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【WORLD】チーム戦と個人戦の準備を〈MUSASHI〉6人に聞く【Day0】

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10月6日(金)~8日(日)の3日間、世界のトッププレイヤーたちが集まる世界選手権がボストンで開催されます。個人戦には、選び抜かれた強豪24人が、「世界一マジックが強いプレイヤー」という名誉と優勝賞金10万ドル(約1100万円以上)をかけて戦います。出場するだけでも夢のような、世界最高の舞台です。
また、チーム戦のほうは2017年のチームシリーズで通算獲得プロポイント1位だった我らが〈MUSASHI〉が、2位のチームGENESISとチームシールドで対戦し、優勝チームを決定します。
このため、〈MUSASHI〉の6人全員がすでにボストン入りしており、渡辺さんと八十岡さん、そして行弘さんは金曜と土曜に個人戦を戦ってトップ4に残れれば日曜に進出。〈MUSASHI〉は木曜にチームシールドのデッキ構築を済ませ、日曜にそれを使って対戦します。
木曜の夜、〈MUSASHI〉の6人にチーム戦と個人戦それぞれの準備と意気込みについて軽くうかがいました。
 

 

 
チーム戦編

チーム分けと構築

6人が3人ずつのグループA・Bに分かれ、それぞれがチームシールドのデッキを構築します。チーム内のグループ分けと席順は前もって決めており、以下の通りです(A席・B席・C席の順)。

チームA 渡辺・覚前・八十岡
チームB 行弘・市川・山本

グランプリ・静岡2017秋のときに、渡辺さんと八十岡さんのチームの真ん中に座っていた中村肇さんが覚前さんと入れ替わり、山本さんと行弘さんのチームの真ん中に座っていた北原憲章さんが市川さんに入れ替わった形です。もともと山本さんと八十岡さんはあまり相談せず個人でやるスタイルなので端がいいという慣れや、覚前さんは左右のうち手が空いているほうに相談しやすい、といった点からこうなりました。
チーム戦は相談しながらプレイできるため、単に強い人がいてアドバイスすればみんなの強さがそのまま引き上がるかというとそうでもなく、八十岡さんは「俺とナベが隣になって話し合いながらプレイしてもいいことがない。プレイの一貫性が大事だから、一部分だけ見て口を出すと互いにマイナスになることすらある」と言っており、的確な相談をする難しさという面もあるようです。

――相手のグループ分けや席順はわかっているんですか?
市川「まだわかんないけど、自分と当たるのはセス(セス・マンフィールド)かブラネル(ブラッド・ネルソン)じゃないかな。その2人が真ん中にいそう。」
山本「その2人は分かれるってことね。」
行弘「じゃあ俺の相手はマーティン・ミュラーかマーティン・ダンのマーティン二択かな(笑)。」
市川「マーティン・ミュラー、苦手だから当たりたくないんだよね。プレイ早いし胸板厚くて、覇気があるんだよ。」
渡辺「でもドローが弱いとシュンとなるから、わかりやすいよ(笑)。」

――今日は朝9時半からチームシールドのデッキ構築だったんですよね。
市川「そうです。ホテルのスイートルームに呼ばれて、チームごとに別の部屋で、6人で2つのプールを組みました。まず自分のグループのを組んで、ヤソたちと交換して、相談して組み直して……みたいな。」
――結局6人で作る感じなんですね。構築時間は?
渡辺「登録含めて2時間、フルに使いました。」
八十岡「あっという間だったね。」
行弘「足りなかったまである。」

(日曜までデッキ内容の詳細は伏せますが、グループAのカードプールは相当つらそう、グループBもかなり微妙……という感想でした。)

