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ヤソの新カードレビュー『テーロス還魂記』

ヤソのカードレビュー

みなさんお久しぶりです。八十岡です。
約6年ぶりのテーロスですね。初代『テーロス』と言えば、初めてグランプリ初日(グランプリ・クアラルンプール2014、フォーマットはシールド)を全勝した思い出深いセットです。

テーロスはギリシャ神話をモチーフにした、信仰心が力になる世界なんですが、信仰される神々がけっこう俗物的な感じで面白いです。
気になった方はぜひストーリーを読んでみてください。ストーリーを知るとカードを見る楽しみも増えると思います。『テーロス還魂記』ではエルズペスとヘリオッドが戦うシーンとかはかなりよかったです。

今回も各色から1枚ずつ、これからのスタンダードでよく使われることになると思われるカードを紹介していこうと思います。
よろしくお願いします。

 

 

 
● 『テーロス還魂記』注目カード

エルズペス、死に打ち勝つ
英雄譚というカードは1つの発明だと思っていて、そもそも僕がフレーバー寄りのカードが好きだってのもあるのですが、これほどまでにストーリーをうまく1枚のカードに落とし込めるデザインはすごいと思います。
『ドミナリア』にあった《最古再誕/The Eldest Reborn(DOM)》も大好きだったのですが、こちらを少し使った印象では1章がかなり使いやすいので、《最古再誕》より少し強いと感じました。
これからのミッドレンジやコントロールならだいたい使うことになると思います。

海の神のお告げ
基本的に青の2マナのドロー(《予期/Anticipate(M20)》とか)は嫌いですが、このカードは《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler(WAR)》での使い回しができたり、《予言された壊滅/Doom Foretold(ELD)》で生け贄に捧げたりと、かなり便利。
青白系のコントロールなら入れておいて損はないでしょう。
時を解す者、テフェリー予言された壊滅

アスフォデルの灰色商人
旧『テーロス』のころマジックをやっていた人には思い出深い1枚。
《荒涼とした心のエレボス/Erebos, Bleak-Hearted(THB)》がいても黒単信心を作る気にはなりませんが、《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel(THB)》がいるならとりあえず組んでみよう、となる神のような存在。
《悪夢の番人/Nightmare Shepherd(THB)》を絡めた5キルも現実的で、旧『テーロス』時代を知らない人もすぐにこいつのヤバさに気づくことでしょう。
悪夢の番人

死の国からの脱出
コンボ好きが見たらいろいろなデッキを考えてしまう、まさにコンボ好きのためのカード。すでにレガシーやパイオニアでは結果を残しているので、強いことは間違いなしです。
エンチャントなのにターン終了時に壊れるというソーサリーのような効果ですが、ソーサリーでないため後から墓地に落ちたカードも脱出させることができます。
ただたいていの場合、一度脱出したヤツがまた死の国(墓地)に戻って来て、延々と脱出し続けているという悲しい現実。一度脱出したら戻って来ないでくれ!

狼柳の安息所
クリーチャーでなく条件もない2マナのマナブーストは何年ぶりでしょうか? マジックの歴史的に2マナのマナブーストは強いので、間違いなく使われるでしょう。
《成長のらせん/Growth Spiral(RNA)》を使わなくともマナブーストがしやすくなったので、青緑以外のランプも出てきそうです。

マルチカラー

悪夢の詩神、アショク

 

求めていた品質がそこにある。
全人類待望の強い青黒プレインズウォーカー!

今までのアショクも弱くはなかったですが勝てるカードといった感じではなかったので、やっと対戦相手に悪夢を見せることができそうなアショクの登場です。
プラス能力でトークンが出るプレインズウォーカーが弱いわけもないですし、置物(エンチャントやアーティファクト)にさわりづらい青黒では《はね返り/Recoil(INV)》と同じ効果のマイナス能力も嬉しいうえ、奥義もかなり強力と、1枚でゲームを支配することができます。
久しぶりに青黒系のコントロール時代が来るような、来ないような……?

 

 

 

今回は久々に青と黒がけっこう強いセットで嬉しいですね。
もうすでに新しいデッキも出始めていて、なかなか楽しそうなスタンダードになる気がします。

それでは、次は『イコリア:巨獣の棲処』でお会いしましょう。

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