マジックフェスト・京都2019レポート
国内初のマジックフェストはここ京都で3月23日(金)~25日(日)にかけて開催されました。金曜には7月のMCバルセロナの出場権をかけた予選大会が行われTeamCygamesの市川さんもシミックネクサスで参加していました。
MCクリーブランドからちょうど1か月後のMF京都。
5人はそれぞれどのようなデッキ遷移をし、今回の大会に持ち込むデッキを決めたのかインタビューしてきました。
●戦績まとめ
ラウンド | 市川(222位) | 覚前(8位) | 山本(173位) | 渡辺(準優勝) | 八十岡(496位) |
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1 | bye | bye | bye | bye | bye |
2 | bye | bye | bye | bye | bye |
3 | 〇 | bye | bye | bye | bye |
4 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
5 | × | ○ | × | ○ | × |
6 | ○ | × | ○ | ○ | × |
7 | ○ | ○ | ○ | × | ○ |
8 | × | ○ | ○ | ○ | × |
9 | ○ | ○ | × | × | DROP |
10 | ○ | ○ | ○ | ○ | – |
11 | ○ | ○ | × | ○ | – |
12 | × | ○ | × | ○ | – |
13 | × | × | ○ | ○ | – |
14 | × | ○ | × | ○ | – |
15 | × | ○ | ○ | ○ | – |
準々決勝 | – | × | – | ○ | – |
準決勝 | – | – | – | ○ | – |
決勝 | – | – | – | × | – |
赤黒(八十岡翔太)5-3DROP
main
side
八十岡「約1ヶ月ほぼBO1の練習をしていました。候補として20~30種類くらいのデッキをつくってたんですけど、その余暇でBO3に向いてそうなデッキが3つくらいあって、今回はそのうちの1つを持ち込みました。BO3にはやっぱりコンバットが向いてるので今回もその類。軽めの《狂信的扇動者/Fanatical Firebrand》や《軍勢の戦親分/Legion Warboss》からでる1/1とかを、《忘れられた神々の僧侶/Priest of Forgotten Gods》の能力を起点に自分のコントロールするクリーチャーが死んだら1点ライフ削る《災いの歌姫、ジュディス/Judith, the Scourge Diva》や《真夜中の死神/Midnight Reaper》で展開してって、死んでも《陰惨な生類/Gruesome Menagerie》で回収してってみたいな。」
――この1枚だけ入ってる《発見+発散/Discovery+Dispersal》は?
八十岡「残り1枚が決まらなくて特にこだわりないけど発見だけ使おうと思って。」
――今日印象的だった場面ありますか?
八十岡「竜髑髏の山頂が盤面に1枚、手元に山3とクリーチャー4体。何からプレイする?」
――え!山出してリックスマーディで山捨てる?
八十岡「そう。でもその後山は引かず、ドローはフェニックス×2…。リックスマーディってカードが好きすぎて…。こうゆうことが起きるんだよねマジックは。」
――最後に来週(MTGアリーナ ミシックインビテーショナル)に向けての意気込みを聞かせてください。
八十岡「デッキ提出したし、やれることはやったんで、あとは野となれ山となれですね。(笑)まぁ、BO1の練習しているときに考えてたことの1つとして土地の枚数をどのくらいまで切り詰められるかというのがあって。アリーナのゲームシステム上“土地補正”かかるじゃないですか?(シングル戦なので初手土地事故が軽減されるように、ランダムなハンド3種類が選択された後にデッキ内の土地平均枚数に近いほうが選択される仕様)それは初期段階に結構研究しましたね。Death of Groupでがんばってきます。」
6 《沼》 7 《山》 4 《血の墓所》 4 《竜髑髏の山頂》 土地(21)
クリーチャー(31) |
4 《稲妻の一撃》 3 《陰惨な生類》 1 《発見+発散》 呪文(8) |
3 《強迫》 2 《溶岩コイル》 2 《ドリルビット》 3 《恐怖の劇場》 1 《貪欲なチュパカブラ》 4 《再燃するフェニックス》 サイドボード(15) |
スゥルタイ(市川ユウキ)9-6/(渡辺雄也)15-3
市川「いやー最後4連敗したぁー。くそー75枚デッキ同じ原根くんもナベもTOP8入ってるのに。4戦でマリガン10回したからね、こねーって。(笑)あ、取材します?」
市川「僕はこの環境にあるほとんどのデッキをまわしてきて、青単は《クロールの銛撃ち/Kraul Harpooner》に対して技術介入が一切できないし他の単色(赤/白)に対して弱い。タッチ緑の《実験の狂乱/Experimental Frenzy》が入ってる赤単はスゥルタイに弱い。シミックネクサスは好きなんですけど4枚目の土地が引けなくてキーカードが引けず負けるみたいな展開多くて今のジャンケン環境下だと不安定だしエッジが出ない。とまぁいろいろ試していったときに前週の晴れる屋の大会で準優勝だったリストが非常に理にかなった構成になってるリストだなと思いスゥルタイで出るならこれにしようと思って決めました。」
――75枚いっしょですか?
