2022年・夏のTeam Cygamesだより
2022年5月から7月までの、Team Cygamesメンバーの近況をお届けするまとめ記事です。
まずはTwitterなどで情報が入ってこないメンバーのお2人に、近況を聞きました。
投資の世界は「まったく新しい1つの国」みたいなイメージで、奥が深いです。
ざっくり説明しますと、1割の人が法則性を理解し勝ち続けています。残りの9割の人が負けて入れ替わり続けています。ちまたに流れている情報ほぼすべてが詐欺です。
価格が動いた後、法則性にのっとって値動きが起こるタイミングがあります。プロはそれを理解し、そこだけを狙い続けているから勝ち続けています。なので、明日どうなるのかなんて誰にもわからないという深い話になってきます(笑)。
どちらかと言うと、自分の定めたルールできっちり同じ仕事をし続けるということが大事になってきます。
なので運の要素はあるんだけど、運に頼ってると勝ち続けられない世界です。
ナベ(渡辺雄也)やヤソ(八十岡翔太)も、運もあるけど、自分の定めたルール(プレイング)が他の人よりレベルが高いから、あの結果を出し続けられるんだと思います!
投資ってお金のやりとりなんですけど、実はゲームで決められたルールを理解して行動できる一握りの人は、確実に成功できます。
正しい努力した分の結果が現れるのは、すべての物事に共通する部分ですね!
■2022年夏振り返り
大阪で行なわれた、数ある店舗予選の中でも最後の予選を覚前さんが突破。この時の話は日本選手権のレポート記事内で語られています。
マジック日本公式のYoutube動画に市川さんが登場。
「市川ユウキのマジックの歴史は、成功の歴史」だそうです!
市川さんの「お気に入りカード3選」動画もあります。
チームUNITEの森山真秀さんと斉藤徹さんが対決するイベントが生配信され、市川さんが解説をつとめました。
フォーマットは『ニューカペナの街角』によるリミテッドでしたが、16日の夕方がニューカペナ・チャンピオンシップのデッキ提出期限だったため、出場する方にとっては「わりとそれどころじゃない」タイミングでした。
フォーマットはスタンダードとヒストリック。市川さんと八十岡さんが出場し、それぞれ好成績となりました。
お2人の振り返り配信で出た内容を中心に、デッキ調整過程などをまとめました。
●市川ユウキの場合
初日5勝2敗/2日目5勝3敗
最終成績29位
デッキ:スタンダード「イゼット研究体コンボ」/ヒストリック「ゴルガリフード」
○調整について
チーム調整ではスタンダード担当でした。
スタンダードで使ったイゼット研究体コンボは原根健太さんが95%組んだデッキで、既存のイゼットコンボと比べ、除去が当たらないのがメリット。不利な相手は多いものの、このデッキに不慣れな相手もいることと、エスパーをメタったデッキに有利なことが追い風でした。
その他のスタンダードデッキ候補たち
・エスパーミッドレンジ
デッキパワーが高くサイド後も強い大本命デッキ。
しかし特に秀でた構築ができず、ほかとの差がつけられなかった。
メタられていそうだし、エスパー一強環境でない限り、エスパーが勝つことはないと思い選択せず。
・ナヤルーン
エスパーやジャンドに強いという長所があったので使いたかったが、エスパーが《エメリアのアルコン》を多く入れ始めたため、相性が悪くなり断念。
・ジャンド
エスパーに少し有利だが、マナ基盤の安定性が低く引きムラがありすぎる。またナヤルーンにも不利。
・イゼットドラゴンコンボ
軽く使ってみたが、エスパーに勝てないので早々に切ってしまった(ただ、エスパーはその時点でリストが完成されていたので、調整中のデッキが勝てないのも当然だった)。
トップ8に入った人は、《鏡割りのキキジキ》を入れたことがブレイクスルーとなっていた。
ヒストリックについては、
