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【PTXLN】山本賢太郎・八十岡翔太のドラフト【Day2】

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続いては山本さんと八十岡さんのドラフトについてです。
 

 

 
●山本賢太郎のドラフト

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山本さんは「この環境で初めてやった」という緑白恐竜デッキを駆って2-1でした。2パック目まではかなり不穏なドラフトでしたが、3パック目でいいカードがたくさん流れてきて、勝ち筋の明確なデッキになりました。

ピックの流れ

1-1《帝国のエアロサウルス/Imperial Aerosaur(XLN)》
1-2《駆り立てる僧侶/Inspiring Cleric(XLN)》
1-3《鉤爪の切りつけ/Slash of Talons(XLN)》
1-4《巣荒らし/Nest Robber(XLN)》
1-5《野茂み歩き/Wildgrowth Walker(XLN)》
1-6《襲撃/Pounce(XLN)》
1-7《イクサーリの卜占師/Ixalli’s Diviner(XLN)》

2-1《血潮隊の聖騎士/Paladin of the Bloodstained(XLN)》
2-2《噛み付く帆背びれ/Snapping Sailback(XLN)》

3-1《日の出の使者/Emissary of Sunrise(XLN)》
3-2《覚醒の太陽の神官/Priest of the Wakening Sun(XLN)》
3-3《崇高な阻止/Pious Interdiction(XLN)》
3-4《巨大な戦慄大口/Colossal Dreadmaw(XLN)》
3-5《巨大な戦慄大口/Colossal Dreadmaw(XLN)》
3-6《轟く棘背びれ/Thundering Spineback(XLN)》
3-9《轟く棘背びれ/Thundering Spineback(XLN)》

山本「1-1は《帝国のエアロサウルス/Imperial Aerosaur(XLN)》(4マナ3/3飛行)。ほかの候補は《海賊のカットラス/Pirate’s Cutlass(XLN)》くらいで、色を決めない《カットラス》でもよかったんですけど、カードとしてこっちのほうが強いのと、単純に白がやりたいので。1-2は白いカードがこれしかなくて、カードも一番強かったんで《駆り立てる僧侶/Inspiring Cleric(XLN)》(3マナ3/2+4ライフ)。
1-3の《鉤爪の切りつけ/Slash of Talons(XLN)》(攻撃かブロッククリーチャーに2点)はこの順目で取りたいカードではないんですけど、パックがあまり強くなくて、白いカードがこれだけだったんで、白いカードを絞る意味で取りました。1-4もパックが弱くて白いカードがまったくなくて、2色目を探すんですけど、ほかの候補は赤の3マナ3/3で海賊がいると威迫を持つやつ(《身勝手な粗暴者/Headstrong Brute(XLN)》)と、5マナ3/2の強襲で2ダメージ与えるやつ(《風雲艦隊の紅蓮術士/Storm Fleet Pyromancer(XLN)》)と、《巣荒らし/Nest Robber(XLN)》(2マナ2/1速攻恐竜)の三択で、赤白だったら恐竜ベースのシナジーも見込めるし、まだ2マナ圏を1枚も取れてなかったんで《巣荒らし/Nest Robber(XLN)》をピックしました。
1-5は、探検したらライフと+1/+1カウンターを得るやつ(《野茂み歩き/Wildgrowth Walker(XLN)》)、このカードは探検に寄せたらもちろん強いんですけど、この順目ならまだ探検クリーチャーをかき集められるかなと思ってピックしました。このときも赤と白のカードがまったくなかったんですよ。だから、白はやるにしろ赤はあやしいから、白緑も候補に入れようという感じで1パック目を終えました。

2-1は、白と緑のカードがほとんどなくてパックが弱くて、その中で一番点数の高いのを自動的にピックした感じです。
白緑って、アレスト(《崇高な阻止/Pious Interdiction(XLN)》)みたいな、相手に干渉できるカードが少ないので、めちゃめちゃ点数高めにしていたんですけど、全然出なくて。2パック目まではかなりお寒い感じでした。

