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世界選手権2016レポート

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9月2日(木)~5日(日)(※現地時間)、アメリカ・シアトルで世界選手権が開催されました。世界から選び抜かれた24人の強豪のうちの1人として、Team Cygamesから渡辺さんが出場。今の形の世界選手権になってから5連続での参戦ですが、Team Cygames勢としての参加は初となります。
一方、市川さんは公式ニコニコ生放送で4日間ゲスト解説をつとめました。日本では深夜の放送でしたが、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。
今回は、世界選手権についてお2人にお聞きしました。

 

 

 

●大会の外側から:市川さん編

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――解説をしていて特に印象に残った試合はどれですか?
市川「ヤソ(Hareruya Prosの八十岡翔太さん)が、オリバー君(Oriver Tiuさん)との試合で、ライフ1から0/3の《熱錬金術師/Thermo-Alchemist(EMN)》2体だけでぴったりまくって勝ったところ。かなり厳しかったけど、ちゃんと逆転まで持っていったのはやっぱりプロだなと感じましたね。」

――あれはすごかったですね。
市川「どれもレベルが高い試合で、見ていて本当に面白かったです。『ここはこうすべきだったんじゃないですかね~』みたいな場面はまったくなくて、解説のやりがいを感じました。さすがに世界最高峰でした。」

――会場が劇場ということで、かなり特殊でしたが。
市川「前日、ニコ生の放送席がまったくできてなくて。プレイヤーインタビューとかする予定だったのに、床しかなかった(笑)」

――放送には間に合っていたので、見ている分にはわかりませんでしたよ。
市川「前日の深夜まで設営してて、大変だったみたいです。最初は客席の椅子もそのままだったし、『本当にこんなところに放送ブースを作れるの?』みたいな感じで。きらびやかでいい会場でしたけど、裏ではなかなか苦難の道のりでした。」

――放送席の後ろにお客さんがいるわけですよね。うるさくなかったですか?
市川「いや、逆に、初日は声がプレイヤーに伝わっちゃうかもしれなくて、しゃべりづらかったですね。」
渡辺「初日はお客さんが入ってなかったから、ドラフトのデッキ構築中とかは静まり返ってて、放送の声もちょっと聞こえてました。」
市川「構築中はステージの上じゃなくて客席の近くまで来てたしね。だから初日はすごい気を使いましたね。」
渡辺「あと初日は人がいなかったから、会場がめちゃくちゃ寒かった。」

――支給されたユニフォームしかなかったから、あとでパーカーを支給されたんですよね。
渡辺「そうです。好きな色を聞かれて、そのマナシンボルのパーカーをもらいました。」

――ああ、青いパーカーを着てる人が多かったのは、青使いが多かったからなんですね。
渡辺「僕も青を希望したんですが、数が足りなくて白になりました。でも白のほうが色合いがよかった(笑)」

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――大会以外にも、会場ではいろいろとイベントなどをやっていましたが、ご覧になりましたか?
市川「まったく見てないです。」

――解説のとき以外は何をしていたんですか?
市川「観戦してテンションが上がって、ホテルの部屋にこもってMOしてました。瀧村君や渡辺君とかと一緒に、グランプリ用のチームシールドの練習をちょっとしたりはしましたけど。」
渡辺「見てるとマジックやりたくなるもんね。」

――渡辺さんも対戦していない時間はけっこうあったと思うんですが、何をしていましたか?
渡辺「プレイヤーの待合室みたいなところがあって食べ物と飲み物が無限だったので、そこで休んだり、ほかのプレイヤーのデッキリストを見たりしてましたね。」

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●大会の内側から:渡辺さん編

――渡辺さんは、今回あまり準備が好調ではなかったそうですね。
渡辺「はい、ドラフトはあまり自信がなかったですし、構築もそんなにいい調整ができてなかったなと。できるかぎり……1日8時間くらいの練習はやったんですけど。『そんなに勝てないだろうな』と思いながら行って、実際に成績も6勝8敗とあまりふるわない感じでした。」

