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【PTBFZ】1日目を総括して ~プロたちの夜~【Day1】

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プロツアー・戦乱のゼンディカー1日目。
Team Cygamesの成績は3人合わせて8勝13敗と負け越してしまった。

覚前プロと山本プロは4勝4敗の五分。
そう。市川プロが本人初の0勝5敗と負け越してしまったのだ。

――というわけで、前日に引き続き食事をしつつのインタビューを行おうということでしたが、市川プロはお休みということになりました。

山本「仕方ないですね。」

覚前「気持ちは痛いほどわかります。」

――ドラフトは序盤の受けの部分でミスをしたと当人は振り返っていらっしゃいましたが、スタンダード(構築)ラウンドでは土地を引きすぎたり引かなすぎたりと運にも恵まれていませんでした。

山本「今はそっとしておきましょう。」

――そうですね。まずはお二人だけでも1日目の総括をしていきたいと思います。ドラフトについては別の記事にまとめさせていただきましたので、スタンダードについて伺いたいのですが、覚前さん、いかがでしょうか?

覚前「『アタルカレッド(赤緑の攻撃的なデッキ)』を使用したのですが、デッキ選択は間違っていませんでした。かわりに、構成を少々ミスった気がしています。思ったより周囲のマークがきつかったので、もっと攻撃的な構成をとればよかったのではないかと。メインでは環境最速最強のデッキなので、受けを広くしようと攻撃性を下げて汎用性のあるカードを入れたことが響いてしまう結果になりました。」

――なるほど。スタンダード3勝2敗の内訳をみていきましょう。

 

★覚前のスタンダード

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Round4(負)『ダーク・ジェスカイ(青赤白の3色デッキに黒い除去を足したデッキ)』
Round5(勝)『エスパードラゴン(龍王をフィーチャーした白青黒デッキ)』
Round6(負)『エスパープレインズウォーカー(ギデオンとソリンを軸に据えた白青黒デッキ)』
Round7(勝)『緑黒エルフタッチ赤(エルフてんこもりのデッキにアタルカの命令を足した)』
Round8(勝)『黒赤ドラゴン(アジア勢が持ち込んだドラゴンを除去で守って殴るビートダウン)』

――コントロールにもビートダウンにもあたってますね。敗北した2試合はどちらもミッドレンジよりのデッキに見えます。

覚前「だからこそ、攻撃的にすればメインはとれたんじゃないかと。やはり、思い切りが大切でしたね。」

山本「確かに僕も『アタルカレッド』に負けましたけど、コントロールやミッドレンジ側は攻撃的なデッキをさばき切れていませんでしたからね。まさか『アタルカレッド』がこんなに多いとは。」

井川「数字的にも体感的にも第一勢力でしたね。」

――あれ?Hareruya Prosの井川さんじゃないですか?

井川「白々しいですね!? 市川さんがいらっしゃらないからと誘っていただいたんじゃないですか?」

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山本「確かに周囲に声をかけましたが、まさか10人規模になるとは……。」

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――こちらとしては嬉しい悲鳴でした。Team Cygamesの取材チームとしては、他のプロプレイヤーの方とも交流を持ちたかったので。では、井川さんを交えつつ山本さんの戦績を見ていきましょう。

 

★山本のスタンダード

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Round4(勝)『アタルカレッド(赤緑の攻撃的なデッキ)』
Round5(負)『アタルカレッド(同上)』
Round6(勝)『エスパープレインズウォーカー』※渡辺雄也プロとのミラーマッチ
Round7(負)『アブザンアグロ(白黒緑のデッキ。前環境の覇者)』
Round8(負)『アブザンコントロール(重くて強い呪文を入れて長期戦に強くした白黒緑のデッキ)』

山本「『アタルカレッド』相手に1敗しています。こんなにあたると思わなかったので、メインのガードを下げてしまったのが敗因ですね。『アブザンアグロ』相手には《ドロモカの命令/Dromoka’s Command(DTK)》のケアの仕方を間違ってしまいました。もう一戦は土地事故ですね。」

井川「山本さんのデッキは『アタルカレッド』には弱いよね。こんなに多いってわかってたら使ってた?」

山本「使ってなかったと思う。構成自体は満足しているから、環境を読み間違ったと言えるかもしれない。」

齋藤「やっぱり、もっと日本人が一丸となって練習した方がいいと思うよ。」

――わ。Hareruya Prosの総帥・齋藤さんじゃないですか。

齋藤「今回僕はアジア勢と一緒に練習したけど、彼らの練習方法はすごく理にかなってた。プロツアーの一週間前に現地に乗り込んで、みんなで合宿してるんだよ。」

山本「それはおもしろいですね。直前の移動時間を全部調整に回せるってことですね。」

井川「確かに、プロツアー前は一日で研究が一気に進んでしまうから、直前の移動時間に何もできないのは大きなディスアドバンテージなんですよね。」

齋藤「そう。しかも、彼らは毎日リーグ戦を行って、会場に多いデッキも、自分たちの新作も毎日試せるようにしてた。ただ、大きな問題があってさ。言語が多様すぎて、話し合いがうまく進まないんだよ。僕も英語ならわかるけど、中国語になるとお手上げだから。」

覚前「なるほど。それで、日本人同士ならスムーズにコミュニケーションできますね。」

――市川さんも所信表明で「プロツアーで優勝するにはチームが必要」と仰っていましたが、その方法ならチーム練習がうまくいきそうですね。拘束時間が長いのは問題ですけど。

齋藤「まずはできる人だけ一緒にやるしかないですね。そのためにも、今回Cygamesさんが食事の時にみんなを集めてくれたことに感謝してます。それぞれの都合が合う調整チームを作り上げるためには、活発な交流が必要ですから。」

――そう言っていただけると助かります。

山本「確かに、この場には日本のスポンサードチームのメンバーがほとんど揃っていますからね。Hareruya Pros、BIG MAGIC、MINT、Dig.cards、それから僕たちTeam Cygames。」

齋藤「スポンサードによってプロとしてゲームに使える時間が増えた人も多いから、スポンサードされているプロ同士が集まって調整チームが作れたら日本のマジックはもっと発展するんじゃないかな。ここ最近の動きを一過性のムーブメントで終わらせないためにも、もっと結果を出していかないとね。」

 

 

その後もまじめな話を中心にしつつ、様々な話題で食事会は盛り上がっていました。

将来の前に、まずはプロツアー2日目。

Team Cygamesはもちろん、日本のプロプレイヤーたちの活躍を期待しましょう!

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