【PTKLD】山本賢太郎/渡辺雄也のドラフト【Day1】
市川さんと覚前さんの記事に引き続き、山本さん渡辺さんのドラフトについてお届けします。
●山本賢太郎のドラフト
ピックについて
前回のプロツアーではドラフトラウンド1勝5敗だった山本さんですが、振り返るとその環境でのドラフトの経験が少なく、その中で勝率がよかった色を決め打ち気味にやっていた点がよくなかったと考えました。そこで今回はドラフトの練習回数も増やし、特にやりたい色を決めずに、できるだけ流れてくる色をやろうと心がけていました。そこで手広い無色から入り、初手は《高速警備車/Fleetwheel Cruiser(KLD)》でした(最終的にデッキに合わず入りませんでしたが)。
1-2には赤緑の《通電の喧嘩屋/Voltaic Brawler(KLD)》があり、カードとしてはそちらのほうが強いですが、2手目の時点で2色決めてしまうのはリスキーなので、できるだけ手広くということで《鋳造所の検査官/Foundry Inspector(KLD)》を取ります。
1-3で黒除去《当然の結論/Tidy Conclusion(KLD)》が取れ、1パック目の中盤に《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》が回ってきました。この青のトップコモンが回ってくるということは青が空いていそうだと判断し、青黒に行くことに。この流れに乗った結果、青はかなり空いており、2-1で《ヒレナガ空鯨/Long-Finned Skywhale(KLD)》など、十分な枚数のカードを取ることができました。
重めのカードが多いのは、マジック・オンラインでの練習時に「みんな早いデッキを組みたがるので、重いほう寄りに組みたい」と思っていたからです。
山本さんのデッキ(島9・沼8)
対戦結果
レアはないものの、大会前日の記事にもあった「勝ち筋のあるデッキ」ができ、「2-1っぽい」という評価でした。結果もその通りで、負け・勝ち・勝ちの2-1となりました。
●渡辺雄也のドラフト
オンドレイ・ストラスキさんとのフィーチャーマッチ
全ピック順(写真では上段左→右、下段左→右の順)
1パック目
1-1《鋳造所の隊長/Chief of the Foundry》
1-2《空鯨捕りの一撃/Skywhaler’s Shot》
1-3《溶接の火花/Welding Sparks》
1-4《ドゥーンドの調査員/Dhund Operative》
1-5《天才速製職人/Quicksmith Genius》
1-6《プラカタの柱行虫/Prakhata Pillar-Bug》
1-7《金属紡績工の組細工/Metalspinner’s Puzzleknot》
1-8《霊基体の野心家/Ambitious Aetherborn》
1-9《歯車工の組細工/Cogworker’s Puzzleknot》
1-10《偶然の発見/Fortuitous Find》
1-11《敏捷な革新者/Nimble Innovator》
1-12《エンジン始動/Start Your Engines》
1-13《病的な好奇心/Morbid Curiosity》
1-14《博覧会場の恐怖/Terror of the Fairgrounds》
2パック目
2-1《霊気嵐のロック/Aetherstorm Roc》
2-2《楕円競走の無謀者/Ovalchase Daredevi》
2-3《渦跡の鷹/Eddytrail Hawk》
2-4《襲拳会の部隊/Maulfist Squad》
2-5《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger》
2-6《活力の奔出/Rush of Vitality》
2-7《博覧会の歓迎者/Herald of the Fair》
2-8《隠然たる襲撃/Subtle Strike》
2-9《隠然たる襲撃/Subtle Strike》
2-10《ダッカラのゴミあさり/Dukhara Scavenger》
2-11《壊し屋グレムリン/Ruinous Gremlin》
2-12《儀礼的拒否/Ceremonious Rejection》
2-13《復元/Refurbish》
2-14《安堵の再会/Cathartic Reunion》
3パック目
3-1《空鯨捕りの一撃/Skywhaler’s Shot》
3-2《霊基体の匪賊/Aetherborn Marauder》
3-3《光袖会の職工/Glint-Sleeve Artisan》
