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2022年・秋のTeam Cygamesだより

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2022年8月から10月までの、Team Cygamesメンバーの近況をお届けするまとめ記事です。
今回は、先日の第28回世界選手権に出場したお2人のコメントをたっぷりとお届けしていきます。

その前に、ほかのメンバーの近況を少々。
前回の記事で山本さんは子猫に夢中、覚前さんは投資にハマっているというお話でしたが……。

山本
彼女と別れて家を離れたので、猫が今どうなってるのかはわかりません。元気だと嬉しいです。
「ワンピース」は最終章に入ってあと5年で完結すると言われているのですが、新しい情報量が多すぎて全く終わる気がしません。それも含めて楽しみに追いたいと思います。
覚前
前回は値動きには規則性があるとお話ししました。
では仮に投資について勉強し始めるとします。
初めの2年間は修行です。
チャートの値動きを全て覚えることになります。~2年後~
あなたは投資の規則性を全て覚えました。
ここまでできてようやく8割、やっと参加資格を得た程度です。
ここからの1%1%は本当に伸びません。本当に少しずつです。投資の世界で勝ち続けている人は相場に対する理解が100%近くあり、その人たちが利益を積み上げています。
マジックでたとえると、プレイし始めてすぐに「プロツアーで安定した成績を残せ」と言われるくらい、難しいことです。プロツアーである程度プレイすると、今の自分の勝率を1%上げるのがどれだけ難しいのか、自分より1%勝率の高い人がどれだけ強いのかを、本気で痛感するようになります。
投資の世界では、やり始めた初日にいきなりプロツアーの舞台に放り込まれるようなものですので、どれだけ初心者に厳しい世界かがわかるかと思います。しかし、この1%ずつの成長を諦めないで続けていくと、いつか必ずスッと勝ち続けられるタイミングがきます。これが今活動しているフィールドでトップレベルになった瞬間です。
考えずにベストな選択を取り続けられる、悟りの境地に入ったタイミングだと思います。
どんな物事にも通じることですね!

■2022年秋振り返り

8月4日 ジャンケン番組「トリムルティ」
八十岡さんが謎の競技ジャンケン番組「トリムルティ」に出場。さまざまなTCGの有名プレイヤーが参加しており、激戦を制し準優勝でした。なお、10月13日には第2回が開催されています。
8月8日 山本さんの「マジック歴代日本人プレイヤー」
山本さんがツイッターで突然「マジック歴代日本人プレイヤー」をアップして、界隈で話題になりました(10位まであります)。

 

山本

 

確か久しぶりにヤソ(八十岡さん)と飲んで、いろいろ盛り上がって投稿しちゃった感じです。「忖度なし」とありますが、むしろ忖度しかないのであまり気にしないで頂けると幸いです。石田格さんに関しては僕は全く絡みがなく雲の上の存在という感じなのですが、ヤソがプッシュしたので2位にした記憶があります。

 

8月10日 「ヤソの日配信」
誕生日恒例の配信。2日にわたり、当時話題になっていたイカサマ問題と、プロツアーの歴史を八十岡さんが語りました。

 

8月20-21日 BMO Vol.12
20日はレガシーで、八十岡さんが解説。 21日はチームモダンで、市川さんは松本友樹さん&伊藤大明さん(通称「ブラマス」)、八十岡さんは加茂理樹さん、コジマワークスさんとチームを組んで参加していました。

 

八十岡

 

加茂君に誘われて、初日解説だったのでついでに参加しました。

 

市川

 

ブラマスくんに「Aさんと出るんだけど」と誘われたので出ました。楽しかったです、同一フォーマットの構築チーム戦はデッキ構築に制限が多少あって、それがいい感じだと思います。 パイオニアとかスタンダードでもやってみたいですね。

 

8月23日 市川さんのカードレビュー《選定された平和の番人》
市川さんが初めて公式の新カード発表者に選ばれました。配信内でこのカードが世界最速公開されると、強いと盛り上がりました。名前が「平和の番人」なのに両手に斧を持ってるところもポイントです。

選定された平和の番人

9月9日 『団結のドミナリア』発売
スタンダードのローテーションが行なわれました。八十岡さんのレビュー記事はこちら

 

9月10-11日 ジャパンオープン2022
新セット発売直後のオンライン大会で、2日目に市川さんが解説で参加。 裏の10日には佐藤レイさんの結婚式があり、山本さん、市川さん、八十岡さんが出席しました。新郎友人の席には大勢のプロプレイヤーが集まり、ドラフトテーブルのようでした。八十岡さんが2006年のプロツアー・チャールストンで優勝した時のチーム「Kajiharu80」の3人(チームメイトは齋藤友晴さん、鍛冶友浩さん)がそろった場面も。