イゼットフェニックスは「新たに入った《帳簿裂き》が弱い」ので、変わらずフードが板→じゃあミラーに強いフードを作ろう→サイドに《フェイに呪われた王、コルヴォルド》を入れるためメインに《思考囲い》を入れてスロットを作る→最終的に《コルヴォルド》をタッチしたフードが完成
……という流れでした。
しかし、調整タイミングが食い違っていたため、そもそもの「《帳簿裂き》が弱い」という前提が間違っており、本番ではイゼットフェニックスが躍進。とはいえ、市川さんはゴルガリフードのマスタークラスなのでなんとかなりました。
●八十岡翔太の場合
初日6勝1敗/2日目5勝3敗
最終成績8位
デッキ:スタンダード「ジャンドトレジャー」/ヒストリック「イゼットフェニックス」
八十岡さんはここまで、世界選手権出場を目指すポイントレースのトップを走っており、後を追う人たちも僅差でした。しかし最後にはぶっちぎってTOP8進出し、同時に世界選手権出場を確定させました。
このポイントレースはアベレージが高い人が有利な制度なので、八十岡さんが最初「(大会勝率が安定している)俺とリード・デュークのためのシステムでしょ」と半分冗談で言っていたら、見事にその2人が勝つという結果になりました(八十岡さんは3回のチャンピオンシップすべて4敗フィニッシュという高アベレージ)。
なお、今回スタンダードのデッキに入っている《闇市場の巨頭》と《ジェトミアの情婦、ジニー・フェイ》を使ったのは全員のうちで1人だけです。
○スタンダード
八十岡さんによると、この環境の定義として以下が挙げられます。
・3マナのカードが強く、2マナがあまり強くない
・先後攻の差が大きい→先手が強いので後手でも受けられることが大事
・1枚で勝てるカード&大量アドをとれるカードが少ない
・マナフラッド/マナスクリューしやすい→土地は強いものの3色だとまあまあ難しく、マナ事故で負けやすい(2マナが弱いため、土地が止まると負ける)
これらを総合すると、「強い3マナを使いつつ、2マナに役割を持たせる。1マナでも強いアクションができる。
なおかつマナフラッド/マナスクリューの受けがある」ことが最低ラインとなります。
マナフラ・マナスクに強いカードと言えば、《鏡割りの寓話》と《表現の反復》のような軽くてドローできるカード(《策謀の予見者、ラフィーン》や《しつこい負け犬》もいいけど必ず除去されてしまう)。
これを踏まえて、メタゲームを見ていくと以下のようになります。
・エスパーミッドレンジ
地上戦に強いため、地上デッキや横並べデッキはつぶされた。
→エスパーが強いという理解が進んだことにより、全体除去が環境で弱くなる。
→エスパー対策が進んでラフィーンと負け犬が片端から除去・追放されるようになり、マナフラッドしやすくなった。
また土地破壊デッキが現れたためマナベースに向かい風→優位性を失う。
・イゼットコンボ
一撃必殺で地上戦しないのでエスパーに良いかと思いきや、サイド後に入ってくる《真っ白》や《軽蔑的な一撃》がつらい。
・グリクシス
赤敵対者がフラッド受けになる。《エシカの戦車》が厳しい。
・ジャンド
全体除去が環境で弱いのが追い風。土建チャームが除去兼ドローとして良い。
結果的にジャンドを選んだのは、
・1マナの除去
・2マナで役目が複数ある、数少ない強いクリーチャー
・3マナの強いカード
・緑で一番強いカードである《エシカの戦車》
・ラフィーンに対処できてサイド後もアドが取れるジャンドチャーム
……で構成されたデッキだからです。
金土でいろいろなデッキを回し、日曜に決定して月曜に細部を調整し、締め切りまで残り30秒くらいで提出したそうです。
○ヒストリック
デッキリストの差が出ず、デッキへの慣れやプレイングの差で決まるフォーマット。
「フード以外に強い」イゼットフェニックスと、「フードメタ以外に強い」フードの二強環境が続いている。
それらほど強くないが「フードにちょっと強い」アルカニストが入ってじゃんけん環境に。
なお、イゼットフェニックスは下振れしにくく安定、フードは負けるとどんどん負けていくという特徴があり、イゼットフェニックスを選択。