3パック目はすごいフィーバーしてました。白緑恐竜の欲しいカードがまとまって来て。3-1で《日の出の使者/Emissary of Sunrise(XLN)》を取ったところは《轟く棘背びれ/Thundering Spineback(XLN)》があったんですけど、探検クリーチャーだしこっちのほうが欲しかったんで取ったら、1周して返ってきました。
《巨大な戦慄大口/Colossal Dreadmaw(XLN)》とかも欲しかったのがいい順目で取れて、3パック目でなんとかデッキになってよかったです。
《巨大な戦慄大口/Colossal Dreadmaw(XLN)》と《轟く棘背びれ/Thundering Spineback(XLN)》の部分がデッキのゴールで、あとは耐えるイメージのデッキ構築にしました。除去も一応最低限はあるので。」

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山本さんのデッキ

対戦結果

「白緑を初めてやったのでこのデッキが白緑の基準としてどれくらい強いかがまったくわからないけど、2-1を目指したいです」と言っていた山本さんですが、1ラウンド目勝ち、2ラウンド目はフィーチャーでポール・ディーンさんに勝ち、3ラウンド目は殿堂プレイヤーのブラム・スネップヴァンガーズさんに負けという結果でした。

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ポール・ディーンさんとのフィーチャーマッチ
 

 

 
●八十岡翔太のドラフト

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八十岡さんは「1枚足りないけどまあまあ」という自己評価の白黒デッキで2-1しました。《軍団の征服者/Legion Conquistador(XLN)》が3枚入っており、覚前さんに「1枚分けてよ」と言われていました。

ピックの流れ

八十岡「《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》が、卓で4枚出たんですよ。1パック目で1枚、それを引いた人の位置を1とすると、2パック目で3の席の人に1枚、3パック目で2と8の席に1枚ずつ。僕は4の席です。上4人が並んで引いてる。いろいろあって、ピックしたのは1の人が1枚、2の人が2枚、僕が1枚(笑)。1パック目に出たやつが自分のところまで流れてきた。1-4でもらったパック見てたら、『あれっ、《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》あるんだけど!?』って。アンコモン2枚とコモン1枚が消えてたんで、そこになんかすごい強いのが入ってた可能性はあるけど。」
なお《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》は、話を聞いていた渡辺さんたちが「初手で引きたいレアTOP5には入る」「単体でも強いし、宝物系とシナジーありすぎるし、何デッキにも入る」とほめたたえるカードです。

宝物の地図

1パック目
11
1-1 《アズカンタの探索/Search for Azcanta(XLN)》
1-2 《帆凧の掠め盗り/Kitesail Freebooter(XLN)》
1-3 《もぎ取り刃/Prying Blade(XLN)》
1-4 《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》
1-5 《自暴自棄の漂流者/Desperate Castaways(XLN)》
1-6 《這い回る心止虫/Skittering Heartstopper(XLN)》
1-7 《潜水/Dive Down(XLN)》
1-8 《巧射艦隊の拷問者/Deadeye Tormentor》
1-9 《軍団の征服者/Legion Conquistador(XLN)》
1-10 《真っ二つ/Slice in Twain(XLN)》
1-11 《起源の柱/Pillar of Origins(XLN)》
1-12 《不死の古き者/Deathless Ancient(XLN)》
1-13 《順風/Favorable Winds(XLN)》
1-14 《古代ブロントドン/Ancient Brontodon(XLN)》

八十岡「1-1は弱くて取るものがなく《アズカンタの探索/Search for Azcanta(XLN)》。1-2はこの《帆凧の掠め盗り/Kitesail Freebooter(XLN)》と青黒5マナ3/3(《巧射艦隊の略取者/Deadeye Plunderers(XLN)》)があって悩んだけど、軽いほうからピック。1-3もカードがなくて、青黒海賊系になるならけっこう強い《もぎ取り刃/Prying Blade(XLN)》(1マナ+1/+0装備)を取って、軽いビートを意識しました。
1-4はなんかよくわからないけど《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》が来て(笑)、黒だけは決めたかったので1-5、1-6と黒いカードを取って。ただ1-6で白の5マナ3/4飛行(《輝くエアロサウルス/Shining Aerosaur(XLN)》)があったんですよ。すごい悩んで、青黒に行きたかったのと黒を確定させたかったので流したんですけどこれはあとで後悔しました。
青いカードをつまみつつ、1-9で《軍団の征服者/Legion Conquistador(XLN)》(3マナ2/2、同名サーチ)が一周してきたんで一応ピック。残り3枚で《不死の古き者/Deathless Ancient(XLN)》(6マナ4/4飛行吸血鬼)が取れたんで、黒はかなり空いてそうなことがわかりました。マナフラッドしそうなんで、いい使い道ができてよかったなと。」