 

9月17-18日 ドラキチ
市川さんと八十岡さんが『団結のドミナリア』のドラフト合宿「ドラキチ」に参加。ピックの様子なども配信されました。 また、裏ではMTGアリーナの予選ウィークエンド(フォーマットはリミテッド)も行なわれ、お二人はこちらにも参加していました。

 

市川

 

卓ドラとリーグドラフトの差分(2色土地が流れて来づらい)などを学べました。 世界選手権の練習ということもあって、いろいろ配慮していただきました。ありがとうございました。

 

9月24日 「にじさんじが日本一受けたい!マジック:ザ・ギャザリング講座」
公式の番組に八十岡さんが校長として出演。花畑チャイカさんとのエキシビジョンマッチでは、甘いキープを咎めるグルールのブン回りで一瞬で勝利していました。

 

9月24-25日 アリーナチャンピオンシップ1
八十岡さんが、アリーナ予選の累積成績上位者として招待されました。アベレージの高い人に有利なシステムのおかげで滑り込めた格好です。 結果はドラフト2-1、アルケミー6-0でトップ8に進み、最終成績はトップ4でしたが、来年の世界選手権の権利もらえる準優勝以上が目標だったので悔しかったとのこと。 アルケミーはプレイヤー数が少なく参考になるデッキもないので、脳内でデッキ構築できるタイプの八十岡さんにとっては有利。面白デッキをいろいろ作ってはみたものの安定のエスパーに帰結。作った後は一度も回さず本番でした。リソースが豊富なデッキだけに、手札を抱えて負けることがないよう、軽めで1ターンに複数アクションを取れることを意識しています。

 

10月1-2日 アリーナオープン
フォーマットは『団結のドミナリア』のリミテッド。

 

山本

 

この時のアリーナオープンには参加しました。初日は1回で抜けれたのですが、2日目のドラフトは40点ぐらいの版図を組んで初戦の赤白ビートに負けて何も得れずでした。世界選手権のドラフトを見ても思ったのですが、版図は避けて2色ビートを狙うプレイヤーが勝ち組だったのかなと思います。

 

10月10日 禁止改訂
モダンで《空を放浪するもの、ヨーリオン》、スタンダードで《食肉鉤虐殺事件》が禁止に。 こちらについて、メンバーに意見を伺いました。特に、市川さんと八十岡さんは世界選手権のデッキの調整中でしたが……。

空を放浪するもの、ヨーリオン 食肉鉤虐殺事件

覚前

 

《食肉鉤虐殺事件》はスタンダードの環境を支配しすぎていたと思います。 禁止になるまで黒単をプレイしていましたが「黒単を使っている側だけど、強すぎてどれかのカードを禁止にしたほうがいい」と強く感じるくらいでしたので、仕方がないかと思います(笑) モダンは最近触ってませんので、《空を放浪するもの、ヨーリオン》についてはわかりません。

 

山本

 

《食肉鉤虐殺事件》は黒が強すぎるからわからないでもないですが、《空を放浪するもの、ヨーリオン》は占有率もそこまででもないし何でだろうと思いました。相棒というシステムは好きなので、どんどん相棒カードが禁止になるのは残念です。

 

市川

 

モダン:煩わしかったので良し、プレイするのもされるのも好きじゃなかった。 スタン:《食肉鉤虐殺事件》に抑えられているデッキがいたら出てくるかなと思いましたが、それだけではないので特に影響なし。

 

八十岡

 

特に意見も影響もないです。「禁止になったか」程度。

 

10月16日 八十岡さん&格ゲー勢ドラフト会
格闘ゲーム業界の豪華面子とドラフト会。

 

八十岡
行弘(賢)が、配信で教えたりしてた関係でふーどさんと繋がっていて、ふーどさんやどぐらさんたちが「ドラフトやりたい」みたいな話があったので面子を集めました。ACQUAとか、にじさんじの公式放送に出ている芦澤さんとか。みんなで普通にわちゃわちゃドラフトしただけです。
10月21-22日 アリーナオープン
フォーマットはアルケミー。
八十岡さんは気分転換に参加し、2日目6-2。市川さんはさすがに世界選手権直前なので不参加でした。
10/28-30日 第28回世界選手権
市川さん
戦績:ドラフト1-2/スタンダード2-3/エクスプローラー2-4
デッキ:スタンダード「エスパー・ミッドレンジ」/エクスプローラー「アブザン脂牙」

