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八十岡翔太・Team Cygamesでのこれまで

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マジック・プロリーグ所属、今の日本マジック界で3指に入るトッププロである八十岡さん。
チーム所属歴は2年半と他のメンバーより短いですが、加入前からTeam Cygamesとは何かと縁がありましたので、そのあたりについてもお聞きしていこうと思います。

 

 

 

■2015年

 

★10月13日
Team Cygames発足
八十岡
マジック業界外のスポンサーという話を聞いて、業界的にはとてもいいことだと思いました。この流れでほかの企業からもこういう話が出たらいいなぁと思ってましたが、なにぶんプロの数も多いわけでもなく、結局出てきませんでしたね。

 

★10月2-4日
『戦乱のゼンディカー』ドラフト合宿

当時Hareruya Pros所属だった八十岡邸で晴れる屋主催のドラフト合宿が行なわれ、そこに山本さん、市川さん、覚前さんが参加しました。

八十岡
あまり覚えてないですが、市川さんはドラフトというゲームが上手くないって感じで、覚前君に関してはリミテッドのプレイが上手くなかったですね(ただし、多くの人は上手くないです)。

 

★10月23-25日
グランプリ・北京2015

チームリミテッド
このころから何度か、覚前さんと一緒のチームで国内外のグランプリに参加しています。それぞれがベストを尽くすスタイルで、「よくも悪くもあまり相談しないチーム」だったそうです。

 

 

■2016年

 

★11月22日
「Team Cygamesの9割勝てるマジック講座」第9回

覚前「マルドゥ機体」VS市川「白青フラッシュ」

 

★12月16日
「Team Cygamesの9割勝てるマジック講座」第10回

八十岡「グリクシスコントロール」VS渡辺「黒緑高揚」

上の2回はゲストとして呼ばれ、覚前さんの後ろについたり渡辺さんと対戦したりし、「普段は直感でなんとなくプレイしているから難しい」と言っていました。その後、MPLとして1年間定期配信を行なったりもしましたが、自分のプレイを簡潔に言語化するのは今でも得意ではないそうです。
八十岡02
収録中に市川さんとじゃれる様子。

 

 

■2017年

 

★1月
チーム〈MUSASHI〉発足
八十岡
結成時、海外がどんなふうになっているのかはよくわからない状態でしたが、国内では一番強いチームだと思ってました。

 

★6月18日
生放送「武蔵ダョ!全員集合」

放送内で、八十岡さんによるメンバーのグラフ化なども出てきました。

八十岡
話の内容はあんま覚えてないですが、いろいろなものが可視化されて見えるのは面白いなと思っていました。データ眺めるの好きなんで。

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放送内で紹介された獲得賞金のグラフ。

 

★9月8日
Team Cygames加入:所信表明《八十岡 翔太》


この動画内で、Team Cygames入りをサプライズ発表。

 

★9月9-10日
日本選手権(静岡)

スタンダード/ドラフト
八十岡「ティムールエネルギー」12勝2敗1分、準優勝

八十岡
このときのデッキはけっこう気に入っていました。決勝の原根(健太)君は上手だったと思いますが、とはいえこちらも何も引かなすぎましたね。(渡辺雄也さんにトスされて)準決勝やらなかった分、デッキが冷えてましたね。

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決勝戦が終わった後の、WMC日本代表3名。

 

★9月30日-10月1日
グランプリ・静岡2017秋

チームリミテッド
渡辺雄也・中村肇・八十岡翔太チーム 12勝1敗1分、3位

 

★10月6-8日
世界選手権(ボストン)

チーム戦の準備を含めて計4日間、個人戦とチームシリーズの決勝戦に参加。〈MUSASHI〉での優勝は、Team Cygames在籍期間を通じての特にいい思い出となっているそうです。
八十岡「グリクシス・コントロール」7勝7敗、10位

八十岡
世界選手権は当たる人みんな強く、いい勝負も多かったので楽しかったです。負けたのは悔しかったですが。
チームシリーズというシステム自体は楽しかったですね。仲間の勝ち負けに一喜一憂できましたし。ただちょっとチーム格差がありすぎて実質5チームぐらいしか決勝に出られる目がないなと思いましたね。

 

★10月14-15日
『イクサラン』ドラフト合宿

八十岡さんはここからドラフト合宿に参加。「プレイヤーの質が高いのがサイゲ合宿の長所」とのことです。

 

★11月3-5日
プロツアー『イクサラン』(アルバカーキ)

スタンダード/ドラフト
八十岡「ティムールタッチ黒エネルギー」10勝6敗、77位

 

★12月1-3日
ワールド・マジック・カップ(ニース)

チームシールド/チーム構築スタンダード
赤単を使いこなし、「コントロール使いの考えていることは手に取るようにわかる」というコメント通り、相手の手札を読み切って勝ち星を積み重ねました。
八十岡05
決勝でkanisterに勝利!