市川「サイド1枚だけ《暗殺者の戦利品/Assassin’s Trophy》→《打ち壊すブロントドン/Thrashing Brontodon》に変えてあります。Trophyをサイドに置いておきたい関係上、メインに《培養ドルイド/Incubation Druid》が1枚入ってたんですけど僕は変えてたから…だったらメインも《培養ドルイド》→《打ち壊すブロントドン》に変えてた方が歯車がいいんでうけを結構広く持ててたかなと思いましたね。」
市川「とはいえ、ミラーマッチに2敗、ティムール荒野の再生デッキにも2敗しちゃって…。練習不足がたたった(スゥルタイは10マッチほどの練習)なと。やりこんでたらあと2勝くらいは変わってたかなという印象ですね。」
市川さんはミシックインビテーショナルのミラー配信も予定しています。スタッフは現地にいますがこっちの配信も見たい…
【お知らせ】今週末はミシックインビテーショナル!
優勝賞金25万ドル、賞金総額100万ドル!
開催期間はTwitterで現地レポートをお送りします!英語版のみですが生放送もあります!
世界中の選ばれし64名による、MTGアリーナの対戦をお楽しみに!https://t.co/3QBe8wpjYp#mtgjp #MythicInvitational pic.twitter.com/mcXtEIAVLs— マジック:ザ・ギャザリング (@mtgjp) 2019年3月26日
渡辺「前回のクリーブランド終わってからずっとBO1の練習しかしてませんでした。サイドボードのやり方忘れるくらい(笑)。ミシックインビテーショナルのデッキサブミットを木曜の昼に終わって、金曜は予定があったんでMF京都の練習は正味5時間くらい。あぁもう無理だなって思って、せばちゃんに何かデッキない?って聞いたらスゥルタイかネクサスで迷ってるって聞いて→前日にスゥルタイに決定→僕もスゥルタイに決定!って感じ。ぶっちゃけかなり運よかったし強いデッキを教えてくれたせばちゃんには感謝です。
ただやっぱり練習不足によりデッキの理解度が低くプレイが良くないとこが多く、特に決勝戦はそれを痛感しました。リスト見た瞬間このグルール強いなって思ったんですけど、やっぱり戦ったら強くて。」
――どうしてそう思ったんですか?素人目にはわかんなくて。
渡辺「2マナの入っているクリーチャー(《成長室の守護者》《クロールの銛撃ち》《凶兆艦隊の向こう見ず》)が後半までずっと強くて。クロールにはこっちのハイドロイドが刺されちゃうし、凶兆艦隊には除去を打たざるおえない。後半に引いても強い2マナ域がしっかり入ってるなと。それにやりたいこと全部さばかれちゃいました。」
――具体的に言うと?
渡辺「2ゲーム目、僕がずっと《人質取り》を我慢してて《成長室の守護者》の2体目を出してほしかったんだけどケアされて出してくれなくて…ゲームのイニシアチブを握れなくて落としてしまいました。3マナ起動のタイミングで人質取りをうちたいのに5マナたまるまで使わないぞって。あとは相手が持ってたカードもかみ合ってたし、いろいろ分岐点があって難しかったです。」
――最後にこのデッキを使ってみたいプレイヤーにアドバイスを!
渡辺「サイドボードのガイドとかがあるけど、ハイドロイド混成体をいかに強くたたきつけるかですね。ここに辿りつくためのルートがなかなか大変だけどゲームの着地点を意識していくことが大事です!」
4 《森》 4 《草むした墓》 4 《森林の墓地》 4 《繁殖池》 1 《内陸の湾港》 4 《湿った墓》 2 《水没した地下墓地》 1 《愚蒙の記念像》 土地(24)
クリーチャー(25) |
3 《喪心》 2 《ヴラスカの侮辱》 3 《採取+最終》 3 《ビビアン・リード》 呪文(11) |
4 《クロールの銛撃ち》 2 《打ち壊すブロントドン》 1 《殺戮の暴君》 4 《強迫》 2 《軽蔑的な一撃》 1 《喪心》 1 《ヴラスカの侮辱》 サイドボード(15) |
赤単タッチ緑(山本賢太郎)10-5
main
side
山本「僕はミシックチャンピオンシップ・クリーブランド2019からそのままラスベガスに修平さんと行ってて、1週間くらい前に帰ってきてそこから集中して練習しました。先ずは流行りのティムール再生をまわすことから始めたんですけど、単色系に弱いなって思って。白単と赤単で比べたとき赤の方がマナフラッドに強いんで赤系で調整することにしました。ヤソが使ってる《リックス・マーディの歓楽者/Rix Maadi Reveler》が入ってるタッチ黒のかたちよりサイドに入れている《燃えがら蔦/Cindervines》で荒野の再生や白単に対してもエンチャント対策として有効だし、小型のクリーチャー抜いて《再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix》を入れてゲームプラン軸をずらしたりと、タッチ緑のこのかたちの方が汎用性が高いと思って選びましたね。」
――山本さんなりのデッキテクはありますか?