八十岡さん
戦績:ドラフト1-2/スタンダード2-3/エクスプローラー2-4
デッキ:スタンダード「エスパー・ミッドレンジ」/エクスプローラー「ジャンド・ミッドレンジ」

世界最高峰のステージに立つ32名の選手の一員として、市川さんと八十岡さんが参加。
マジック日本公式サイトにて市川さんのレポート記事が掲載されているので、そちらもご覧ください。
まずは会場風景を、市川さんと八十岡さんのTwitterから写真の引用でお届けします。

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大会会場とホテルはラスベガスの繁華街近く。ホテルのロビーはそのままカジノになっています(空港でも飛行機から降りるとすぐにスロットマシンが並んでいます)。

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ホテルの外にはプールがあり、プールに入りながら巨大スクリーンでスポーツを見られるようになっています。さすがラスベガスですが、こういった娯楽施設に囲まれているので夜も相当うるさかったようです。

昔のゲームセンターにあったじゃんけんゲームのようなスロットマシンを遊ぶ市川さん。30秒で10ドル消滅したそうです。怖いですね……。

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世界選手権の出場選手は、自分の顔のアバターでMTGアリーナをプレイできます。

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食費が高いこともあり、八十岡さんは会場に用意されていたケータリングやお菓子を食べて過ごし、晩ご飯抜きで質素に過ごしたそうです。

Staff
デッキ選択の理由を教えてください。
八十岡
スタンダードは他に選択肢がなかったので、消極的にエスパー。
エクスプローラーは《パルへリオンⅡ》を使えたら使いたかったが、途中で挫折してラクドスタッチ《エシカの戦車》に。緑を入れるとサイドに《羅利骨灰》や《選別の儀式》が取れるので、ラクドスサクリファイスやエニグマのような、ラクドスでは苦手なデッキにも対応可能になる。
市川
スタンダード:エスパーが最もバランスの取れたデッキだと思ったから。
エクスプローラー:何がいるかわからないので、押し付けデッキの中で最も良いと思った「アブザン脂牙」に。
Staff
実際のメタゲーム、大会でのマッチングを鑑みて、結果としてはどうでしたか?
八十岡
単純にエクスプローラーのメタゲームをきちんと理解できてなかったと反省。ただ結果的には、一周して青単やラクドスサクリファイスが多かったので悪いわけではなかった。
スタンやドラフトで勝っていればいいフィールドだったが、下に沈んだのでそのへんとは当たれずに、相性の悪いところと当たり続けてしまった。
市川
スタンダード:ここまでエスパーに寄るならグリクシスのような尖った選択でもよかった。
エクスプローラー:青単が多かったのは予想外。《産業のタイタン》デッキにもちょい不利で、結果的にはあまりいいフィールドではなかった。
Staff
ドラフトについて教えてください。
八十岡
単純に卓の面子が強い&ポジション最悪でカードも来なかった。
2パック目で2マナのカードと重いカードで悩んで、重いカードを取ったのに殴るしかないデッキになってしまい2マナ圏が足りず。
下家と版図被りしたのになぜか下家のほうが強かった(2パック目で祭ってた)。
市川
青取って、黒流れてきた青黒(普通)。上が赤白、下は白緑でポジションは悪くなかった気がします。
上下合わせてオープンパックでいいカードが出ればもう1勝くらい違ったかな。
上下とはかぶらなかったけど、青と黒は結構卓にいたので一周後寒いみたいな感じが多かったですね。
Staff
ラスベガスでよかったことと、しんどかったことは?
八十岡
よかったのは、単純にいろいろな人と話したりドラフトができたこと。
よくなかったのは、強いて言えば大会に負けたこと。あとは物価が高すぎること(uber10分乗っただけで30ドル)。
市川
眠らない街で、ホテルの前の通りとかは夜中までライブとかしていてすごかった。
ハロウィンのコスプレとかもみんなメチャクチャ本格的で、人が多い通りを歩いているときは異世界に迷い込んだのかと思いました。
半面、円安でアメリカもインフレ傾向にあって、体感なんでも2.5倍くらいの価格差があったので何するにも高かったです。
あと、日本と比べてメチャクチャ乾燥しているので喉が死にました。大会に関しては、当たり前ですがレベルが高く、プレイしていて楽しかったですね。
また、コロナ禍になってずっと会ってなかったReidとか、Jensenとかと久しぶりに話せて良かったです。ネイサンくんの熱気にあてられて、世界選手権で優勝することを人生の目標としました(今さら)。
しんどかったことは、会場が全体的に寒かったことと、ドラフトピック前にアリーナのセッティングをさせられるところからスタートして、1時間以上ピックが始まらなかったこと。
Staff
大会で拘束されている時間以外はどんなことをしましたか?
八十岡
何するにも高すぎるので、大会後は部屋でだらだらしていた。外で食事したのは到着した日と最終日だけ。
市川
基本的に試合が終わったらプレイヤーロビーで他の日本人とダラダラしていました。
フィーチャーマッチも観戦できたので、それを見ながらあーだこーだ言ってるときが多かったです。

