2023年・春のTeam Cygamesだより
2023年2月から4月までの、Team Cygamesメンバーの近況をお届けするまとめ記事です。
本来は4月末までの記事なのですが、ちょうど5月の頭にプロツアーがありましたので、そちらの最新コメントも盛り込んでのお届けとなります。
■2023年春振り返り
●八十岡さんの場合
戦績:ドラフト6-0/パイオニア9-1(最終成績5位)
デッキ:ラクドス・ミッドレンジ
八十岡さんは出発直前に自宅の水道管トラブルで2日くらいつぶれるというトラブルもありましたが、結果は見事トップ8入り。
ドラフトでは、会場内にたった3人だけの6戦全勝となりました。サイドから入れた《強迫》がフィーチャーマッチで刺さった場面が印象的です。
なお、八十岡さんの下家に座っていたガブリエル・ナシフ選手のピックがフィーチャーされていたのですが、かなり厳しく、「ヤソの下は天国」(=天国行き)という格言もあるとかないとか……。
構築ラウンドも快進撃で、13ラウンド目を終えた時点でまだ3試合残っていたにもかかわらず、スイスラウンド最上位でトップ8入りを確定させました。これにより、早い段階で今年の世界選手権出場も決定です。
しかし、トップ8で初戦に立ちはだかったのは相性最悪のエニグマデッキ。そもそも環境的に有利でないエニグマデッキが勝ち残っており、しかも当たってしまうという確率の低いアンラッキーによって、八十岡さんは決勝ラウンド一没となりました。
デッキ選択について
パイオニアは新セットが入っても大きく変わらず、ファストランドが増えて強化されたクリーチャーデッキと、《離反ダニ、スクレルヴ》が使えるデッキをいろいろと試しましたが、「やっぱりラクドスでいいか」という結論に。
デッキのポイントは2つ。1つ目は土地が1枚多い26であること(ミシュラランドも多く、マナフラッドは受けられてもマナスクリューは即死なため)。2つ目は、普通の人はこのデッキにあまり入れる発想にならないと思われる《変わり谷》を採用することで、きちんとライフを詰められるようにしたことです。
ドラフトについて
八十岡さんはドラフトのほうを重点的に練習したそうです。
緑が強い環境でないと緑をやらない主義ですが、今回はちゃんと戦闘するなら緑が強い環境だったので、緑をやって勝ちました。
1回目のドラフトでは、なんと《グリッサ・サンスレイヤー》が2枚流れてきました。ただ、緑黒は毒に寄せすきず殴れるようにすべき、と練習によって前もって認識していたことが役立ちました。
2回目のドラフトは緑が大量に流れてきて赤緑に。アリーナなら2-1レベルのデッキでしたが、通常の8人ドラフトなら勝てるデッキが完成しました。
↓会場で入手できたアトラクサのスリーブ。
恒例のデッキスリーブ入れ替え作業。
結構微妙なイラストの時も多かったけど今回のはかなりカッコイイのでテンション上がる。
スリーブの質も悪くない。 pic.twitter.com/5X4silNWGU— ヤソ (@yaya3_) February 17, 2023
●市川さんの場合
戦績:ドラフト3-3/パイオニア6-4(最終成績69位)
デッキ:緑単
市川さんのレポート記事が公式に掲載されています。11人のチームによる調整についてなど、詳細はこちらをご覧ください。
市川さんは最初のドラフトが0勝2敗スタートとなり、暗雲が立ち込めました。しかし、そこから持ち直し、めでたく9勝7敗まで行ったことにより次回プロツアーの出場権を獲得できました。
デッキ選択について
チームで選んだデッキがどれも市川さん的には感触がいまいちで、前週の大会結果をチェックしたところ、緑単へのガードが下がっているとわかり、選びました。緑単はメタられていないかぎり雑多なデッキにもけっこう勝てるからです。
特徴は、デッキ相性差が激しいカードがないため、サイドチェンジの必要がほとんどないこと。直前にデッキを決めたので練習時間がなく、コンボルートがよくわかっていませんでしたが、戦闘でライフレースに競り勝っていました。
↓初日終了時のツイートです。
今日はドラフト0-2、構築も込みで2-4までいったけど初日抜けられて良かったです。明日5-3で次のPT権利なのでそれ目指して頑張ります!これ晩に食ったフィリーチーズステーキ。量多過ぎて腹爆発した。 pic.twitter.com/movyU2LqwF — Yuuki Ichikawa (@serra2020) February 18, 2023