――こういう複合フォーマットの大会ってあまりないから、練習のバランスも難しいですよね。
渡辺「プロツアーはフォーマットが2種類ですけど、3種類以上あるのは世界選手権だけですかね。ただ昔は4フォーマットあったうえ、同日程でワールド・マジック・カップがあって、全部で7フォーマットやらないといけなかったので、それに比べたらまだ楽ですけどね。」

――そういえば所信表明のインタビューにそんな話がありました。過酷すぎて倒れたとか。
渡辺「そうです。倒れたのはやまけん(山本さん)と一緒にトップ4に入った2014年ですね。そのときに4、5回インタビューされたんですけど、毎回毎回『次からは世界選手権とワールド・マジック・カップは日程を分けてくれ! 死ぬから!』って強く力説したら、次の年から別々になりました。」

――そういう、いろいろと練習しなければいけないときの優先順位は?
渡辺「やっぱり決勝ラウンドで使うフォーマットが一番重要ですかね。ただ、今回はドラフトの比重も高かったですね。今までは異なる2種類の環境で3ラウンドずつでしたけど、今回は1種類で6ラウンドですから。そうなると、今回は一番練習のコスパが悪いのがモダン。僕もモダン以外にもっと時間をかけたかったんですけど、モダンのデッキがなかなか決まらなかったので、時間を取られてしまいました。」

――なるほど。ただ、この優先順位の話とかはあまり一般の人には参考にならない話でしたね。
渡辺「もし世界選手権に出る人がいたら、僕がいろいろ教えますよ(笑)ワールド・マジック・カップも今回は出られないので、なるべくサポートしたいなと思ってます。」

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■スタンダード


『バント人間カンパニー』



3《森》
6《平地》
1《島》
2《梢の眺望》
4《要塞化した村》
3《大草原の川》
2《ヤヴィマヤの沿岸》
4《進化する未開地》


土地(25)


3《スレイベンの検査官》
4《ラムホルトの平和主義者》
4《サリアの副官》
2《薄暮見の徴募兵》
2《白蘭の騎士》
4《反射魔道士》
4《不屈の追跡者》
2《異端聖戦士、サリア》


クリーチャー(25)


4《ドロモカの命令》
4《集合した中隊》
1《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
1《実地研究者、タミヨウ》


呪文(10)


1《白蘭の騎士》
2《巨森の予見者、ニッサ》
1《優雅な鷺の勇者》
2《石の宣告》
2《否認》
2《オジュタイの命令》
1《過去に学ぶ》
2《悲劇的な傲慢》
2《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》


サイドボード(15)


 

ラウンド 勝敗 対戦相手
4 ×(1-2) Thiago Saporito(バントカンパニー)
5 ×(0-2) Oliver Tiu(ターボエムラクール)
6 ○(2-0) Reid Duke(ティムール現出)
7 ×(1-2) Luis Scott-Vargas(ティムール現出)

――スタンダードについて、デッキの選択理由から教えていただけますか?
渡辺「予想としては普通のバントカンパニーが多いと思っていて、それに有利なバント人間カンパニーを選択しました。当時のバントカンパニーは、《ドロモカの命令/Dromoka’s Command(DTK)》や《無私の霊魂/Selfless Spirit(EMN)》が、2種類合わせて5枚とかに減る傾向があって。バント人間カンパニーにとってすごく厳しいその2種類が減っているということで試しに使ってみたら、MOで20勝3敗とかだったんです。」

――それはすごい。
渡辺「ただ実際にふたを開けてみたら、バントカンパニーは予想通り多かったんですけどその次に多かったのが相性の悪いティムール現出で、そっちは予想してなかったので、メタを読み間違えましたね。実際、3回当たって2回負けているので(ターボエムラクールもティムール現出の一種)。こんなに多いとわかっていたら、メインの構成をちょっと変えました。《実地研究者、タミヨウ/Tamiyo, Field Researcher(EMN)》と《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》を1枚ずつにしたんですけど、ティムール現出に強い《実地研究者、タミヨウ/Tamiyo, Field Researcher(EMN)》2枚にすればよかった。」

