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所信表明 《山本 賢太郎》

山本賢太郎 所信表明

これまでの経緯

マジックは中学生のときに弟に誘われて始めました。始めたばかりのころは大きいクリーチャー=強いみたいな感じだったので、最初にコピーしたデッキは「ファイアーズ」(赤緑のビートダウン)でした。
弟がすぐやめちゃったあとも、僕は中学の友だちに普及して続けてたんですが、高校進学につれてみんなやめてしまって、1人でショップの平日大会に出たりして続けてました。大学に入って競技志向の高いプレイヤーたちと仲良くなって、プロツアーにも出られるようになっていったんですけど、全然勝てなくて。で、3年くらい前にプロツアーでも勝ちたいなと思ってマジック・オンラインを導入したんです。1人でオンラインで練習するのが自分に合ってたこともあって、最近ようやく勝てるようになってきた感じですね。

ただ、そもそもプロになろうとか、マジックで生計立てたいとかは特に思ってなかったんです。だけど去年(カードショップの)晴れる屋さんから声がかかって、1年間Hareruya Pros(晴れる屋所属のプロによるチーム)としてやってきたんですが、環境を整えてもらい、以前より集中してマジックに費やせる時間が増えたことが、前シーズンの結果につながってると思います。
それに、スポンサードされる前から晴れる屋さん……特にオーナーの齋藤友晴さんはすごいなと思っていたんです。都内に300席もの大きい店を作って、マジックプレイヤーの雇用にも一役買ってるし、業界的な貢献度はすごく高いと思っていたので、その晴れる屋さんにスポンサードしてもらえること自体ありがたかったです。

今回、マジックと関係のない一般の大企業であるCygamesさんがマジックプレイヤーのスポンサーになってくれるというのは、今までの日本マジック史上なかったことで、選ばれたのはすごく光栄だし、マジック以外の業界とマジックとの架け橋になれたらうれしいと思い、チーム入りを決めました。

チームについて

市川さんは、すごくバイタリティーがあって、エネルギーが無尽蔵にあるイメージですね。あと、マジックについてあれだけ言語化できてる人はなかなかいない。勝ったデッキを他人に、なんで勝てたのか説明するとき、一般的に通じるように言語化できる人ってそういないと思うんですけど、市川さんはこれがこうだからこうだったんだって、ちゃんと具体的に説明できるんですよね。僕はどうしても言語化の能力が不足してると思うので、いつも「なんで勝ったのかなー、運がよかったなー」くらいにしか思ってないんですけど。

覚前さんについては、ここ1、2年くらいで仲良くなったんですけど、すごく素直……マジックに純粋というか。この前話したときに、マジック復帰の理由を聞かれて、「人生で一番楽しかったのがマジックだから、世界一になるために戻ってきた」と言っていて、そんなことをきっぱり言えるなんてすごいかっこいいなと思って。なかなかそんなことを正直に言える人っていないから、ちょっとうらやましいなって。それを実行できるだけの努力もしてがんばってるし、漫画の主人公属性ですね。

まだチームが3人しかいないからすぐにはできないですけど、将来的に6人くらいになったらリーグ戦をやってみたいですね。動画でマッチをやって、総当たりで成績を決めて。マジックをよく知らない人もこんな感じなんだって伝わるだろうし、おもしろいかなと。
なので自分たちが活躍することによって「自分もチームに入りたい」って人が増えたらいいなと。もしくは、Team Cygames 対 Hareruya Prosで、3人ずつのチーム戦なんてのもいいですね。

これからの目標

将来的な目標はプロツアー優勝なんですけど、今のところそこまでの実力はないので、とりあえず今季は、グランプリ優勝を目指します。まだプロツアートップ8には入れても、優勝するだけの実力はないと思っていて、前回のプロツアー『マジック・オリジン』でもトップ8には入りましたけど、優勝できるデッキではなくて。優勝には実力に加えて強いデッキが必要なので、両方を一気に達成するのはまだかなと思っています。

 

yamamoto

前回のプロツアー『マジック・オリジン』では、準々決勝で敗れてしまった山本。※画像は【MAGIC: THE GATHERING】より引用させていただきました。

 

さらに将来的な夢として、僕が60、70歳になったときに友達とドラフトして余暇を過ごしたいので、そこまでマジックが続いてほしいと思っています。今回の、業界を超えたスポンサードもその一歩かなと思いますし。こういう流れの先駆者として、ほかにも企業がどんどん続いて、マジックがますます盛り上がって100年、未来永劫続く流れになったらと思います。

応援してくれる皆さんへ

対戦のあとに、「いつも記事見てます」とか「がんばってください」とか、よく声をかけてもらえて、すごくありがたいなと。それに応えるために、大会でいい成績を収めたり、皆さんに役立つデッキテクやドラフトテクといった情報を発信したりして、お返ししていけたらと思います。

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