○トップ8
最初の試合はマイク・シグリスト選手といい勝負ながら、ここぞというところでトップデッキされて負け。ロウワーでの試合はデイヴィッド・イングリス選手にすごいコンボの入り方をされ、5ターン目に《黄金架のドラゴン》を4体(!)出されて負け。
やはり、まだ世界選手権の権利を持たないプレイヤーのほうが引きに勢いがあるということでしょうか。
余談ですが、八十岡さんはこのところ3回トップ8に入って0-6しており、その原因を自分でこう分析していました。
「グランプリとかでも、トップ8に入ってからの勝率がやたら低い。なぜかというと、そこで目標を達成しているので無意識に気が抜けていると思われる。昔から、ずっとマジックやり続けるためにはアベレージの高さが重要だから、グランプリはトップ8、プロツアーは5敗が達成目標になっていた。優勝が目標にならない、昔のプロポイントとかの影響が今も残っていると思う。」
こちらのレポート記事をご覧ください。
アリーナ・チャンピオンシップにつながる予選。フォーマットは『ニューカペナの街角』のリミテッド。
日本選手権と同日開催でしたが、市川さんは夜にホテルから配信、八十岡さんもスマホで参加しました。
2人ともシールドの初日を抜け、市川さんは2日目1-2、八十岡さんもダブマリ×2で終了。
2日目のドラフトは「バント決め打ちで結果的に卓イチ」的なデッキと当たってしまい運要素が厳しいようです。
2年半ぶりくらいに晴れる屋に行ったという市川さんが出場しましたが1-3でした。
また、テーブルトップの大会に慣れていってこれからの競技イベントに備えたいと思い、行きました。
また、このころの市川さんはマジック・オンラインの20周年イベント(いろんなフォーマットがあり賞品多数のお祭り)にも積極的に参加していました。
「MTG BAR 飲める屋」のイベントに八十岡さんがゲストとして参加。遠方から来てくれた方もいました。
こういったファンの方々と触れ合う機会は今後も増やしていきたいですね。
フォーマットは新設されたエクスプローラー(アリーナ独自の、パイオニアに近いカードプール)。
市川さんと八十岡さんが2人ともジャンドサクリファイスで初日を突破。しかし2日目は市川さんが2-2、八十岡さんは「一瞬で死んだ」。
初日を抜けた日本人プレイヤーもほぼ見つからないような状態で、2日間7-1を続けなければならないので、とんでもない“針の孔”選抜試験だったようです。
ただ、カードが増えてパイオニアに近くなればなるほど、パイオニアを意識せざるを得ず、パイオニアの下位互換みたいなフォーマットになっていって微妙な気がして来てます。
そのターンが長いので、どう解消するのか気になります。
市川さんが参加して2-2、八十岡さんも出ましたが「全く覚えてない程度には負けました」とのこと。
市川さんと八十岡さんはそれぞれ、前夜にアーリーアクセスで一足早く体験していました。
こちらのセットは、一部テーブルトップの『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』(6月17日発売)をベースにしていますが、そちらは統率者用のセットなのでチームメンバーは誰もさわっていないとのことです。
【お知らせ】私市川は、ゲームの時間を邪魔しない!一日に必要なすべての栄養素を補給できる完全食 @huel より期間限定で配信をスポンサーされました!みんなもhuelを飲んで俺のような模範的健康カードゲーマーになろう!URLを踏めhttps://t.co/W1NHL9wVkc#huel@MindfutureGpic.twitter.com/DWKkpLQlY0
— Yuuki Ichikawa (@serra2020) July 8, 2022
ダイエットも兼ねて食事を置き換えていくことに。
市川さんの宣伝のおかげでけっこう売れているらしいです。
アーモンドミルクで割って飲んでいます。牛乳などと比べて低カロリーで、Huelと合うのでオススメです!
