八十岡翔太・Team Cygamesでのこれまで
マジック・プロリーグ所属、今の日本マジック界で3指に入るトッププロである八十岡さん。
チーム所属歴は2年半と他のメンバーより短いですが、加入前からTeam Cygamesとは何かと縁がありましたので、そのあたりについてもお聞きしていこうと思います。
■2015年
当時Hareruya Pros所属だった八十岡邸で晴れる屋主催のドラフト合宿が行なわれ、そこに山本さん、市川さん、覚前さんが参加しました。
チームリミテッド
このころから何度か、覚前さんと一緒のチームで国内外のグランプリに参加しています。それぞれがベストを尽くすスタイルで、「よくも悪くもあまり相談しないチーム」だったそうです。
■2016年
覚前「マルドゥ機体」VS市川「白青フラッシュ」
八十岡「グリクシスコントロール」VS渡辺「黒緑高揚」
上の2回はゲストとして呼ばれ、覚前さんの後ろについたり渡辺さんと対戦したりし、「普段は直感でなんとなくプレイしているから難しい」と言っていました。その後、MPLとして1年間定期配信を行なったりもしましたが、自分のプレイを簡潔に言語化するのは今でも得意ではないそうです。
収録中に市川さんとじゃれる様子。
■2017年
放送内で、八十岡さんによるメンバーのグラフ化なども出てきました。
放送内で紹介された獲得賞金のグラフ。
この動画内で、Team Cygames入りをサプライズ発表。
スタンダード/ドラフト
八十岡「ティムールエネルギー」12勝2敗1分、準優勝
決勝戦が終わった後の、WMC日本代表3名。
チームリミテッド
渡辺雄也・中村肇・八十岡翔太チーム 12勝1敗1分、3位
チーム戦の準備を含めて計4日間、個人戦とチームシリーズの決勝戦に参加。〈MUSASHI〉での優勝は、Team Cygames在籍期間を通じての特にいい思い出となっているそうです。
八十岡「グリクシス・コントロール」7勝7敗、10位
チームシリーズというシステム自体は楽しかったですね。仲間の勝ち負けに一喜一憂できましたし。ただちょっとチーム格差がありすぎて実質5チームぐらいしか決勝に出られる目がないなと思いましたね。
八十岡さんはここからドラフト合宿に参加。「プレイヤーの質が高いのがサイゲ合宿の長所」とのことです。
スタンダード/ドラフト
八十岡「ティムールタッチ黒エネルギー」10勝6敗、77位
チームシールド/チーム構築スタンダード
赤単を使いこなし、「コントロール使いの考えていることは手に取るようにわかる」というコメント通り、相手の手札を読み切って勝ち星を積み重ねました。
決勝でkanisterに勝利!
きちんと3人での練習時間がとれたし、個々が上手いので下手な助言とかがいらないというのももちろんありますが、一番の勝因はデッキ選択や席配置などの戦略面ですね。基本的にチームのエースが真ん中に座ることが多いので、真ん中にほぼスタン最強デッキ+なべを置いてつぶしに行き、3rdデッキの原根君は3rdデッキには強い青白王神で、僕は適当に勝つポジションです。これにより1stどうしの対決と3rdどうしの対決が、高確率でデッキ相性時点で有利な状態から始まることになります。
このときは前週からフランス入りして3人同じ部屋に泊まってたんですが、それぞれ個別でMOやってて、やっぱりこういう生活はいいなと思いましたね。
あとこの滞在中、原根君が『肉が食べたい』と言ってメニューに唯一あった肉っぽいものを頼んだらタルタルステーキ(生肉)で、『これ何?』みたいな顔をしていたのが一番印象に残っています。しかも、次の日もよくわからずまた頼もうとしていたので、黙って見ていたら優しい店員さんが『これ生だけど大丈夫?』と確認してくれて、残念でしたね。
■2018年
合宿時の書き初め。2018年の抱負は「臨機応変」
モダン/ドラフト
八十岡翔太「ホロウワン」11勝5敗、46位
このとき選んだホロウワンデッキは、プロツアー『アモンケット』での「ティムール霊気池」と並んでチーム調整が成功したと言えるデッキとのこと。
3人チーム構築戦(スタンダード・モダン・レガシー)
Musashi A 4勝3敗(初日落ち)
スタンダード:渡辺「青白王神」
モダン:覚前「ホロウワン」
レガシー:八十岡「レオヴォルド」
レガシーとスタンダードのダブルグランプリ。
レガシー
八十岡「レオヴォルド」5勝、373位