――そのあたりが、このデッキの最新チューンですよね。
渡辺「はい、あと《異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar(EMN)》もです。ただ2枚引くと厳しいのと、今回ジャンド昂揚が多いと予想していたので、それに強い《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》を優先して、あまり強くない《異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar(EMN)》は減らすという構築にしていました。でも見事にジャンド昂揚はいなくて、メタを読み切れなかったのが敗因でした。」

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■モダン


『グリセルシュート』



1《島》
1《沼》
1《山》
1《湿った墓》
2《蒸気孔》
1《血の墓所》
4《汚染された三角州》
4《沸騰する小湖》
1《血染めのぬかるみ》
1《闇滑りの岸》
2《忍び寄るタール坑》
1《黒割れの崖》


土地(20)


4《猿人の指導霊》
4《引き裂かれし永劫、エムラクール》
4《グリセルブランド》


クリーチャー(12)


4《信仰無き物あさり》
4《血清の幻視》
4《手練》
2《稲妻》
4《御霊の復讐》
4《イゼットの魔除け》
2《集団的蛮行》
4《裂け目の突破》


呪文(28)


4《思考囲い》
1《汚損破》
3《神々の憤怒》
4《神聖の力線》
2《流転の護符》
1《残忍な切断》


サイドボード(15)


 

ラウンド 勝敗 対戦相手
11 ○(2-1) Ondrej Strasky(タイタン・シフト)
12 ×(0-2) Owen Turtenwald(感染)
13 ×(1-2) Brad Nelson(ジャンド)
14 ○(2-1) Niels Noorlander(親和)

――モダンのほうはなぜグリセルシュートに?
渡辺「前週まで緑赤のヴァラクートデッキを回してて、けっこう成績よかったんでこれにしようかなと思ったんですけど、グランプリ・広州2016に行くのをやめて、行く井川にデッキを渡したんです。そしたら広州で1勝4敗とかしてて、これはまずいぞと。MOで回したら僕も負け始めて、その段階でデッキがなくなっちゃったんです。」

――直前でそれは焦りますね。
渡辺「それで、モダンをやってる人見君(BIGsの人見将亮さん)とかに話してみたら、『モダンは土地1枚キープができないデッキはダメ』とか、『3キルできないデッキはダメ』といったありがたいご教授をいただいて、『やまけんのグリセルシュートはどうかな?』って聞いたら、『けっこういいデッキだよ』って勧められて。以前プロツアーで使った経験値もあるし、やまけんにサイドボードとかを教えてもらって、細かいところは自分でも調整して出ました。」

――そうだったんですか。
渡辺「いろんなデッキを試したんですけどどれもしっくりこなくて、かなり苦難の道でした。感染やSCZ(「《死の影》アグロ」デッキ)も考えたんですけど、大会の性質上、絶対に黒緑系が多いと思ったので。」

――大会の性質と言いますと?
渡辺「世界選手権って、みんな手堅いデッキを好むんですよ。モダンの手堅いデッキっていったら真っ先に思い浮かぶのが黒緑系……ジャンドやアブザンなので。」

――実際、アブザンが多かったですよね。
渡辺「アブザンのほうが《流刑への道/Path to Exile(CON)》をとれるので、そっちのほうが多いだろうなと僕も思ってたんですけど、ふたを開けてみたら予想以上のアブザン祭りでした。」

――なるほど。
渡辺「あと、世界選手権の前週のグランプリで、参加者が使ってるデッキをチェックできたんですよ。PV(Paulo Vitor Damo da Rosa)とメングッチ君(Andrea Mengucci)はアブザンを使ってて、ベンスタ(Ben Stark)もアブザンを使ってたからたぶん(同じチームの)LSV(Luis Scott-Vargas)も使うだろうなと。24人しかいない世界選手権ではそういう情報戦の面も多少あって、事前に10人くらいは何を使うか予想してました。たまちゃん(玉田遼一さん)は青赤昇天で、瀧村君はドレッジ、ヤソだけわからなかった。そういうのに負けないデッキは何かって考えて、グリセルシュートにたどりつきました。グリセルシュートは感染には勝てないんですけど、前からずっと感染を使ってるオーウェン(Owen Turtenwald)1人しか使わないだろうと思ってて、1人だけだったら当たらなければいいってことで。」
――人読みなんですね。
渡辺「見事にオーウェンと当たっちゃいましたけどね。オーウェン、モダンラウンド1勝3敗で、僕にしか勝ってないんですよ(笑)」