ドラフトについて
1回目は赤白でした。卓内にほかにも赤白がいて低マナクリーチャーが足りなくなり(赤白以外の逃げ道も準備してたのに、2-4で二段攻撃の赤白装備が流れてきたから大丈夫だと進んでしまったのが反省点)、なんとか1-2できて御の字でした。
2回目は最下位卓なのに有名プレイヤーが2人も(“LSV”ことLuis Scott-Vargasさんと“Jaberwocki”ことLogan Nettlesさん)いました。流れてきた赤黒のマルチカラー《炭鍛冶》をたよりに方向転換したら、2-1で《アージェンタムのマスティコア》と3-1でドラゴン装備《竜翼の滑空者》が流れてきて、2-1でした。
こちらの記事でも言っている通り、3人でチームを組んで調整。不利マッチでも延々と繰り返せるタフな精神を持つ高橋優太さん、見込みの薄いデッキでも黙々とひたすらテストし続ける熊谷陸さん、彼らを俯瞰で見ながらバランスを取る市川さんというメンバーで、質の高い凝縮された練習ができました。
市川さんはトップ8に進出し、準々決勝で鬼塚さん(今回の優勝者)に負けてしまいましたが、見事賞金1万ドルを獲得しました。
なお市川さんはこの1か月、プロツアー(ドラフト/パイオニア)、チャンピオンズカップファイナル(スタンダード)、アリーナチャンピオンシップ(ドラフト/ヒストリック)と、多くのフォーマットをまたいでのフルマラソン状態でした。
戦績:ドラフト2-1/ヒストリック4-2(最終戦績7位)
デッキ:ラクドス・ミッドレンジ
一方、その裏で八十岡さんは「リミテッド神挑戦者決定戦」に出場。6勝1敗で神への挑戦権を得ましたが、ドラフトは「二事故でいいとこなく」一没でした。
また、八十岡さんは夜に市川さんを応援すべく、英語版の配信をミラーして解説配信をしていましたが、市川さんは悲しいことに一度も放送に映りませんでした……(;o;)
昔の環境なのでもともとクリーチャーが弱いことに加え、ろくなクリーチャーが流れてこず、パワー2以上をブロックできない《鉄爪のオーク》がそこそこ頼れるクリーチャーに数えられるレベルのデッキになりました。
「ファイアーボールとファイアーボールみたいなやつ」(《火の玉》と《分解》がどちらもコモン)が乱れ飛ぶ環境でした。
1パック5000円ぐらいならたまにやってもいいかなと。
それぞれの近況報告のほか、アリーナチャンピオンシップ2で7位入賞した市川さんにはCygamesから報酬の目録をお渡ししたりもしました。
皆さん久しぶりに直接話すことができ、楽しい時間を過ごしてもらえたようでした。
久しぶりに会った感想をお聞きしました。
木村さんに大人なウイスキーの楽しみ方を教えてもらいました。
山本さんはマジックやれば勝つと思うので、またやってほしいですね。
チームメンバーは、マジックへの向き合い方はそれぞれ変わってしまいましたが、元気そうだったのが何よりでした!
アリーナチャンピオンシップ2のTop8祝いとして、Cygamesの木村さん@KimuraYuito より目録を頂きました! @Team_Cygames は最高です! pic.twitter.com/zak89czylT
— Yuuki Ichikawa (@serra2020) April 7, 2023
八十岡さんが2日目のドラフトを2回とも4連勝して、賞金2000ドルを獲得。
山本さんも参加していたそうですが、「さまざまなレアたちにクラッシュされ、心が折れて1回で撤退しました」とのことです。
●八十岡さんの場合
戦績:ドラフト4-2/パイオニア5-5(最終成績60位)9-7
デッキ:エスパー・レジェンド1日目はラウンド6まで全勝でしたが、そこから急にツキに見放されたような感じでした。八十岡さんいわく「強いて言えばスリーブ交換すればよかったですね」。
デッキ選択について
エスパー・レジェンドを選んだのは、《勢団の銀行破り》と《鏡割りの寓話》合戦をやりたくなかったという理由が大きいです。ほかのチームもラクドスやグリクシスは意識してきているはずだと思ったので避けました。
ドラフトについて
「機械兵団の進軍」ドラフトの勝敗は、どうしてもレアや両面カードの出方に左右されがちで、特に対面で大量にレアが出るとどうしようもない(逆のパターンもありえますが)という特徴があります。
八十岡さんは1回目は白黒で3-0、2回目は赤黒で1-2(《敏捷なこそ泥、ラガバン》入りでしたが、対戦ではほとんど引かず)。最初の公開の時に両面カードをほとんど覚えられたのがよかった、とのことでした。
