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日本選手権2020冬レポート

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12月26日(土)~27日(日)に、日本選手権2020冬が開催されました。2か月前の日本選手権2020秋に引き続き、オンライン開催となったこの大会について、参加したチームメンバーにメール取材を行ないました。
※「2020年の漢字」は本人が書いた文字ではありません

 

 

 

●八十岡翔太の場合

八十岡さんは鉄板デッキのスゥルタイで参加。2日目進出はなりませんでしたが、初詣のおみくじを見る限り2021年は良い年になりそうな気配です。


八十岡翔太『スゥルタイ・ミッドレンジ』
日本選手権2020冬



2《森》
2《島》
1《沼》
4《草むした墓》
4《繫殖池》
4《ゼイゴスのトライオーム》
4《寓話の小道》
3《水没した地下墓地》
3《異臭の池》
1《ロークスワイン城》


土地(28)

4《自然の怒りのタイタン、ウーロ》
2《ハイドロイド混成体》


クリーチャー(6)


2《サメ台風》
4《思考囲い》
1《絶滅の契機》
1《大渦の脈動》
4《成長のらせん》
3《取り除き》
2《霊気の疾風》
2《物語の終わり》
2《悪意ある妨害》
1《致命的な一押し》
4《世界を揺るがす者、ニッサ》


呪文(26)


3《否認》
2《サメ台風》
2《肉儀場の叫び》
2《長老ガーガロス》
1《漁る軟泥》
1《霊気の疾風》
1《萎れ》
1《致命的な一押し》
1《大渦の脈動》
1《衰滅》


サイドボード(15)


戦績(最終順位:47位

ラウンド 対戦相手のデッキ 勝敗
1 グルール・アグロ 勝ち(2-0)
2 スゥルタイ・ミッドレンジ 勝ち(2-0)
3 黒単アグロ 負け(0-2)
4 スゥルタイ・ミッドレンジ 勝ち(2-1)
5 アゾリウス・コントロール 負け(0-2)
6 スゥルタイ・ミッドレンジ 負け(1-2)

対戦について

Q. デッキ選定理由
A. スゥルタイが一番強いデッキだと思っているので。

Q. 調整は誰かと相談したり、何かを参考にしましたか?
A. 特になし

Q. どこを特に対策してサイドなどを構築しましたか?
A. 同型を少し意識しつつも、それ以外は使用者の人数がたいして変わらないと思ったのでフラットに。

Q. 印象的な試合や場面があれば
A. 黒単との試合で、手札がすべてわかっている状態から2枚しか入っていない除去を2連続トップデッキされたこと。

Q. ヒストリックというフォーマットについて思うこと
A. 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》(スゥルタイ)が環境の中心にいて、それありきで他のデッキが回っているので、いつまでそれが続くのかな? とは思います。

Q. あなたの2020年を漢字1文字で表現してください
家

A. 4月以降リアルでの大会もなく、あまり外に出ない1年で、海外行かなかったのも15年ぶりでだいたい家にこもっていたので。

Q. 2021年の抱負や目標
A. 「マナバーン」誌でも答えた通りですが、このご時世ですし、健康でいること。マジック的にはガントレットに進むこと(プロリーグ下位で確定ライバルズ落ちしないこと)あたりですね。
後は(チャンピオンシップなどの大きい大会で)1回TOP8入るとかですね。

 

01八十岡写真
八十岡さんの“最近の1枚”
「初詣行ってきたので、その時引いたおみくじの写真になります。」

 

 

 

●市川ユウキの場合

市川さんは今回のメタゲームで立ち位置のよかったゴブリンデッキを選択し、前回に引き続いて配信でデッキを調整しました。


市川ユウキ『ゴブリン』
日本選手権2020冬



16《山》
4《エンバレス城》
2《ファイレクシアの塔》


土地(22)

4《スカークの探鉱者》
4《人目を引く詮索者》
4《ずる賢いゴブリン》
4《ゴブリンの女看守》
4《ゴブリンの酋長》
4《群衆の親分、クレンコ》
4《上流階級のゴブリン、マクサス》
3《ゴブリンの戦長》
1《ゴブリンの損壊名手》


クリーチャー(32)


2《精神石》
1《通報の角笛》
3《髑髏砕きの一撃》


呪文(6)


4《削剥》
3《通報の角笛》
2《神々の憤怒》
2《ゴブリンの首謀者》
2《アイレンクラッグの妙技》
2《魂標ランタン》


サイドボード(15)