対戦予想

――チームの勝敗は、6人全部の勝ち数で決まるんですか?
市川「いや、普通に2-0か2-1したほうが勝ちです。AとBが1勝1敗になった場合は、勝ったほうのグループ同士で同じデッキでもう一度対戦する感じです。つまり、両方6点のカードプールより、1点と10点のカードプールを取ったほうが勝ちます。」
――使うカードプールはどうやって選んだんですか?
渡辺「スイートの真ん中の部屋に1から4番のプールが置かれてて、『〈MUSASHI〉から先に選んで』って言われたから1番を取って、次にGENESISがカードプールを2つ選んで、最後に残ったのをもらった。そこは公平だったよ。」
市川「なるほど。相手が先だったらかなりうさんくさかったけど(笑)。」
――グループAとBは、別々に試合しますよね?
八十岡「たぶん別々にやるはず。」
市川「先にAをやるだろうね。いやだなー、Aが負けたら俺らが2回勝つしかない。
渡辺「俺たちの仕事は、決勝に上がる相手チームの体力をできるだけ奪うことだから(笑)。」
行弘「ヤソのデッキはけっこう奪えるんじゃない?」
八十岡「もしくは、一瞬で負けてるかのどっちかだね。」

――自信のほどはいかがですか?
山本「まあ、正直僕たちが勝つしかないかなと。どっちのグループも勝つっていうのはあまり想像できないし、Aが2回勝つのはけっこう厳しいので。」
市川「現状、相手のプールが弱いことを祈るのみですね。」
渡辺「ブラネルが、1個は弱いって言ってたよ。」
山本「その言い方だと、もう1個は強そう。」
覚前「1個だけ強ければ問題ないからね。」
行弘「でも、マジックには事故ってものがあるから。」
市川「どんだけ勝ち目があっても、7割だからね。あと3割を引ければ。」
行弘「ただ、問題があるとすると、俺らのデッキのほうが事故りやすい(笑)。」

今後のスケジュール

――今日は構築のあと何をしていましたか?
市川「プレイヤーミーティングに出て、会場の見学会をやって、山本さんがインタビュー受けてたよね。」
山本「日本のニコ生で流れるやつです。個人戦に出る3人プラス、俺がMUSASHI代表ってことで。シャッフルとかしました。シャッフルの手元だけ映して、『これは誰のシャッフル?』ってクイズやるみたいです。」
――おー、渡辺さんのシャッフルはひと目でわかりますよ。
山本「この4人はけっこう見たらわかりそう。」
市川「やまけんはさぁ、まず1回こうやって、それからこうやって、こうやるよね(テーブルナプキンを折りながら詳細に再現)。」
山本「そうそう。」
――マニアですね。
行弘「あと、手の甲に毛が生えてるかどうかとかでわかりそう。向こうの人の手はごついから。」
市川「山本さんは『チームワークはいらない』みたいな話をインタビューで言ってたのが、らしくて面白かったよね。放送で流れたら盛り上がるだろうな。」
行弘「『他人のプレイに興味がないことこそ信頼の証です』ってね(笑)」
――山本さん、チーム戦でけっこう席を立ちますよね。
行弘「GP静岡のとき、対戦相手のチームに時々びっくりされたよ。『山本さんどっか行っちゃいましたけど、いいんですか!?』って。『いつもああなんです』ってそのたび説明してた。」
山本「さすがに世界選手権の舞台ではみんなのこと見てようかなと思います。」
市川「いや、こうなったら世界選手権でもその姿勢を貫いてほしい。自分の試合が終わったらサッといなくなって、世界の人をびっくりさせてほしい(笑)。」

市川さん、山本さん、覚前さんはチーム戦に関してはもう練習するとかそういう次元ではないので、金土は空いており、観光するかもしれないし、試合も見ようと思うとのことでした。
 

 