山本「うーん。いたってノーマルなかたちだからなぁ…あぁでもサイドにフェニックスが4枚入っているのは珍しいかもしれません。それはスゥルタイに有効かなと思ったからなんですけど、でも結局実際の対戦では11Rで当たった市川とのときもそうだったんですが山2枚で止まってしまいフェニックスを場に出すことができず負けてしまうみたいな事が多くて。2枚程度の《探検の地図/Expedition Map》で土地を伸ばそうなんて虫のいい話だったなと。4枚にするか、もしくはそれに頼らず超高速プランにするか…どっちつかずだったのが良くなかったなと思います。」
山本「それにしても覚前もナベも強いなぁ。来週もボストンであるのに強いやつはいつでも強いんだな。僕はこのあと帰ったら来月のMF横浜→MCロンドンと共にフォーマットがモダンなので、モダンに励みます。じゃ、お疲れ様です。」
12 《山》 4 《根縛りの岩山》 4 《踏み鳴らされる地》 土地(20)
クリーチャー(20) |
4 《ショック》 4 《稲妻の一撃》 4 《舞台照らし》 4 《魔術師の稲妻》 4 《実験の狂乱》 呪文(20) |
4 《溶岩コイル》 4 《燃えがら蔦》 2 《宝物の地図》 4 《再燃するフェニックス》 1 《火による戦い》 サイドボード(15) |
赤単タッチ黒(覚前輝也)13-3
覚前「かーっ。悔しいな冷静に今の試合。《リックス・マーディの歓楽者》出してしまったのが…。相手の場にも何もなかったからもうちょいロングなゲームになるかなとか思ってたら全然そんなことなかった。」
準々決勝の対戦後、そう言いながらインタビューに答えてくれました。
――ここ1ヶ月デッキを変えることなく同じデッキを使ってきたとtwitterで言ってましたが。
一睡も出来ず朝☀️
プロツアー終わってからの約1ヶ月間スタンのリスト75枚、1枚もリスト変えようと思った瞬間なかった😊
相棒を持って今回のGP頑張ります💪
— 覚前輝也/Teruya Kakumae (@fushiginokunin5) 2019年3月22日
覚前「はい!はっきりいって僕は今のジャンケンゲームの次のステージに行ってました。どのデッキにも均等に起こりうるのが事故る確率なんです。…でもこのデッキにはマナトラブルがほぼ一切ない。
まずリックスマーディは土地引きすぎたり、引かなくてマナが2つとかしか無いときにも土地を供給してくれたり土地を捨てれたりできることが一つ。次に《舞台照らし/Light Up the Stage》で山札掘り進めて土地引いて→セット、もし手札に土地余ったらリックスマーディで捨てたりできる。その引いてく過程でも《実験の狂乱/Experimental Frenzy》だったり、危険因子のフラッシュバックの効果で手札の余ったカードを捨てることもできる。と、まぁゲーム序盤からサイクルみたいなことが出来て、マナトラブルの確率が下がる。
そういったことから他のデッキより1つステージが上だなって思ってます。」
デッキの要となる3種のカード
覚前「あとは、1ヶ月間このデッキを回し続けて勝率8割まである。1ヶ月ずーっとすよ?ほぼ毎日やって勝率8割ってバグじゃないですか?そんくらい勝ちました。」
覚前「来週はミシックインビテーショナル、どうなるか全くわかんないけど自分の中でBO1にいいなと思うデッキはできたんで実際どうなるか楽しみ。優勝したいですね。」
13 《山》 4 《血の墓所》 4 《竜髑髏の山頂》 土地(21)
クリーチャー(19) |
4 《ショック》 4 《稲妻の一撃》 4 《舞台照らし》 4 《魔術師の稲妻》 3 《危険因子》 1 《実験の狂乱》 呪文(20) |
3 《凶兆艦隊の向こう見ず》 4 《再燃するフェニックス》 4 《溶岩コイル》 2 《焦熱の連続砲撃》 2 《実験の狂乱》 サイドボード(15) |
来週のボストンに向かう3人、モダンの練習に切り替えていく2人。5人はそれぞれMTGとの時間を過ごしていきます。
土曜の夕食時には既に4月末のミシックチャンピオンシップ・ロンドン2019へ向けての作戦会議が行われていました。新セットである『灯争大戦』のプレリリース日に大会が行われるため従来の調整方法は通じません。もしかしたら練習機会であるMF横浜で新たなモダンのデッキが出てくるかもしれません。そういった今までにない条件下でトッププレイヤーの彼たちは、どのような方法で次回の大会に臨み、そして成績をおさめていくのでしょうか。
MTGアリーナ ミシックインビテーショナルにスタッフも行くことになったので、現地から八十岡さん、渡辺さん、そしてチャレンジャー枠から権利を勝ち取った覚前さん、3人の雄姿と大会の様子をお届けしたいと思います。是非お楽しみにしていてください!こんなこと聞いてみたい、知りたいというリクエストがありましたら、ツイートのリプライでご意見お願いします!