぶプラス要素になりますね。で、各自がいいと思ったものを選びました。結局今回もみんな同じデッキにはなっていないです。」

――メタゲーム予想は?
山本「俺はティムールエネルギー系と赤単で5割超えるくらいのイメージだけど。」
八十岡「30%と20%とかかな。」
渡辺「ティムールは、4色とかの派生も含めたら30%はある。」
八十岡「どこまでティムールエネルギーと呼ぶかが難しいけど、青緑でエネルギーが入ってたらだいたいそうなる。」
山本「《霊気との調和/Attune with Aether(KLD)》が入ってたらいいんちゃう?」
八十岡「《霊気との調和/Attune with Aether(KLD)》が入ってるデッキってくくりなら、40%はいそう。」
行弘「あと《熱烈の神ハゾレト/Hazoret the Fervent(AKH)》を入れたデッキが赤黒も含めて30%はいて、それで7割占めるかな。」

――じゃあこのプロツアーでもっとも使用枚数の多いカードは《霊気との調和/Attune with Aether(KLD)》になりますね。
山本「それは間違いない。」
渡辺「《霊気との調和/Attune with Aether(KLD)》、《ならず者の精製屋/Rogue Refiner(AER)》と青緑土地は絶対4枚ずつだから。」

――その二強の下に、こまごましたデッキがいる感じでしょうか。
渡辺「ですね。赤黒ビートダウン、青白《副陽の接近/Approach of the Second Sun(AKH)》、エスパー《王神の贈り物/God-Pharaoh’s Gift(HOU)》、あとはトークン系……。」
八十岡「あと青黒コンくらいかな。」
 

 

 
●チームシリーズのライバルは?

――今シーズンのチームシリーズのチームとメンバーが発表になりましたが、〈MUSASHI〉のライバルはどこでしょうか?
渡辺「ChannelFireballとGenesisは強い。ChannelFireballは完全なドリームチーム。」
行弘「ChannelFireballは本気を出した魔王感があるね。」
八十岡「まず6人中5人殿堂、1人PoY(プレイヤー・オブ・ザ・イヤー)だからね。」
行弘「去年いなかった隠れボスのLSV(Luis Scott-Vargas)が入ってきたし。この1年のブランクでLSVが少しでも弱くなっているのを祈るのみですね。」
渡辺「そんなわけがない。なんなら世界最高峰の戦いを間近で見続けてるから成長してるよ。」
八十岡「Ultimate Guardもやばいでしょ。」」
覚前「やばい。」
八十岡「Genesisは2人入れ替わって強くなった。B級が2人抜けてS級妖怪が加わったようなものだから。」
渡辺「世界王者(Brian Braun-Duin)はS級だし、もう1人(Corey Baumeister)はブラネル(Brad Nelson)の弟で、このサイクルのグランプリで、もうトップ8に3回は入ってるはず。」

――それはすごいですね。
渡辺「やっぱり、ChannelFireballが本気すぎる。LSVは一応、まだプロツアーのトップ8入り連続記録を更新できる可能性があるし。」
覚前「今3連続だっけ。」
八十岡「さすがに今回はまだカンが戻ってないはず。」
覚前「今回は初日落ちかな?」
八十岡「さすがにもうちょっと勝つと思う。」
渡辺「ぼちぼち5敗くらいでまとめてくると思う。」

――今回、LSVの戦いが見られるのは楽しみですね。
覚前「初日落ちしたら2日目はLSVに張り付いて見てよう。」
渡辺「初日落ちはやめて~(笑)」
覚前「でも、この環境のドラフトはギャンブル寄りだからなー。」

――相性差が出やすいんですよね。
覚前「そういうところはあると思います。席順とかパックの出とか。」
行弘「この環境、面子が濃いほうが楽しい。みんながカットしないゆるい卓だと、化け物デッキが1つできちゃうだけだけど、カットし合うと抜けたデッキができなくて楽しい。」
渡辺「なんなら強い卓に行きたいまであります。」

――なるほど。あと、チーム紹介記事のコメントに「〈MUSASHI〉はもう一組のトロフィーを持ち帰ろうとねらっている」って書いてありましたね。
渡辺「どうなんすか? リーダー?」
山本「まあ……無理そう(笑)。」
(一同笑い)
山本「昨シーズンはただラッキーだっただけだから。」
覚前「対戦相手が強力だね。」
渡辺「みんな本気出してきたよ。」
行弘「前回ので俺らが火をつけた可能性がある。『ふざけてたらあかんな、よし、ちゃんと組もう』って。」
覚前「それはあるね。」
八十岡「まあまあ、ここからでしょ。武蔵は平均というか、中央値が高いから。5人目6人目が強いチームはやっぱり強いよ。ノルマは全員1回はトップ8に入ることじゃない?」
渡辺「そうとう高いノルマだけど!」
覚前「高い!」
行弘「でも、前はプロツアー3回だったけど、今回は4回あるから、合計4回トップ8に入れればさすがに行けるでしょ。」
覚前「経験値も上がったしね。」

今シーズンは前のように最後がチームシールドになるかなど、どうなるかはまだ決まっていないですが、二連覇に期待したいと思います!

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ホテルのレストランでランチ。行弘さんはおなじみの「見切れ席」となっています。
ここではメキシコ料理の影響が強く、おいしいのですがハンバーガーにグリーン・チリがたっぷり入っていて激辛でした。
また、渡辺さんは「ウドン・ボウル」というメニューを頼んだのですが、「アスパラや酢漬けズッキーニと味のない揚げ豆腐、ナッツが入った酸っぱくて辛い焼きうどん」という感じで、筆舌に尽くしがたい味だったそうです。
なお八十岡さんが半袖Tシャツ1枚で1人だけ涼しげなのは、来るときの飛行機が乱気流に巻き込まれ、大きく揺れた際に服に牛乳がかかってしまったからだそうです。筆者も乗っていましたが、日ごろ飛行機に乗りまくっている皆さんでもあまり経験したことがないというほどの揺れで、機内でキャーッという悲鳴が上がっていました。

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