2パック目
12
2-1 《海賊のカットラス/Pirate’s Cutlass(XLN)》
2-2 《依頼殺人/Contract Killing(XLN)》
2-3 《依頼殺人/Contract Killing(XLN)》
2-4 《立ち枯れの守り手/Blight Keeper(XLN)》
2-5 《薄暮の使徒、マーブレン・フェイン/Mavren Fein, Dusk Apostle(XLN)》
2-6 《凶兆艦隊の貯め込み屋/Dire Fleet Hoarder(XLN)》
2-7 《司教の兵士/Bishop’s Soldier(XLN)》
2-8 《襲撃/Pounce(XLN)》
2-9 《女王の任命/Queen’s Commission(XLN)》
2-10 《見張りによる消散/Lookout’s Dispersal(XLN)》
2-11 《薄暮軍団の弩級艦/Dusk Legion Dreadnought(XLN)》
2-12 《海賊の獲物/Pirate’s Prize(XLN)》
2-13 《破砕/Demolish(XLN)》
2-14 《呪文貫き/Spell Pierce(XLN)》

八十岡「2パック目の時点で、基本は黒にタッチで青黒か白黒、もし《軍団の征服者/Legion Conquistador(XLN)》がたくさん取れたら白黒にしようと考えてました。
2-1に《海賊のカットラス/Pirate’s Cutlass(XLN)》と緑の4/5のレア恐竜(《切り裂き顎の猛竜/Ripjaw Raptor(XLN)》)があって、基本的に緑黒はきついのと、緑緑のマナコストもきつそうだったんで、《海賊のカットラス/Pirate’s Cutlass(XLN)》に。
2-2に《司教の兵士/Bishop’s Soldier(XLN)》(2マナ2/2絆魂)があって、白に入るか悩んだんですけど、4/5恐竜を流したからそのへんに勝てるように除去を取っときました。2-3も同じく。《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》を取ってるので、このへんの宝物が出るカードは相性いい。
2-4は装備と相性がいいし、軽いデッキ目指したんで《立ち枯れの守り手/Blight Keeper(XLN)》(1マナ1/1飛行)。2-5で《薄暮の使徒、マーブレン・フェイン/Mavren Fein, Dusk Apostle(XLN)》(吸血鬼の攻撃でトークンを出す2/2レア)が来て、白がいないから白黒やるかと。
2-6も軽いカード、2-7の《司教の兵士/Bishop’s Soldier(XLN)》で白黒がほぼ確定。2-8は上家に4/5恐竜流してたのもあって《襲撃/Pounce(XLN)》をカット。2-11の《薄暮軍団の弩級艦/Dusk Legion Dreadnought(XLN)》(5マナ4/6の機体)は白黒みたいな細いデッキだとかなり強いんで、助かりましたね。ちょうどデッキの頂点にあたる重いところが、遅い順目で拾えました。」

3パック目
13
3-1 《縄張り持ちの槌頭/Territorial Hammerskull(XLN)》
3-2 《吸血鬼の印/Mark of the Vampire(XLN)》
3-3 《自暴自棄の漂流者/Desperate Castaways(XLN)》
3-4 《薄暮まといの空渡り/Duskborne Skymarcher(XLN)》
3-5 《軍団の征服者/Legion Conquistador(XLN)》
3-6 《女王の工作員/Queen’s Agent(XLN)》
3-7 《軍団の征服者/Legion Conquistador(XLN)》
3-8 《間に合わせの砲弾/Makeshift Munitions(XLN)》
3-9 《強迫/Duress(XLN)》
3-10 《もぎ取り刃/Prying Blade(XLN)》
3-11 《太陽冠のハンター/Sun-Crowned Hunters(XLN)》
3-12 《恐竜との融和/Commune with Dinosaurs(XLN)》
3-13 《蔓延する腐敗/Spreading Rot(XLN)》
3-14 《破砕/Demolish(XLN)》