戦績(最終順位:46位

ラウンド 対戦相手のデッキ 勝敗
1 ゴブリン 勝ち(2-0)
2 ケシス・コンボ 勝ち(2-1)
3 ジャンド・カンパニー 負け(1-2)
4 グルール・アグロ 負け(1-2)
5 スゥルタイ・ミッドレンジ 勝ち(2-1)
6 黒単アグロ 負け(1-2)

対戦について

Q. デッキ選定理由
A. ラクドス・アルカニストとスゥルタイが使用候補だったが、前者は墓地対策が増加している、かつそれらを乗り越えられないこと。後者はミラーマッチで差がつかない、《ボジューカの沼》を採用し青マナを減らしている、《覆いを割く者、ナーセット》をプレイしづらいなど、無理をする構築に寄り始めていることにより、食指が伸びず。
一方ゴブリンはある程度のデッキパワーがありつつも、環境から減っていて、対ゴブリンでキラーカードとなる《魔女の復讐》が減少傾向にあった。そのためメタゲーム上の立ち位置が良いと判断して、使用を決めました。

Q. 調整は誰かと相談したり、何かを参考にしましたか?
A. 1人で、配信で視聴者と話しながら決めました。
最近はデッキをロックし始めたときに視聴者に特定のデッキを使ってもらって対戦してもらっていて、ラダーでは得られない知見を得やすく、とても助かっています。

Q. どこを特に対策してサイドなどを構築しましたか?
A. ゴブリンミラーは切って《宝石の手の焼却者》をゼロに。
相性の悪いサクリファイスには何か相手に裏目を引かせないと勝てないだろうと、《神々の憤怒》をサイドに取りました。
また、メタゲームに台頭してきたパラドックスコンボに対してもそこまで有利だと思っていないので、メインに《ゴブリンの損壊名手》、サイドに《魂標ランタン》を採用しました。

宝石の手の焼却者神々の憤怒
ゴブリンの損壊名手魂標ランタン

 

Q. 印象的な試合や場面があれば
A. 特にないですが、とにかく《上流階級のゴブリン、マクサス》が振るいませんでした。ただ、もちろん上ブレて勝つこともあるのでしょうがないですね。
ゴブリンは「人事を尽くして天命を待つ」ということわざがピッタリなデッキだと思います。

Q. ヒストリックというフォーマットについて思うこと
A. サクリファイスやスゥルタイなど、結局スタンダードのほぼ引き継ぎみたいなデッキばかりで新鮮味がない。
特に《自然の怒りのタイタン、ウーロ》はカードが面白くないので早く禁止にしてほしい。

Q. あなたの2020年を漢字1文字で表現してください

配

 

A. 2020年はプレイヤーとしての成績はあまりなく、かなり微妙な年でした。一方配信者としては(詳しくは言えませんが)成功した年でした。

Q. 2021年の抱負や目標
A. プレイヤーとしても勝ちたいところです。
ガブリエル・ナシフや、カニスター(ピョートル・グロゴウスキ)など、自分の調整過程を配信で流しながら勝っているプレイヤーもいるのでそれが理想ですね。
プレイヤーと配信の両立を目指します。

 

03市川写真
市川さんの“最近の1枚”
「コロナ禍で全然外出していないので、机の写真ですいません。
電動昇降デスクの足と天板を注文して机を新調しました。重量があって組み立てが大変でしたが、満足しています。
机を組み立てたら照明を良いのにしようかとか、ウェブカメラをデジタル一眼にしようかとか、ディスプレイをメインとサブで統一しようかとか、むくむくと物欲が湧いてきてしまって、どうしようかなと考えています。
ほとんど家にいるので過ごしやすい空間、配信しやすい環境にしようと模索しています。」

 

 

 

●覚前輝也の場合

日本選手権2020秋には参加していなかった覚前さんでしたが、冬は2日目に進出。


覚前輝也『スゥルタイ・ミッドレンジ』
日本選手権2020冬



2《島》
2《森》
1《沼》
4《草むした墓》
4《繁殖池》
4《ゼイゴスのトライオーム》
4《寓話の小道》
3《水没した地下墓地》
2《異臭の池》
2《ロークスワイン城》


土地(28)

4《自然の怒りのタイタン、ウーロ》
2《ハイドロイド混成体》


クリーチャー(6)