八十岡
出場チームの中で日本が一番強いチームではあると思っていましたし、20%ぐらいは優勝できると思っていました。よほどコケなければトップ8には入れるなと。
きちんと3人での練習時間がとれたし、個々が上手いので下手な助言とかがいらないというのももちろんありますが、一番の勝因はデッキ選択や席配置などの戦略面ですね。基本的にチームのエースが真ん中に座ることが多いので、真ん中にほぼスタン最強デッキ+なべを置いてつぶしに行き、3rdデッキの原根君は3rdデッキには強い青白王神で、僕は適当に勝つポジションです。これにより1stどうしの対決と3rdどうしの対決が、高確率でデッキ相性時点で有利な状態から始まることになります。
このときは前週からフランス入りして3人同じ部屋に泊まってたんですが、それぞれ個別でMOやってて、やっぱりこういう生活はいいなと思いましたね。
あとこの滞在中、原根君が『肉が食べたい』と言ってメニューに唯一あった肉っぽいものを頼んだらタルタルステーキ(生肉)で、『これ何?』みたいな顔をしていたのが一番印象に残っています。しかも、次の日もよくわからずまた頼もうとしていたので、黙って見ていたら優しい店員さんが『これ生だけど大丈夫?』と確認してくれて、残念でしたね。

 

 

■2018年

八十岡06
合宿時の書き初め。2018年の抱負は「臨機応変」

 

★2月2-4日
プロツアー『イクサランの相克』(ビルバオ)

モダン/ドラフト
八十岡翔太「ホロウワン」11勝5敗、46位
このとき選んだホロウワンデッキは、プロツアー『アモンケット』での「ティムール霊気池」と並んでチーム調整が成功したと言えるデッキとのこと。

虚ろな者 霊気池の驚異

 

★3月24-25日
グランプリ・京都2018

3人チーム構築戦(スタンダード・モダン・レガシー)
Musashi A 4勝3敗(初日落ち)
スタンダード:渡辺「青白王神」
モダン:覚前「ホロウワン」
レガシー:八十岡「レオヴォルド」

 

★4月6-8日
グランプリ・シアトル2018

レガシーとスタンダードのダブルグランプリ。

レガシー
八十岡「レオヴォルド」5勝、373位

スタンダード
八十岡「青白王神」11勝4敗、38位

 

★4月27日
「ヤソの新カードレビュー」スタート

新セットが発売するたびに注目カードを紹介する記事が『ドミナリア』から始まりました。選定基準は「単純に好きなカードや興味を引いたカード」とザックリしています。

 

★6月1-3日
プロツアー『ドミナリア』(リッチモンド)

スタンダード/ドラフト
八十岡「エスパーコントロール」1勝5敗(初日落ち)

 

★6月23-24日
グランプリ・シンガポール2018

スタンダード
八十岡10勝5敗、59位

 

★7月21-22日
グランプリ・千葉2018

リミテッド
八十岡12勝3敗、15位

 

★7月28-29日
グランプリ・ミネアポリス2018

リミテッド
八十岡10勝5敗、103位
現地で合宿しプロツアーに備えました。

 

★8月3-5日
25周年記念プロツアー(ミネアポリス)

チーム構築戦
チームA 6勝8敗、101位
スタンダード:渡辺「緑単タッチ黒」
モダン:覚前「ナカティルバーン」
レガシー:八十岡「オムニテル」
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★9月8-9日
日本選手権(静岡)

スタンダード/ドラフト
八十岡「青単ビート」6勝3敗、272位

 

★9月27日
MTGアリーナのオープンベータがスタート

八十岡さんは初期からかなりアリーナやりこみ勢でした。MOに比べて1ゲームが軽くて操作も楽なのと、ログインが早いのがメリットだそうです。

 

★10月13-14日
グランプリ・名古屋2018

チームリミテッド
渡辺雄也・八十岡翔太・中村肇チーム 1勝3敗ドロップ、565位

 

★11月9-11日
プロツアー『ラヴニカのギルド』(アトランタ)

スタンダード/ドラフト
八十岡「グリクシス・コントロール」11勝5敗、26位
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★11月30日-12月2日
グランプリ・静岡2018

公式放送の解説として参加。

 

★12月
プロ制度の変更

MPLに選出されました。

 

 

■2019年

MPLとして送った盛りだくさんのこの1年については、「八十岡翔太の2019年」記事で詳しく取り上げています。

 