3-4《襲拳会の部隊/Maulfist Squad》
3-5《プラカタの柱行虫/Prakhata Pillar-Bug》
3-6《鋳造所の検査官/Foundry Inspector》
3-7《つむじ風製造機/Whirlermaker》
3-8《不法仲買人/Lawless Broker》
3-9《撃墜/Take Down》
3-10《巧みな交渉術/Shrewd Negotiation》
3-11《巧みな交渉術/Shrewd Negotiation》
3-12《渦跡の鷹/Eddytrail Hawk》
3-13《ガラス吹き工の組細工/Glassblower’s Puzzleknot》
3-14《珍品売り/Curio Vendor》
ピックについて
渡辺さんはアーティファクトデッキの核となるパック一のカードからピックをスタート。そのパックには「白パズル」こと《歯車工の組細工/Cogworker’s Puzzleknot(KLD)》があり、これが1周して帰ってくることに期待します。ただ、1パック目にはほかにも白いカードが2枚あり、3人目の白になったらいやだなと思いつつ、流して様子を見ることに。
1-2では優良除去の《空鯨捕りの一撃/Skywhaler’s Shot》、1-3は特にめぼしいものがなかったので赤の除去を「上からのシグナルかな?」と思いつつピック。白黒か赤黒のアーティファクトデッキを意識していて、1-4以降はアーティファクト関連を一直線に目指します。白パズルはもくろみどおり1周して帰ってきました。1パック目で黒は確定し、あとは白2枚、赤2枚が取れていたので2パック目に引くカードしだいで白黒にするか赤黒にするか決めるつもりでした。
すると、2-1で白の爆弾レアである《霊気嵐のロック/Aetherstorm Roc(KLD)》を引きました。2-3では、1-3と同じ《溶接の火花/Welding Sparks》もありましたが、ぶれるのはよくないので《霊気嵐のロック》と相性のいい《渦跡の鷹/Eddytrail Hawk(KLD)》をピック。ただ最終的にこれはデッキに入らなかったので、ちょっと早く取りすぎたミスだったかも、とのことです。
ここからはおおむね白黒のつもりで、アーティファクトと黒だけ取る感じでした。
3-2は転換点で、この環境のアンコモンで一番強いまである青の《巧みな交渉術/Shrewd Negotiation(KLD)》と、自分のデッキに必要な《霊基体の匪賊/Aetherborn Marauder(KLD)》があり、青のほうを流すと自分の3-0が遠のくので、かなり悩んだ末に黒いほうを取ります。しかし3-3でもまた《巧みな交渉術》が流れて来て頭を抱えるはめに。デッキを安定させようと、しかたなく《襲拳会の部隊/Maulfist Squad(KLD)》を取りました。
すると、なんと3-10と11で《巧みな交渉術/Shrewd Negotiation(KLD)》が2枚とも帰ってきて、タッチして使えそうだとわかります。さらに、どんでん返しを探すために使える青パズルこと《ガラス吹き工の組細工/Glassblower’s Puzzleknot(KLD)》が残り2手で取れたのもラッキーでした。
なお、3-9で2枚目の黒パズルがありましたが、《霊気嵐のロック/Aetherstorm Roc(KLD)》を使っているため飛行除去の《撃墜/Take Down(KLD)》をカットしています。
渡辺さんのデッキ(平地7・沼7・島3)
対戦結果
かなり満足のいく感じでドラフトができた渡辺さん。最後に流れてきた《巧みな交渉術/Shrewd Negotiation(KLD)》2枚のおかげで相手の強いカードを奪って勝つゲームが多く、見事3-0できました。渡辺さんの対戦相手には青を使っている人はおらず、卓に青でアーティファクトを使っている人がいなかったのかもしれません。この話を聞いて、「青やってたやつは何しとったんや!」と横から市川さんが突っ込んでいました。
また、3-2で取った《霊基体の匪賊/Aetherborn Marauder(KLD)》も活躍したので、3-2の時点で《巧みな交渉術/Shrewd Negotiation(KLD)》を取っていたら3-0はできなかったかもしれず、そこがドラフトの妙といえそうです。
渡辺さんは、会場の冷房がきついためユニフォームの上にアロハを着て、殿堂指輪をつけてプレイしていました。指輪をしたままのシャッフルはかなり大変で、人差し指にはめたらまったく不可能だったので中指に替えたそうです。