4《思考囲い》
2《大渦の脈動》
2《ヤヘンニの巧技》
1《探検》
4《成長のらせん》
4《検閲》
3《取り除き》
1《物語の終わり》
3《世界を揺るがす者、ニッサ》
2《覆いを割く者、ナーセット》


呪文(26)


3《サメ台風》
2《漁る軟泥》
2《肉儀場の叫び》
2《長老ガーガロス》
1《否認》
1《萎れ》
1《覆いを割く者、ナーセット》
1《ヤヘンニの巧技》
1《物語の終わり》
1《思考のひずみ》


サイドボード(15)


戦績(最終順位:45位

ラウンド 対戦相手のデッキ 勝敗
1 スゥルタイ・ミッドレンジ 勝ち(2-1)
2 ゴブリン 負け(0-2)
3 スゥルタイ・ミッドレンジ 負け(1-2)
4 セレズニア・アグロ 勝ち(2-0)
5 スゥルタイ・ミッドレンジ 勝ち(2-1)
6 セレズニア・アグロ 勝ち(2-1)
7 グルール・アグロ 負け(0-2)
8 drop

 

04覚前フィーチャー
ラウンド8、加藤健介さんとのフィーチャーマッチでは《集合した中隊》から処理できない《運命の神、クローティス》が……。

対戦について

Q. デッキ選定理由
A. スゥルタイの、構成次第でどの相手にも戦えるところが好みでした。
あと単純に入ってるカードすべてが強く、デッキが頭1つ抜けてると感じたところですね。

Q. 調整は誰かと相談したり、何かを参考にしましたか?
A. 調整は1人でしました。MTGGoldfish掲載のデッキリストを参考にカードを選びました。

Q. どこを特に対策してサイドなどを構築しましたか?
A. 特にメインボードに関しての調整を徹底しました。
いろいろなデッキタイプに対して裏目にならないカードを取るように意識したことです。《霊気の疾風》だったり、《物語の終わり》だったり、《絶滅の契機》もそうです。手札で腐るカードを極力排除し、自分の動きを邪魔しない構築にしました。

霊気の疾風物語の終わり
絶滅の契機

Q. 印象的な試合や場面があれば
A. 特になし

Q. ヒストリックというフォーマットについて
A. MTGアリーナから始められた方にとってはちょうどいいわかりやすさだと思うので、面白いフォーマットだと思います。
《自然の怒りのタイタン、ウーロ》が使えるのが楽しいですが、どのフォーマットでも反則級の強さですね(笑)。

Q. あなたの2020年を漢字1文字で表現してください。

変

A. MTGのプロシーンがガラリと変わったタイミングだったこと。
コロナの影響で紙の大会がほぼ開催されなくなったこと。
紙のMTGからデジタルMTGに変わったと感じ、いろいろな変化を感じた1年でした。

Q. 2021年の抱負や目標
A. 2021年は「覚悟」の年。
コロナの影響などでいろいろなことが変化した今、どう動くかが問われるそんな時期だと思います。
自分がこうありたい姿や本当にやりたい事、改めて考えさせられました。
今生きているこの瞬間はもう戻ってこない、何事にもそんな「覚悟」を持って歩んでいく。
そんな1年にしたいです!

 

05覚前写真
覚前さんの“最近の1枚”
「アニメをあまり観ないのですが、『鬼滅の刃』の映画が最高すぎて3回観に行きました(笑)」

 

 

 

●山本賢太郎の場合

山本さんは日本選手権には不参加でしたが、1年の締めくくりの質問だけお願いしました。

Q. あなたの2020年を漢字1文字で表現してください。

脱

A. とにかく《自然の怒りのタイタン、ウーロ》が強かった1年ということで、脱出の「脱」。気付いたらあらゆるフォーマットで見かける存在になりましたよね。

Q. 2021年の抱負や目標
A. まずはセットチャンピオンシップに出場すること、そしてそこで好成績をあげて次に繋げるのが今年の目標です。

山本さんの“最近の1枚”は掲載無しですが、「今さらながら映画を観て『鬼滅の刃』にはまりました。」とのこと。グラブルとのコラボも遊んでくれたかな。。?(笑)

 

 

今回たまたまですが、覚前さん(45位)・市川さん(46位)・八十岡さん(47位)と、3人の順位が連続しました。仲良し!
2021年もマジック業界はオンライン大会が主体となりそうですが、今年もお付き合いのほどどうぞよろしくお願いいたします。

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