★2月22-24日
ミシックチャンピオンシップI(クリーブランド)

スタンダード/ドラフト
八十岡「赤単タッチ黒」10勝6敗、62位

 

★3月24-25日
グランプリ・京都2019

 

★3月28-31日
ミシックインビテーショナル(ボストン)

デュオスタンダード
八十岡「ライラエスパー」/「ネザールエスパー」1勝2敗、35位
ボストン美術館とハーバード大学へ観光に行きました。
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ボストン美術館前にて。

 

★4月19-21日
グランプリ・横浜2019

モダン
八十岡「イゼットフェニックス」11勝4敗、92位

 

★4月26-28日
ミシックチャンピオンシップII(ロンドン)

モダン/ドラフト
八十岡「親和」8勝8敗、210位
この大会から現在のロンドンマリガンが採用になりました。

八十岡
ロンドンマリガンは個人的に嫌いです。正直いろいろな弊害が出ていると思います。そもそも僕がマジックは事故があってこそだと思っているところもあるので、それを緩和させるということ自体にあまり肯定的じゃないですね。過去にもいろいろな大きいルール変更を経験してきましたが、『基本セット2010』でダメージスタックがなくなったとき以上の衝撃でしたね。

 

★5月
MPLスタート

 

★6月21-23日
ミシックチャンピオンシップIII(ラスベガス)

スタンダード
八十岡「エスパーコントロール」7位
このとき使った《ボーラスの城塞/Bolas’s Citadel(WAR)》入りエスパーコンは自信作でした。TOP4賭けの試合でKai Buddeに負けてしまいましたが、「有利なところから、自分のミスとBuddeのトップデッキ連打でまくられた」のは、ここ最近のうちでも特に悔しかった試合だったそうです。
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★7月26-28日
ミシックチャンピオンシップIV(バルセロナ)

モダン/『モダンホライゾン』ドラフト
八十岡「イゼットフェニックス」2勝5敗(初日落ち)、371位
妥協で持って行ったところもあり、デッキ選択は失敗だったとの本人の弁です。

 

★8月3-4日
グランプリ・千葉2019

リミテッド
八十岡13勝1敗1分、5位

 

★9月7-8日
日本選手権(立川)

スタンダード/ドラフト
生放送の解説で参加。

 

★10月18-20日
ミシックチャンピオンシップV(ロングビーチ)

スタンダード
八十岡「シミックフード」2勝4敗、50位

 

★11月2-3日
グランプリ・名古屋2019

スタンダード
生放送の解説で参加。

 

★11月8-10日
ミシックチャンピオンシップVI(リッチモンド)

スタンダード/ドラフト
八十岡「シミックフード」10勝6敗、70位
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★12月6-8日
ミシックチャンピオンシップVII(ロングビーチ)

スタンダード
八十岡「5Cファイアーズ」4勝3敗(2日目のみ)、11位

 

 

■2020年

 

★2月1-2日
プレイヤーズツアー・名古屋2020

パイオニア/ドラフト
八十岡「ディミーアツイン」11勝3敗、5位

 

 

 

●現在について

4月から5月にかけては、プレイヤーズツアーファイナル・ヒューストン、アリーナのミシックインビテーショナル、プレイヤーズツアー・北九州と毎週の大会で大忙しの予定でしたが、一気に全部なくなりました。
期せずしてかつてないほどのオフシーズンとなり、「イコリア」が出てドラフトで遊ぶようになるまではすっかりマジックを離れ、コンシューマーゲームばかりやっていたそうです。
また、「マジックフェスト・オンライン」については「海外運営なので日本人的には少し取っつきにくいですが(時間も深夜スタートできつい)、とてもいいと思います。やはり目指す大会があってこそ練習にも身が入りますし。」という意見でした。

 

 

●Team Cygamesでの思い出

昔の八十岡さんは個人で直前にデッキを作るやり方でしたが、チームに入ってみんなと調整を行なうようになりました。これにより、自ら探しにいかなくても情報を手に入れられるようになった(誰かが調べてくれるので)のが一番大きいとのこと。また、大会のあとチームのメンバーでご飯を食べながら反省会や祝勝会をするのが楽しく、そういった「人とのつながり」も得られたものとしては大きかったようです。
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大会を終えてみんなで乾杯。

 

また、チームに入って特によかったと思うことについて、以下のようにコメントしてくれました。

八十岡
Cygames様にはたくさんサポートしてもらって感謝しています。参加したイベントのほとんどを記事として残してもらえてることが個人的には一番うれしいですね。

テキストカバレージが好きでよく昔のものを読み返したりもする八十岡さんの思い出のよすがに、今後も大会レポートをアップし続けたいと思います。

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