一日三食のうち一食、二食を代替するような感じだと、腹持ち的にも全然問題ないのかなと思います。
栄養バランスのとれた食事をゲームしながら取れるというのが本来の商品の趣旨ですが、普段の食事が暴食ベースの人とかなら、通常のカロリーより摂取量は低くなるので痩せるのかなと思います。
八十岡さんだけ、マジック・オンラインでドラフトを少しやったそうです。
フォーマットは2日とも『アルケミーホライゾン:バルダーズ・ゲート』のシールド。
市川さんは「ラエゼル引くも足回りが弱くて1-2で死亡」、八十岡さんも「久しぶりにやらかした」とのことで2人とも初日突破ならず。
フォーマットは『アルケミーホライゾン:バルダーズ・ゲート』のリミテッド。2日目は1敗した瞬間に終わりという制度に変更されて、市川さん、八十岡さんともに初日を突破、2日目2-1でした。
■チームメンバーへのマジック・アンケート
Q.『アルケミーホライゾン:バルダーズ・ゲート』について、感想をお願いします。
市川「レアはとんでもなく強いのがたくさんありますが、二体掛かりでコモンビートも成立するようにできているので、やればやるほど『レアなくても結構なんとかなるかもな(なるとは言っていない)』となっていきました。
どちらかというと、青が弱すぎるのが微妙でしたね。アンコモンまでだと初手で取りたいカードが皆無で、レア/神話レアを含めても数枚とかなので、本当に青に行く理由がなくキツかったです。
レアで勝った負けたも一興です。毎回だと困りますけど、たまにはこういうフォーマットもありかなと思います。
私は楽しめました。」
覚前「今までとはまったく違う、デジタルの世界でしか表現できない新しいマジック……という印象を受けました。
永久的に効果を受け続ける能力、新たにカードを生み出す能力等をメインのシステムとする、新時代の到来を予感させられました。
個人的に1番好印象だった点は、コモンカードがしっかり強くなったこと。最近のマジックはレアリティで強さが圧倒的に分けられていて、戦略の幅がなくなってきたと感じることが多々あり、カードゲームプレイヤーにとっては正直物足りなさをたびたび感じました。
今までだと1枚のカードじゃ絶対にまくられない状況から、《アヴェルヌスからの上昇》や《砂時計の魔女団》などがあれば平気で逆転できるようになったり(笑)、低マナのコモンカードもその分強くなってるので、戦略の幅が増えて今まで以上に楽しめるんじゃないかなと思います。」
八十岡「青1マナの2体に-2(《ヒプノティック・パターン》)は安いけどけっこう強くて好きです。
環境として強いのは、ボムレア、優良アンコやレアがたくさん入ったデッキ、もしくは白系のアグロって感じですね。たまにゴッドレアたくさん入ったデッキができると無双できて楽しかったです。
ボムレアはあっていいと思っていて、どちらかというと青のコモンが弱すぎるので、もうちょっと強かったらよかったなと(今回ボムアンコは無いと思ってます)。」
Q.『団結のドミナリア』に『レジェンド』のカードが入ることが発表されましたが、『レジェンド』のカードに関して何かエピソードはありますか?
山本「『時のらせん』のタイムシフト枠で《ジャスミン・ボリアル/Jasmine Boreal》が再録されましたが、弱すぎて初めて見たときはビックリした記憶があります。」
覚前「知っているカードはほとんどありませんが、その中でも《堕天使/Fallen Angel》は基本セットに再録された時によく使っていました。単純ですが、強いしカッコいい。子供心をくすぐる1枚でした。」
市川「『レジェンド』全然わからなくてカードリスト見直していたんですが、《ツンドラ狼/Tundra Wolves》は小学生の頃に使った記憶があります。第6版に収録されていたんですよね、白単ウィニーで《十字軍》や《栄光の頌歌》で強化して殴ってた気がします。」
八十岡「《アクロンの軍団兵/Akron Legionnaire》はモミールで何度負けたかわからないですね。
《魔力の乱れ/Force Spike》は『レジェンド』版のイラストが一番好きです。
《スタング/Stangg》がマスターズ・エディションドラフト(マジック・オンラインの、古いカードのみを使うドラフト)で強かったですね。
《黒き剣のダッコン/Dakkon Blackblade》はイラストも名前もカッコよくて好きです。」
■おまけ:最近の1枚
山本「可愛すぎて無理な猫。」
覚前「1番好きなポンド円のチャートです。
どんな世界も他人が見えてない部分を見えるようになって上位1割。それを使いこなせるようになってようやく一流になるんだなと、チャートから学ばせてもらいました。」
市川「冷蔵庫買い替えました! 2倍以上のサイズになって感無量です!」
八十岡「家にいる時間が増えたので、ダラダラしやすいようにソファ買いました。」
あとは今さらなんですが「ワンピース」にめっちゃはまってます。漫画を1巻から読み直したり、YouTubeの考察動画を見漁ったりしています。ワンピースが完結するまでは死ねません。