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■ドラフト

ドラフト1回目

ラウンド 勝敗 対戦相手
1 ○(2-0) 瀧村和幸
2 ×(0-2) Brian Braun-Duin
3 ○(2-1) Owen Turtenwald

ドラフト2回目

ラウンド 勝敗 対戦相手
1 ×(0-2) Brad Nelson
2 ○(2-1) Samuel Pardee
3 ×(0-2) Luis Scott-Vargas

――ドラフトのほうはどうでしたか? まず1回目からお願いします。
渡辺「事前から白は弱いからやりたくない、できれば赤をやりたいと思っていたんですが、いざ始まってみたら赤いカードは1枚も流れてこない(笑)。強いカードが早々に流れてきた黒が1色目に決まって、2色目で悩んでたところ、1-5あたりで《シガルダ教の僧侶/Sigardian Priest(EMN)》が来て。自分のパックで白黒のマルチが出てたのを覚えてたので悩みつつ取ったら、そのマルチが返ってきて、あまりやりたくなかったけどしぶしぶ白黒になりました。1-4くらいまで下に白を押しつけてたんで、返しは期待できないだろうなと思ってたら、実際に下2人が白になっていて、厳しいドラフトでした。なんとかデッキに勝ち筋を入れられて、なんとか2-1しました。」

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――プロツアーよりもさらにレベルが高いと、やっぱりドラフトの様子は違いますか?
渡辺「帰ってくるカードが、本当に上から順に8枚なくなっているので逆にわかりやすいんですけど、途中のカットとかがけっこうえぐい。」

――普通のドラフトよりも、的確にカットされてくる?
渡辺「そうですね。あと、たとえば6点と5点のカードがあって、5点のほうはデッキによっては7点になる、みたいなときに、そういう細かい選択をみんな絶対ミスらないんです。だからデッキがちゃんとしてて、そういう中で勝ち切るのはとても難しいんですよ。プロツアーだと、やっぱり『この環境のドラフトは初めて』って人もたまにいたりしますからね。」

――なるほど。
渡辺「あと、普通のプロツアーと違って、1ラウンド目はピックしたカードプール、2戦目からはデッキリストが公開になります。どんなコンバットトリックが飛んでくるかがわかっているので、種類を分けて取ることに価値が出ます。同じカードを2枚ではなくて、2種類別々に取っておいたほうが、相手はケアしづらいので。」

――デッキ内容がバレているからこそですね。
渡辺「同様に構築のデッキも、デッキ内に1枚入っているかいないかでケアするかどうかが全然変わってくるので、サイドボードに1枚差しを多くしたりします。実際にその1枚を使うかどうかは別なんですけど、あるという情報を相手に与えることが大事なので。」

――ドラフトでも構築でも、散らしておいたほうがいいと。
渡辺「本当に強いカードはもちろんまとめたほうがいいんですけど、どっちか微妙なときは散らしたほうがいいですね。さすがに長いこと世界選手権に出ているので、だいぶコツがつかめてきました。」

――確かに。でもそれは世界選手権のときだけしか使えないテクニックですね(笑)
渡辺「あと、ドラフトではサイド後にデッキがまるっきり変わったりもしますね。1戦目の瀧村君との対戦では、遅いゲームになるのがわかってたから、2マナ3マナのあたりをガッと抜いて普通なら入れないような5、6マナのカードをガッと入れて、結果それで勝てました。」

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渡辺「逆に、LSVにはそれをやられて負けました。メインは緑白の押すデッキなんですけど、サイド後は緑白コントロールに変わって。変形サイドボードができるようにピックしてるLSVはやっぱり場慣れしてるなと思いました。」

――普通のドラフトとはそういう違いもあるんですね。
渡辺「普通だったら、使うカードを23枚取って、サイドボード用に飛行除去とかを数枚取ればいいんですけど、世界選手権だとサイドで5枚くらい変えられるようにしたいので、30枚くらい欲しいです。」