小ネタ:
マジック英語版の公式アカウントが、「今回のプロツアーでの出来事ビンゴ」をTwitterに載せていました。「プロツアー王者同士が対戦する」「3枚以上の《鏡割りの寓話》が場に出ている」などがあり、中央のフリースペースとして書かれているのが「八十岡翔太はマジックが上手」。
●市川さんの場合
戦績:ドラフト5-1/パイオニア6-4(最終成績17位)
デッキ:グリクシス・リアニメート
市川さんはバブルマッチに敗れてトップ8こそ逃しましたが、次とその次のプロツアーの権利が獲得できる素晴らしい結果となりました。
公式でレポート記事も書くとのことなので、楽しみにお待ちください。
デッキ選択について
苦手なグリクシス・ミッドレンジへのプランが取れた(《人体改造機》をサイドインしてバシバシ殴る)ことと、エスパー・レジェンドが《婚礼の発表》プランを取ってこなくなったので、サイド後もいけること。
さらに直近の大会(スタンダードチャレンジなど)の結果を見るに、アトラクサデッキ自体が全然勝っていないので、ガードが下がりそう。
……などなどの理由もありましたが、単純に地域CS(3月開催のチャンピオンズカップファイナル サイクル2)で使用して慣れているから、という理由が大きかったです。
ドラフトについて
今回は諸事情でドラフトの練習がしづらく、チーム全体としてはドラフトの成績があまりよくなかったのですが、市川さんはアリーナドラフトの利用法を工夫して、合計5-1という好成績でした。
市川さんのドラフト1回目は、白をやっていたら《戦導者オレリア》が流れてきたので赤白で2-1。
2回目は《アモンケットへの侵攻》からスタートし、カード枚数はギリギリながらも強い青黒デッキができて3-0でした。
直近のイベントということで、ほかのお2人のメンバーにも感想を聞きました。
■チームメンバーへのマジック・アンケート
Q. 5月12日発売の『機械兵団の進軍:決戦の後に』で特に気になるカードは?
覚前:《燃える魂、サルカン》
墓地を使うデッキや多色にあふれているこの環境に、ドラゴンでどこまでやれるのか? その可能性を感じさせるこのカードに期待を込めて1票入れたいと思います!
市川:《燃える魂、サルカン》
これから《ズルゴとオジュタイ》出してみたい!
山本:《濾過》
マナコストの割には効果がド派手なので、下環境含めてコンボデッキのお伴に活躍しそうです。
八十岡さんの回答は、『機械兵団の進軍:決戦の後に』レビュー記事がすぐ後に公開される予定なので、そちらをお待ちください。
■おまけ:最近の1枚
覚前「最近ハマったYoutuber。
15分くらい時間があったら何も考えず音楽や景色を眺めながらカフェタイムに使うという使用方法でハマりました。
見終わった後なぜか元気が出ている不思議な感覚を味わえるので、気持ちをリセットしたい時にオススメです!」
山本「最近身体のどっかしらが常に不調で、いろいろ健康についての情報を集めているのですけど、どうやらタンパク質が大事らしいんですよね。
身体の1番下の土台がタンパク質で、その上でいろいろな栄養素が必要になってくるので、とにかくタンパク質を取らないと話は始まらないわけなんです。
なので最近は、効率よくタンパク質を取るために毎日プロテインを飲んでいます。このプロテインは甘くてめちゃくちゃ飲みやすいのでオススメです。」
市川「プロツアー・ミネアポリスの物販でのワンショット。
『Expert Level』が懐かしすぎてワッペン買っちゃいました(帽子は難易度高そうだったので次の機会に)。」
八十岡「フィーチャー席の写真になります(これはドラフトテーブル)。
やっぱりこういうのがリアルのいい所ですね。」
大会自体はプレリリースだったので、普段より3パック多い21パックのチームシールドでした。
パックは100点レベルで、グランプリでこのクラスが来たら全勝を意識する内容でした。
ただ構築に関しては、自分のデッキと黒田さんのデッキがダブルエースデッキ(全勝がノルマ)、高橋さんのデッキが勝率50%あればいいみたいな構築になってしまったのが反省点です。
目標勝率が100%:100%:50%ではなく、100%:90%:75%くらいのバランスいい構築にできたなぁと、終わってから反省していました(笑)。
この日は結局、上の勝率そのままの結果となり、久々のチーム戦は楽しく遊べました!