 

ほかのメンバーにも感想を聞きました。

覚前
全参加者を見た時に、今までの世界選手権と顔ぶれが変わったなと思いました。MTGアリーナができて、本格的にマジックの「新しい時代」と感じるようになりました。
カードゲームは実際には1人でプレイしますが、仲間で協力して1つのデッキを練り上げ大舞台で優勝を目指すという物語は見ていて感動しました。
山本
友達と「誰が勝つと思う?」という話になって、僕はエリ・カシス(Eli Kassis)を挙げていたので準優勝になって嬉しいです。何回か対戦したことがあるのですが、冷静沈着でひたすら正着打をプレイし続ける鉄強プレイヤーというイメージです。決勝戦は静のカシス・動のネイサンみたいな対比も面白かったです。
日本人では最近仲の良い斉藤徹くんを応援していました。

■チームメンバーへのマジック・アンケート

Q. 30周年記念パック「Magic 30th Anniversary Edition card」(トーナメントでは使用できない、ベータ版と同じ内容のコレクション用パック。4パック入り999ドルと高額なことで話題)についてのご意見をお願いします。

八十岡「高い! ドラフトはやりたいですね。」

市川「興味なさすぎてマジでどうでもいいんですが、個人的には30周年をみんなで祝いたかったので特異なコレクター限定の商品が目玉なのはちょっと寂しいなと思いました。」

山本「自分は買いませんが、まあ売れるんだろうなと思いました(ふんわり)。」

覚前「なぜこの価格設定に決めたのかが1番気になります。1つ1つのカードに「普通じゃない特別な何か」(高級感やラグジュアリー感)を付加価値として付けないと売れない気がしますが、この商品がどのような結果になるのかが気になります。」

Q.『兄弟戦争』の発売前プレビューを見て、気になるカードは?

山本「《時間の旅人、テフェリー》。ダメージで落とせる気が全くしません。」

時間の旅人、テフェリー

覚前「《苦難の影》。カードが強すぎる気がします。軽いので汎用性がある上に、おまけでついてる能力も強い。《コラガンの命令》などと一緒に使いたい1枚です。」

苦難の影

八十岡「《ミシュラの鋳造所》。無色でちょっと使いにくいが、これを使うために2色でまとめるデッキも出てきそう。」

ミシュラの鋳造所

市川「《ファイレクシアへの門》。ほぼ《王神の贈り物》です。」

ファイレクシアへの門

Q. 11月26-27日に名古屋で開催されるチャンピオンズカップファイナル/プレイヤーコンベンションには参加しますか? それに向けて意気込みもどうぞ。

覚前「参加することにしました。パイオニア頑張ります!
グランプリやプロツアーを回っていた時の友達と久しぶりに逢えるのが楽しみです。
やはり趣味を共有し一緒に切磋琢磨し合ったというのはかけがえのないことで、そういう日々を過ごした皆が集まれるイベントが久しぶりなので楽しみです。
大会の目標は『プレイミスをできるだけしない』(笑)これでいきます!」

市川「次のプロツアーの権利があるので、チャンピオンズカップファイナルは優勝か準優勝による世界選手権の出場枠しかプレイヤーとしてはバリューがないので、基本はエンジョイベースになっていますね。
今回は久しぶりに調整チーム『武蔵』をベースとした練習をすることにしたので、旧交を温めることが一番の楽しみです。」

八十岡「(編注:市川さんと同様に)1位と2位以外勝ちがないので、久しぶりの大きな国内イベントに遊びに行く感じです。」

※山本さんは現時点で参加予定なし

■おまけ:最近の1枚

覚前「大事な事だけを書き留めた投資勉強ノートも6冊目に突入しました。
数ある投資対象の中の1つの商品だけしか分析してませんが、奥が深いです。」
覚前

山本「(佐藤)レイ君の結婚式良かったです。」
山本

八十岡「ラスベガス物価高杉の一例。このブリトーは3000円超えます。」
八十岡

市川「マローとの2ショット。
実ははじめてマローを実物で見たかもしれなかったです、普通に興奮しました。僕の前にもたくさんの写真待ちがいて改めてマローの人気を感じました。
マロー! すごい! 本当にすごいんだ!」
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