――そこまで考慮に入れてピックするとなると、本当にレベルが高いですね。
渡辺「僕は1回目はできましたが、2回目はできませんでした。」

――2回目のドラフトはどうだったんですか?
渡辺「赤黒のビートダウンだったんですけど、ちょっと重くなっちゃって。ポジションもそんなによくなくて、下にいたヤソとあとで答え合わせしたら、どうしようもないって結論でした。」

――流れ的にしょうがなかったと。
渡辺「自分の1パック目で、強い赤のカードが4枚くらい入っているパックを引いちゃって、その中で一番強いカードを取って、もし1枚でも返ってくればよし、返ってこなかったら赤を切ろうと思ってたんです。そしたら、1-6くらいまで赤が順調に取れちゃって、9手目では赤が帰ってこなかったんです。」

――そうなると赤を切りづらい。
渡辺「結果、枚数が足りなくて赤を切れなくて、3パック目は地獄。自分の位置的にできる限りのことはしましたけど、やっぱりみんな強いのでいいカードがあまり流れてこなくて、レアだけはあるもののデッキの形になんとかなった程度。」

――やっぱり1、2パック目は泳がすけど、3パック目でシャットダウンみたいな感じなんですか。
渡辺「殺し合いですね(笑)上がBrad Nelsonで、その上がLSVだったんですけど、カットされたカードを見たら『これくらい流してよ!』みたいのがけっこうありました。」

――世界選手権ならではの厳しさですね。
渡辺「毎年出てはいますけど、正直出るだけでもしんどいし、内容もしんどい。でも、注目度も高いし、視聴者にとっても見てて一番面白い大会だと思うし、毎年これに出ることを目標にしてマジックを頑張ってます。」

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――5回も出てるのは渡辺さんだけですよね。今回、今までと違ったことって何かありましたか?
渡辺「構築マスターとドラフトマスターという枠(プロツアーの構築ラウンドとドラフトラウンドでもっとも勝ったプレイヤーが招待された)が設けられて、その2人ともしっかり結果を残したのがすごかったなと。ドラフトマスターのカルバーリョ(Marcio Carvalho)はドラフト5-1だったし、構築マスターのオリバー君は7-0-1とかだったんで、さすがにすげーなと。」

――本当にそうですね。大会中、特に印象的だった場面はありますか?
渡辺「1日目の最初のドラフトが始まる前、僕とオーウェンが隣どうしだったんです。オーウェンにトントンって肩を叩かれて、振り向いたらこんなふうに(親指で首をかっ切る仕草)」

――こわい(笑)!
渡辺「でも『俺のほうが上家だから、生かすも殺すもこっち次第だよ? いいの!?』ってなりました(笑)まあ、殿堂入りプレイヤーどうし、『白黒つけようぜ』的な気持ちは僕もあったんで。」

――実際、ドラフトでは勝って返り討ちにしましたね。
渡辺「上からかぶせたんで、オーウェンのデッキが弱かった(笑)でもそのあとモダンで負けて1勝1敗なので、決着は次のプロツアーでつけましょうかね。」

――期待しています。
渡辺「まあそんな感じで、みんな仲良くやってる大会なんですよね。相手の揚げ足取りとか絶対しないですし、ゲーム後の検討とかでも、『あのブラフアタックはよかったね』ってお互いの健闘をたたえ合ったりするし。」

――レベルは高いけれど、フレンドリーでいいですね。
渡辺「やっぱり、強い相手とリスペクトしあって戦えるのは楽しいです。」
――では、ぜひ6年目も出場目指してがんばってください。
渡辺「がんばりたいです。」

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世界選手権が終わり、マジックの2016-2017シーズンが始まりました。次のプロツアー『カラデシュ』を控えて、すでにチームメンバーはそれぞれ準備を始めています。(そろそろ恒例のプロツアー前の合宿の時期です^^)これからもTeamCygamesの応援をよろしくお願いします!

 

※記事内の写真は一部【Magic: the Gathering】から引用させていただきました。

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