 
個人戦編

――続いて個人戦のほうに出場されるお三方にお聞きします。今日までは何をしていましたか?
渡辺「火曜にボストン入りして、水曜日は公式のインタビューがあって、1人2、30分くらい話を聞かれて、あと夜に史上最悪のウェルカムパーティがあって(笑)。」
――行ったら席がなかったと、市川さんのツイッターで見ました。
市川「店の一部を貸切にしてたんですけど、全員座れるだけの席がなくて、あとから行ったら座れなくて……。金子さんはあとで平謝りしてましたけど。」
――スタンダードの準備についてですが、行弘さんと渡辺さんは加茂理樹さん、高尾翔太さんと調整したんですよね。どれくらいやったんですか?
渡辺「フルスポイラーが出てから2週間くらい。」
――ドラフトの準備もしないといけなかったですよね。割合はどれくらいだったんですか?
渡辺「構築のほうが時間は多く割いてます。」
――八十岡さんの準備は、1人でデッキリストを眺めることなんですよね。
八十岡「そうですね、特に何にもしてないです。」
行弘「ヤソが何デッキ使うかはまだ知らない。」
渡辺「まだ組んでなさそう。」
行弘「《人質取り/Hostage Taker(XLN)》4枚入ってるんじゃない?もらえるから。」
――もらえる?
市川「『イクサラン』のカードは、持ってないって言うと貸し出しじゃなくてくれるんですよ。」
――すごい。発売から間がないから、そういう配慮をしてくれるんですね。
市川「『イクサラン』限定構築デッキにしたら、大量にカードもらえる。」
行弘「最下位確定でいいなら、『これが俺のバベルだ!』って言って、全カード4枚ずつもらうわ(笑)。」
八十岡「賞金の期待値と比べると相当割に合わないけど(笑)。」

八十岡さんは今夜24時の提出までにデッキを作るそうで、みんなで「ティムールエネルギーでしょ」「もしくは《人質取り》》4枚入ってそう」「いや絶対違うと思う」などと予測で盛り上がる中、八十岡さんは「《ハゾレト》が走るだけだよ?」とけむに巻いていました。

――ドラフトの準備は?
八十岡「構築やってない分、ほぼ毎日えんえんとドラフトやってたんで、今回はまあまあ自信あります。」
――行弘さんはいつもドラフトの引き出しが多くて対応力が高いイメージがあるんですが、今回ドラフトに苦労してましたよね。
行弘「見た目は浅く見える環境なんですけど、やればやるほど想定が通用しないという認識になってきて、最近は少しずつ直ってきたんですけど、最初はそのズレを修正するのが大変でした。」

――今回のメタゲームをどう予測していますか?
行弘「普通に考えたら、赤単、ティムールエネルギー、あと副陽。この3つにある程度勝てるデッキが必要っていうのは、全員一緒の認識じゃないですかね。」

ここで、Hareruya Latin勢は赤単を使ってそうとか、サム・ブラックは白黒使ってそうといった、メージによる予想が盛り上がりました。とはいえ24人しかいないので、いると思ったデッキが0人だったり、同じデッキを20人が使っていたなんてこともありえるため、予測は困難です。

――目標は?
渡辺「どの順位を目指すというよりは、1点でも多くのプロポイントを稼ぐために、目の前の1戦1戦をいつも通り、全力でやるだけです。」
行弘「なかなか来られない場所なので、精一杯ベストを尽くせたらと思っています。もちろん目標は優勝することですけど。」
八十岡「ドラフト4-2、構築6-2でトップ4。トップ4からは運ゲーなんで、運にゆだねます。ドラフト5-1できたらかなり楽ですね。」

というわけで、いよいよ世界選手権スタートです。応援よろしくお願いします!

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取材陣が木曜夜に到着し、レストランで晩ご飯。

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ボストンはシーフードが名物とのことで、おすすめの牡蠣やロブスターの盛り合わせをいただきました。ドライアイス付きでフォトジェニック! どれも味が濃くてとても美味でした。

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八十岡さんが記念撮影しているのは、「Sundae for Two」という名前のデザート。アイスクリームの上にホイップクリームが乗り、それにチョコレートソースやストロベリーシロップ、チョコチップを好きなだけかけて食べるという、アメリカらしくこってり甘いデザートです。

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