八十岡「3-1も弱いパックで、白黒ビートとしては悪くない《縄張り持ちの槌頭/Territorial Hammerskull(XLN)》(攻撃時にタップできる3マナ2/3)を取って、3-2はハンデス(《帆凧の掠め盗り/Kitesail Freebooter(XLN)》)もいるし1枚くらいあると強い《吸血鬼の印/Mark of the Vampire(XLN)》。
3-3、3-4と軽いところを取っていって、3-5で2枚目の《軍団の征服者/Legion Conquistador(XLN)》が回ってきて、3枚目もほかにたいして選択肢がないときに来たんでこれで絶対デッキに入るようになった。
3-9で、《強迫/Duress(XLN)》と《自暴自棄の漂流者/Desperate Castaways(XLN)》(アーティファクトがないと攻撃できない2マナ2/3)があってけっこう悩んだけど、アーティファクトが今のところ3枚だから、2/3を3枚取るとちょっと事故るかなというのと、サイド後使うし、装備も多いんでハンデスのほうがいいかと思って《強迫/Duress(XLN)》に。でも次に《もぎ取り刃/Prying Blade(XLN)》が一周してきて、2/3のほうを取っとけばよかったとすごい後悔しました。アーティファクト4枚と2/3が3枚だったらかなりバリュー上がるんで。
しかも、微妙にデッキのカードが1枚足りなくなっちゃって。2/3はそこまで痛くないけど、1パック目の5マナ3/4(《輝くエアロサウルス/Shining Aerosaur(XLN)》)を取っていれば……。重いマナ圏が足りなくて、宝物は出るけど使い道がない。下は止められても飛行が少ない、すごく軽いデッキになっちゃったんで、5マナ3/4がいないのは致命的ですね。」

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八十岡さんのデッキ

対戦結果

八十岡「相手のデッキが弱くて、重いところの不足とかは最終的にはあまり関係なく勝ちました。1ラウンド目は赤緑恐竜で、3本目、場が膠着して向こうのほうが数は多いけど殴ると場が崩壊するから殴れない。お互い手札は尽きて、こっちは《宝物の地図/Treasure Map(XLN)》が反転して宝物が2個あるという状態。そこから5ターン後、こっちは土地が5枚にスペル1、向こうはスペルが5枚でまくられました。
2ラウンド目は青緑マーフォークで、そもそも相性がいいし、2/2絆魂に《吸血鬼の印/Mark of the Vampire(XLN)》がついて一瞬で勝ち。
3ラウンド目は青赤タッチ白の軽いビートで、そういうデッキにはライフレースで勝ってるから強い。1本目勝って、2本目に、4マナ2/3の全部タップするマーフォーク(《大嵐呼び/Tempest Caller(XLN)》)を持たれてない限り勝てる状態だったけど、相手の唯一の手札が《選択/Opt(XLN)》で、エンドに唱えて、下に送ってドローしたらそのマーフォークを引かれて、ぴったり削りきられました。まあ、結局3本目に相手がダブルマリガンしちゃったんで、あっけなく終わりましたけど。」
 

 

 
Team Cygamesの人たちだけでなく、まわりにいたプレイヤーたちも含めて「この環境のドラフトは、そもそもカードが足りない失敗デッキができやすく、デッキがちゃんと組めたとしても均等2色になるから事故りやすい。そして事故ると一瞬で負けるから面白くない」といった意見をよく耳にしました。ただ、市川さんは緑をやるとわりとうまくいくので、この環境はけっこう好きだそうです。

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↑昼ご飯はアメリカらしく巨大なピザを食べました。サイズは18インチ(約46センチ)もあります。

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