スタンダード
八十岡「青白王神」11勝4敗、38位
新セットが発売するたびに注目カードを紹介する記事が『ドミナリア』から始まりました。選定基準は「単純に好きなカードや興味を引いたカード」とザックリしています。
スタンダード/ドラフト
八十岡「エスパーコントロール」1勝5敗(初日落ち)
スタンダード
八十岡10勝5敗、59位
リミテッド
八十岡12勝3敗、15位
リミテッド
八十岡10勝5敗、103位
現地で合宿しプロツアーに備えました。
チーム構築戦
チームA 6勝8敗、101位
スタンダード:渡辺「緑単タッチ黒」
モダン:覚前「ナカティルバーン」
レガシー:八十岡「オムニテル」
スタンダード/ドラフト
八十岡「青単ビート」6勝3敗、272位
八十岡さんは初期からかなりアリーナやりこみ勢でした。MOに比べて1ゲームが軽くて操作も楽なのと、ログインが早いのがメリットだそうです。
チームリミテッド
渡辺雄也・八十岡翔太・中村肇チーム 1勝3敗ドロップ、565位
スタンダード/ドラフト
八十岡「グリクシス・コントロール」11勝5敗、26位
公式放送の解説として参加。
MPLに選出されました。
■2019年
MPLとして送った盛りだくさんのこの1年については、「八十岡翔太の2019年」記事で詳しく取り上げています。
スタンダード/ドラフト
八十岡「赤単タッチ黒」10勝6敗、62位
デュオスタンダード
八十岡「ライラエスパー」/「ネザールエスパー」1勝2敗、35位
ボストン美術館とハーバード大学へ観光に行きました。
ボストン美術館前にて。
モダン
八十岡「イゼットフェニックス」11勝4敗、92位
モダン/ドラフト
八十岡「親和」8勝8敗、210位
この大会から現在のロンドンマリガンが採用になりました。
スタンダード
八十岡「エスパーコントロール」7位
このとき使った《ボーラスの城塞/Bolas’s Citadel(WAR)》入りエスパーコンは自信作でした。TOP4賭けの試合でKai Buddeに負けてしまいましたが、「有利なところから、自分のミスとBuddeのトップデッキ連打でまくられた」のは、ここ最近のうちでも特に悔しかった試合だったそうです。
モダン/『モダンホライゾン』ドラフト
八十岡「イゼットフェニックス」2勝5敗(初日落ち)、371位
妥協で持って行ったところもあり、デッキ選択は失敗だったとの本人の弁です。
リミテッド
八十岡13勝1敗1分、5位
スタンダード/ドラフト
生放送の解説で参加。
スタンダード
八十岡「シミックフード」2勝4敗、50位
スタンダード
生放送の解説で参加。
スタンダード/ドラフト
八十岡「シミックフード」10勝6敗、70位
スタンダード
八十岡「5Cファイアーズ」4勝3敗(2日目のみ)、11位
■2020年
パイオニア/ドラフト
八十岡「ディミーアツイン」11勝3敗、5位
●現在について
4月から5月にかけては、プレイヤーズツアーファイナル・ヒューストン、アリーナのミシックインビテーショナル、プレイヤーズツアー・北九州と毎週の大会で大忙しの予定でしたが、一気に全部なくなりました。
期せずしてかつてないほどのオフシーズンとなり、「イコリア」が出てドラフトで遊ぶようになるまではすっかりマジックを離れ、コンシューマーゲームばかりやっていたそうです。
また、「マジックフェスト・オンライン」については「海外運営なので日本人的には少し取っつきにくいですが(時間も深夜スタートできつい)、とてもいいと思います。やはり目指す大会があってこそ練習にも身が入りますし。」という意見でした。
●Team Cygamesでの思い出
昔の八十岡さんは個人で直前にデッキを作るやり方でしたが、チームに入ってみんなと調整を行なうようになりました。これにより、自ら探しにいかなくても情報を手に入れられるようになった(誰かが調べてくれるので)のが一番大きいとのこと。また、大会のあとチームのメンバーでご飯を食べながら反省会や祝勝会をするのが楽しく、そういった「人とのつながり」も得られたものとしては大きかったようです。
大会を終えてみんなで乾杯。
また、チームに入って特によかったと思うことについて、以下のようにコメントしてくれました。
テキストカバレージが好きでよく昔のものを読み返したりもする八十岡さんの思い出のよすがに、今後も大会レポートをアップし続けたいと思います。